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書籍詳細

脳卒中エキスパート 降圧療法を究める

脳卒中エキスパート 降圧療法を究める

鈴木則宏  シリーズ監修 / 高橋愼一  編集

A5判 188頁

定価(本体3,600円 + 税)

ISBN978-4-498-32862-4

2020年11月発行

在庫あり

脳卒中診療における特に重要なテーマについて,各領域の専門家がテーマ毎に1冊で理解できるように詳説するシリーズ最新刊.降圧療法に焦点を合わせ,脳卒中治療における血圧管理を新しいガイドラインに即して解説.これまでエビデンスのなかった無症候性脳血管病変や,認知症との関連についても言及.治療や予防にあたって最良の選択をするため,必須となる基礎知識から最新の知見まで網羅した.



 脳卒中の最大の危険因子は高血圧である.血圧の厳格な管理は,脳卒中の1次予防,2次予防(再発)に最も重要である.脳卒中急性期には脳梗塞,脳出血の双方で脳循環自動調節能が障害され,血圧の変化が直ちに脳循環動態に大きな影響を及ぼすため,血圧管理が必要になる.こうした点を踏まえて,本シリーズの2冊目である本書は「脳卒中エキスパート 降圧療法を究める」と題して,脳卒中領域の第一線で活躍するエキスパートの先生方に血圧管理のすべてを執筆いただいた.
 Global Burden of Disease Study 2015によれば,脳卒中は世界的に見ても全死因の第2位を占め,生命を取りとめても重篤な後遺症を残し,生涯にわたって患者のQOLを損なう疾患である.脳卒中患者全体の76%は初発者であることから,まずその1次予防が重要になる,本邦において脳卒中(脳血管疾患)は1960年代に日本人の死因の第1位を占めていたが,それ以降は減少し,2019年人口動態統計では,悪性新生物,心疾患,老衰に次いで第4位となっている.脳血管疾患全体の有病率はこの20年間で減少傾向であると言えるが,これらの背景には高血圧の治療・管理が進み,徐々にその効果が表れてきた結果と考えられる.世界の32か国の初発脳血管障害患者約13,447症例を解析したINTERSTROKE studyの結果から,世界のどの地域でも共通して,高血圧,糖尿病,飲酒,喫煙など10個の修正可能危険因子が脳卒中発症の90%に寄与していることが示された.その中で,高血圧は単一因子として最も寄与度が高く,50%に及ぶことが明らかになっている.本邦では,昨年2019年に日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン(JSH2019)が5年ぶりに改訂されたが,血圧値の新たな分類として,120/80 mmHg未満が「正常血圧」であると明記された.JSH2014までは「至適血圧」と位置づけされていた120/80 mmHg未満を明白に「正常」としたことは,これ以上の血圧高値で疾患発症リスクが高まるというエビデンスをより明瞭に示した結果である.また脳卒中再発予防のための管理目標もJSH2014では脳血管障害患者の降圧目標値は診察室および家庭血圧の目標値がそれぞれ,140/90 mmHg未満,135/85 mmHg未満(目安)であったのに対し,「両側頸動脈狭窄や脳主幹動脈閉塞なし」,あるいは,「両側頸動脈狭窄や脳主幹動脈閉塞あり,または未評価」で分類し,両側頸動脈狭窄や脳主幹動脈閉塞なしの脳血管障害患者の降圧目標値をそれぞれ,130/80 mmHg未満,125/75 mmHg未満へと,厳格な値へ変更した.2021年に発刊予定の脳卒中治療ガイドライン(日本脳卒中学会)と併せ,脳卒中診療のおける降圧治療を網羅的にまとめる機会が得られたことは大変有意義なことである.これまでエビデンスのなかった無症候性脳血管病変や,認知症との関連も含め執筆いただき,併せてお役に立てれば幸いである.
 最後に本シリーズを企画いただいた鈴木則宏先生,執筆いただいた先生方に深く感謝申し上げたい.

   2020年8月吉日
埼玉医科大学国際医療センター脳神経内科・脳卒中内科
高橋 愼一

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目次

I.脳卒中一次予防における降圧療法
 1 脳卒中一次予防における降圧療法 〈成田圭佑 苅尾七臣〉
  1.脳卒中一次予防における血圧管理の重要性と高血圧パラドックス
  2.高血圧の診断と評価 
  3.厳格降圧の有用性 
  4.降圧管理の実際 

II.急性期治療における降圧療法
 1 総論(脳卒中の急性期降圧のエビデンス) 〈阿久津二夫〉 
  1.脳梗塞 
  2.脳出血 
  3.くも膜下出血
 2 脳梗塞 〈出口一郎〉 
  1.再灌流療法適応の場合
  2.再灌流療法非適応の場合 
  3.発症前からの内服薬の継続の是非について 
  4.どのような患者では早期降圧を検討すればよいか
 3 脳出血 〈木村俊介 古賀政利〉 
  1.急性期の降圧療法 
 4 くも膜下出血 〈大熊洋揮〉 
  1.くも膜下出血の疫学 
  2.SAHの急性期病態と臨床経過 
  3.血圧管理の必要性
  4.再出血予防のための降圧 
 5 動脈解離 〈足立智英〉 
  1.動脈解離の病態,病因,および疫学 
  2.頭頸部動脈解離の分類 
  3.頭頸部動脈解離急性期の血圧管理 
 6 高血圧性脳症 〈加藤裕司〉 
  1.疾患概念 
  2.病因 
  3.病態 
  4.病理 
  5.画像所見 
  6.高血圧性脳症の治療
  7.鑑別診断
  8.高血圧性脳症,PRES/RPLS,RCVSの位置づけ 

III.慢性期治療における降圧療法
 1 脳梗塞 〈舩越駿介 有馬久富〉 
  1.脳梗塞を含む脳卒中再発予防における降圧療法の有用性 
  2.脳梗塞を含む脳卒中慢性期における降圧目標 
  3.脳梗塞を含む脳卒中再発予防における降圧薬の選択 
 2 脳出血とくも膜下出血 〈大星博明〉 
  1.脳出血の再発率 
  2.慢性期脳出血の血圧管理 
  3.脳出血の再発リスク 
  4.慢性期脳出血の降圧治療に関するガイドライン 
  5.慢性期くも膜下出血の血圧管理 

IV.無症候性病変への対応としての降圧療法
 1 無症候性脳梗塞 〈猪原匡史〉
  1.定義 
  2.診断 
  3.疫学 
  4.高血圧によるSBI 
  5.治療 
 2 大脳白質病変と脳出血 〈藥師寺祐介 原 英夫〉
  1.大脳白質病変
  2.無症候性脳出血と脳微小出血 
  3.大脳白質病変と脳微小出血 
 3 血管性認知症 〈新堂晃大 冨本秀和〉 
  1.血管性認知症の病態と臨床症状
  2.画像所見 
  3.診断基準 
  4.血管性認知症の治療 
 4 無症候性頸部・頭蓋内血管狭窄 〈井上 敬〉
  1.降圧療法と脳循環 
  2.脳主幹動脈閉塞症例の脳循環 
  3.無症候性頸部頸動脈狭窄症例における血行再建術と薬物療法
  4.脳主幹動脈狭窄または閉塞症例における降圧療法後脳血流 
  5.降圧療法により有害事象をきたす症例 
 5 未破裂脳動脈瘤 〈井川房夫〉 
  1.未破裂脳動脈瘤の頻度
  2.未破裂脳動脈瘤の増大・新生
  3.未破裂脳動脈瘤の新たな検査
  4.未破裂脳動脈瘤の破裂危険因子と高血圧 
  5.未破裂脳動脈瘤の治療成績
  6.未破裂脳動脈瘤への対応
  7.未破裂脳動脈瘤の原因 

索引 

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執筆者一覧

鈴木則宏  湘南慶育病院院長・慶應義塾大学名誉教授 シリーズ監修
高橋愼一  埼玉医科大学国際医療センター脳神経内科・脳卒中内科教授 編集
成田圭佑  自治医科大学内科学講座循環器内科学部門 / 唐津赤十字病院循環器内科 
苅尾七臣  自治医科大学内科学講座循環器内科学部門教授 
阿久津二夫 北里大学医学部脳神経内科学講師 
出口一郎  埼玉医科大学国際医療センター脳神経内科・脳卒中内科客員准教授 
木村俊介  国立循環器病研究センター病院脳血管内科 
古賀政利  国立循環器病研究センター病院脳血管内科部長 
大熊洋揮  弘前大学大学院医学研究科脳神経外科学教授 
足立智英  東京都済生会中央病院総合診療内科・脳神経内科 
加藤裕司  埼玉医科大学国際医療センター脳神経内科・脳卒中内科准教授 
舩越駿介  福岡大学医学部衛生・公衆衛生学 
有馬久富  福岡大学医学部衛生・公衆衛生学教授 
大星博明  福岡歯科大学総合医学講座内科学分野主任教授 
猪原匡史  国立循環器病研究センター病院脳神経内科部長 
藥師寺祐介 関西医科大学神経内科学講座教授 
原 英夫  佐賀大学医学部内科学脳神経内科教授 
新堂晃大  三重大学医学部附属病院認知症センター 
冨本秀和  三重大学大学院医学系研究科・神経病態内科学教授 
井上 敬  国立病院機構仙台医療センター脳神経外科医長 
井川房夫  島根県立中央病院脳神経外科部長 

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