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書籍詳細

「新」内科専門医・総合内科専門医試験対策問題集

試験のあとも残しておきたい

「新」内科専門医・総合内科専門医試験対策問題集

中島智樹 著

B5判 432頁

定価9,900円(本体9,000円 + 税)

ISBN978-4-498-12000-6

2022年07月発行

在庫あり

臨床の最前線での内科医経験をもとに,実際の症例をベースにしながら試験で問われる臨床問題について作問.新内科専門医試験・総合内科専門医試験いずれの受験者にも役立つ問題集が完成しました.「試験の傾向」「その他に出題される可能性のある項目」も分析しており,試験直前の確認にも最適.また,問題の解答・解説だけにとどまらず実臨床に直結する考え方も記載し,“試験のあと”にも読み返したい内容となっています.

はじめに

 西洋医学は,その進歩とともに膨大な知見が集積され,今やサブスペシャリティ(以下,サブスペ)に細分化され,各分野でその専門医が診療に携わる時代となりました.内科領域も循環器内科,呼吸器内科,消化器内科,腎臓内科,など多くのサブスペに細分化され,自分の専門領域以外の疾患は対応困難であると意思表示する医師も増え,地域医療に問題が生じてきました.しかし実際,すべてのサブスペの常勤医がおられるのはわずかな施設に限られ,病院や診療所の内科医が自分の専門以外の疾患についても幅広い知識をもって初期対応を行い,適切な専門医へと連携することができなければ,地域医療のニーズには応えていけないのが現状です.
 このような背景があり,昨年から「(新)内科専門医試験」が実施されました.一般内科医としての知識,経験を十分備えたうえで,最初にこの「(新)内科専門医」の資格を取得しなければ,サブスペの専門医資格を取得していくことができなくなりました.ではその最初に受ける(新)内科専門医試験ではどのような内容が問われるのでしょうか? これまでの認定内科医試験や総合内科専門医試験は各サブスペの先生が出題されていると思われるものがほとんどでした.そのため,試験自体は,一般内科医としてよりも各サブスペとして知っておくべき専門的な内容も多く含まれていました.今回始まった新内科専門医試験は,合格率からみると難易度はこれまでより低くなったとはいえ,従来通り幅広い内科領域から出題されているようです.また,専門医試験合格ののち総合内科に進まれる方にはこれまでと同様,幅広く深い内科の知識が試される総合内科専門医試験が待っています.
 医師はサブスペ志向が強くなっている一方で,内科専門医試験は幅広い知識を要求するという中で,結果としては,せっかく試験準備に時間をかけても,あまり実地とは結びつかないものとして試験が位置づけられ,試験合格後は,本はゴミ箱行きという残念な傾向を私は感じています.せっかく勉強して得た知識をもとに,これをぜひ幅広い臨床に役立ててほしい,そのために何か工夫した問題集が作れないかと私は思っていました.
 私は,さまざまな疾患患者が来院される地域中核病院に長年勤務しています.もともと肝臓内科医,消化器内科医として診療に従事してきましたが,肝疾患は臓器連関が重要なものが多く,一般内科的な知識を広げながらキャリアを積んできたこともあって,幅広く内科疾患を経験したり,他の医師と併診で診療にあたったりする機会にめぐまれました.そのような経験を生かして,実際の症例を専門医試験風にアレンジした問題とその解答,解説,さらにはその作問したもとの症例について,実際の現場での対応やその後の経過なども盛り込み,実際の臨床にも役立てていただける内容としました.問題の選定にあたっては,日本内科学会が公表した認定内科医や総合内科専門医試験過去問題集や実際に試験を受けられた先生方からの情報をもとに試験傾向を分析しました.解説は試験傾向を重視しつつも,臨床現場でどうしてもつかんでおきたいことも補足事項として盛り込んでいます.
 実際の症例の診療にあたった視点から作問し制作した本書は,さまざまな形で皆さんのお役に立てるのではないかと思います.試験準備にはもちろん,試験が終わった後も,捨てずにじっくり読んでいただいたり,臨床で困ったときに調べていただいたりするなどして本書がお役に立てれば幸いです.

2022年7月
中島智樹

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目 次

Q1 81歳の男性,呼吸困難が出現し救急搬送
Q2 80歳の男性,咳嗽と発熱を主訴に来院
Q3 74歳の男性,右第1〜3足趾に疼痛が出現
Q4 23歳の男性,皮疹と高熱を主訴に来院
Q5 62歳の女性,左耳下部の腫脹と微熱を主訴に来院
Q6 36歳の男性,生サバを食後,心窩部痛のため救急受診
Q7 73歳の男性,労作時の呼吸苦を自覚し,起坐呼吸となって内科受診
Q8 43歳の女性,高熱と皮疹が持続し受診
Q9 38歳の女性,呼吸困難と全身搔痒感のため救急搬送
Q10 53歳の女性,鮮血を伴う頻回の下痢のため来院
Q11 61歳の男性,回転性めまいと嚥下障害を主訴に救急搬送
Q12 66歳の男性,歩行困難を主訴に救急搬送
Q13 80歳の女性,意識変容と起立困難のため受診
Q14 76歳の男性,発熱と呂律障害で救急搬送
Q15 68歳の男性,胸痛を主訴に来院
Q16 66歳の男性,下肢脱力を主訴に救急受診
Q17 67歳の女性,体操中に動悸のような胸部不快感を覚え来院
Q18 82歳の女性,心肺蘇生後の悪寒,高熱
Q19 57歳の女性,多発関節痛を主訴に来院
Q20 57歳の男性,健診で便潜血反応陽性となり精査希望のため来院
Q21 80歳の男性,連日の高熱は解熱したが,高度炎症反応が持続し入院
Q22 31歳の女性,頭痛,倦怠感のため来院
Q23 69歳の男性,左足腫脹で救急受診
Q24 48歳の女性,口渇,体重減少を主訴に来院
Q25 72歳の女性,肝腫瘤を指摘され来院
Q26 54歳の女性,呼吸困難を訴え,意識レベルが低下し救急搬送
Q27 35歳の女性,心窩部痛,悪心,嘔吐を主訴に救急受診
Q28 79歳の女性,発熱を主訴に来院
Q29 30歳の男性,ギニア滞在から帰国後,頭痛,咳嗽,高熱で救急受診
Q30 78歳の男性,胸水貯留の精査目的で来院
Q31 64歳の男性,眼瞼と顎下部の腫脹を主訴に来院
Q32 80歳の男性,労作時の息切れを主訴に通院中
Q33 76歳の女性,左手の振戦を主訴に来院
Q34 71歳の男性,透析患者の血糖コントロール不良で紹介
Q35 84歳の女性,1か月続く手のこわばり,両側頚部などの痛み増強で来院
Q36 74歳の男性,頻脈が治まらず救急受診
Q37 80歳の男性,血液検査で貧血と白血球減少傾向のため紹介受診
Q38 87歳の女性,黄疸を主訴に来院
Q39 82歳の男性,全身倦怠感を主訴に来院
Q40 64歳の女性,一過性意識障害を主訴に来院
Q41 85歳の女性,半月前から下腿浮腫,最近になり顔面浮腫も出現し来院
Q42 66歳の男性,1か月前から便が灰白色,黄疸を指摘され受診
Q43 46歳の男性,肝機能異常の精査を依頼されて来院
Q44 64歳の女性,意識障害を主訴に救急搬送
Q45 68歳の女性,全身浮腫を主訴に来院
Q46 57歳の女性,四肢の脱力を訴えて来院
Q47 63歳の男性,息切れと下腿浮腫で来院
Q48 67歳の男性,3日前からの咳嗽,喀痰,発熱のため来院
Q49 84歳の女性,胸部不快感を訴えて救急受診
Q50 65歳の女性,嘔吐が持続しているため救急受診
Q51 53歳の男性,下痢と食欲不振を主訴に来院
Q52 78歳の男性,腹部膨満と悪心を主訴に救急受診
Q53 74歳の女性,食欲不振を主訴に来院
Q54 80歳の女性,両側膝関節痛あり,発熱もみられ来院
Q55 29歳の男性,口渇と体重減少を主訴に来院
Q56 36歳の男性,一過性の意識消失を主訴に救急受診
Q57 60歳の男性,右下肢のしびれを主訴に来院
Q58 84歳の男性,全身倦怠感を主訴に来院
Q59 90歳の男性,動けなくなり救急搬送
Q60 84歳の女性,失神の精査のため救急搬送
Q61 38歳の男性,動悸,いらいら感あり,食欲旺盛であるが体重減少
Q62 79歳の女性,右顔面のピリピリした痛み,頭痛も出現し救急受診
Q63 79歳の男性,頻回の失神発作のため来院
Q64 30歳の男性,頭痛,発熱,咽頭痛,皮疹を主訴に来院
Q65 81歳の女性,歩行時に息切れが出現,増悪し来院
Q66 44歳の男性,発熱,頭痛,悪心を主訴に救急受診
Q67 71歳の女性,痒みを伴う皮疹を主訴に来院
Q68 70歳の男性,3時間前から立ちくらみ,冷汗,呼吸苦出現し救急受診
Q69 65歳の男性,胸部画像検査で異常を指摘され来院
Q70 67歳の女性,嘔吐症状,食事摂取不良のため入院のうえ精査加療
Q71 43歳の女性,悪心,嘔吐を主訴に救急受診
Q72 57歳の女性,両肩・膝関節痛を主訴に来院
Q73 77歳の女性,多飲が出現し,頻回の排尿のため精査加療目的で入院
Q74 23歳の女性,右季肋部などに持続する疼痛のため受診
Q75 52歳の女性,健診で肝機能異常を指摘されて来院
Q76 78歳の女性,1か月前からの全身倦怠感,微熱を主訴に来院
Q77 66歳の男性,悪心,嘔吐,および心窩部痛が腹部全体に広がり来院
Q78 61歳の女性,不穏状態と痙攣のため救急要請
Q79 68歳の男性,両肩から上腕にかけての浮腫と痛みを主訴に来院
Q80 65歳の女性,左手首に力が入らないとの主訴で来院
Q81 53歳の女性,発熱,悪心,倦怠感を主訴に来院
Q82 43歳の男性,健診での尿検査の悪化を指摘され来院
Q83 82歳の女性,傾眠状態となり症状軽快せず救急受診
Q84 56歳の女性,息切れと易疲労感を主訴に来院
Q85 67歳の男性,1年前より物が二重に見え,徐々に増悪するため来院
Q86 65歳の女性,左膝関節痛を主訴に来院
Q87 61歳の男性,右下腹部痛を主訴に来院
Q88 61歳の男性,1時間前から左上胸部〜肩に絞扼感が出現し救急搬送
Q89 65歳の男性,4年前から膵臓に嚢胞性病変を指摘され経過観察
Q90 69歳の女性,突然の心窩部の激痛,背部痛,足のしびれで救急受診
Q91 72歳の男性,背部痛を訴え自宅で倒れ救急搬送
Q92 81歳の女性,意識が遠のき倒れ,その後心窩部痛と悪心を訴え救急搬送
Q93 73歳の女性,喀痰と咳嗽を主訴に受診
Q94 82歳の女性,心窩部痛を主訴に救急受診
Q95 88歳の女性,身体全体に力が入らず筋肉痛も伴うため来院
Q96 71歳の男性,寝衣を脱いだまま着衣できず,家人により救急要請
Q97 75歳の女性,健診結果で白血球増多を指摘され来院
Q98 73歳の女性,意識レベルの低下で救急受診
Q99 65歳の男性,B細胞悪性リンパ腫の診断で化学療法を予定
Q100 79歳の男性,咳嗽を主訴に来院

索引
各問題で扱った疾患一覧

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執筆者一覧

中島智樹 京都済生会病院総合診療内科部長 著

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