はじめに
1997年の秋に「イラスト解剖学」が松村先生の著書として世に出版されました.今回はその書の姉妹編として特に頭頸部を取り扱う歯系学生及びそれに関連する学生達が限られた時間の中で要領よく頭頸部の解剖学を学ぶために,既存の「イラスト解剖学」の編集方針である「1頁読み切り雑誌形式」「図譜でも教科書でも実習書でもない」等の特徴を温存し頭頸部に関する部位を中心として,イラストを通して容易に理解できる書といたしました.その中でも特に歯科臨床への解剖学的知識に関して重視した記載にしましたことはこの書の大きな特徴であるといえます.局所解剖学の知識を歯科臨床全体での一部ととらえ,しかも全身的な系統解剖学との関連性を常に念頭に置いて記載しました.したがってこの書は,臨床科目を学ぶ段階の歯科学生に対しても利用価値が高く,さらに,国試を間近に控えた学生の復習の書としても良き勉学の伴侶となり得るものと考えております.
本書にはまだまだ記載内容に不満も数多く残されており,機会があればさらに良い書籍に直していきたいと考えております.そのためにも読者のご批判やアドバイスも不可欠であり,今後とも切にご協力をお願い申し上げる次第であります.
最後になりますが本書の執筆に関しては,的確な助言を頂いた中外医学社企画部の小川孝志氏,編集部の沖田英治氏にご協力頂いたことにつきまして,深く感謝申し上げたいと思います.
2012 年 9 月
島田和幸 編集代表
松村譲兒