ログアウト中です。

書籍詳細

CCUマニュアル

CCUマニュアル

国立循環器病センターレジデント 編著

B6判 203頁

定価4,180円(本体3,800円 + 税)

ISBN978-4-498-03692-5

2000年04月発行

在庫なし

国立循環器病センターのレジデントがCCUに携わるスタッフに必須の知識を厳選し,日常の診療のなかでまとめあげたマニュアルの決定版.センターで毎日のカンファレンスにより積み上げられた最善の治療指針をコンパクトに記載.CCUでの基本手技と各疾患に対する診断,治療,管理のポイントが明快に解説されている.巻末にはCCU繁用薬剤などのデータも付し,実践的にまとめた.

 国立循環器病センターが設立されたのは,1977年であり20年余りが過ぎた.奇しくもGruntzigがZurichでPTCAを始めた年と同じである.この20年間の虚血性心疾患の進歩には目を見張るものがあり,薬物治療やcoronaryinterventionの進歩はCCUにおける治療体系を大きく変えたと言って良い.しかしながら,循環器救急診療における基本的な考え方や診療は,この20年間の積み重ねにより成り立っているものと考えられ,これまでに蓄積された診療のノウハウはいまだに役立っている.
 当センターは設立時からレジデント制度を導入し,すでに19期生が3年間の研修を終え,全国へ巣立っていった.レジデントは循環器内科医として心臓血管内科のみならず動脈硬化リスクコントロールあるいは脳血管障害も含めた専門的なトレーニングを受け,3年間を終了すると循環器の全ての領域に精通した医師として,更に専門領域を活かすべく各医療機関で研鑽を積んでいる.
 CCUにおける1単位3ヶ月間のローテーションはレジデント研修に必須であり,3年間で合計2-3単位のローテーションを受ける.その間に後輩レジデントは,先輩レジデントやスタッフとともに24時間昼夜を問わず急性心筋梗塞症をはじめとする循環器救急患者の診療にあけくれるわけである.その短期間に数多くの貴重な経験を学ぶわけである.このような経験から学んだ事柄は,その後の診療に大きく役立つことは言うまでもない.
 この3年間で学んだ事柄を後輩に伝えるため,設立20周年をセンターで過ごした17期生レジデントを中心に本書が作られた.
 当CCUが目指すのは,ある一定の技量の医師が同じ治療指針で診療に望み,治療戦略を考える際に同じレベルの判断を下せることである.その目的のため毎朝症例カンファレンスを行い最善と考えられる治療指針を全体で共有し得ることを目指してきた.これらの経験で得られたノウハウがレジデントにより著述されたことは,我々指導医として大きな喜びであり,また後に続く後輩レジデントに診療の道標として常に参照されるであろう.
 本書がCCUにおける日常の診療に有用となり,多くの重症患者にとってより有益な診療の手助けとなれば,執筆者一同の望外な喜びである.
 最後に,CCUのチーム医療をレジデントとともに支えてくれている看護婦や他のコメディカルの方々に深謝致します.
 また,本書の出版に尽力された中外医学社小川孝志氏,秀島悟氏に深謝致します.

平成12年2月
国立循環器病センター緊急部長
野々木 宏

すべて見る

目 次

1章 CCU総論
 1.CCUの概念  <立脇禎二>
 2.CCU看護婦  <福島聖二>
 3.CCUレジデント  <福島聖二>
 4.CCUのメンバー,チームの条件  <中川 毅>
 5.チームとしてのトレーニング  <永谷憲歳>
 6.診療と研究  <永谷憲歳>
 7.地域協力  <久保隆史>
 8.CCUへの入院数と予後  <柳谷良裕>
 9.ケースカンファレンス  <柳谷良裕>
 10.カルテ記載  <内田一生>
2章 CCUの基本手技
 1.ライン確保(末梢,中心)  <立脇禎二>
   1.末梢静脈確保
   2.中心静脈カテーテル挿入
   3.経路選択の原則
 2.ショック時の動静脈確保  <内田一生>
   1.実際の挿入法
   2.合併症
 3.心肺蘇生術(CPR)  <中川 毅>
   1.一次救命処置
   2.二次救命処置
   3.CPRの実際
   4.人工呼吸
   5.心マッサージ
   6.気管内挿管
   7.静脈路確保
   8.救急薬物
 4.電気的除細動(直流除細動 DC shock)  <馬場 健>
   1.基本手技(心室細動,心室頻拍の場合)
 5.一時的ぺーシング  <永谷憲歳>
   1.目的
   2.適応
   3.ペーシングの種類
   4.主な作動方式
   5.経静脈的ペーシングカテーテル挿入方法
   6.挿入後の管理
   7.合併症
 6.スワン-ガンツカテーテル(S-Gカテーテル)  <柳谷良裕>
   1.目的
   2.構造
   3.S-Gカテーテルからわかること
   4.CCUにおいての実際
   5.準備
   6.挿入方法
   7.管理
   8.合併症
   9.合併症予防
   10.各挿入部位による利点,欠点
 7.観血動脈圧モニタ  <伊藤達郎>
   1.適応
   2.穿刺の前に
   3.穿刺部位
   4.穿刺手技(橈骨動脈時)
   5.圧波型がおかしい場合
 8.血液ガス検査  <野口輝夫>
   1.動脈血液ガス分析の意義
   2.肺胞換気不均衡の指標
 9.人工呼吸器  <久保隆史>
   1.適応
   2.気管内挿管
   3.維持
   4.人工呼吸器管理中の麻酔
   5.人工呼吸器管理中の合併症とその予防
   6.離脱
   7.抜管
   8.長期人工呼吸器管理
   9.サーボ・ベンチレーター
 10.大動脈内バルーンパンピング(IABP)  <福島聖二>
   1.CCUにおけるIABPの適応
   2.IABPの禁忌
   3.IABカテーテルの種類
   4.IABカテーテル挿入法
   5.IABP駆動装置の設定
   6.IABPの稼動
   7.IABP稼動中の管理,注意点,合併症
   8.IABPのweaning
   9.IABP抜去の手順
 11.経皮的人工心肺補助装置(PCPS)  <伊藤智範>
   1.PCPSの適応
   2.PCPSの禁忌
   3.当センターで用いているPCPSシステムの概略
   4.PCPS駆動までの手技の実際
   5.PCPS駆動後のチェックポイント
   6.PCPSに伴う合併症
   7.PCPSからの離脱の指標
 12.補助人工心臓(VAS)  <野口輝夫>
   1.VASの概要
   2.VASの適用
   3.VASの管理
   4.補助循環の離脱の指標
3章 CCUの診療
 1.AMIの診断  <野口輝夫>
   1.AMIの診断
   2.入院時チェック項目
   3.身体所見
   4.心電図
   5.断層心エコー図
   6.CPK
   7.CK-MB
   8.AMIに伴う心雑音
   9.一般検査にてAMIと診断困難な例に対して
   10.AMIの重症度
 2.AMIの治療  <馬場 健>
   1.来院時処置
   2.ショック
   3.急性期治療
   4.準急性期の治療
   5.合併症に対する治療
   6.慢性期治療
   7.退院時指導
 3.AMIに対する緊急心臓カテーテル検査  <伊藤達郎>
   1.目的
   2.適応
   3.家族および患者本人への説明と同意の実際
   4.術者のカテーテル前の診察
   5.術前検査
   6.心臓カテーテル検査の手技
    a)穿刺部位
    b)使用器材の決定
    c)診断造影
    d)再灌流療法の実際
    e)カテーテル治療終了後の管理
    f)冠動脈造影報告書の作成
 4.経皮的冠動脈形成術(PTCA)  <野口輝夫>
   1.PTCAに必要な器具
   2.手技手順
   3.急性期合併症
   4.術後管理
   5.バルーンPTCAの問題点
 5.梗塞後狭心症,無症候性心筋虚血への対策,食事,リハビリテーション  <内田一生>
  A.梗塞後狭心症(PIA)
   1.定義
   2.原因
   3.診断
   4.治療
  B.無症候性心筋虚血(SMI)
   1.定義
   2.分類
   3.注意点
   4.予後
   5.治療
  C.食事
  D.心臓リハビリテーション
   1.目的
   2.急性期のリハビリテーション
   3.回復期のリハビリテーション
 6.不安定狭心症  <伊藤智範>
   1.発症機序と定義
   2.CCUへ入室してからの流れ
   3.院内予後と重症度
   4.心電図モニタの意義
   5.治療指針
 7.不安定狭心症の治療  <伊藤智範 福島聖二>
   1.安静
   2.酸素投与
   3.抗狭心症薬の投与
   4.薬物投与の終点
   5.安静度の拡大の手順
   6.二次性不安定狭心症の治療
   7.不安定狭心症における冠動脈内血栓溶解療法の位置づけ
   8.PTCAの適応
   9.CABGの適応
   10.治療成績,予後
 8.心不全  <中川 毅>
   1.AMIにおける重症度分類
   2.虚血性心疾患による心不全
   3.薬物治療
 9.不整脈  <中川 毅>
   1.頻脈性不整脈
    a)心室性不整脈
    b)心室性頻脈
   2.徐脈性不整脈
 10.肺動脈塞栓症  <永谷憲歳>
   1.分類
   2.確定診断までの過程
   3.鑑別診断
   4.各種検査所見
   5.診断のまとめ
   6.治療
 11.呼吸不全  <永谷憲歳>
   1.呼吸不全の分類
   2.呼吸管理法
   3.各酸素投与法の特徴
   4.合併症
 12.急性大動脈解離  <立脇禎二>
   1.臨床症状
   2.検査
   3.治療
   4.薬物療法
   5.意識状態,vital signに異常
 13.急性心筋炎(Acute Myocarditis)  <久保隆史>
   1.診断
   2.治療
 14.拡張型心筋症(DCM)  <立脇禎二>
   1.診断
   2.治療
 15.CCU患者の一般的マネージメント  <立脇禎二>
   1.感染症対策
   2.輸血
   3.高齢者マネージメント
   4.インフォームド コンセント
   5.CCU症候群

付録
 1.データベース  <伊藤達郎>
 2.CCUで繁用される薬物マニュアル  <伊藤達郎>

 経皮的冠動脈形成術について
 冠動脈造影検査について

すべて見る

執筆者一覧

国立循環器病センターレジデント  編著

すべて見る
  • テキスト・教科書
  • 考え方・使い方
  • J-IDEO
  • J-IDEO定期購読
  • ClinicalNeuroscience
  • 広告掲載をお考えの方へ
  • 企画応募フォーム
  • 動画閲覧・ファイルダウンロード
  • 採用情報
  • X
  • note小
  • Facebook
  • JIDEOバックナンバー
  • テキスト・教科書
  • グリーンノート
  • 考え方使い方

株式会社中外医学社 〒162-0805 東京都新宿区矢来町62 TEL 03-3268-2701/FAX 03-3268-2722