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書籍詳細

日本排尿機能学会標準用語集 第1版

日本排尿機能学会標準用語集 第1版

日本排尿機能学会用語委員会 編

A5判 60頁

定価1,760円(本体1,600円 + 税)

ISBN978-4-498-06434-8

2020年04月発行

在庫あり

下部尿路機能およびその障害に関する標準用語集の最新版.International Continence Society (ICS,国際禁制学会)が出版した標準用語報告書のうちの主な3編に,International Children’s Continence Society (ICCS,国際小児禁制学会)の1編を加え,学会を代表するエキスパートたちが,これらに準拠して編集した.下部尿路機能障害の診療・研究に携わる本邦の専門家が,学術活動の場で使用できる共通言語を提供する.

巻頭言




 疾患の疫学,病態,診断,治療の研究および診療において,用語基準はきわめて重要であり,世界中の研究者および臨床家が共通言語を認識することは基本的要件となります.下部尿路に関する用語基準については,2002年に国際禁制学会(International Continence Society)により大幅な改訂が行われ,日本排尿機能学会から「下部尿路機能に関する用語基準:国際禁制学会標準化部会報告」として,2003年に日本語訳が出版されました.他方,その後も国際禁制学会から,下部尿路機能に関するさまざまな領域の用語に関して,多くの報告書が公開されていますが,2002年以降の用語改訂については日本語版の作成は行われていません.現在,本邦は下部尿路機能障害の領域において,研究,臨床いずれにおいても世界をリードする研究成果を発信しているなか,最新の国際的用語基準の日本語版の作成は喫緊の課題となっていました.
 今回,日本排尿機能学会の用語委員会により,国際禁制学会および国際小児禁制学会がまとめた用語に関する報告書について,重要な領域の用語を日本排尿機能学会標準用語集としてまとめていただきました.本用語集は,症状,徴候,検査,診断,治療,小児の領域に分けて,下部尿路機能障害の診療,研究に携わる本邦の専門家を対象として編纂されています.
 膨大な作業により貴重な本用語集を編纂していただいた日本排尿機能学会用語委員の先生方に心から深謝するとともに,質の高い仕事に敬意を表します.また,下部尿路機能障害の研究,診療に携わる先生方が本用語集を活用して,優れた研究・診療成果を国内および世界に発信されることを期待いたします.

2020年4月
一般社団法人日本排尿機能学会理事長
後藤百万

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はじめに




 学会発表や論文発表などの学術活動の場での互いの情報交換のためには共通して使用できる標準用語が不可欠である.下部尿路機能およびその障害に関する標準用語としては,International Continence Society (ICS,国際禁制学会)が2002年に標準用語基準1)を発行し,本学会が2003年にその日本語訳の用語基準2)を発刊しているが,その後今日まで改訂されずにいた.
 ICSは,その後,いくつかのカテゴリーに関して標準用語報告書を出版し,国際的に共通して使用できる標準用語を提示している.今回,その中から主なものを選出して,原則としてそれらに準拠した一冊の標準用語集にまとめることになった.対象とする報告書としては,比較的最近発刊されており,重要度の高いと思われる,Adult Male Lower Urinary Tract Symptoms(LUTS),Adult Neurogenic Lower Urinary Tract Dysfunction(LUTD),およびNocturiaに関する3編3-5)を選出し,それらにInternational Children's Continence Society(ICCS,国際小児禁制学会)が作成したChildren and Adolescentsに関する1編6)を加えることとした.本標準用語集の作成目的は,下部尿路機能障害の診療・研究に携わる本邦の専門家が,学術活動の場で共通して使用できる標準用語を提供することにある.ICSならびにICCSの標準用語に原則として準拠することよって,国内外を問わず共通して活用できるものを目指して作成した.そのため,日本泌尿器科学会(JUA)や日本ストーマ・排泄リハビリテーション学会(JSSCR)などの関連学会が編集した用語集や本学会ならびにJUA,日本小児泌尿器科学会などの関連学会が発刊している診療ガイドラインや手引きで用いられている用語との整合性は,ある程度考慮したものの,必ずしもそれと一致するとは限らない.
 なお,「排尿症状」,「排尿(機能)障害」という用語は,「尿排出症状」,「尿排出(機能)障害」のみを指す“狭義の排尿症状,排尿(機能)障害”を意味するが,一般に広義では,「蓄尿症状」,「蓄尿(機能)障害」を含む“下部尿路症状,下部尿路機能障害”を指す慣習がある.そこで,本用語集では,このような混乱を避けるため,症状,機能,機能障害を修飾する用語としては,誤解を生みかねない「排尿」という用語を単独で用いることを避け,「排尿[時]症状(尿排出[時]症状)」,「尿排出機能(排尿機能)」,「尿排出機能障害(排尿機能障害)」と併記した表記を使用することとした.
 ICS標準用語報告書の中では,既出の報告と区別するために,既出の報告を変更したものを“CHANGED”(変更),新しく作ったものを“NEW”(新規)として記載されている.それに倣って,本書でも,2002年に発刊されたICS標準用語基準を基に,「変更あり」には,「新規」にはの記号を用語の後ろに付記した.

文献
1)Abrams P, Cardozo L, Fall M, et al; Standardisation Sub-committee of the International Continence Society. The standardisation of terminology of lower urinary tract function: report from the Standardisation Sub-committee of the International Continence Society. Neurourol Urodyn. 2002; 21: 167-78.
2)本間之夫,西沢 理,山口 脩.下部尿路機能に関する用語基準:国際禁制学会標準化部会報告.日排尿機能会誌.2003; 14: 278-89.
3)D'Ancona C, Haylen B, Oelke M, et al; Standardisation Steering Committee ICS and the ICS Working Group on Terminology for Male Lower Urinary Tract & Pelvic Floor Symptoms and Dysfunction. The International Continence Society (ICS) report on the terminology for adult male lower urinary tract and pelvic floor symptoms and dysfunction. Neurourol Urodyn. 2019; 38: 433-77.
4)Gajewski JB, Schurch B, Hamid R, et al. An International Continence Society (ICS) report on the terminology for adult neurogenic lower urinary tract dysfunction (ANLUTD). Neurourol Urodyn. 2018; 37: 1152-1161.
5)Hashim H, Blanker MH, Drake MJ, et al. International Continence Society (ICS) report on the terminology for nocturia and nocturnal lower urinary tract function. Neurourol Urodyn. 2019; 38: 499-508.
6)Austin PF, Bauer SB, Bower W, et al. The standardization of terminology of lower urinary tract function in children and adolescents: update report from the standardization committee of the International Children's Continence Society. Neurourol Urodyn. 2016; 35: 471-81.

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目 次
A 症状(SYMPTOMS)
B 徴候(SIGNS)
C 検査(TESTS, STUDIES)
D 診断(DIAGNOSIS)
E 治療(TREATMENT)
F 小児(CHILDREN AND ADOLESCENTS)
和文索引
欧文索引

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執筆者一覧

日本排尿機能学会用語委員会      編
委員長       
井川靖彦 長野県立病院機構長野県立信州医療センター 
委員    
青木芳隆 福井大学医学部泌尿器科 
鈴木康之 東京都リハビリテーション病院泌尿器科 
関戸哲利 東邦大学医療センター大橋病院泌尿器科 
谷口珠実 山梨大学大学院総合研究部医学域看護学系健康・生活支援看護学講座 
藤村哲也 自治医科大学腎泌尿器外科学講座 
三井貴彦 山梨大学大学院総合研究部泌尿器科学 
宮里 実 琉球大学医学部システム生理学講座 

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