著者略歴
齊藤万比古(さいとう かずひこ)
現職は恩賜財団母子愛育会愛育研究所児童福祉・精神保健研究部長,同研究所愛育相談所長.1975年千葉大学医学部を卒業し木更津病院勤務を経て,1979年に国立国府台病院精神科に入職,児童精神科部門の専属となる.国府台病院はその後,国立精神・神経センター,国立国際医療センター等と,その所属する機関が換わったものの,一貫して国府台病院の児童精神科医であった.その間,2003年から2006年まで同じセンター内の精神保健研究所児童・思春期精神保健部長を務めた.2013年,精神科部門診療部長を最後に,国立国際医療研究センター国府台病院を退職.同年恩賜財団母子愛育会愛育病院に入職し,2015年より現職にある.この間に日本児童青年精神医学会,日本ADHD学会,日本サイコセラピー学会の理事長を務めた.現在日本ペアレント・トレーニング研究会の顧問を務めている.「注意欠如・多動症―ADHD―の診断・治療ガイドライン 第4版」の編集を担い,現在第5版への改訂を目指している.いま関心を強くよせているのは,発達障害や被虐待体験を持つ子どもたちのメンタライジング不全の理解とその治療への応用という課題である.
飯田順三(いいだ じゅんぞう)
現職は奈良県立医科大学医学部看護学科人間発達学教授.1981年に奈良県立医科大学を卒業し奈良県立医科大学精神医学講座に入局.当時認知症が社会的に大問題となっている時代であったが,当初より児童精神医学に興味を持っていた.発達障害や不登校に強い関心があり,当時奈良県下にほとんどいなかった児童精神科医を目指すこととした.1996年に同大学助教授となり,2000年より同大看護短期大学部教授,2004年に同大看護学科教授となった.その後2008年〜2014年,2016年〜2018年看護学科長を務めた.現在,日本児童青年精神医学会常任理事,子どものこころ専門医機構副理事長,日本ADHD学会理事,日本精神神経学会代議員を務めている.ADHDの近赤外線スぺクトロスコピィや事象関連電位などの生物学的研究への関心と同時に心理社会的な治療にも重きを置いている.最近は児童精神科医の養成にも力を入れている.
宮島 祐(みやじま たすく)
現職は東京家政大学子ども学部子ども支援学科教授・同学科長・同大学院教授,東京医科大学医学部小児・思春期学領域兼任教授.1978年東京医科大学医学部卒業し,同大学小児科学教室入局し小児神経領域を専門とし,1983年同大学大学院単位取得,医学博士.1985年国立精神・神経センター武蔵病院小児神経科研修などを経て,1994年東京医科大学小児科学講師,2012年同臨床准教授,2014年4月から現職にある.この間に日本小児科学会学術雑誌和文誌編集委員長,日本小児精神神経学会常務理事および同学会誌編集委員長など歴任し,2019年4月より齊藤万比古先生の後を受け日本ADHD学会第4代理事長を拝命している.小児科医になった当初は難治性てんかんや重度脳性麻痺児などの診療が主体であったが,1998年から日本小児精神神経学会事務局総務を担当し,同時期から厚生労働省科学研究事業およびPMDA等で専門委員として従事し,発達障害(神経発達症群)が診療の主体となっている.現職では医療のことを理解できる保育者養成を担い,地域自治体や教育界との連携を図っている.