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書籍詳細

ここが知りたい!糖尿病診療ハンドブック

ここが知りたい!糖尿病診療ハンドブック

岩岡秀明 編著 / 栗林伸一 編著

A5判 278頁

定価3,740円(本体3,400円 + 税)

ISBN978-4-498-12348-9

2012年12月発行

在庫なし

毎日の診療にすぐに役立つ!

薬物療法の必須知識,合併症対策,他の疾患との関連,療養指導の在り方など,すぐに役立つスキルやノウハウを満載! 豊富な症例も交えてわかりやすく解説する.糖尿病診療の必携書.

はじめに

 2009年末のDPP-4阻害薬の登場以降,2型糖尿病の診療は大きな変換期を迎えています.
 その一方で,多数の経口血糖降下薬,各種インスリン製剤,GLP-1アナログ製剤などがあり,その適応や使い分けに困ってしまう,というお声も耳にいたします.
 そこで,「毎日の診療ですぐに役立つ実践的なハンドブック」として本書を企画いたしました.

 本書の主な特徴は,以下のとおりです.
1)総論や病態生理はできるだけ省略し,各論,特に「薬物療法の実際」と「合併症の治療と管理」を中心に,最新の内容を具体的に記載しました.
2)基本となる「生活療法(食事療法,運動療法)」については,クリニックでも実践できる具体的な内容を記載しました.
3)全項目で,特に重要なポイントを「ここが重要!」として冒頭に箇条書きで簡潔に記載しました.
4)全項目で,特にしてはいけないこと・注意すべきことを「これはご法度!」として簡潔に記載しました.
5)各項目で,典型例や教訓的な事例を「症例呈示」としてあげ,わかりやすく記載しています.
6)執筆者は,全員臨床経験の豊富な第一線の臨床医たちです.
7)いつも持ち運べるハンディなサイズで,見やすい2色刷りとして図表も多くしました.

 本書は,主な読者対象として糖尿病をご専門とされないかかりつけ医の先生を想定しておりますが,最新かつ具体的な内容ですので,勤務医,初期および後期研修医,CDE(糖尿病療養指導士)をはじめとしたメディカル・スタッフの方々にも,十分お役に立つ内容だと自負しております.
 本書を明日からの日常診療でご活用していただき,患者さんの糖尿病コントロールを良好に保つ一助となれば,編著者として望外の喜びです.
 最後に,ご多忙な中,迅速にご執筆していただいた分担執筆の先生方,企画の段階から刊行までずっとお世話になりました中外医学社企画部の宮崎雅弘さんに深く感謝いたします.

  2012年11月
           編著者を代表して
           船橋市立医療センター代謝内科 岩岡秀明 

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目次

第1章 初診時とフォローアップのためのアプローチ
■1.糖尿病を診療するにあたって〈岩岡秀明〉
■2.外来フォローに必須な検査と説明〈栗林伸一〉
  1.血糖管理のための検査
  2.糖尿病の管理上重要な検査
  3.糖尿病合併症把握のための検査

第2章 治療の実際
■1.初診時の病態に応じた治療方針の立て方〈岩岡秀明〉
  1.糖尿病専門医との連携が必要な場合
  2.初診治療時の注意点と手順
  3.血糖コントロールの評価が「不可」である患者の診療
  4.血糖コントロールが「不可」でない患者の診療
■2.非薬物療法(生活療法の実際)〈栗林伸一〉 
 A.誰でもできる実践的食事指導
  1.食事療法の目的と意義
  2.摂取エネルギー量の決め方と栄養配分
  3.どんなツールを使って栄養指導するか
  4.注意事項
  5.栄養士以外でできるワンポイントアドバイス
 B.誰でもできる運動療法のポイント
  1.運動への思いと変化ステージ
  2.運動の目的を明確化する
  3.メディカルチェックとフィジカルチェック
  4.運動処方
  5.運動時の注意事項
 C.その他の生活上のワンポイントアドバイス
  1.睡眠・休養
  2.生活リズム
  3.生活習慣と口腔ケア習慣の関係
  4.喫煙習慣
  5.生活療法と生活処方
■3.薬物療法の実際
 A.経口血糖降下薬
  1.経口血糖降下薬選択のアプローチ〈岩岡秀明〉
   1.基本事項と注意点
  2.ビグアナイド薬〈橋本尚武〉
   1.作用機序
   2.使用上の注意
  3.DPP-4阻害薬〈栗林伸一〉
   1.DPP-4の作用機序
   2.DPP-4阻害薬の種類
   3.薬剤の特徴
   4.使用上の注意
  4-1.SU薬〈松尾 哲〉
   1.SU薬の作用機序
   2.SU薬の種類
   3.SU薬の特徴(使用のポイントと問題点)
  4-2.グリニド薬〈松尾 哲〉
   1.グリニド薬の作用機序
   2.グリニド薬の種類
   3.グリニド薬の特徴(使用のポイントと問題点)
  5.ピオグリタゾン(チアゾリジン誘導体)〈山本恭平〉
   1.作用機序
   2.薬剤
   3.効果およびエビデンス
   4.血糖低下作用以外の作用
   5.副作用
  6.αグルコシダーゼ阻害薬(αGI)〈山本恭平〉
   1.食後高血糖と心血管イベント
   2.血糖低下作用以外の作用
   3.処方対象
   4.薬剤の種類
   5.副作用
 B.インスリン療法〈鈴木義史〉
  1.インスリン療法の適応
  2.インスリン療法の外来導入と管理
  3.BOT(Basal supported Oral Therapy)
  4.混合型インスリン2回注射法
  5.強化インスリン療法
  6.血糖自己測定
 C.インクレチン関連注射薬・GLP-1受容体作動薬〈鈴木義史〉
  1.インクレチン関連薬
  2.GLP-1受容体作動薬とは
  3.GLP-1受容体作動薬の臨床効果
  4.実地診療におけるGLP-1受容体作動薬の使い方
  5.外来での導入法と注意
  6.副作用
 D.薬物療法の注意点〈三村正裕〉
  1.低血糖
  2.体重増加
  3.腎障害・肝障害・心不全を有する患者
■4.糖尿病に合併した高血圧の治療〈山本恭平〉
  1.糖尿病合併高血圧の治療
  2.降圧薬の選択
  3.各種降圧薬の特徴と副作用
■5.糖尿病に合併した脂質異常症の治療〈山本恭平〉
  1.治療
  2.治療戦略

第3章 合併症の治療と管理のポイント
■1.急性合併症
  1.高血糖クライシス〈岩岡秀明〉
   1.糖尿病ケトアシドーシス
   2.高浸透圧高血糖症候群
  2.低血糖(昏睡)〈岩岡秀明〉
   1.頭部CTの前に血糖測定を
   2.多剤処方でも,SU薬は「別包」にする
  3.糖尿病と感染症〈岩岡秀明〉
   1.糖尿病患者が感染症にかかりやすく,かつ重症化しやすい理由
   2.糖尿病と関連の深い感染症
■2.慢性合併症
  1.網膜症〈松尾 哲〉
   1.特徴
   2.診断
   3.治療
   4.網膜症と急激な血糖コントロール
  2.腎症〈西村元伸〉
   1.特徴
   2.病期,診断,検査
   3.治療
  3.神経障害〈西村元伸〉
   1.特徴
   2.分類
   3.診断
   4.管理と治療
  4.大血管障害〈三村正裕〉
   1.糖尿病と冠動脈疾患
   2.閉塞性動脈硬化症
   3.脳梗塞
   4.糖尿病とコレステロール
   5.高血圧の予防
  5.足病変〈三村正裕〉
   1.足病変の定義と成因
   2.足病変の予防
   3.足病変の治療
  6.骨病変〈細井孝之〉
   1.はじめに:骨粗鬆症と生活習慣病との関連
   2.糖尿病による骨折リスクの上昇
   3.患者への説明:糖尿病でなぜ骨が弱くなる?
   4.糖尿病における骨折リスク管理と薬物療法
  7.糖尿病とがん〈橋本尚武〉
   1.疫学からみた糖尿病患者とがんの発症
   2.がんを発症した糖尿病患者の予後
   3.糖尿病患者のがんの発症,がん患者の高血糖
   4.がんの早期発見とかかりつけ医の役割
  8.睡眠障害とうつ〈塚原美穂子〉
   1.糖尿病患者の抱えるストレス
   2.糖尿病患者の睡眠障害
   3.糖尿病とうつ病の関係
   4.糖尿病患者のうつ病治療
  9.認知症〈柳沢葉子,徳山芳治,柏戸孝一〉
   1.認知症と糖尿病
   2.認知症の発症機序と糖尿病
   3.糖尿病治療薬と認知症
   4.認知症のある糖尿病患者の治療
   5.運動療法の効果
   6.環境の整備
  10.歯周病治療と管理のポイント〈三辺正人〉
   1.歯周病および歯周治療の特色
   2.糖尿病およびその全身合併症のリスク因子としての歯周病の理解
   3.内科での歯周病スクリーニングの奨め
  11.勃起障害(糖尿病ED)〈松尾 哲〉
   1.特徴
   2.診断
   3.治療(内科医でできること)

第4章 他の薬剤との相互作用〈松尾 哲〉
  1.OHA(あるいはインスリン)に対する薬物相互作用
  2.OHA以外の薬剤の糖代謝への影響(血糖値に影響を与える薬剤)

第5章 かかりつけ医と専門医との連携およびチーム医療
■1.かかりつけ医と専門医の役割:地域医療連携〈栗林伸一〉
  1.糖尿病という病気の特異性
  2.日本糖尿病対策推進会議
  3.地域医療連携と連携パス:その目的と課題
  4.連携するための条件
  5.地域医療連携への病院側の実情と考え方
  6.糖尿病における地域医療連携の新たな考え方
  7.糖尿病専門医に依頼する場合
  8.他科に依頼する場合
■2.チーム医療と糖尿病療養指導士制度〈栗林伸一〉
  1.糖尿病管理の難しさ
  2.チーム医療の必要性
  3.日本糖尿病療養指導士とその役割
  4.地域密着型の療養指導士

より理解を深めるためのワンポイント
●外来での糖尿病管理で最低限必要なこと〈栗林伸一〉
●食事と食事療法〈栗林伸一〉
●運動理論と運動効果を理解しよう!〈栗林伸一〉
●ストレスと健康障害〈栗林伸一〉
●薬剤の特徴〈橋本尚武〉
●現代の生活習慣・肥満・2型糖尿病とDPP-4との関係〈栗林伸一〉
●糖尿病病態とがんの発症の誘因〈橋本尚武〉

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執筆者一覧

岩岡秀明 船橋市立医療センター代謝内科部長 編著
栗林伸一 三咲内科クリニック院長 編著
橋本尚武 東京女子医科大学八千代医療センター副院長,糖尿病・内分泌代謝内科教授 
松尾 哲 成田赤十字病院糖尿病代謝内科部長 
山本恭平 千葉市立青葉病院内科統括部長 
鈴木義史 国保旭中央病院糖尿病代謝内科部長,健診センター長 
三村正裕 千葉労災病院糖尿病・内分泌内科部長 
西村元伸 国立病院機構千葉東病院内科統括診療部長 
細井孝之 国立長寿医療研究センター臨床研究推進部長 
塚原美穂子 精神保健指定医・精神科専門医,ほりクリニック 
柳沢葉子 柏戸病院内科部長 
徳山芳治 柏戸病院内科 
柏戸孝一 柏戸病院副院長,神経内科 
三辺正人 文教通り歯科クリニック 

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