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書籍詳細

こういうことだったのか!! ハイフローセラピー

こういうことだったのか!! ハイフローセラピー

小尾口邦彦 著

A5判 150頁

定価2,640円(本体2,400円 + 税)

ISBN978-4-498-13056-2

2022年08月発行

在庫あり

2011年の使用開始から,各雑誌でも特集を組まれるほど大躍進したハイフローセラピー.一方で,その根幹を理解し本当に使いこなせている人は多くはないだろう.ハイフローセラピーを使いこなすには他の呼吸療法との違いと関係性を理解することが重要だ.そのため,本書ではハイフローセラピー以外の呼吸療法についても改めて整理した.全体の中での立ち位置を知ることで,確実な力の引き出し方や限界を学べる書となっている.

はじめに

 ハイフローセラピーは,日本においては2011年に使用開始され,今や大スター呼吸療法となりました.NPPV(noninvasive positive pressure ventilation:非侵襲的陽圧換気療法)はさかのぼること10年ほど前にスターとなりましたが,ハイフローセラピーの大躍進に押され気味です.COVID-19禍においても,多くの病院においてハイフローセラピーは多用される一方,NPPVは「蚊帳の外」だったのではないでしょうか?
 ハイフローセラピーは,酸素療法の延長線上にある一方,NPPVとの使い分け,侵襲的人工呼吸に至る前の使用,侵襲的人工呼吸後の呼吸補助といった具合に,呼吸療法ライバルとの関連性を理解しなければなりません.集中治療室で働く筆者は,ハイフローセラピーをさまざまな呼吸療法のハブであるように感じるときすらあります.本書の基本コンセプトとしました.
 ハイフローセラピーの設定項目は,流量と酸素濃度の2項目にすぎません.しかし,ハイフローセラピーを使いこなすには,ライバルの意義やライバルとの違いを知る必要があります.ハイフローセラピーの解説だけでなく,ライバルの呼吸療法についてあらためて整理し,ハイフローセラピーのパワーの引き出し方,限界を学べることを目標にまとめました.
 筆者既刊「こういうことだったのか!! NPPV」(2017年)から血液ガス解釈解説を一部引用しさらに加筆しました.筆者が行ってきた血液ガスの説明や経験症例を通じて血液ガス解釈を読者に伝えたいからであり,既刊読者はご容赦ください.
 ハイフローセラピーは,集中治療室だけでなく一般病棟や慢性期病院などさまざまなシーンで使われます.在宅医療においても診療報酬の対象となりました.医師だけでなく多くのコメディカルがハイフローセラピーを,その限界も意識しながらうまく使いこなせる,本書がその一助となることを願います.

2022年7月
小尾口邦彦

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目 次

CHAPTER 01 ハイフローセラピーとは

●ハイフローセラピーの歴史と呼称
●ハイフローセラピーという発想
●解剖学的死腔とは
●ハイフローセラピーの効果
(1) 吸気仕事量の軽減
(2)解剖学的死腔(鼻腔)の洗い流し
(3)軽いPEEP?
(4)分泌物クリアランスの改善???
●ハイフローセラピーの流量設定
●有効な解剖学的死腔(鼻腔)の洗い流しを目指して
●ハイフローセラピーによる二酸化炭素除去を目指して
●プロングの選択

CHAPTER 02 従来の酸素療法とスーパー酸素療法ハイフローセラピーの違いを知る

●酸素療法のお約束30L/分
●酸素流量10〜15L/分で吸入酸素濃度を高くするための工夫
●かつてのリザーバー付マスクは絵にかいた餅だった
●新型リザーバー付マスクはスゴイけれど運用に注意が必要
  低流量システム
  高流量システム
●お約束30L/分を超えることの意味
●なぜ低流量システムと高流量システムに区別されたのか?
●ネブライザー付酸素吸入装置は高流量中等度濃度酸素吸入装置
●かなり色あせた30L/分
●高流量システムにハイフローセラピーが新加入
●ネブライザー付酸素吸入装置にプロングを使用することは難しい
●目標酸素濃度による酸素投与デバイスの選択
●ハイフローセラピーをハブとして呼吸療法を理解し運用する

CHAPTER 03 ハイフローセラピーの管理

●ハイフローセラピーの流量設定
●ハイフローセラピーの加温加湿
●ハイフローセラピーはガチ高濃度吸入酸素投与が可能
●ハイフローセラピーの効果は比較的早く出る
●II型呼吸障害に対してもハイフローセラピーの有効性が報告される
●ハイフローセラピーとMDRPU
●ハイフローセラピーの怖さ 
  効果がないと思ったら見切りをつけることも大切
●ハイフローセラピーに見切りをつけるためのROX index
  ROX index 計算のためのスマホ無料アプリ
●ハイフローセラピーからの離脱

CHAPTER 04 機械式ブレンダーのすごさと限界を知る

  減圧とは
●機械式ブレンダー
●酸素供給圧 or 空気供給圧低下を警告するための仕組み
  ブリードガス(bleed gas)
●機械式ブレンダーを使用しないときは壁配管アウトレットから外す
●ブリードオフ機構付機械式ブレンダー
●機械式ブレンダーの限界

CHAPTER 05 乱立するハイフローセラピー機器の違いを知り活用を考える

●ハイスペック人工呼吸器・ハイフローセラピーモード
●一般的な人工呼吸器・ハイフローセラピーモード
  圧をリリースする安全バルブ
●空気・酸素配管を必要とする一体型ハイフローセラピー専用機
●プレシジョンフローは松?
●プレシジョンフローの問題点
●酸素配管のみで作動する一体型ハイフローセラピー専用機
  AIRVOTM2
●最もコスト安かつ酸素配管のみで作動するベンチュリ式ハイフローセラピー機器
●近年発売されたハイフローセラピー機能搭載NPPV用人工呼吸器
●裏技だけどNPPV用人工呼吸器をハイフローセラピーに活用
●院内移動やリハビリをどうする?
●病院間搬送におけるハイフローセラピー
【コラム】回復期・慢性期・在宅医療において注目の多機能人工呼吸器

CHAPTER 06 Apneic oxygenationと流量計ふりきり法

●Apneic oxygenation
  Preoxygenationの復習
  Ramp position(ramped position, ramping position)
  Apneic oxygenationの機序
  手術室と手術室外のapneic oxygenation設定
  Apneic oxygenationの3条件
  Apneic oxygenationの流量
  全挿管症例にapneic oxygenationをするか,挿管困難が予想される症例にapneic oxygenationをするか?
  うまく用手換気できないシーンは多い
  BVMの問題点
  ハイフローセラピーでなくても気軽に高流量酸素投与はできる
●流量計ふりきり法
  ローコストapneic oxygenationでよいのでは?

CHAPTER 07 NPPVとCOPDを復習しNPPVがCOPDを得意とする理由とARDSを苦手? とする理由を知る

●汎用人工呼吸器を用いたNPPV(ダブルブランチ)
●NPPV用人工呼吸器(シングルブランチ)
  呼気ポート付マスクと呼気ポートなしマスク
  NPPV用人工呼吸器が汎用人工呼吸器NPPVモードより優れるとされた理由
●NPPVの適応疾患
●COPD 患者はなぜ息をうまく吐けないか? をシンプルに理解しよう
●Auto PEEP(内因性PEEP)
●Counter PEEPの重要性
  必要なcounter PEEP量
●COPD増悪
●敗血症性ARDSへのNPPVの意義
●COPDとARDSの人工呼吸管理の違いを考える
  低容量換気
  High PEEP
  重症COPDの1回換気量設定
  重症COPDのPEEP設定
●ARDSと重症COPDでは肺保護換気の実践方法は異なる

CHAPTER 08 ハイフローセラピー vs NPPV

●ハイフローセラピー vs NPPV
(1)酸素濃度・吸気流速(流量)
(2)酸素化能
(3)換気能力(PaCO2低下能力)
(4)呼吸仕事量の軽減
(5)PEEP
(6)忍容性・せん妄の発生・鎮静
(7)医療者の手間・熟練度
●筆者が考えるNPPVとハイフローセラピーの使い分け
●今後NPPV用人工呼吸器の運用をどうするか?

CHAPTER 09 重症患者管理において血液ガスpHと乳酸値と呼吸数を最重視する理由を知る

  強酸と弱酸
  pHの定義(提唱者によるもの)
  HCO3−(重炭酸イオン)
●我々の体はどのように酸を処理する?
●HCO3−の振る舞いをイメージしよう
●PaCO2の振る舞いをイメージしよう
●アシデミア(酸血症),アルカレミア(アルカリ血症)
●代償
  敗血症
●血液ガスの各項目を正常化すればよいのか?
  Post-hypercapnic alkalosis(高炭酸ガス血症後アルカローシス)
●実録 どたばた症例から学ぶショック患者のpHマネージメント
  来院時 16:41
  ICU入室 18:45
  ビタミンB1投与 20:13
  再び急降下pH 6台突入 なぜ? 22:22
  人工呼吸器を過換気設定することによりpHは一気に改善 23:07
●重症患者を挿管・人工呼吸開始した後,高血圧⇒血圧低下・ショック状態となる理由
●なぜ重症患者管理において呼吸数が重視されるのか?
●イギリス発National Early Warning Sign
●酸素の家計簿診断
  酸素需給バランスの悪化
●乳酸の意義
  PaO2と乳酸値のどちらを重視?
  低酸素症以外の乳酸上昇

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小尾口邦彦 京都府立医科大学麻酔科学教室・集中治療部 著

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