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書籍詳細

周産期メンタルヘルスのためのいちばんやさしい精神医学

周産期メンタルヘルスのためのいちばんやさしい精神医学

安田貴昭 編著

B5判 200頁

定価3,520円(本体3,200円 + 税)

ISBN978-4-498-16030-9

2022年04月発行

在庫あり

周産期メンタルヘルスに取り組む精神科医が中心となり,妊娠中や産後の女性の心の健康を支えるための知識を「いちばんやさしく」まとめた.周産期における精神疾患や障害,治療と介入の基本などに加え,多職種のそれぞれの立場からの関わりや施設での取り組みなども盛り込み,精神医学に馴染みの薄い医療職だけでなく当事者や家族にとっても,メンタルヘルスを知るための一歩となる一冊.

はじめに

 本書は妊娠中や産後の女性のメンタルヘルスを支え,ケアするために役に立つ精神医学の知識をまとめた解説書です.執筆者はすべて精神科医で,日々妊産婦さんたちに寄り添う周産期医療の現場の方々に向けて書いていますが,当事者とその家族,周産期のメンタルヘルスに関心のある精神科医,心理職などにも読んでいただける本をめざしました.
 周産期のメンタルヘルスケアは一部の専門家だけが行うものではありません.産科医,助産師はもちろんのこと,看護師,薬剤師,保健師,医療ソーシャルワーカー,事務職員,新生児科の医師や看護師,保健所や児童相談所の職員などあらゆる領域・職種のメンバーが互いに協力し合って行うチーム医療です.私たち精神科医はメンタルヘルスの専門家としての知識や技術を豊富にもっていますが,精神科医だけで妊産婦さんの心の健康を支えることはできません.精神科医の職能と経験は多職種多領域からなるチームのなかではじめて活かされることになります.
 医療者のなかにはメンタルヘルスに苦手意識をもつ人,精神科医に対して距離や遠慮を感じる人もいます.そこで「メンタルヘルスへの入り口として,やさしく読みやすい本」があればよいと思いました.そして,「精神科医はやさしいよ,気軽になんでもきいてね」といったメッセージも伝えたく,そのような思いを「いちばんやさしい」というタイトルにこめました.
 執筆した精神科医は第一人者としてこの分野を切り開いてきたベテランから,意欲と意気込みをもって取組みをはじめた若手まで「オールキャスト」の布陣になっています.みんな魅力ある個性的な面々で,その雰囲気が少しでも伝わるよう,勤務先の取組みについても紹介していただき,さらに一緒に働いているスタッフの方々によるコラムも掲載しました.
 妊娠出産は女性にとって命懸けの営みです.そのうえ心理的,社会的にも大きな変化と重圧が生じ,多くの女性が適切なケアを必要としています.それぞれの領域の専門職がやさしい気持ちをもってひとつのチームとしてまとまり,多くの妊産婦さんの助けとなれるよう,本書がその一助になればと願います.

2022年2月
編者 安田貴昭

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目 次

I 「総論」編
  1.メンタルヘルス総論 〈渡邉博幸〉
  2. 精神科医アラカルト・周産期メンタルヘルス専門の精神科医への道 〈鈴木利人〉

II 「疾患と障害」編
  1.統合失調症 〈高橋由美子〉
  (コラム)周産期における心理支援 〈 櫻澤真寿美〉
  (コラム)薬剤師として周産期医療に関わる 〈 浦野 葵〉
  2.双極性障害と産褥精神病 〈菊地紗耶〉
  (コラム)周産期における精神支援 ─ 公認心理師の立場から〈 清水麻衣,信田絢香〉
  3.うつ病 〈竹内 崇〉
  4. 不安症(恐怖症,パニック症,全般性不安症),強迫症〈清野仁美〉
  (コラム)母親の力,家族の力,そして地域の力を信じて,つなぐ〈 森 洋子〉
  5. 知的障害,自閉スペクトラム症(発達障害),パーソナリティ障害 〈根本清貴〉
  6. ストレスに伴う身体症状(心身症,変換症,身体症状症など) 〈安田貴昭〉
  7.PTSD(心的外傷後ストレス障害) 〈福本健太郎〉
  (コラム)周産期医療への医療ソーシャルワーカーとしての関わり〈 玉山有香〉
  8.摂食障害 〈木村 大〉
  9.てんかん 〈須田哲史〉
  (コラム)当院における周産期・子育て支援ネットワーク〈 奈良圭子,中野 彩〉
  10.ボンディング形成とその障害 〈山下 洋〉
  (コラム)多職種協働における役割意識と態度の違い:母子の絆を捉える視点 〈 高田加奈子,山下 洋〉

III 「治療と介入」編
  1.精神科薬物療法 〈伊藤賢伸〉
  2.精神療法・心理療法 〈岡島美朗〉
  3. 制度,医療・保健・福祉が連携した支援体制〈立花良之〉

IV 「発展」編
  1.周産期メンタルヘルスの学びかた 〈北村俊則〉
  2.国際社会における周産期メンタルヘルス 〈吉田敬子〉

  本書執筆者医療機関所在地
  索 引

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執筆者一覧

安田貴昭 埼玉医科大学総合医療センターメンタルクリニック 准教授 編著
渡邉博幸 医療法人学而会木村病院 院長・千葉大学社会精神保健教育研究センター 特任教授 
鈴木利人 順天堂大学医学部附属順天堂越谷病院メンタルクリニック 教授・院長 
高橋由美子 群馬大学大学院医学系研究科神経精神医学 
菊地紗耶 東北大学病院精神科 助教 
竹内 崇 東京医科歯科大学病院心身医療科 准教授 
清野仁美 兵庫医科大学精神科神経科学講座 講師 
根本清貴 筑波大学医学医療系精神医学 准教授 
福本健太郎 岩手医科大学神経精神科学講座 講師 
木村 大 医療法人学而会木村病院 副院長・国際医療福祉大学精神科 講師 
須田哲史 国家公務員共済組合連合会立川病院精神神経科 医長 
山下 洋 九州大学病院子どものこころの診療部 特任准教授 
伊藤賢伸 順天堂大学医学部附属順天堂医院メンタルクリニック 准教授 
岡島美朗 自治医科大学附属さいたま医療センターメンタルヘルス科 教授 
立花良之 国立成育医療研究センターこころの診療部乳幼児メンタルヘルス診療科 診療部長/信州大学医学部周産期のこころの医学講座 特任教授 
北村俊則 こころの診療科きたむら醫院 院長 
吉田敬子 医療法人風のすずらん会 メンタルクリニックあいりす 院長 
コラム執筆者一覧(執筆順)----------  
櫻澤真寿美 群馬大学大学院医学系研究科神経精神医学 公認心理師 
浦野 葵 群馬大学医学部附属病院薬剤部 薬剤師 
清水麻衣 東北大学病院総合周産期母子医療センター 公認心理師 
信田絢香 東北大学病院総合周産期母子医療センター 公認心理師 
森 洋子 兵庫医科大学病院NICU・GCU 退院調整専従看護師 
玉山有香 岩手医科大学附属病院医療福祉相談室 医療ソーシャルワーカー 
奈良圭子 国家公務員共済組合連合会立川病院 医療ソーシャルワーカー 
中野 彩 国家公務員共済組合連合会立川病院 公認心理師 
高田加奈子 九州大学病院子どものこころの診療部 公認心理師 

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周産期メンタルヘルスのためのいちばんやさしい精神医学
   定価3,520円(本体3,200円 + 税)
   2022年04月発行
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