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書籍詳細

続 医師が知っておきたい法律の知識

続 医師が知っておきたい法律の知識

〜医療トラブルを回避する対策〜

川畑信也 著

A5判 226頁

定価3,960円(本体3,600円 + 税)

ISBN978-4-498-14824-6

2022年08月発行

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医師による医師のための医事法の実践的な解説書 第2弾.医師であるかぎり,医療訴訟に巻き込まれる可能性は常にあると考えるべきであり,医療に関する法律の知識を身に付けることは力になる.第2弾では,第1弾の応用編として,脳死・臓器移植, 生殖補助医療, 救急医療など,実際の医療現場で遭遇する可能性のある法的問題や医療トラブルを取り上げて解説した.

はじめに

 2021年5月に「医師が知っておきたい法律の知識〜医療現場からみた医事法解説〜」を刊行いたしましたが,本書はその続編に該当するものです.前書では,私たち医師が知っておくべき法律の基本について解説をしておりますが,本書では,その応用編として実際の医療現場で遭遇することになる臓器移植や診療ガイドライン,添付文書,高齢者医療,生殖補助医療,救急医療,介護事故,健康診断,さらに各診療科における医療訴訟などを取り上げ,医師の立場からそれぞれを解説したものです.
 私たち医師は,医療事故あるいは医療過誤を起こそうとして日々の医療行為を実施しているわけではないのは当然のことです.一方,法律家は,医療事故あるいは医療過誤が発生した後で事後的に医師の過失を追及してくるのです.たとえば,私たち医師は,診療ガイドラインを診療行為の過程で診断や治療を適切に行うために利用するのですが,法律家は,医療行為の後で医療過誤における医師の法的責任を追及あるいは判断するために利用するのです.そこに医師と法律家との間での相剋が存在するのです.私たち医師としては,事後的に自らの法的責任の有無を追及されるために診療ガイドラインが利用されることに不満や納得のいかない思いを抱くことがあるかと思います.しかし,現実には診療ガイドラインが裁判において証拠として提出されることを拒否することはできないのです.そこで重要なことは,診療ガイドラインの法的性格について私たち医師が十分に理解をした上でそれらを運用することなのです.私たち医師が日々の診療を進める上で医療訴訟を提訴されることはそう多くはないと思います.しかし,医療行為を実施する医師である限り医療訴訟に巻き込まれる可能性は常にあると考えるべきです.そのときに備えて医療に関する法律について最小限の知識を身につけておくことが求められるのです.医療訴訟を含めた法律の知識を持っておくことで,医療訴訟に巻き込まれない術を知ることができるのです.
 本書は,実際の医療現場での視点から医療に関する法律,つまり医事法について解説をしたものです.特に裁判例を数多く呈示することによって法律に関して素人である医師がより医事法を理解できるように構成をしています.法律の文言は迂遠でわかりにくい部分が多いのですが,本書は,法律について専門知識を持っていない医師を対象とし平易で簡潔にしてわかりやすい文章で構成をしているものと自負するところです.医療現場での身近なテーマを取り上げて作成しており,是非医師の方々に手をとって頂けるものと確信しております.巻末に参考書籍として挙げました多数の医事法関連書籍や裁判記録を熟読した上で本書を執筆しておりますが,不佞の身であることから法律や判例の解釈などに誤謬があるかもしれません.その折には何卒ご海容を願えれば幸いです.前書と同様に本書が臨床に携わる先生がたの医事法に関する学修の一助になれば幸いと著者は祈念しております.

2022年5月
著者

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目 次

CHAPTER 1 医療過誤・医療訴訟の実態
  医療事故と医療過誤
  医療事故調査制度からみた医療事故発生報告件数
  わが国における医療関係訴訟事件の実態
  医療訴訟までの一般的な流れ
  医療訴訟の審理運営の実態
  医療過誤における民事責任
  医療過誤における刑事責任
  裁判例での検討
  混合診療をめぐる裁判例
  本章に関するQ & A
  本章のまとめ

CHAPTER 2 脳死・臓器移植
  脳死とはなにか,その定義
  わが国における脳死・臓器移植の歴史的変遷
  死の判定 脳死説と三徴候説
  旧臓器移植法の概要
  旧臓器移植法の問題点
  改正臓器移植法の概要
  改正臓器移植法の問題点と課題
  臓器の移植に関する法律の運用に関する指針(ガイドライン)の概要
  刑法からみた生体移植
  民法からみた生体移植
  わが国における臓器移植数
  本章のまとめ

CHAPTER 3 高齢者医療に関する法律問題
  高齢者医療の問題点
  認知症をめぐる法的問題
  認知症患者の意思決定について
  人生の最終段階における意思決定について
  本章のまとめ

CHAPTER 4 診療録(カルテ)に関する法律問題
  法律家が捉えている診療録の解釈
  法的視点からみた診療録の改ざん
  診療録の改ざんの法的責任
  電子診療録における信頼性の担保
  診療録に記載がない場合の法的責任
  診療録がない場合
  診療録開示を求められたときの対応
  本章のまとめ

CHAPTER 5 診療ガイドラインの法的性格
  診療ガイドラインの法的問題の意味
  過失の判断基準としての医療水準と診療ガイドラインの関係
  医師の裁量と診療ガイドラインの関係
  法律家からみた医療訴訟におけるガイドラインの位置付け
  司法が診療ガイドラインに与える影響
  裁判例から考える診療ガイドラインの法的位置付け
  本章のまとめ

CHAPTER 6 添付文書に関する法的問題
  法的視点からみた添付文書
  知っておくべき平成29 年通知による添付文書の改訂事項
  添付文書が医療訴訟となる過失の要件
  医師からみた添付文書の問題点
  添付文書に反する薬剤使用における法的問題
  添付文書と診療ガイドラインの記載が異なる場合の法的解釈
  本章のまとめ

CHAPTER 7 各診療科における医療訴訟
 脳神経外科診療に関する医療訴訟と問題点
  くも膜下出血の診断について
  くも膜下出血の治療について
  未破裂動脈瘤の予防的手術について
  悪性脳腫瘍の見落とし
 内科診療における医療訴訟と問題点
  循環器内科における医療訴訟と問題点
  消化器内科における医療訴訟と問題点
 外科診療における医療訴訟と問題点
 産科診療における医療訴訟と問題点
  産科診療ガイドラインの位置付け
  帝王切開をめぐる裁判例
  産科危機的出血をめぐる裁判例
 精神科診療における医療訴訟と問題点
  精神科病院入院時の紛争
  法的視点からみた精神科病院における身体拘束
  法的視点からみた精神障害者の自傷事件
  法的視点からみた精神障害者の他害事件
  医療従事者が他害事件の被害者になった場合
  法的視点から精神科領域における薬物療法の制限
 がん診療における医療訴訟と問題点
  検査ならびに診断に関する問題点
  がん治療に関する問題点
  法的視点からみたがんの告知,説明
  本章のまとめ

CHAPTER 8 人工妊娠中絶
  刑法からみた人工妊娠中絶
  母体保護法からみた人工妊娠中絶
  胎児に障害のある場合の考えかた
  母体保護法における罰則規定
  本章に関わるQ&A
  本章のまとめ

CHAPTER 9 生殖補助医療
 人工授精
  人工授精の実施数
  現行法における親子関係の規定
  配偶者間人工授精AIH の法的・医学的問題点
  非配偶者間人工授精AID の法的・医学的問題点
  非配偶者間人工授精AID で出生した子からみた問題点
  非配偶者間人工授精AID に関する規制
 体外受精
  体外受精・胚移植による出生児数
  体外受精に伴う法的問題
 代理懐胎
  代理懐胎におけるふたつの方法
  代理懐胎の問題点
  代理懐胎をめぐる裁判例
  代理懐胎に対する関係団体の見解
  特別養子縁組とはなにか
  代理懐胎における親子関係の問題
 出生前診断・着床前診断
  出生前診断・着床前診断の概要
  学会などによる規制
  出生前診断をめぐる裁判例
  着床前診断をめぐる裁判例
  本章のまとめ

CHAPTER 10 救急医療,当直医をめぐる法律問題
  わが国における救急医療の現状
  救急医療と応招義務との関係
  救急医療における医療水準
  救急医療における注意義務
  本章のまとめ

CHAPTER 11 病院・介護施設における患者事故の法的問題
  転倒
  ベッドからの転落
  食事中の誤嚥・誤飲
  褥瘡
  身体拘束
  入浴中の事故
  無断外出・行方不明
  本章のまとめ

CHAPTER 12 産業医・健康診断と法的問題
  産業医の資格
  産業医は本当に中立なのか
  健康診断(人間ドック)における法的責任
  健康診断(個別検診方式)における法的責任
  健康診断(職場の定期健康診断)における法的責任

  参考書籍
  索引

メモ
  裁判外紛争解決手続(ADR)
  チーム医療における責任のありかた
  医療水準と医療慣行の違い
  性同一性障害
  身体拘束が許される3 要件とは

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執筆者一覧

川畑信也 八千代病院神経内科部長,愛知県認知症疾患医療センター長 著

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