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書籍詳細

ERで闘うための手技

ERで闘うための手技

久村正樹   編著

A5判 488頁

定価7,480円(本体6,800円 + 税)

ISBN978-4-498-16624-0

2020年10月発行

在庫あり

CareNeTVで公開、連動企画「ERで闘うための手技」のページはこちら!
※CareNeTVのサイトへ飛びます。

最前線の俺流Tipsを手に入れろ!
好評書『ERで闘うためのクスリの使い方』に続く「手技」編.基本から応用まで,救急科専門医取得に必要となる50の手技をピックアップ.日々,現場で修羅場をくぐる名人たちが,実体験を踏まえて分かりやすく解説する. CareNeTV(株式会社ケアネット)にて,本書掲載の一部手技を動画で解説する新番組「ERで闘うための手技」をタイアップ配信!
単なるマニュアル本では満足できない人たちへ!

はじめに
本書は『ERで闘うためのクスリの使い方』の続編です.前書は「クスリ」と銘打ってあるものの,薬に留まらない異例の内容で,お陰様で好評を得ました.本書も「手技」と銘打ってあるものの,内容は手技に留まらず,ERで闘うための知識が随所に散りばめられています.
本書の執筆陣は,救急・集中治療の現場で日々修羅場を潜り抜けている猛者たちです.猛者たちの技を,猛者たちの視点で捉えられるように,各著者にできるだけ自由な記載をお願いしました.果たして返ってきた原稿は素晴らしいものでした.編集をしながら原稿を読みふけってしまったことを思い出します.救急・集中治療の現場では,どんな知識よりも静脈路確保のひとつ,ドレナージのひとつが患者の命を救うということがあります.手技というのは理屈ではない部分があり,これは訓練を積むしかありません.本書では,猛者たちの思いの詰まった文章により,手技の訓練のコツを身に付けることができるように作られています.これから手技を学ぶ初期研修医,ERで働き始めたスタッフはもちろん,指導医クラスにも,名人のコツを学ぶために役立つ書であることを確信しております.また手技の本でありながら症例を盛り込み,症例ベースで手技の具体的なイメージが湧きやすいようにしました.症例報告集としても読み応えがあります.
本書の使い方としては,臨床の現場で即役立つのはもちろんですが,普段からパラパラ眺めることをお勧めします.「俺流Tips」は各手技の本質を説明しており,覚えておけば猛者たちと同じ目線で手技に挑むことができるでしょう.また本書はマニュアル本ではありますが,マニュアルから少しはずれた事態にも対応できるよう,いたずらにマニュアル的にはなっていません.随所に専門家の深い記述がなされています.文体は教科書的に決まりきったものよりも,執筆者が経験する実際の臨床を出すように心がけ,文章には手を入れないようにしました.読者の皆様に,執筆者の熱い姿勢を感じてほしかったからです.これは前書『ERで闘うためのクスリの使い方』と同じ,「ERで闘うシリーズ」のポリシーでもあります.なお,本手技の一部はCareNetTV(https://carenetv.carenet.com/)から動画サイト「ERで闘うための手技」として2020年9月から配信されています.ぜひこちらも併せてご利用ください.
本書を上梓できたのは,ひとえに優れた原稿を執筆頂いた著者の先生方のご協力あってのものです.新型コロナウイルス感染症対応で大変な中,本邦の医学教育にご尽力いただき心からお礼を申し上げます.また本書のアイデアをくださり,執筆著者との連絡調整,校閲をしてくださった中外医学社の五月女謙一さん,笹形佑子さんに感謝いたします.
本書がER診療の底上げとなり,深く愛される著書となることを願っています.
2020年7月23日
埼玉医科大学総合医療センター救急科 久村正樹

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CONTENTS


CHAPTER 1 命を救う基本手技
 1 末梢血管確保(エコー使用)〔大井秀則〕
  考え方
  方法
  超音波ガイド下末梢静脈路確保の実際
 2 末梢血管確保(小児)〔内田悠太 小林信吾 櫻井叔男〕
  考え方・方法
  末梢路固定法
  骨髄路確保
 3 緊急時の輸液(成人)〔鱶口清満 山上 浩〕
  考え方・方法
  緊急輸液の実際 (1)
   治療
   治療の考え方
  緊急輸液の実際 (2)
   治療
   治療の考え方
 4 緊急時の輸液(小児)〔坂本 航 小林信吾 櫻井叔男〕
  考え方・方法
  緊急時の輸液(小児)の実際 (1) 循環血液量減少性ショック,低血糖
  緊急時の輸液(小児)の実際 (2) 電解質異常
  緊急時の輸液(小児)の実際 (3) 糖尿病性ケトアシドーシス
 5 マスク換気〔久木原由里子〕
  考え方・方法
  現場での実際
 6 緊急気管挿管〔中村元洋〕
  考え方・方法 本当に気管挿管が必要?
  緊急気管挿管の実際
  緊急気管挿管の実践例
 7 外科的気道確保〔中山由紀子〕
  考え方・方法
  外科的気道確保の実際
 8 DAM(difficult airway management)での気管挿管〔亀田慎也〕
  考え方・方法
  DAMでの気管挿管の実際
  DAMでの気管挿管の実践例
 9 緊急人工呼吸管理〔田中竜馬〕
  考え方
  方法
  人工呼吸管理における病態とは
  VCVとPCV
  人工呼吸管理の実際
  肺メカニクスの観察
 10 除細動,カルディオバージョン〔秦 龍彦 林 寛之〕
  考え方・方法
  除細動の実際
  カルディオバージョンの実際
 11 緊急経皮・経静脈ペーシング〔武田 聡〕
  考え方・方法
  緊急経皮ペーシングの実際
  経皮ペーシングの実践例
  緊急経静脈ペーシングの実際
 12 外傷におけるエコー(FAST,EFAST)〔本橋直樹〕
  考え方・方法
  FASTの実際
  EFASTの実際
 13 緊急心エコー〔小川広晃 岩田充永〕
  エコー検査
  心エコー
 14 急性腹症のエコー〔松田律史〕
  考え方
  方法
 15 胸腔穿刺,胸腔ドレーン留置〔土手 尚〕
  考え方・方法
  胸腔穿刺の実際
  胸腔ドレーン留置の実際
 16 肘内障整復〔遠藤成晃〕
  考え方・方法
  肘内障整復の実際
 17 肩関節脱臼整復〔田 翔太〕
  肩関節脱臼の考え方・方法
  救急外来での肩関節前方脱臼の実際
  肩関節脱臼の診療実践例
 18 顎関節脱臼整復〔山田美喜〕
  考え方・方法
  顎関節脱臼整復の実際
  顎関節脱臼の実践例
 19 骨折のシーネ固定〔田 翔太〕
  骨折のシーネ固定の考え方・方法
  救急外来での骨折のシーネ固定の実際
  骨折のシーネ固定の診療実践例
 20 介達牽引,直達牽引〔大饗和憲〕
  考え方・方法
  牽引の実際
 21 関節穿刺〔森井北斗〕
  考え方・方法
  関節穿刺の実際
 22 創処置,縫合〔市川頼子〕
  考え方・方法
  創部・患者の評価の実際
  創部の観察の実際
  除痛,洗浄,汚染組織のデブリードマン,抗菌薬投与の実際
  創閉鎖の実際
  被覆・処置後の実際
 23 尿道カテーテル〔坂 正明 上田剛士〕
  考え方・方法
  尿道カテーテル挿入の実際
  尿道カテーテル挿入の実践例
 24 胃洗浄〔重松咲智子〕
  考え方・方法
  胃洗浄の実際 手技の実際の流れ
 25 上気道異物除去〔永田理希〕
  考え方・方法
  耳内異物(外耳道異物)
  鼻腔異物
  咽頭異物
  異物による気道閉塞の際の緊急処置
 26 中心静脈カテーテル留置〔平松玄太郎〕
  考え方・方法
  中心静脈カテーテル留置の実際
  中心静脈カテーテル留置の実践例
 27 動脈圧測定カテーテル留置〔園田健一郎〕
  考え方・方法
  動脈圧測定カテーテル留置の実際
 28 気管支鏡〔倉原 優〕
  考え方・方法
  気管支鏡の実際
 29 腰椎穿刺〔神川洋平 林 寛之〕
  考え方・方法
  腰椎穿刺の実際
 30 緊急血液浄化法〔畠中健吾 上條吉人〕
  考え方・方法
  緊急血液浄化法の実際

CHAPTER 2 命をつなぐ応用手技
 1 気管切開〔鈴木秀一〕
  概要
  考え方・方法
  ダイレータの特徴
  経皮的気管切開手順
 2 大動脈遮断用バルーンカテーテル挿入,REBOA〔松村洋輔〕
  考え方・方法
  REBOAの実際
 3 ECMO(PCPS)留置〔清水敬樹〕
 4 IABP〔小中理大 村石真起夫 本間洋輔〕
  考え方
  IABPの原理と理論
  IABPの実践例
 5 開胸式心臓マッサージ〔藏本俊輔 渡部広明〕
  考え方
  開胸式心臓マッサージの実際
  開胸式心臓マッサージの実践例
 6 心嚢穿刺・心嚢開窓術〔松本 亮 渡部広明〕
  考え方・方法
  心嚢穿刺の実際
  心嚢開窓術の実際
 7 イレウス管留置〔可児和仁〕
  考え方・方法
  実際
 8 緊急消化管内視鏡 消化管出血を中心に〔高林英日己〕
  考え方・方法
  緊急内視鏡検査の実際 消化管出血を中心に
 9 S-Bチューブ挿入〔内田党央 道田知樹〕
  考え方・方法
  S-Bチューブ挿入の実際
  合併症
  S-Bチューブ挿入の実践例
 10 腹腔(膀胱)内圧測定〔荒川立郎〕
  考え方・方法
  腹腔(膀胱)内圧測定の実際
  ACSの実践例1
  ACSの実践例2
 11 頭蓋内圧(ICP)測定〔吉田信介 荒木 尚 松居 徹〕
  考え方・方法
  ICP測定の実際
  頭蓋内圧測定の実践例
 12 筋区画内圧測定〔八幡直志〕
  考え方
  方法
  測定の実際
  圧測定の実践例
 13 減張切開〔八幡直志〕
  考え方
  方法と実際
 14 緊急TAE〔今本俊郎〕
  考え方・方法
  必要な道具
  シース留置の実際
  カテーテル操作の実際
  マイクロカテーテルの実際
  塞栓物質の実際

CHAPTER 3 命を守る特殊手技
 1 グラム染色〔川村繭子 川村隆之 西田裕介 岡 秀昭〕
  考え方・方法
  グラム染色の実際
  グラム染色の実践例
 2 虐待の緊急対応(小児)〔河野彬子 小林信吾 櫻井叔男〕
  考え方・方法
  虐待の緊急対応の実際
 3 虐待の緊急対応(高齢者)〔武部弘太郎〕
  考え方・方法
  救急外来における高齢者虐待への対応の実際
  高齢者虐待の実践例
 4 配偶者暴力の緊急対応〔柴田綾子〕
 5 性暴力の緊急対応〔柴田綾子〕
 6 緊急精神科面接〔久村正樹〕
  考え方・方法
  緊急精神科面接の実際 (1) 医療面接(緊急に行う面接)
  緊急精神科面接の実際 (2) 精神科面接(少し時間がある時に行う面接)
  緊急精神科面接の実践例


索 引

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執筆者一覧

久村正樹   埼玉医科大学総合医療センター救急科准教授 編著
大井秀則   埼玉医科大学総合医療センター高度救命救急センター助教 
内田悠太   埼玉医科大学総合医療センター小児救命救急センター助教 
小林信吾   埼玉医科大学総合医療センター小児救命救急センター病棟医長 
櫻井叔男   埼玉医科大学総合医療センター小児救命救急センター教授 
鱶口清満   湘南鎌倉総合病院救急総合診療科 
山上 浩   湘南鎌倉総合病院救急総合診療科 
坂本 航   埼玉医科大学総合医療センター小児救命救急センター助教 
久木原由里子 埼玉医科大学総合医療センター高度救命救急センター助教 
中村元洋   埼玉医科大学総合医療センター救急科(ER)講師 
中山由紀子  沖縄県立中部病院救命救急センター 
亀田慎也   東京慈恵会医科大学附属柏病院救急部助教 
田中竜馬   Intermountain LDS Hospital呼吸器内科・集中治療科 
秦 龍彦   福井大学医学部附属病院救急科・総合診療部特命助教 
林 寛之   福井大学医学部附属病院救急科・総合診療部教授 
武田 聡   東京慈恵会医科大学救急医学講座主任教授 
本橋直樹   東京医科大学救急・災害医学分野 
小川広晃   名古屋大学医学部附属病院救急・集中治療部病院助教 
岩田充永   藤田医科大学救急総合内科主任教授 
松田律史   札幌東徳洲会病院画像・IVRセンター 
土手 尚   聖隷浜松病院救急科医長 
遠藤成晃   自治医科大学附属さいたま医療センター救急部臨床助教 
田 翔太   さいたま赤十字病院整形外科 
山田美喜   埼玉医科大学総合医療センター歯科口腔外科助教 
大饗和憲   埼玉医科大学総合医療センター高度救命救急センター准教授 
森井北斗   埼玉医科大学総合医療センター高度救命救急センター助教 
市川頼子   埼玉医科大学総合医療センター整形外科助教 
坂 正明   洛和会音羽病院ICU/CCU医員 
上田剛士   洛和会丸太町病院救急・総合診療科 
重松咲智子  川越救急クリニック 
永田理希   希惺会ながたクリニック院長 
平松玄太郎  埼玉医科大学総合医療センター高度救命救急センター助教 
園田健一郎  埼玉医科大学総合医療センター救急科(ER)助教 
倉原 優   国立病院機構近畿中央呼吸器センター呼吸器内科 
神川洋平   福井大学医学部附属病院救急科・総合診療部特命助教 
畠中健吾   埼玉医科大学病院救急センター・中毒センター 
上條吉人   埼玉医科大学病院救急センター・中毒センター教授 
鈴木秀一   国立病院機構名古屋医療センター救急集中治療科医長,救命救急センター長,ICU室長 
松村洋輔   千葉県救急医療センター集中治療科担当部長 
清水敬樹   東京都立多摩総合医療センター救命救急センター部長・センター長 
小中理大   東京ベイ・浦安市川医療センター救急集中治療科 
村石真起夫  東京ベイ・浦安市川医療センター循環器内科 
本間洋輔   東京ベイ・浦安市川医療センター救急集中治療科 
藏本俊輔   島根大学医学部Acute Care Surgery講座助教 
渡部広明   島根大学医学部Acute Care Surgery講座教授 
松本 亮   島根大学医学部Acute Care Surgery講座医員 
可児和仁   埼玉医科大学総合医療センター消化器・肝臓内科講師 
高林英日己  埼玉医科大学総合医療センター消化器・肝臓内科講師 
内田党央   埼玉医科大学総合医療センター消化器・肝臓内科助教 
道田知樹   大阪国際がんセンター消化管内科主任部長 
荒川立郎   国立病院機構名古屋医療センター救急集中治療科 
吉田信介   埼玉医科大学総合医療センター脳神経外科助教 
荒木 尚   埼玉医科大学総合医療センター高度救命救急センター准教授 
松居 徹   埼玉医科大学総合医療センター脳神経外科教授 
八幡直志   埼玉医科大学総合医療センター高度救命救急センター助教 
今本俊郎   埼玉医科大学総合医療センター高度救命救急センター助教 
川村繭子   埼玉医科大学総合医療センター総合診療内科・感染症科助教 
川村隆之   埼玉医科大学総合医療センター感染症科・感染制御科助教 
西田裕介   埼玉医科大学総合医療センター総合診療内科・感染症科助教 
岡 秀昭   埼玉医科大学総合医療センター総合診療内科・感染症科教授 
河野彬子   埼玉医科大学総合医療センター小児救命救急センター助教 
武部弘太郎  京都府立医科大学救急医療学教室助教 
柴田綾子   淀川キリスト教病院産婦人科 

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ERで闘うための手技
   定価7,480円(本体6,800円 + 税)
   2020年10月発行
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