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書籍詳細

呼吸管理ハンドブック

呼吸管理ハンドブック

槇田浩史 編著

B5判 286頁

定価7,480円(本体6,800円 + 税)

ISBN978-4-498-03134-0

2002年04月発行

在庫なし

本書は呼吸管理の初心者を主たる対象にその基本から実際までをきめ細かに分かり易く,解説した入門書である.
人工呼吸の開始・維持・離脱の行い方,各種の基本的療法の実際,呼吸管理に伴う解剖,生理の知識,人工呼吸中の合併症・事故とその予防,起こりそうなトラブルの対処法,各種の病態における呼吸管理法など,本書1冊で必要な知識を平易に学ぶことができる.
呼吸管理に携わる医師,ナースなどの方々のベッドサイドマニュアルとして役立とう.

序文

 医療の情報は,洪水のごとく押し寄せてくる.医療従事者は生涯学習に努めなければ,この情報の波に溺れてしまうだろう.呼吸管理の領域でも,新しい人工呼吸モードや呼吸管理法が次々と提唱され,呼吸不全患者へのアプローチ法は多様化しているように見える.しかし,基本的事項には大きな変化はないのが事実である.呼吸管理は生命維持に直結する重要事項であり,正しい理解と実践が必須である.
 周囲を見回すと人工呼吸や呼吸管理に関するテキストは数多くあるが,どれが自分に適したテキストか判断しかねる.本書は呼吸管理に携わる医療従事者のために,呼吸管理の基本的事項を中心に,呼吸管理の進め方,考え方,手技の実際などをわかり易く,実践的に解説する入門書として企画した.図を多くしてできるだけ平易に解説することを目指し,さらに最新の重要な情報も盛り込まれるようにした.
 研修医,ICUナース,呼吸療法士,臨床工学士など幅広い対象の読者が,すでに気管挿管されて人工呼吸を受けている患者さんを前にして学んでいく形式に本書を企画したので,始めから順番に読んでも飽きないように構成されているし,またどの章から読んでもわかり易く書かれている.呼吸管理に関する事項は幅広く,カバーしきれなかった事項はあるが,まずは本書を呼吸管理の基本と思って,これを卒業した後に次のステップに進んで頂きたいと思っている.
 最後に,忙しい臨床や研究のなか本書の執筆に協力頂いた先生方,企画と編集のお世話になった中外医学社の荻野邦義氏と秀島悟氏に心から感謝致します.

2002年2月
東京医科歯科大学大学院
肺統御・麻酔学分野 槇田浩史

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目 次

呼吸管理に関連する記号・略語集  〈槇田浩史〉
I 人工呼吸の開始・維持・離脱
 1.人工呼吸器の基本設定と条件変更  〈羽深鎌一郎〉
  A.IPPVの標準的な設定
  B.アラームの設定
  C.いろいろな換気(呼吸)モード
  D.設定条件の変更(ウィニングの実際)
 2.血液ガスの解釈  〈石川晴士〉
  A.正常状態における血液ガス
  B.呼吸管理において重要な式と指標
  C.動脈血液ガスの評価と対応処置
  D.酸塩基平衡
 3.人工呼吸モード  〈村井邦彦〉
  A.陽圧換気モードの分類
  B.作動方式による分類
  C.新しい換気モード
  D.トリガーシステム
  E.それぞれのモード
  F.その他の機能
  G.特殊な換気法
 4.人工呼吸中のモニタリング  〈田中直文〉
  A.モニタリングの利点と欠点
  B.人工呼吸中にモニターすべき項目
  C.呼吸のモニタリング
  D.循環のモニタリング
 5.ウィニングの進め方とその後の管理  〈市川敬太〉
  A.ウィニングの開始
  B.On-off方式のウィニング
  C.IMV(intermittent mandatory ventilation,間歇的強制換気)によるウィニング
  D.PSV(pressure support ventilation,圧支持換気)によるウィニング
  E.ウィニング困難
  F.抜管
  G.抜管後の患者管理
 6.小児の人工呼吸管理  〈麻生正美 神山 潤 中川 聡〉
  A.気管チューブの選択
  B.人工呼吸器の設定
II 基本的療法
 7.気道の薬物療法  〈森川朋子〉
  A.気管支平滑筋に作用するもの
  B.気道分泌機能や気道分泌物に作用する薬物
 8.気道管理  〈金田 考〉
  A.気道確保法
  B.気道管理上の注意点
 9.エアゾール薬物療法  〈河西稚依〉
  A.加湿療法
  B.エアゾール吸入療法
  C.吸入療法の実際と応用
  D.吸入療法に用いられる薬剤
 10.酸素療法  〈西村一彦〉
  A.酸素療法の種類
  B.酸素療法の目的
  C.低酸素血症
  D.低酸素血症の診断における注意点
  E.酸素療法の実際
  F.酸素療法に必要な器具および装置
 11.呼吸理学療法  〈金子高穂〉
  A.体位排痰法
  B.強制呼出法
  C.用手的排痰補助法
  D.その他の排痰法
  E.肺の拡張を促す方法
  F.呼吸訓練
 12.感染制御の原則  〈川内泰子〉
  A.感染の広がり
  B.感染予防
  C.設備
  D.器具の取り扱い
  E.隔離
III 呼吸管理に必要な周辺知識
 13.呼吸不全の定義・分類と人工呼吸の適応  〈徳留麻理〉
  A.呼吸不全の定義・分類
  B.人工呼吸の適応
 14.呼吸管理に必要な解剖と生理の知識  〈中沢弘一〉
  A.呼吸器系の解剖と呼吸生理との関連
  B.換気のメカニックス
  C.換気異常の原因について
  D.呼吸中枢と呼吸の調節
 15.人工呼吸中の合併症・事故とその予防  〈鳴海 豊〉
 16.呼吸管理と鎮痛・鎮静  〈舛田昭夫〉
  A.鎮静程度の評価
  B.人工呼吸中の鎮痛・鎮静薬
  C.麻薬性鎮痛薬
  D.非麻薬性鎮痛薬
  E.ベンゾジアゼピン系誘導体
  F.静脈麻酔薬
  G.神経遮断薬
  H.不穏に関して
  I.鎮静における筋弛緩薬の併用
  J.鎮静における日内リズム
 17.安全対策と患者とのコミュニケーション  〈横山和明〉
  A.安全対策
  B.患者とのコミュニケーション
 18.人工呼吸中の循環管理  〈酒井章男〉
  A.なぜ心拍出量が減少するのか?
  B.循環動態のモニタリング
  C.治療および対処方法
 19.栄養,輸液  〈大平千夏〉
  A.輸液療法
  B.完全静脈栄養法
  C.経管栄養法
  D.呼吸不全患者の場合留意すべきこと
 20.非侵襲的人工換気  〈松澤吉保〉
  A.NIPPV
  B.PAV
IV 病態別呼吸管理
 21.慢性閉塞性肺疾患の急性憎悪  〈稲瀬直彦〉
  A.急性憎悪の誘因
  B.外来での呼吸管理
  C.病棟での呼吸管理
 22.ARDS・ALIの呼吸管理  〈中沢弘一〉
  A.ARDS/ALIの発生原因,機序,臨床兆候
  B.ARDS/ALIの人工呼吸療法
 23.術後呼吸不全  〈宇田川友之〉
  A.術後呼吸不全で留意すべきこと
  B.術後肺合併症の発症因子
  C.術後肺合併症の実際
 24.間質性肺疾患  〈海野 剛〉
  A.おもな間質性肺疾患
  B.間質性肺疾患による呼吸不全の特徴と病態
  C.急性憎悪
  D.呼吸管理上の注意点
  E.薬物治療
  F.術後の間質性肺炎憎悪
 25.神経筋疾患  〈武居哲洋〉
  A.神経筋疾患における呼吸不全の病態生理とその診断,初期治療
  B.各病態における呼吸管理
  C.呼吸管理と神経筋症候

索 引

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