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書籍詳細

救急診療メモ

救急診療メモ

自治医科大学救急部 編

B6判 384頁

定価7,150円(本体6,500円 + 税)

ISBN978-4-498-06652-6

2000年10月発行

在庫なし

救急の現場で本当に必要とされる実践的知識を精選してまとめたマニュアル.救急患者への対応から各種検査のポイント,知っておくべきデータ,処置の手順と実際,処方などを具体的にまとめた.救急外来のみならず,当直の場でも役立つ充実したポケットブックである.


 自治医科大学に救急医学教室ができて8年,この間,救急救命士制度の確立,災害医療の充実,ヘリコプター搬送の推進など,救急医療をめぐる状況も大きく変化しました.
 われわれは,地方にある大学の救急医学教室として,地域住民のための救急医療を行う努力を重ねてきました.院内独立型でもなく,ふりわけ外来でもなく,各専門科を尊重しつつ,教室の独立性も失わないという,一見不可能な命題に挑戦しつつ進んできた8年間でした.
 現在は,急患数も当初の数倍に増えましたが,教室のスタッフを中核として,専門科の協力も得て,病院全体で一次から三次までの救急患者に適切な医療を提供する体制を作りました.
 異なった地域で育ち,異なった経験をもつ病院全体の医師と意思疎通をはかり,トリアージをしながら救急医療を行うには,基礎となる幅広い知識と救急医療の専門性とが必要ですが,医療の進歩は激しく,教室のスタッフにとって追いついていくのは大変です.
 このために,救急患者の初療の知識や技能の勉強会,毎日のカンファランスを通しての勉強を行ってきましたが,教室の皆が作ったその時の資料がスタッフやレジデントにとって共通事項のメモとしてとても役に立ちました.本書はこれをまとめて加筆したものですが,メモですので,言葉たらずの所や,不統一の表現が残っているかもしれません.また技術的な部分は省きました.
 大都市の救命センターではなく,地方でわれわれ同様,一次から三次までの急患を受け入れて苦労している施設はたくさんあるのではないかと思います.このような所で働く方々に本書が役に立てば幸いです.

2000年8月
救急医学教室教授
    鈴川正之

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目 次

A.心肺脳蘇生
 1.救急当直医の心得,救急患者への対応の仕方
 2.救急車搬送時の事情聴取のポイント
 3.CPA患者の搬送依頼があったとき
 4.CPA患者の診断書の書き方と注意点
 5.CPAOA患者に対する救命処置
 6.気管内チューブのサイズの選択
 7.CVPルートの選択
 8.救命処置の際によく用いられる薬剤

B.ショック
 1.ショック(1)--診断基準
 2.ショック(2)--種類と鑑別
 3.ショック(3)--初期治療と診断の進め方
 4.アナフィラキシーショックとその治療
 5.ショックパンツ

C.外 傷
 1.多発外傷
 2.頭部外傷患者の診断の進め方と必要な検査
 3.髄液漏を疑ったときの診断の進め方と治療方針
 4.意識障害の表し方(1)
 5.意識障害の表し方(2)
 6.頭部外傷患者の予後
 7.外傷後に生ずる意識障害
 8.顔面骨折(1)--画像診断
 9.顔面骨折(2)--分類と画像診断のポイント
 10.胸部外傷の画像診断
 11.肝損傷の分類と治療方針
 12.脾損傷の分類と治療方針
 13.管腔臓器損傷の診断と治療方針
 14.シートベルト損傷の部位と注意点
 15.膵損傷の分類と治療方針
 16.腎外傷の診断と治療方針
 17.膀胱・尿道損傷の診断と治療方針
 18.性器外傷
 19.骨折部位と出血量
 20.脂肪塞栓症候群
 21.骨盤骨折の分類と治療方針
 22.応急処置としての骨折の固定法
 23.肘内障
 24.捻挫の診断・重症度判定と治療法
 25.切断指に対する処置
 26.頚髄損傷を疑ったときの処置と診断の進め方
 27.頚髄損傷の治療方針
 28.脊髄分節
 29.動脈結紮による四肢壊死の確率

D.中毒,咬刺傷
 1.中毒疾患(1)--診断の進め方
 2.中毒疾患(2)--一般的処置法
 3.エタノール中毒
 4.麻薬・覚醒剤中毒
 5.一酸化炭素中毒
 6.パラコート中毒
 7.有機リン・カーバメート中毒
 8.ジギタリス中毒
 9.タバコの誤食に対する処置
 10.中毒の拮抗薬(特異的に投与される薬剤)
 11.蛇咬傷
 12.蜂刺傷
 13.虫刺症,マラリア

E.中枢神経系
 1.意識障害の鑑別診断と診断の進め方
 2.髄膜刺激症状を伴う意識障害
 3.意識障害と脳波
 4.頭痛患者の診断の進め方
 5.めまい患者の鑑別と処置
 6.痙攣の治療
 7.痙攣重積発作の治療
 8.くも膜下出血(1)--重症度と治療方針
 9.くも膜下出血(2)--急性期の管理
 10.脳梗塞
 11.脳内出血
 12.CT読影のポイント
 13.脳 死
 14.ABR
 15.頭蓋内圧降下法
 16.ラボナール療法
 17.低体温療法

F.循環器系
 1.カテコラミンの種類と使用法
 2.循環補助の方法と適応
 3.Forresterの分類と治療方針
 4.体表面積の計算方法
 5.血液浄化法の分類と適応
 6.胸痛の鑑別診断
 7.動悸の鑑別診断
 8.呼吸困難の鑑別診断
 9.心不全の原因疾患
 10.急性心不全の治療
 11.Killipの分類
 12.心嚢液貯留の診断--心タンポナーデ
 13.危険な不整脈
 14.頻拍発作の種類と治療法
 15.徐脈発作
 16.高血圧緊急症(1)--鑑別診断
 17.高血圧緊急症(2)--治療
 18.急性心筋梗塞(1)--診断方法
 19.急性心筋梗塞(2)--発症部位別の診断と注意点
 20.急性心筋梗塞(3)--再潅流療法
 21.心筋梗塞の合併症
 22.心筋梗塞のリハビリテーション
 23.狭心症(1)--分類と診断
 24.狭心症(2)--治療
 25.大動脈解離(1)--分類
 26.大動脈解離(2)--治療方針
 27.大動脈瘤破裂の診断と初期治療
 28.急性動脈閉塞(1)--診断の進め方と治療方針
 29.急性動脈閉塞(2)--MNMSの診断と治療
 30.心電図の波形計測部位
 31.心エコーの読み方
 32.CAGのAHA分類
 33.冠拡張薬の種類と使用法
 34.抗不整脈薬の種類と使用法
 35.血栓溶解薬の種類と使用法
 36.利尿薬の種類と使用法

G.呼吸器系
 1.酸素投与の方法とFIO2
 2.人工呼吸器の一般的な設定
 3.呼吸モードの意味
 4.酸素化能を表す指標と計算式
 5.呼吸メカニクスの計算方法と意味
 6.酸塩基平衡の異常と原因の鑑別
 7.気管内挿管の適応基準と人工呼吸の適応基準
 8.動脈血酸素飽和度と酸素分圧
 9.呼吸管理で用いる略語
 10.喀血・吐血の鑑別
 11.咳の原因と鑑別疾患
 12.異常な呼吸
 13.呼吸不全
 14.慢性呼吸不全の急性増悪
 15.気管支喘息重症度判定
 16.喘息発作の鑑別疾患
 17.肺血栓塞栓症(1)--診断
 18.肺血栓塞栓症(2)--治療
 19.市中肺炎
 20.誤嚥性肺炎
 21.無気肺の診断と治療
 22.鼻出血の診断と治療
 23.気道異物
 24.胸部単純X線写真,シルエットサイン,無気肺のパターン
 25.背臥位胸部写真(前後像)読影の注意点
 26.気管支拡張薬の種類と使い方

H.消化器系
 1.腹痛の部位と原因疾患,診断
 2.吐血の原因疾患の鑑別
 3.嘔吐の原因疾患の鑑別
 4.下血の原因疾患の鑑別
 5.下痢を主訴とする患者の診断の進め方と鑑別診断
 6.便秘の原因疾患の鑑別
 7.救急処置を要する黄疸の原因疾患の鑑別
 8.腹膜炎(中垂炎を含む)の治療方針
 9.閉塞性黄疸の原因疾患の鑑別,治療方針
 10.胆管炎の診断と治療方針
 11.胆嚢炎の診断と治療方針,PTGBD
 12.急性膵炎(1)--診断基準と重症度判定基準
 13.急性膵炎(2)--治療
 14.イレウスの鑑別と治療法
 15.食道静脈瘤の診断と治療方針
 16.消化性潰瘍の診断と治療方針,内視鏡分類
 17.劇症肝炎と肝性昏睡
 18.肝不全の治療方針
 19.腹部救急疾患の超音波診断--まずチェックすべき事項
 20.救急疾患の腹部単純写真読影の注意点
 21.腹部外傷のCT診断
 22.腹腔内遊離ガスの画像診断
 23.消化管異物
 24.消化性潰瘍治療薬
 25.健胃消化薬
 26.止痢薬
 27.下 剤

I.代謝系
 1.糖尿病性昏睡の鑑別と治療法
 2.低血糖発作の診断と治療
 3.血糖値とスライディングスケール
 4.脱水症
 5.低カリウム血症
 6.高カリウム血症の心電図と治療
 7.アニオンギャップの計算式・意味・異常の原因
 8.その他の代謝系救急疾患

J.腎,泌尿器系
 1.血尿の診断の進め方と鑑別診断
 2.尿 閉
 3.尿路性器の痛みの鑑別診断
 4.急性腎不全(1)--診断
 5.急性腎不全(2)--治療方針
 6.腎機能の指標,その意味と基準値
 7.尿路結石
 8.急性陰嚢症
 9.急性腎盂腎炎の治療法
 10.尿所見(色,性状,沈渣,比重)と考えられる疾患

K.熱 傷
 1.熱傷面積の計算法
 2.熱傷患者の輸液療法
 3.減張切開
 4.気道熱傷の診断と治療方針
 5.熱傷患者のカロリー投与量の目安
 6.熱傷患者の入院,集中治療の適応(アメリカ熱傷学会の重症度分類)

L.環境障害
 1.熱中症
 2.電撃傷
 3.溺 水

M.薬剤一般
 1.薬物血中濃度一覧
 2.消毒剤の使い方

N.血 液
 1.輸血の種類と適応
 2.GVHD
 3.DIC
 4.好中球減少症

O.感染症
 1.感染症患者への対応
 2.感染症患者検体による汚染事故
 3.重要語句
 4.注意すべき皮膚・軟部組織感染症
 5.ヘルペスの診断と治療法
 6.破傷風の診断と治療・予防

P.重症度分類
 1.APACHE IIスコア
 2.MOF(多臓器不全)
 3.外傷の重症度分類

Q.患者への対応
 1.緊張病性興奮・昏迷の診断と対処
 2.譫 妄
 3.不眠の対応

索 引

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