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書籍詳細

早期胃癌内視鏡ハンドブック

早期胃癌内視鏡ハンドブック

藤野雅之 他編著

B5判 206頁

定価17,600円(本体16,000円 + 税)

ISBN978-4-498-04148-6

1995年11月発行

在庫なし


 消化器疾患の診断と治療の原点は胃にある,といっても過言ではない。わが国では最初に早期胃癌の肉眼分類が確立され,次いで大腸や食道の早期癌の形態分類へと拡がっていった。内視鏡治療にしても同様の経緯があった。その意味でも,消化器病医にとって,胃癌なかでも早期胃癌の診断と治療手技に習熟しておくことは,ごく基本的な研修課程である。大腸に興味を抱くにせよ,食道,膵臓,胆道,肝臓,いずれの臓器を専門領域とするにせよ,早期胃癌の診断,治療は消化器病医の必須の研修テーマであることには変りない。
 早期胃癌の内視鏡診断と治療に関する業績として,過去に数多の報告がされてきたし,成書として立派な刊行物が存在する。またHelicobacter pyloriと胃癌や悪性リンパ腫との因果関係,診断と治療手技に関する最近のトピックスに触れた書籍も散見されている。その中にあって,臨床医がup to dateな内視鏡診断学,内視鏡治療を勉強できるhandyな書籍の刊行が待望されてきたことも事実である。本書はこのような要望に答えるべく,早期胃癌の内視鏡診断,治療,病理など,臨床医にとって知っておくべき基本的項目を,一冊にまとめたものである。
 本書の名前を決定するにあたって,“早期胃癌”はともかく,あとに続く名称をどのようにすべきか悩んだのが事実である。最終的には“早期胃癌内視鏡ハンドブック”と,いとも平凡な名称に落着いた。そこには奇をてらうことなく,この分野の現在におけるgolden standardを示したい意味を込めている。
 本書の執筆者達はいずれもこの分野の新進気鋭の先達者であり,この分野の最新の知見が余す所なく詳述されている。執筆者らの熱いメッセージを汲み取っていただき,そして本書が早期胃癌診療の発展のmilestoneとなることができれば,まさに編集者冥利に尽きる。
 最後になったが,中外医学社の荻野邦義,上村裕也両氏に深く感謝申し上げる。

1995年10月
藤野雅之 多田正大

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目 次

§1.胃内視鏡検査の基本手技
 A.内視鏡検査に必要な胃の解剖 〈高山一郎・藤野雅之〉
  1.内視鏡検査に必要な胃の肉眼解剖
  2.内視鏡検査に必要な胃の組織解剖
 B.胃内視鏡器種および関連器材の種類と取り扱い方 〈池田昌弘〉
  1.胃内視鏡器種
  2.スコープの取り扱い
  3.関連器材とその取り扱い
   1.光源
   2.吸引装置
   3.記録のための器材
   4.検査,処置のための器材
 C.前,後処置と前投薬 〈池田昌弘〉
  1.上部消化管内視鏡の前処置
  2.前投薬の作用と注意点
  3.後処置
 D.アフターケアと内視鏡器材の消毒 〈池田昌弘〉
  1.スコープの洗浄,消毒
  2.関連器材の消毒
  3.保管・保守
   1.スコープ
   2.関連器材
 E.直視型スコープによる見つけ出し検査 〈西俣寛人・寺田芳一〉
  1.胃内をもれなくスクリーニングするための観察手順
  2.早期胃癌を診断するための諸注意事項
  3.胃各部位の観察,診断のポイント
   1.食道-胃接合部近傍
   2.噴門部近傍
   3.胃体部
   4.胃角
   5.前庭部
 F.側視型スコープによる見つけ出し検査 〈大井田正人・西元寺克禮〉
  1.側視型と直視型の対比
   1.側視型を用いた検査の現況
   2.側視型のメリットとデメリット
   3.側視型の観察能
   4.生検能
  2.側視型の観察方法
   1.挿入
   2.胃内の観察
   3.側視型による見つけ出し
 G.色素内視鏡検査 〈奥田順一〉
  1.色素内視鏡検査の分類
  2.コントラスト法の目的
  3.コントラスト法の手技
   1.前処置法(胃粘液除去法)
   2.色素剤の投与方法
  4.得られる情報と利点
  5.早期胃癌診断におけるコントラスト像
   1.病変の拾い上げ方
   2.癌浸潤範囲の見方

§2.早期胃癌の精密内視鏡検査
 A.X線検査と内視鏡検査の比較 〈渕上忠彦〉
  1.病変部位,浸潤範囲の診断
   1.X線検査の長所と短所
   2.内視鏡検査の長所と短所
   3.生検の長所と短所
  2.深達度診断
 B.浸潤範囲と深達度診断 〈芳野純治・中澤三郎・若林貴夫〉
  1.隆起型早期胃癌
   1.浸潤範囲の診断
   2.深達度診断
  2.混合型早期胃癌
  3.IIb型早期胃癌
  4.陥凹型早期胃癌
   1.浸潤範囲の診断
   2.深達度診断
 C.超音波内視鏡による深達度診断 〈長南明道・藤田直孝・望月福治〉
  1.正常胃壁の基本層構造
  2.深達度診断のための基本的事項
   1.EUSによるsm浸潤癌診断の限界とその取り扱い
   2.胃潰瘍瘢痕のEUS診断
  3.早期胃癌のEUS深達度診断
   1.陥凹型早期胃癌の深達度診断
   2.隆起型早期胃癌の深達度診断
  4.細径超音波プローブによる深達度診断
 D.画像解析による早期胃癌診断の現況 〈宮原 透〉
  1.画像の処理の実際
   1.帯域強調処理
   2.色調強調処理
  2.画像解析の現況
   1.形態の抽出
   2.色調の定量化
   3.病変の計測
   4.非可視光の応用
 E.早期胃癌の鑑別診断 〈松井敏幸〉
  1.胃病変の鑑別診断の基本的手順
  2.良性陥凹(平坦)性疾患
   1.慢性胃炎
   2.慢性消化性潰瘍
   3.急性胃潰瘍・AGML
   4.びらん
   5.CROHN病と胃病変
   6.陥凹型腺腫
   7.梅毒
   8.異所性胃底腺粘膜
  3.悪性陥凹性疾患
   1.リンパ腫
   2.成人T細胞白血病
  4.良性隆起性病変
   1.腺腫
   2.ポリープ・ポリポーシス
   3.良性粘膜下腫瘍
   4.inflammatory fibroid polyp
  5.悪性隆起性疾患
   1.悪性リンパ腫
   2.カルチノイド
   3.悪性粘膜下腫瘍
   4.KAPOSI肉腫

§3.典型症例から学ぶ早期胃癌内視鏡診断学
 症例1 I型 M領域 高分化腺癌 深達度sm 〈山田至人〉
 症例2 I+IIa(+IIb)型 前庭部大彎 高分化腺癌 深達度sm 〈池田昌弘〉
 症例3 IIa型 胃角小彎後壁 高分化腺癌 深達度m 〈古川敬一・松井敏幸〉
 症例4 IIa型 (集簇)前庭部後壁 高分化管状腺癌 深達度m 〈芳野純治〉
 症例5 IIa+IIc型 前庭部大彎側 高分化腺癌 深達度sm 〈松井敏幸〉
 症例6 IIa+IIc型 近位前庭部大彎 低分化腺癌 深達度sm 〈池田昌弘〉
 症例7 IIb型 胃角部小彎 未分化腺癌 深達度m 〈田畑文平〉
 症例8 IIb+IIc型 胃体部後壁 印環細胞癌 深達度m 〈平尾雅紀〉
 症例9 IIc型 前庭部前壁 高分化腺癌 深達度m 〈奥田順一〉
 症例10 IIc型 前庭部前壁 高分化腺癌 深達度m 〈藤崎順子〉
 症例11 IIc型 A領域 未分化腺癌 深達度m 〈山田至人〉
 症例12 IIc型 前庭部大彎 低分化腺癌 深達度m 〈竹中国昭・松井敏幸〉
 症例13 IIc+III型 胃体中部後壁 未分化腺癌 深達度m 〈藤崎順子〉
 症例14 IIc(+III)型 胃体中部小彎 高分化腺癌 深達度sm 〈竹中国昭・松井敏幸〉
 症例15 IIc+III型 胃体上部小彎後壁 高分化腺癌 深達度sm 〈小嶋高根〉
 症例16 IIc(+III)型 胃角部 印環細胞癌 深達度m 〈池田昌弘〉
 症例17 IIc+III型 前庭部大彎 高分化管状腺癌 深達度sm 〈芳野純治〉
 症例18 III型 胃角部小彎 印環細胞癌 深達度m 〈芳野純治〉

§4.内視鏡治療の最前線
 A.早期胃癌の内視鏡治療の適応と限界 〈清水誠治・川井啓市〉
  1.胃癌に対する内視鏡治療の展開
  2.内視鏡治療の方法
   1.ポリペクトミー
   2.粘膜切除術
   3.組織破壊法
  3.内視鏡治療の適応と限界
   1.粘膜切除術の適応と限界
   2.組織破壊法の適応と限界
  4.将来への展望
 B.治療成績から見た内視鏡治療の効果 〈浅木 茂・関根 仁・大原秀一〉
  1.内視鏡治療の目的と意義
  2.自験例における内視鏡治療の変遷
  3.適応基準から見た内視鏡治療
   1.絶対的適応と相対的適応
   2.適応別に見た治療法の選択
  4.内視鏡治療の成績
   1.病変部位別の治療成績
   2.大きさ,深達度,分化度別の治療成績
   3.治療法別の成績
   4.粘膜切除後の外科手術例
   5.内視鏡治療例の長期予後
   6.症例
 C.粘膜切除術(strip biopsy)の基本手技 〈多田正弘〉
  1.内視鏡治療のめざすもの
  2.strip biopsyの実際
   1.基本的な器具,薬剤
   2.前準備
   3.手技の手順
   4.手技上の注意点
  3.切除困難部位へのアプローチ
   1.分割切除のコツ
   2.残存再発病巣に対する切除
  4.術後のアフターケア
  5.合併症の予防と対策
 D.HSEを用いた粘膜切除術(ERHSE) 〈平尾雅紀・坪内 友・佐々木豊〉
  1.原理と特徴
  2.適応
  3.ERHSEの実際
   1.基本的な器具,薬剤
   2.術前,術中処置
   3.ERHSEの手順
  4.術後管理
  5.合併症と対策
   1.出血
   2.穿孔
  6.効果判定のための病理組織学的検討
  7.治療成績
   1.治癒切除率
   2.合併症の発生頻度
 E.レーザー治療 〈藤崎順子・鈴木博昭〉
  1.内視鏡治療用レーザー機器
   1.光凝固治療
   2.光化学療法(PDT)
  2.適応
  3.光凝固治療の実際
   1.Nd-YAGレーザー
   2.アルゴンレーザー
   3.器具,照射機器
   4.照射方法
  4.照射後の経過観察
  5.治療成績
  6.症例
 F.マイクロ波治療 〈永井祐吾・谷村 弘・脇海道孝一〉
  1.マイクロ波治療用装置
  2.EMCTの手順
  3.治療成績
   1.積極的適応症例の治療成績
   2.適応外症例に対する治療成績
  4.早期胃癌治療におけるEMCTの位置付けと問題点
 G.ヒータープローブ治療 〈大塚弘友・多田正大〉
  1.ヒータープローブの原理と器械の構造
  2.適応
  3.ヒータープローブの手技
  4.治療成績
   1.治療効果の検討
   2.供給総熱量と治療回数の検討
   3.腫瘍径と供給総熱量の検討
   4.遠隔成績
   5.治療不成功例の検討
   6.粘膜切除術との組み合わせ
  5.早期胃癌の内視鏡的治療法としてのヒータープローブ法の位置付け
 H.腹腔鏡下手術 〈大上正裕・大谷吉秀・北島政樹〉
  1.腹腔鏡下手術の適応
  2.手術手技
   1.lesion lifting法による腹腔鏡下胃局所切除術
   2.腹腔鏡下胃内粘膜切除術
  3.治療成績
  4.早期胃癌に対する腹腔鏡下手術の意義

§5.早期胃癌の病理診断
 A.組織標本の取り扱い方 〈西上隆之〉
  1.生検組織標本の取り扱い方
   1.生検組織採取時の注意
   2.塗抹細胞診標本の作成
   3.組織の固定
   4.病理検査依頼書の記載
   5.検体の受付
   6.再固定
   7.脱水・包埋
  2.内視鏡的粘膜切除術後の標本の取り扱い方
   1.新鮮標本の取り扱い
   2.固定標本の取り扱い
   3.病理診断
  3.外科的切除標本の取り扱い方
   1.新鮮標本の取り扱い方
   2.固定標本の取り扱い方
  4.摘出標本の写真撮影の実際
   1.撮影機材の準備
   2.標本の照明
   3.フォーカス合わせ
   4.撮影倍率の求め方
   5.露出の決定
   6.シャッタースピードとレンズ絞りの選択
   7.標本撮影のバック
 B.早期胃癌の肉眼病理 〈坂根正芳・柏木亮一・藤盛孝博〉
  1.早期胃癌の肉眼分類の基本
  2.新鮮標本ならびに固定標本の観察
  3.早期胃癌の病理診断
   1.部位と組織型
   2.肉眼型と組織型
   3.深達度と組織型
  4.隆起型の早期胃癌(I・IIa・IIa+IIc)
   1.肉眼型と組織型
   2.深達度診断
  5.陥凹型早期胃癌(IIc・IIc+III・III)
   1.肉眼型と組織型
   2.深達度診断
  6.IIb型早期胃癌
   1.肉眼型と組織型
   2.深達度診断
  7.実体顕微鏡(AH法)による観察 表面構造・領域診断と組織型について
   1.AH法の手順
   2.正常胃粘膜の実体顕微鏡所見
   3.早期胃癌の実体顕微鏡像
   4.実体顕微鏡下における診断

索引

●コラム
インフォームドコンセント〈清水誠治〉
エコーレベル〈多田正大〉
咽頭麻酔〈多田正大〉
最新の画像解析装置〈多田正大〉
JターンとUターン〈多田正大〉
把持鉗子〈多田正大〉
色素剤の毒性〈多田正大〉
モノポーラとバイポーラ〈多田正大〉
微小胃癌〈多田正大〉
色温度〈多田正大〉

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