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書籍詳細

心臓ペーシングのすべて 改訂3版

心臓ペーシングのすべて 改訂3版

石川利之 著

B5判 386頁

定価8,360円(本体7,600円 + 税)

ISBN978-4-498-13670-0

2022年03月発行

在庫あり

心臓ペーシングに関する必要な知識をあまさず収載した実践書.20年近くにわたって広く読み継がれている名著をアップデートし,リードレス・ペースメーカー,ヒス‐プルキンエ刺激伝導系ペーシングなどの新章を追加.また全体の記述も最新の状況を反映した待望の改訂版.

3版の序

 本書が上梓されて早,18年が経った.そして,改訂2版上梓後もデバイスの進歩は止まることがなかった.完全皮下植込み型ICDやリードレスペースメーカーが現実のものとなった.通常の右心耳,右室心尖部以外のペーシング部位として,心房中隔,右室流出路/心室中隔以外に,ヒス束や左脚など刺激伝導系を直接ペーシングすることが行われるようになった.しかしながら,これらの方法には依然として解決していない問題がある.
 デバイスを取り巻く社会情勢にも変化の波が押し寄せ,ICDに関係する運転免許制限や身体障害者認定制度にも変更があった.
 不整脈専門医認定制度,ペースメーカ関連専門臨床工学技士認定制度,IBHRE(International Board of Heart Rhythm Examiners)試験,CDR(cardiac device representative)などの認定制度が軌道に乗り,さらに裾野を広げる必要から日本不整脈心電学会による植込み型心臓デバイス認定士制度が始まった.求められる知識は極めて高度なものとなっている.
 今回の改訂にあたり初版,改訂2版時に不足していた項目を追加したが,デバイス治療の変化のスピードは速いことを実感する.

 本改訂版が,デバイス治療の役に立てれば幸いである.

2022年1月
石川利之

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目 次

第1章 ペースメーカーの基本
 1.ペーシング刺激閾値
 2.自動閾値設定とAutocaptureTM
 3.センシング閾値
 4.ペーシングモード
 5.マグネットモードとリバージョン
 6.心拍応答機能
 7.抗頻拍ペーシング
 8.ICHDコード
 9.生理的ペーシングと非生理的ペーシング
 10.ペースメーカー本体
 11.リード
 12.非生理的ペーシングとペースメーカー症候群
 13.Blanking periodとrefractory period
 14.室房逆行性伝導とペースメーカー介在性頻拍
 15.ECGイベント・マーカーTM
 16.ペースメーカーのホルター心電図機能
 17.ペースメーカーの特殊機能

第2章 リードレス・ペースメーカー
 1.リードレス・ペースメーカー
 2.リードレス・ペースメーカーを可能とする技術
 3.リードレス・ペースメーカーMicraTMの構造
 4.リードレス・ペースメーカーMicraTMの植込み手技
 5.MicraTMの抜去
 6.MicraTMの臨床成績
 7.リードレス・ペースメーカーの適応
 8.リードレス・ペースメーカーの今後

第3章 ペーシング・タイミング
 1.デマンド(demand)機能
 2.Hysteresis
 3.AV delayとPV delay
 4.A counterとV counter
 5.DDIのペーシング・タイミング
 6.Max tracking rate
 7.Endless loop tachycardia(pacemaker-mediated tachycardia)とPost ventricular atrial refractory period(PVARP)
 8.最大ペーシング心拍数
 9.反復性非リエントリー性室房同期(repetitive non-reentrant VA synchrony:RNRVAS)

第4章 ペーシングと心血行動態
 1.ペースメーカー側の問題
 2.基礎心疾患の問題
 3.ペーシング心拍数の設定
 4.ペースメーカー植込みの運動耐容能の評価

第5章 ヒス-プルキンエ刺激伝導系ペーシング
 1.直接ヒス束ペーシング(direct His bundle pacing:DHBP)
 2.脚ブロックおよびヒス束以下のブロックにおけるDHBP
 3.Selective His bundle pacing(選択的直接ヒス束ペーシング)とnon-selective His bundle pacing(非選択的直接ヒス束ペーシング)
 4.CRTの代替療法としてのDHBP
 5.左脚ペーシング
 6.DHBPの問題点
 7.ヒス束ペーシングの適応
 8.左脚ペーシングの適応
 9.CRTの代替療法としてのヒス束ペーシング,左脚ペーシングの適応

第6章 ペースメーカーの心拍応答機能
 1.ペースメーカーの心拍応答機能の設定
 2.ペースメーカーの心拍応答機能のセンサー
 3.センサーの条件
 4.Multisensor
 5.心拍応答機能に対する考え方
 6.心拍応答機能の今後の展開

第7章 遠隔モニタリングとデバイスによる血行動態などの生体情報モニタリング機能
 1.ペースメーカーの心拍応答機能のセンサー
 2.心機能と身体活動度
 3.肺うっ血と胸郭内インピーダンスとOptiVolTM
 4.睡眠時無呼吸のモニタリング
 5.血行動態のモニター
 6.植込み型の心機能モニター機器
 7.遠隔モニタリングと生体情報モニタリング機能
 8.遠隔モニタリングの有用性
 9.遠隔モニタリング実施
 10.ペースメーカー植込み症例における心房細動と脳梗塞および遠隔モニタリングによる心原性脳梗塞予防

第8章 ペースメーカー植込み疾患と適応
 1.房室ブロック
 2.洞不全症候群
 3.徐脈性心房細動
 4.神経調節性失神
 5.抗頻拍ペーシング
 6.新しい適応
 7.てんかんとictal asystole

第9章 一時ペーシング
 1.緊急一時ペーシング
 2.徐脈に対する対応
 3.一時ペーシングの方法
 4.基礎心疾患と一時ペーシング
 5.頻拍に対する一時ペーシング
 6.緊急一時ペーシングの設定

第10章 ペースメーカーのモード決定
 1.洞不全症候群におけるペースメーカーモードの選択
 2.房室伝導が保たれた症例におけるペーシングモード
 3.房室ブロックにおけるペースメーカーモードの選択
 4.神経調節性失神に対するペーシング・アルゴリズム

第11章 ペースメーカーの植込み手技
 1.リードの長さの選択
 2.経静脈的心内膜電極の挿入
 3.橈側腕頭皮静脈(cephalic vein)のcut down法
 4.外頸静脈cut down法
 5.鎖骨下静脈穿刺法
 6.胸郭外穿刺法
 7.心室リードの留置
 8.心房リードの留置
 9.Screw-inリードの操作
 10.左上大静脈遺残
 11.ポケットの作成
 12.我々のペースメーカー植込み手技
 13.左室ペーシングの方法と手術手技
 14.冠静脈洞リードの合併症
 15.左室リードの改良
 16.左房ペーシングの方法と手術手技
 17.電池消耗とペースメーカー交換手術
 18.ペースメーカー手術の合併症
 19.抗凝固療法,抗血小板療法と植込み手術

第12章 ペースメーカーのフォローアップとトラブルシューティング
 1.ペースメーカークリニック
 2.ペースメーカーのトラブルシューティング

第13章 ペーシングによる心房細動の非薬物療法
 1.心房細動に対する非薬物療法
 2.ペースメーカー植込み症例における心房細動発生の予防
 3.心房細動発生の積極的抑制
 4.心房細動予防からみた心房の至適ペーシング心拍数
 5.特殊なペーシングアルゴリズムを利用した心房細動発生の抑制
 6.心房細動予防からみた心房の至適ペーシング部位
 7.特殊心房ペーシング部位へのリード植込み手技
 8.特殊なペーシング部位を用いた場合の問題点
 9.古典的ペースメーカー植込み適応のない症例における,ペースメーカーによる心房細動発生抑制の試み
 10.ペーシング部位の選択の基本的考え方
 11.心房細動に対する植込み型除細動器
 12.Ablate and pace
 13.心房細動中の心室心拍数のスムージング
 14.心房細動に対する抗頻拍ペーシング(anti-tachycardia pacing:ATP)治療

第14章 ペーシングによる心室性不整脈の治療
 1.ペーシングによる心室性不整脈の抑制の機序
 2.Overdrive pacingによるQT延長に伴う多形性心室頻拍の抑制
 3.Overdrive pacingによる心室頻拍,心室細動の抑制

第15章 心不全におけるペーシング治療とcardiac resynchronization therapy(CRT)
 1.心不全に対するペーシング治療
 2.心室ペーシングの不利益
 3.重症心不全における壁運動の協調性の消失
 4.ペーシング部位の問題
 5.右室流出路/右室中隔ペーシング
 6.CRT(cardiac resynchronization therapy)
 7.右室内の二点ペーシング(bi-focal pacing)
 8.PQ時間の影響
 9.AV delayの至適化
 10.CRTが有効な症例,適応基準と心エコー
 11.左室ペーシング
 12.古典的ペースメーカーの植込み適応のある症例における両室ペーシング
 13.VV間隔
 14.至適AV delay,VV delayの自動化
 15.CRTと心房細動
 16.CRTの効果
 17.CRT-Dの効果
 18.CRTと心筋逆リモデリング(reverse remodeling)
 19.軽症心不全に対するCRTの早期導入
 20.ICD適応症例に対するCRT-Dの早期導入
 21.Multipoint pacing
 22.CRT/CRT-Dの植込み適応
 23.CRTの植込み方法
 24.CRT設定上の問題
 25.徐脈によるペースメーカー適応のある症例におけるCRT

第16章 植込み型除細動器
 1.心室細動とimplantable cardioverter-defibrillator(ICD)
 2.心室頻拍の機序,電気生理学的検査による誘発と抗頻拍ペーシング
 3.ICDシステムの構造と機能
 4.ICDの適応と治療効果
 5.非虚血性心疾患のICD植込み適応
 6.ICDの植込み
 7.ICDのフォローアップとトラブルシューティング
 8.皮下植込み型ICD(subcutaneous ICD:S-ICD)
 9.着用型自動除細動器(wearable cardioverter-defibrillator:WCD)

第17章 電磁障害と不具合
 1.電磁波障害(electro-magnetic interference:EMI)とは
 2.EMIにより惹起される問題
 3.EMI対策
 4.デバイスの不具合
 5.MRI(magnetic resonance imaging)対応デバイス

第18章 身体障害者認定,施設基準,保険償還,運転免許証および法律上の諸問題
 1.身体障害者認定
 2.ペースメーカーおよびICDの移植術,交換術に関する施設基準
 3.運転免許について
 4.死後のペースメーカー取り外し
 5.メーカーによる立ち会い規制とCDR制度

 索引

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執筆者一覧

石川利之 横浜市立大学附属病院循環器内科教授 著

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