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書籍詳細

腎移植ハンドブック

腎移植ハンドブック

東間 紘 他編著

A5判 324頁

定価6,600円(本体6,000円 + 税)

ISBN978-4-498-12404-2

2000年06月発行

在庫なし

腎移植の臨床について,第一線で診療に取り組んでいるスタッフが教科書には書かれていないようなノウハウまで含め,実践的な知識をまとめたハンドブックである.腎不全の病態生理,外来,登録,検査,手術手技,合併症がある場合の管理,術前・術中・術後管理,免疫抑制法と拒絶反応,術後合併症の対策,移植後外来管理,各種症候のみかたなど腎移植のすべてが盛り込まれた,透析,移植スタッフ必携の書である.


 臓器移植法の制定後3年余,ようやくわが国でも脳死ドナーからの臓器提供による臓器移植がスタートした.
 さて,1953年クリスマス前夜に始まった腎移植は今日までに全世界で30万人を越す患者に行われ,移植医療の基礎を築くと同時にその発展・進歩に大きく貢献してきたことは今更いうまでもない.1960年代前半に故 Dr. Hume や Dr.Starzlら先人たちによってなされた1例1例の詳細な臨床報告に接するとき,未だに熱いものが胸をこみ上げてくるのを抑えることができない.「一人の経験をみんなのものに」を合い言葉に,30万人を越す患者から教えられ学びとった事柄を,1つ1つ積み上げ,蓄積してきた半世紀こそは,今日の移植免疫学や移植医療の発展を作り上げてきたものに他ならない.
 東京女子医大ならびに新潟大学における腎移植数は昨年(1999年)までに1500例を超えている.私たちはこれら1500人余の患者から学んだ多くの反省や教訓,そしていろいろな教科書には書いていないような臨床上のノウハウを,ぜひこれから腎移植を始めようとする若い医師や学生諸君に伝えたいと考えて本書を企画した.第一線で診療に取り組んでいるスタッフが現場で役立つ実践的な知識をまとめたハンドブックである.ベッドサイドや日常の臨床の友として活用していただければ編者としてこれにすぎる喜びはない.
 -わが国における年間腎移植数が1日も早く2000例を突破することを願って-

2000年5月
編 者

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目 次

§1.一般的事項
   A.慢性腎不全  〈佐中 孜〉
   B.透析療法  〈佐中 孜〉
   C.腎移植と透析療法の比較  〈東間 絋〉
   D.腎移植の現況と成績  〈東間 絋〉

§2.外来,登録,検査
   A.生体腎登録  〈徳本直彦〉
   B.死体腎登録(献腎登録)  〈徳本直彦〉
   C.日本臓器移植ネットワーク  〈徳本直彦〉
   D.移植コーディネーターの役割  〈徳本直彦〉
   E.ソーシャルワーカーの役割  〈徳本直彦〉
   F.移植腎ドナーの適応と検査  〈中川由紀,齋藤和英,高橋公太〉
   G.腎移植レシピエントの適応と検査  〈中川由紀,齋藤和英,高橋公太〉
   H.登録から移植まで  〈安尾美年子〉
   I.組織適合性とは  〈安尾美年子〉
   J.HLAとクロスマッチテスト  〈安尾美年子〉
   K.インフォームド・コンセント  〈東間 絋〉
   L.死体腎の第一報から移植まで  〈齋藤和英,高橋公太〉
   M.適応決定における精神科医の役割  〈春木繁一〉

§3.移植手術
   A.生体腎摘出術  〈田邉一成〉
   B.死体腎摘出術  〈齋藤和英,高橋公太〉
   C.腎保存  〈八木澤隆〉
   D.腎移植手術  〈東間 絋〉
   E.小児腎移植術  〈高橋公太〉
   F.血行再建を必要とする症例の場合  〈高橋公太〉
   G.尿管損傷による処置  〈高橋公太〉
   H.バックテーブルでの処置  〈高橋公太〉

§4.合併症を有する患者の腎移植
   A.HBVキャリアーの腎移植
       a.泌尿器科の立場から  〈徳本直彦〉
       b.内科の立場から  〈和栗暢生,市田隆文,高橋公太〉
   B.HCVキャリアーの腎移植
       a.泌尿器科の立場から  〈徳本直彦〉
       b.内科の立場から  〈和栗暢生,市田隆文,高橋公太〉
   C.嚢胞腎  〈東間 絋〉
   D.尿路に問題を有する症例の腎移植
     1.上部尿路  〈山崎雄一郎〉
     2.下部尿路  〈山崎雄一郎〉
   E.心臓に問題をもつ症例(虚血性心疾患,心機能低下例)〈大倉裕二〉
   F.糖尿病患者の腎移植  〈朝長 修〉
   G.長期透析患者の場合  〈齋藤和英,高橋公太〉

§5.手術合併症
   A.血管系合併症に対する処置  〈徳本直彦〉
   B.泌尿器科合併症に対する処置  〈徳本直彦〉
   C.外科合併症に対する処置  〈古賀祥嗣〉
   D.リンパ漏  〈古賀祥嗣〉

§6.特殊な腎移植
   A.ABO血液型不適合腎移植  〈高橋公太〉
   B.ABO血液型不一致腎移植  〈高橋公太〉
   C.抗ドナー抗体を有する場合  〈徳本直彦,田邉一成〉
   D.夫婦間生体腎移植  〈田邉一成〉

§7.術前の管理  〈西 愼一〉
   A.術前の透析
   B.抗体除去法

§8.術中の管理(ドナー)  〈石川暢夫〉
   A.麻酔法
   B.モニタリング
   C.輸液管理

§9.術中の管理(レシピエント)  〈石川暢夫〉
   A.麻酔法
   B.モニタリング
   C.輸液管理

§10.術直後の一般的管理  〈斎藤俊弘〉
   A.ドナー
   B.レシピエント
     1.生体腎
     2.死体腎
   C.看 護

§11.腎移植後の抗凝固療法  〈齋藤和英,高橋公太〉

§12.免疫抑制法
   A.拒絶反応の機序と免疫抑制法(総論)  〈田邉一成〉
   B.ステロイド  〈徳本直彦,田邉一成〉
   C.アザチオプリン(AZ)  〈徳本直彦,田邉一成〉
   D.ミゾリビン(MZ)  〈徳本直彦,田邉一成〉
   E.シクロスポリン(CyA)  〈徳本直彦,田邉一成〉
   F.タクロリムス  〈高橋公太〉
   G.デオキシスパーガリン  〈石川暢夫〉
   H.抗リンパ球グロブリン(ALG)  〈古賀祥嗣,田邉一成〉
   I.OKT3  〈齋藤和英,高橋公太〉
   J.ミコフェノール酸モフェチル  〈田邉一成〉
   K.導入期免疫抑制法(ABO血液型一致・不一致・不適合)  〈高橋公太〉
   L.維持免疫抑制法  〈田邉一成〉
   M.薬物血中濃度モニタリング  〈増田寛樹〉
   N.薬物相互作用  〈増田寛樹〉

§13.拒絶反応
   A.臨床分類  〈高橋公太〉
   B.病理分類  〈鬼塚史朗,山口 裕〉
   C.臨床診断(超音波診断など)  〈徳本直彦,田邉一成〉
   D.治療(臨床分類別に)  〈高橋公太〉

§14.合併症と免疫抑制剤の副作用
   A.感染症予防(診断と治療)
     1.細 菌  〈八木澤隆〉
     2.CMV感染症  〈田邉一成〉
     3.Epstein-Barrウイルス(EBV)  〈田邉一成〉
     4.アデノウイルス  〈八木澤隆〉
     5.その他のウイルス  〈八木澤隆〉
     6.真 菌  〈成田一衛〉
     7.原 虫  〈成田一衛〉
     8.結 核  〈成田一衛〉
     9.ドナー由来の感染症の予防  〈高橋公太〉
   B.移植後肝障害
     1.ウイルス性  〈和栗暢生,市田隆文,高橋公太〉
     2.薬剤性  〈和栗暢生,市田隆文,高橋公太〉
   C.高血圧  〈曽根正好〉
   D.貧 血  〈曽根正好〉
   E.高尿酸血症  〈永井雅昭〉
   F.高脂血症  〈永井雅昭〉
   G.アミロイド骨合併症  〈丸山弘樹,大林弘明,大森さおり,永井雅昭〉
   H.移植後糖尿病  〈古賀祥嗣,田邉一成〉
   I.腎移植患者の眼合併症  〈田邉一成〉
   J.腎移植患者の神経学的合併症  〈田邉一成〉
   K.皮膚合併症  〈古賀祥嗣,田邉一成〉

§15.移植腎病理
   A.移植腎生検の方法,合併症,治療  〈上野光博〉
   B.移植腎標本の取り扱い方  〈上野光博〉
   C.病理診断基準  〈上野光博〉
   D.移植腎腎症  〈鬼塚史朗,山口 裕〉

§16.外来管理
   A.外来通院の頻度と検査について
     1.定期的チェック事項  〈高橋公太〉
     2.移植腎機能モニタリング  〈田邉一成〉
   B.日常生活上の注意点
     1.食事療法  〈田邉一成〉
     2.日常生活と運動  〈田邉一成〉
   C.社会復帰  〈徳本直彦〉
   D.小児の成長の問題  〈伊藤克己,秋岡祐子〉
   E.妊娠と分娩の適応と管理  〈中林正雄,塩之入亜矢〉
   F.移植後の悪性腫瘍に対する管理  〈冨田善彦〉
   G.移植腎機能低下時の治療・生活指導
       〈大森さおり,永井雅昭,大林弘明,丸山弘樹,荒川正昭〉
   H.移植腎の長期予後を左右する要因  〈東間 紘〉

§17.再透析  〈八木澤隆〉
   A.再透析導入時の問題点
   B.移植腎の扱い

§18.再移植  〈石川暢夫〉
   A.再移植時に注意すべき点

§19.主な症候とその鑑別診断
   A.血清クレアチニン値の上昇をみた場合
       a.泌尿器科の立場から  〈石川暢夫〉
       b.内科の立場から  〈成田一衛〉
   B.血尿,蛋白尿
       a.泌尿器科の立場から  〈石川暢夫〉
       b.内科の立場から  〈成田一衛〉
   C.血圧異常
       a.泌尿器科の立場から  〈石川暢夫〉
       b.内科の立場から  〈成田一衛〉
   D.尿量の異常
       a.泌尿器科の立場から  〈石川暢夫〉
       b.内科の立場から  〈成田一衛〉
   E.排尿異常  〈筒井寿基〉
   F.腎移植後の発熱
       a.泌尿器科の立場から  〈中沢速和〉
       b.内科の立場から  〈近藤大介〉
   G.移植腎部の腫瘤と疼痛
       a.泌尿器科の立場から  〈中沢速和〉
       b.内科の立場から  〈近藤大介〉
   H.腎移植後の腹痛
       a.泌尿器科の立場から  〈中沢速和〉
       b.内科の立場から  〈近藤大介〉
   I.胸 痛
       a.泌尿器科の立場から  〈中沢速和〉
       b.内科の立場から  〈近藤大介〉
   J.下 痢
       a.泌尿器科の立場から  〈中沢速和〉
       b.内科の立場から  〈近藤大介〉
   K.呼吸困難
       a.泌尿器科の立場から  〈中沢速和〉
       b.内科の立場から  〈近藤大介〉
   L.吐血,下血
       a.泌尿器科の立場から  〈中沢速和〉
       b.内科の立場から  〈近藤大介〉
   M.関節痛(股関節痛)  〈中沢速和〉
   N.視力障害  〈中沢速和〉
   O.神経障害  〈中沢速和〉

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