目 次
第1章 アブレーション治療に必要な解剖学 〈井川 修 足立正光 久留一郎〉
1.心臓の概観
2.上・下大静脈と右房
3.房室接合部
4.右 室
5.左 房
6.左 室
第2章 心臓電気生理の基礎知識 〈奥山裕司〉
1.イオンチャネル・イオンポンプ・イオン交換系の概要
a.イオンチャネル
b.Na-K ポンプ
c.Na-Ca 交換系
2.心筋イオンチャネルの種類と機能
a.Na チャネル
b.Ca チャネル
c.K チャネル
d.自動能に関係するチャネル
e.ギャップジャンクション
3.静止膜電位の形成
4.心筋活動電位の発生とイオン電流
5.心臓内各部位による活動電位波形の違い
6.心筋細胞間の興奮伝播過程
7.不応期
8.頻脈性不整脈の機序
a.リエントリー
b.自動能亢進
c.撃発活動
第3章 臨床心臓電気生理の基礎 〈奥山裕司〉
1.頻拍発作時の標準12 誘導心電図から
a.狭いQRS の頻拍の鑑別
b.広いQRS の頻拍の鑑別
2.電気生理検査の適応・禁忌
3.基本的な電極カテーテル配置と洞調律時の心内心電図の解釈
4.プログラム電気刺激
5.エントレインメント現象
第4章 焼灼エネルギーについて 〈渡部徹也〉
1.高周波通電の原理
a.歴 史
b.高周波通電法
2.高周波通電の実際と注意点
a.高周波通電装置
b.アブレーションカテーテル
c.高周波通電における注意点
3.irrigation tip の原理と利点・欠点
4.その他の焼灼エネルギー
a.クライオアブレーション
b.超音波エネルギー
c.バルーンカテーテル
第5章 臨床電気生理・アブレーションに必要な機器と全体の流れ〈平田明生〉
1.検査室と人員配置
2.カテーテルの操作および配置方法
a.穿刺部位とアプローチ方法
b.カテーテルの挿入と配置方法
3.記録装置・プログラム刺激装置
a.記録装置
b.プログラム刺激装置
4.アブレーション中の全身管理と鎮静・鎮痛
5.合併症とその対策
a.房室ブロック
b.心タンポナーデ
c.血栓塞栓症
d.心房細動に対するアブレーションにおける特有の合併症
6.成功率向上のための工夫
第6章 副伝導路症候群 〈高木雅彦〉
1.副伝導路の電気生理
2.カテーテルアブレーションの適応
3.WPW 症候群に対するカテーテルアブレーション
a.12 誘導心電図からの房室副伝導路(Kent束)の部位診断
b.左側副伝導路アブレーション
c.右側副伝導路アブレーション
4.Mahaim 線維束に対するカテーテルアブレーション
a.Mahaim 線維束の特徴
b.Mahaim 線維束に対するアブレーション
5.PJRT に対するカテーテルアブレーション
a.PJRT の特徴
b.PJRT に対するアブレーション
第7章 房室結節リエントリー性頻拍 〈吉田明弘〉
1.房室結節の解剖
2.電気生理学的検査
a. 前中隔に存在する潜在性WPW 症候群による房室リエントリー性頻拍(AVRT)との鑑別
b. 逆伝導は減衰特性を示すが最早期興奮部位が冠静脈洞入口部(CSos)周辺である場合
c.下位共通路の伝導障害を伴うAVNRT
3.カテーテルアブレーション
a.slow-fast AVNRT
b.fast-slow AVNRT
c.slow-slow AVNRT
d.I 度AV block を合併したslow-fast AVNRT
e.房室ブロック合併を防ぐ
f.アブレーションエンドポイント
第8章 心房粗動 〈水野裕八〉
1.心房粗動とは
2.心房粗動に対するカテーテルアブレーションの実際
a.通常型心房粗動のアブレーション
b.非通常型心房粗動とそのアブレーション
c.通常型心房粗動のアブレーションにおける三次元マッピングの有用性
第9章 心房頻拍 〈春名徹也〉
1.概 念
2.分 類
3.診 断
a.体表面心電図
b.心臓電気生理検査(EPS)およびマッピング手技
第10章 その他の上室性頻拍(洞結節リエントリー他) 〈峰 隆直〉
1.洞結節リエントリー性頻拍
a.概念,病態
b.心電図,電気生理検査
c.カテーテルアブレーションの方法
d.治療選択の考え方
2.inappropriate sinus tachycardia(IST)
a.概念,病態
b.心電図,電気生理検査
c.カテーテルアブレーションの方法
d.治療選択の考え方
3.房室接合部頻拍
4.心臓術後瘢痕に関連する心房頻拍
a.概念,病態
b.心電図,電気生理検査
c.カテーテルアブレーションの方法
d.治療選択の考え方
第11章 房室ブロック作成術 〈古川善郎〉
1.上室性不整脈に対する房室ブロック作成術の適応
2.房室ブロック作成術の手技
a.術 前
b.the standard approach(右心アプローチ)
c.alternative approach(左心アプローチ)
3.difficult cases
4.ペースメーカの植え込み
5.抗不整脈薬の役割
6.房室ブロック作成術がもたらすもの
a.症状とQOL
b.合併症
7.心房細動と心臓再同期療法
8.房室ブロック作成術にかわる治療
第12章 心房細動 〈山田 功〉
1.病 態
a.発生機序
b.リモデリング
c.病 型
d.局所起源AF
e.症状その他
2.カテーテルアブレーションの適応
3.カテーテルアブレーションに必要な検査
a.画像診断
b.体表面心電図
c.心臓電気生理学的検査(EPS)
4.AF に対するカテーテルアブレーションの変遷
a.カテーテルメイズ法
b.局所焼灼法
c.電気的肺静脈隔離術
d.その他のカテーテルアブレーション法
e.AF に対するカテーテルアブレーションの現状
5.カテーテルアブレーションの方法
a.Brockenbrough 法と経心房中隔カテーテル手技
b.肺静脈造影
c.肺静脈マッピングカテーテルの留置法
d.電気的肺静脈隔離術の実際
e.非肺静脈AF 起源に対するカテーテルアブレーション
f.心房内線状焼灼法
g.AF の維持に関与する不整脈基質を標的とするアブレーション法
6.術後AF 再発の診断
7.合併症とその対策
a.血栓塞栓症
b.空気塞栓症
c.出 血
d.心臓タンポナーデ
e.血管穿刺に関連した合併症
f.経中隔穿刺に関連した合併症
g.カテーテルやシース操作に関連した合併症
h.高周波通電中に起きる近傍組織への傷害
i.肺水腫
j.医原性心房頻拍
k.被曝に伴う合併症
第13章 器質的心疾患を伴う心室頻拍 〈宮内靖史〉
1.病 態
2.電気生理検査で知りたいこと
3.基本的カテーテルの配置
4.カテーテルアブレーションの方法
a.単形性心室頻拍
b.多形性心室頻拍
5.各疾患ごとの心室頻拍の特徴とカテーテルアブレーション
a.心筋梗塞に伴う心室頻拍
b.拡張型心筋症に伴う心室頻拍
c.先天性心疾患に対する手術後の心室頻拍
d.不整脈源性右室心筋症に伴う心室頻拍
e.肥大型心筋症に伴う心室頻拍
第14章 特発性心室頻拍 〈元木康一郎 栗田隆志〉
1.病 態
2.流出路起源心室頻拍
a.臨床所見と機序
b.心電図所見
c.電気生理学的検査とカテーテルアブレーション
3.特発性左室起源リエントリー性心室頻拍
a.臨床所見と心電図所見
b.カテーテル留置とVT の誘発
c.発生機序からみた至適アブレーション部位決定
d.カテーテルアブレーション
e.誘発困難例に対するアブレーション
4.脚枝間リエントリー性心室頻拍
a.臨床所見と機序
b.心電図波形と電気生理検査
c.カテーテルアブレーション
索 引