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書籍詳細

難しい骨折

治療のこつ

難しい骨折

立石昭夫 他編

B5判 158頁

定価(本体7,500円 + 税)

ISBN978-4-498-05444-8

1995年06月発行

在庫なし


 整形外科医にとって骨折はもっとも扱う頻度の高い疾患である.大多数の症例は順調に骨癒合がおこるが,一部の骨折は極めて難治性であり,すべての専門医が治療に難渋した骨折症例を一度や二度は経験していると言っても過言ではないだろう.それは骨折そのものが一例ごとに部位や骨折形態が同じではなく種々な病態があること,骨を取り囲み骨癒合に大きな影響を持つ軟部組織の状態も様々であることに関係している.さらにまた骨折をおこした骨の性状そのものにも特殊なものがあったり,骨折患者さん自身の心身の状態も様々であることとも無関係ではない.
 今春開催された第68回日本整形外科学会学術集会においても“難問題への挑戦”シリーズとして「感染性偽関節」,「巨大骨欠損」,「重度軟部組織損傷」が取り上げられている.これらは,いずれも骨折と関連することが多く,その場合の骨折の治療は極めて難しくなる.
 しかしながら,難しいといって治療を放棄することは許されない.我々の苦労と同様に,あるいはそれ以上に苦しんでいる患者さん自身のことを考えると一日でも早く治癒するような方法を研究しなければならないし,また個々の患者さんに対しては最も確立の高いよい方法を試みなければならない.

 幸いにしてこのような難治性の症例はそれほど多いものではない.ただそれだけに一人の医師が経験するチャンスは少い.したがって,いったんこのような難しい骨折症例に遭遇すると,どのような治療を行うのがよいかの判断に迷うことになる.
 ここで取り扱っている骨折は,いずれも一筋縄ではいかない骨折である.その部位や病態,そしてまた難しさの理由は様々であるが,通常の骨接合術の概念では対処することが難しく,しばしば癒合不全をおこしたり,癒合が遷延したり,または重大な合併症を併発したりしがちなものである.
 本書はそのような場合にヒントを提供することを目的として企画された.絶対数としては少ないこれらの骨折を比較的数多く扱ってこられた先生方に,これら難しい骨折治療のこつについて述べてもらった.
 編者としては,このような骨折に遭遇した先生方の治療方針決定の一助になれば幸いと思っている.そしてまた,このような難しい骨折の患者さんが一日も早く治癒され,社会復帰されることを願っている.
 多忙な著者達からの原稿集めに苦労された中外医学社編集部の皆様に感謝致します.

1995年4月
編者

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目 次

1.GUSTILO Type III開放骨折 〈竹田秀明〉
 I.治療
  1.すべての開放骨折は緊急として取り扱う
  2.生命に危機のある重度臓器損傷の評価を的確に行う
  3.適切な抗生剤の投与
  4.洗浄とdebridement
  5.骨折部の安定化
  6.開放創の処置
  7.骨移植
  8.患肢温存か一時的切断か
  9.二次的切断
 II.症例
  症例132歳男性
  症例222歳男性
 III.開放骨折治療のこつと今後の問題点
  今後の解決したい問題点

2.精神障害者の骨折 〈沼尾 夫・八田耕太郎・三浦幸雄〉
 I.当院における骨折患者の現状
 II.骨折と治療法
  A.大腿骨頸部骨折
   1.骨接合術
   2.人工骨頭置換術
  B.大腿骨骨幹部骨折
  C.閉鎖性骨折の皮膚穿孔
   1.鎖骨外側端骨折
   2.上腕骨・大腿骨・脛骨
 III.精神障害者の骨折治療上の留意点
  A.精神障害者への一般的対応
  B.精神障害者の整形外科的対応
   1.牽引療法
   2.手術の承諾
   3.装具療法
  C.術前術後の向精神薬投与
   1.術前術後の一般的向精神薬投与
   2.精神疾患別の向精神薬投与
   3.一般病院における精神障害者治療の限界
 IV.術前術後の看護上の問題点
  1.自殺企図
  2.病識欠如
  3.便秘
  4.意欲の低下
  5.術後合併症

3.腫瘍による病的骨折 〈檜垣昇三〉
 I.病的骨折の治療はなぜ難しいか
 II.原疾患の診断の確定
 III.病的骨折を起こした良性骨病変の診断と治療
  A.孤立性骨嚢腫
  B.内軟骨腫
  C.線維性骨異形成
  D.ヒスチオサイトーシス-X
  E.非骨化性線維腫
 IV.癌骨転移の病的骨折の治療
 V.原発性骨悪性腫瘍による病的骨折の治療
 VI.再発を来しやすい原発性骨瘍による病的骨折の治療ならびに予防
 VII.治療のこつ

4.高齢者の骨折 〈井上茂・岡崎久恒〉
 I.治療上の注意点
  A.できるだけ緊急手術は避ける
  B.中途半端な保存療法は行わない
  C.高齢者は松葉杖は使えない
  D.痛みに対する対応を充分に
  E.手術は解剖学的整復より機能的整復と強固な固定を
 II.特殊な骨折への対処
  A.高度の骨粗鬆症患者の大腿骨骨折に対するチューブタイの使用
   症例1 84歳女性
   その他のチューブタイの使用
  B.胸腰椎圧迫骨折後の不安定脊椎に対し水野式プレートを使用した脊椎棘突起後方固定術
   症例2 73歳女性
 III.手術時の患者管理
  A.術前合併症とその対策
   1.循環器疾患
   2.呼吸器疾患
   3.痴呆
   4.糖尿病
  B.前投薬
  C.麻酔法
  D.術中管理
  E.術後管理

5.感染性偽関節 〈原田繁〉
 I.治療法
  A.閉鎖式持続洗浄法
  B.血管柄付き骨移植法
  C.PAPINEAU法
  D.Decortication法
  E.脚延長術を応用した方法
 II.症例
  症例1 38歳男性 右下腿骨感染性偽関節
  症例2 21歳男性 右下腿骨感染性偽関節
  症例3 37歳女性 右大腿骨感染性偽関節
  症例4 23歳男性 右大腿骨偽関節
  症例5 17歳男性 左下腿骨偽関節
 III.考察

6.組織欠損性骨折に対する四肢短縮延長術 〈松下隆〉
 I.従来の治療法
 II.われわれの方法
 III.手術適応
 IV.方法とこつ
  A.骨折部のdebridement
  B.ピンの刺入
  C.骨切りの方法
  D.創外固定器の装着
  E.延長の方法
  F.dynamizationと創外固定器の抜去
  G.ピンの刺入部の管理 6
 V.症例
  症例 58歳男性
 VI.本法の今後の課題
  1.治療に長時間を要する
  2.pin site careが必要である

7.不安定型骨盤骨折 〈小黒賢二〉
 I.分類
  A.anteroposterior compression type(APC)
  B.lateral compression type(LC)
  C.vertical shear type
 II.診断
  A.問診・視診・徴候・触診など
  B.単純X線検査
   1.inlet view
   2.outlet view
  C.CT scan
 III.治療
  A.後腹膜腔への大量出血が疑われる場合,または重度合併臓器損傷があり血液循環動態が不安定な場合
  B.後腹膜出血が少く,血液循環動態が安定している場合
   1.APC-S
   2.LC(A,B,C)-S
   3.LC(D)-S
   4.APC-U・LC-U・VS
 IV.合併症
  A.尿路系損傷
  B.神経損傷

8.臼蓋骨折 〈中村利孝〉
 I.外科的解剖
  A.骨の形態
  B.X線像
   1.正面
   2.斜位
  C.CT像
 II.臼蓋骨折の分類
 III.治療方針の立て方
  A.保存的治療
  B.手術療法
 IV.治療方法
  A.保存的治療
  B.手術療法
   1.トレース
   2.アプローチ
   3.整復・固定
   4.後療法
 V.症例
  A.T-タイプ骨折
   症例1 38歳女性
  B.double column(floating acetabulum)fracture
   症例2 43歳女性

9.易骨折性骨系統疾患の骨折 〈中村耕三・池川志郎〉
 I.骨形成不全症
  A.症例
   症例1 男児 骨形成不全症
   症例2 女児 骨形成不全症
   症例3 男児 骨形成不全症
   症例4 女性 骨形成不全症
   症例5 男児 骨形成不全症
   症例6 女子 骨形成不全症
   症例7 女性 骨形成不全症
  B.考察
 II.大理石骨病
  A.症例
   症例8 54歳女性 大理石骨病 中間型
   症例9 7歳男児 大理石骨病 軽症型
  B.考察
 III.骨PAGET病
  A.症例
   症例10 68歳男性
  B.考察
 IV.OLLIER病
  A.症例
   症例11 9歳女児
  B.考察

10.PARKINSON病患者の骨折 〈織田博美〉
 I.PARKINSON病,PARKINSON症候群患者の問題点
 II.一般的に行われている治療法
  A.大腿骨頸部内側骨折
  B.大腿骨頸部外側骨折
 III.症例 治療に難渋したPARKINSON症候群の一例
   症例 70歳女性
 IV.PARKINSON病,PARKINSON症候群に伴う骨折治療のこつ
 V.将来の問題点

11.脳性麻痺患者の骨折 〈池川志郎・柳迫康夫〉
 I.治療法
 II.治療成績・予後
 III.合併症
 IV.問題点
 V.周術期の管理
 VI.治療のポイント
 VII.今後の課題
  1.骨脆弱性に対する薬物治療
  2.固定方法
 VIII.症例
   症例1 15歳女子 痙直型四肢麻痺
   症例2 11歳男児 痙直型四肢麻痺
   症例3 31歳男性 アテトーゼ型四肢麻痺

12.片麻痺患者の骨折 〈木村博光〉
 I.片麻痺患者の大腿骨頸部骨折にはどんな型の骨折が多いか
  A.大腿骨頸部骨折の分類
   1.内側骨折の分類
   2.外側骨折の分類
  B.内側骨折と外側骨折
 II.全身管理上の問題点
 III.治療上の問題点
  A.内側骨折の治療
   1.手術適応の問題点
   2.手術手技上の問題点
  B.外側骨折の治療
 IV.リハビリテーションについて
  A.手術療法の場合
  B.保存的療法の場合

13.血友病患者の骨折 〈菊池公男〉
 I.血友病の診断
 II.血友病の出血管理
  A.補充療法
  B.血液凝固因子製剤による副作用
 III.整形外科的問題
  A.血友病と骨折
  B.骨折の特徴
  C.骨折治療の実際
   1.保存的治療
   2.手術的治療
  D.症例
   症例1 24歳男性 中等症血友病A 体重50kg 多発外傷
   症例2 40歳男性 重症血友病A 体重60kg 右大腿骨骨幹部病的骨折
 IV.HIV抗体陽性者に対する対策
  A.血液および体液に対する注意点
  B.入院患者に対する注意点
  C.手術および手術室での注意点
  D.医療従事者の感染対策
  E.zidovudine(AZT)の予防投与とHIVワクチン
  F.告知の問題
 V.医療器具の滅菌法および消毒法

14.人工関節周囲の骨折,問題点 〈林泰史〉
 I.人工関節の脱臼・関節面の高度な弛緩
 II.人工関節の破損
 III.人工関節の高度な沈下
 IV.人工関節周辺の骨折

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