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書籍詳細

もう困らない 外来・病棟での腎臓のみかた

もう困らない 外来・病棟での腎臓のみかた

杉本俊郎 著

A5判 244頁

定価4,180円(本体3,800円 + 税)

ISBN978-4-498-22458-2

2020年05月発行

在庫あり

腎臓専門医であり総合内科医としての経験も豊富な著者が,一問一答形式で腎臓の臨床的な問題点を明確に示し,平易かつ丁寧に解説.非専門医が外来・病棟の現場で,「腎臓に何が起こっているのか.どう対応すればいいのか」を適切に判断できるようになることを目指した.簡潔ながらも,腎臓の知識の根幹である腎生理学的視点から説かれた本書は,実践的に使える深い知識を身にけることができる.明日からの診療に自信が付く1冊だ.

【著者略歴】

杉本俊郎(すぎもと としろう)
滋賀医科大学総合内科学講座(地域医療支援) 教授
国立病院機構 東近江総合医療センター 総合内科部長

略歴
1989年 3月 滋賀医科大学 卒業
同年 6月 滋賀医科大学医学部附属病院 医員(研修医)
1991年 4月 滋賀医科大学大学院 入学
1995年 3月 同 卒業 医学博士取得
同年 9月 米国ミシガン大学 生化学研究員
1998年 4月 滋賀医科大学附属病院 医員
1999年 4月 長寿科学振興財団 リサーチレジデント
2000年 10月 滋賀医科大学医学部附属病院 医員
2002年 1月 滋賀医科大学内科学講座 助手
2007年 1月 同 講師(学内)
2008年 2月 滋賀医科大学医学部附属病院 卒後研修センター副センター長
2009年 4月 滋賀医科大学医学部附属病院 糖尿病・内分泌・腎臓内科外来医長
2010年 6月 同 糖尿病・腎臓・神経内科病棟医長
2011年 4月 滋賀医科大学総合内科学講座(地域医療支援) 准教授
国立病院機構 滋賀病院診療部内科 医長
2013年 4月 国立病院機構 東近江総合医療センター(名称変更) 総合内科医長
2015年 4月 滋賀医科大学総合内科学講座 准教授
国立病院機構 東近江総合医療センター 診療部 総合内科部長
2020年 4月 滋賀医科大学総合内科学講座 教授
国立病院機構 東近江総合医療センター 診療部 総合内科部長

所属学会 取得認定医・専門医
日本内科学会認定医・日本内科学会総合内科専門医
日本腎臓学会専門医・指導医・日本腎臓学会評議員
日本透析学会専門医
日本リウマチ学会専門医
日本プライマリ・ケア連合学会プライマリ・ケア認定医・指導医
米国内科学会会員
日本糖尿病学会員

主な著書
僕の内科ジェネラリスト修行 カイ書林 2016年 単著
腎生理がわかれば,水・電解質異常がわかる 南山堂 2018年 単著
総合内科診療外来のハイバリューケア カイ書林 2018年 共著
詳述!学べる・使える 水・電解質・酸塩基平衡異常 Q&A 辞典 日本医事新報社 2019年 単著

平成元年に医師となり,私の医師人生は平成の時代とともにあったと言えます.平成の最初の約10年間は基礎研究を中心に,次の10年間は腎臓内科医としての大学附属病院における臨床,最後の10年間は,地域中核病院の総合内科医として悪戦苦闘したのが私の平成であったと思っています.本書は,地域中核病院での総合内科医として勤務している私の経験から生まれました.よって,本書が,超高齢社会の我が国において,総合的な診療を行っておられる総合内科医や総合診療の先生方の腎臓に関する診療に役立つ,つまり,本書が読者の先生方のミカタ(味方)になるようにという思いを込めて,執筆しました.

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本書は,平成の30年間,腎臓内科専門医として,そして,平成後半の約10年間を総合内科医として,日々の臨床に携わってきた私の腎臓診療に関する私見,いやartをまとめたものです.
現在,滋賀県の田園地域にある地域中核病院に,総合内科医として勤務している私にとって,腎臓に関する知識は,腎臓以外の領域の診療においても非常に有用であることを日々実感しています.腎臓に関する知識は,常に,50歳を超えたオッサン内科医を助けてくれます.
腎臓とは,「ヒトは,食事としてありとあらゆるものを計算せずに摂取するが,それに対応して腎臓が働くから,体内環境が正常に保たれている.腎臓は,体内環境のmaster builderである」(著者意訳)という,腎臓生理学の父Homer W. Smith 先生の言葉が非常にピッタリくる臓器です.よって,腎臓の知識を臨床に応用することは,患者さんの体内環境の異常(体液量として顕される循環動態異常,浸透圧・電解質・酸塩基平衡に顕される体内代謝動態異常等)を最小限にすることが可能であるということを意味します.腎臓の知識を適切に応用すれば,読者の皆様の明日からの輸液療法,利尿薬の投与法等がより的確で,かつ,より安全なものとなるはずです.
腎臓の知識の基本は,今でも,欧米・日本の教科書において,Smith 先生の名前が出てくることからご理解いただけるように,腎生理学にあると私は考えています(私にとって,腎生理学は人生です).しかし,米国腎臓学会誌に掲載されていた論文(Yau TT, Humphreys BD. Role of the nephro-hospitalist. Clin J Am Soc Nephrol. 2019; 14: 1405-7)に,腎臓内科医志望が年々減少している要因の1つに,intimidation by kidney physiologyという言葉がありました.そこで,外来や病棟における腎臓に関する臨床的な問題点を挙げ,解説していくことを通じて,「腎生理学は,決して脅迫しません,常に助けてくれるものです」ということを読者の皆様に理解していただくことを本書の目的の1つとしました.よって,薬剤性腎障害に関しては,今までの書籍等ではあまり触れられてこなかった腎生理学的視点からの解説を記載しました.
現在,ICT技術の進歩等において,非専門医でも,臨床に関するエビデンスを,ガイドラインや質の高い臨床的総説論文を介して得られるようになっています(エビデンスの外的妥当性は高い).しかし,エビデンスを実際に診療に応用する際の内的妥当性に関しては,その領域の専門医が有しているartが必要であると私は考えています.よって本書では,腎臓を専門としない読者の皆様に,私の考えという形で,腎臓内科専門医のartを感じていただくことも目的としました.そこで,すでに超高齢社会である我が国において,診療上の問題となっている外来における高齢者慢性腎臓病に対する安全な診療を行うためのコツをまとめました.さらに最終章には,全ての医療者が遭遇する高齢末期腎臓病に対する診療について,私が現在勤務している血液透析の施設がない地域中核病院での経験も踏まえ,私見の形でまとめさせていただきました.
最後に,「推薦の序」を賜りました私の恩師の1人である滋賀医科大学糖尿病内分泌・腎臓内科教授 前川 聡先生,本書の執筆の機会を与えてくださり,私のわがままな企画にもかかわらず,多大なご尽力を賜りました中外医学社の小川孝志氏,鈴木真美子氏,桑山亜也氏,今まで私に,腎臓に関する臨床を教えてくださった患者さん達に心から感謝の意を表します.

注)我が国は,2007年に65歳以上の老年人口が総人口の21%を超えており,正確には,高齢化社会でなく超高齢社会であり,高齢化が進行している社会である.

2020(令和2)年 3月
滋賀医科大学総合内科学講座
東近江総合医療センター 総合内科
杉本俊郎

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目次

A 外来編
1 検尿異常の初診
 健診等で異常を指摘された検尿異常への対応の基本を教えてください
  Q1 我が国の健診では,多数を対象にした,試験紙法を用いた随時尿による検尿が行われていますが,
     試験紙法での尿蛋白陽性の臨床的意義を教えてください
  Q2 随時尿検査にて,1日尿蛋白排泄量を推測する方法を教えてください
  Q3 健診で尿潜血陽性の二次検診の外来で注意すべきことを教えてください
  Q4 肉眼的血尿の既往のない顕微鏡的血尿を呈する患者も多数にのぼると思いますが,
     顕微鏡的血尿への対応の基本を教えてください
  Q5 一般内科から腎臓内科に紹介すべきタイミングを教えてください
  Column 随時尿蛋白定量(g/gCr)の注意点
  Column 米国内科学会(ACP)が推奨する血尿の尿路系悪性腫瘍発見のための
       High Value Care(HVC)adviceのインパクト

2 外来における検尿異常
 外来診療において,血管炎症候群を疑う場合を教えてください
  Q1 どのような時に血管炎症候群を疑えばよいか具体的に教えてください
  Q2 血管炎症候群を疑った時に行う検査等を教えてください
  Q3 血管炎症候群における特異抗体の意義を教えてください
  Q4 血管炎症候群と鑑別が必要な疾患を教えてください
  Q5 血管炎症候群の診断に組織学的診断は必須か教えてください

3 浮腫をきたした症例への対応
 浮腫への対応の基本を教えてください
  Q1 浮腫をきたす疾患について教えてください
  Q2 リンパ浮腫や,脂肪浮腫(lipedema)の特徴的な診察所見を教えてください
  Q3 ネフローゼ症候群で,直ちに浮腫・腎機能が悪化する症例の鑑別方法を教えてください
  Q4 本症例の浮腫の成因を教えてください
  Column 私が経験した診断に苦慮した浮腫の症例

4 eGFR減少への対応
 外来診療において,eGFRから慢性腎臓病(CKD)と診断される患者への対応を教えてください
  Q1 CKDの概念についてもう一度教えてください
  Q2 正常な老化によるGFRの減少と,病的なGFRの減少の病理学的な違いについて教えてください
  Q3 正常な老化によるGFRの減少と,病的なGFRの減少の違いの臨床的な鑑別方法について教えてください
  Q4 比較的急速にeGFRが減少してきた症例に遭遇した時にどのような病態を考えるべきか教えてください
  Column 慢性腎臓病も,将来の末期腎不全へ進展する確率を計算する時代が到来?

5 CKDにおける電解質管理
 CKD症例の管理において,注意すべき電解質異常について教えてください
  Q1 CKDにおける血清カリウム濃度の異常の臨床的意義とその成因について教えてください
  Q2 CKDにおける血清カリウム濃度の異常の臨床的意義とその成因について教えてください
  Q3 CKDにおける代謝性アシドーシスの成因とその臨床的意義について教えてください
  Q4 CKDに伴う高カリウム血症と代謝性アシドーシスの発症成因の共通点について教えてください
  Q5 高カリウム血症に対する経口K吸着薬について教えてください
  Q6 CKDに伴う代謝性アシドーシスに対する経口アルカリ療法について教えてください

6 RAA系阻害薬使用時の注意点
 高齢者のCKD症例において,RAA系阻害薬を使用する時に注意すべきことを教えてください
  Q1 RAA系阻害薬の臓器保護効果のメカニズムについて教えてください
  Q2 RAA系阻害薬の腎臓への副作用について教えてください
  Q3 最近,糖尿病性腎臓病(DKD)の発症・進展予防に新規経口抗糖尿病薬のSGLT2阻害薬の有効性が
     示されており,RAA系阻害薬との併用も増えると思いますが,
    このような処方で注意すべきことを教えてください
  Q4 高齢CKD症例にRAA系阻害薬を使用する時の注意点について教えてください
  Q5 腎機能の悪化や高カリウム血症にて,RAA系阻害薬を中止した症例の予後はどう変化するか
     教えてください

7 高齢者CKD症例への安全な薬剤投与
 外来診療における電解質異常について注意すべきことを教えてください
  Q1 外来において,薬剤による電解質異常をきたさないように注意することを教えてください

8 CKD症例への鎮痛薬の使い方
 腎障害を有する患者にNSAIDsを投与する時,注意すべきことを教えてください
  Q1 CKDと疼痛・鎮痛薬の関係について教えてください
  Q2 NSAIDsは腎機能の悪化をきたしやすいと言われていますが,その機序を教えてください
  Q3 腎障害でも安全に使用できる鎮痛薬を教えてください
  Q4 腎障害においてオピオイドを使う時の注意点を教えてください
  Q5 CKD症例に鎮痛薬を投与する時のポイントを教えてください
  Q6 提示症例にはどのように対応すべきだったか教えてください


B 病棟編
1 入院症例における尿量異常
 術後や輸液中の症例において時間尿量等を測定することがありますが,その臨床的意義を教えてください
  Q1 無尿,乏尿の定義,その定義の由来を教えてください
  Q2 術後等の急性期の病態で,時間尿量が減少したと看護師からしばしば連絡を受けますが,
     その対応のポイントを教えてください
  Q3 多尿の定義と病態の臨床上の問題点を教えてください
  Q4 多尿への対応のポイントを教えてください
  Column 自由水クリアランス(CH2O)とelectrolyte free waterクリアランス(CNa+K)

2 総合内科病棟における輸液療法
 急性期の病態における輸液療法のポイントを教えてください
  Q1 最近の急性期輸液の理論において,最も注目されていることを教えてください
  Q2 急性期の輸液に関して,注意すべき点を教えてください
  Q3 輸液製剤の組成に関して,最近の考えを教えてください
  Q4 内科病棟における維持輸液の問題点について教えてください

3 体液過剰症例への対応について
 うっ血性心不全,肝硬変,ネフローゼ症候群等の体液過剰・全身性浮腫性疾患への対応の基本を教えてください
  Q1 うっ血性心不全,肝硬変,ネフローゼ症候群等において,体液過剰・浮腫が生じる機序は何か
     教えてください
  Q2 明らかな浮腫がないうっ血性心不全症例をしばしば経験しますが,注意すべきことを教えてください
  Q3 ネフローゼ症候群の浮腫の発症機序を教えてください
  Q4 血清アルブミン濃度が減少し,膠質浸透圧が低下するので,腹水や浮腫が生じるのでしょうか
  Q5 高齢入院患者の浮腫で注意すべきことを教えてください
  Q6 体液過剰・浮腫への対応の基本原則を教えてください
  Q7 うっ血性心不全急性増悪(ADCF)の入院例におけるループ利尿薬の適切な使用の考え方を
     教えてください
  Q8 うっ血性心不全急性増悪の入院例におけるループ利尿薬の反応程度の指標について教えてください
  Q9 うっ血性心不全治療中にループ利尿薬の作用の減弱がしばしばみられますが,
     その発生機序と対応を教えてください
  Q10 腹水・浮腫のある肝硬変における症例における利尿薬使用の基本を教えてください
  Q11 慢性腎臓病,ネフローゼ症候群に対する利尿薬使用の基本を教えてください

4 高齢者に多い高ナトリウム血症への対応
 高ナトリウム血症の補正に関して重視すべき点を教えてください
  Q1 高齢者の高ナトリウム血症の特徴を教えてください
  Q2 高齢者の高ナトリウム血症を診察所見で鑑別することはできますか
  Q3 高ナトリウム血症の補正のポイントを教えてください
  Column 高齢者の体液調節能の変化についてなぜ歳をとると夜間に尿に行く回数が増えるのか?

5 低ナトリウム血症の成因鑑別
 低ナトリウム血症への対応のポイントを教えてください
  Q1 提示症例において,低ナトリウム血症を発症した要因を教えてください
  Q2 提示症例への適切な治療,また,経過中に注意すべきことを教えてください
  Q3 提示症例において,低ナトリウム血症を発症した要因を教えてください
  Q4 提示症例に,0.9%NaCl液を投与すると,病態はどのように変化するか教えてください

6 低ナトリウム血症における尿の電解質測定
 低ナトリウム血症の診療における尿化学検査のポイントを教えてください
  Q1 低ナトリウム血症の成因について教えてください
  Q2 Tonicity balanceについて教えてください
  Q3 自由水を含まない,0.9%NaCl液の投与でも血清Na濃度の低下がみられることがあるのか教えてください
  Q4 SIADHの症例に,0.9%NaCl液を単独で投与すべきでないということでした.
     しかし,SIADHを伴った肺がん例等で,低ナトリウム血症の悪化による入院において,
    0.9%NaCl液を投与すると血清Na濃度の上昇がみられた症例をしばしば経験します.
    このような症例はどのように考えるべきか教えてください

7 低ナトリウム血症における3%NaCl液の使用
 低ナトリウム血症の治療における高張食塩水3%NaCl液の使用について教えてください
  Q1 本例の低ナトリウム血症の発症要因を教えてください
  Q2 本例は,入院後,症状の悪化がみられたが,入院時に3%NaCl液を投与すべきだったのか教えてください
  Q3 3%NaCl液投与の具体的な方法,考え方を教えてください
  Column ODSの発症は非常に稀であり,発症しても症状は軽微で予後不良でない可能性がある
  Column 本例の経過
  Column 低ナトリウム血症における尿生化学検査の新しい考え方

8 低カリウム血症の補正
 低カリウム血症の補正のポイントを教えてください
  Q1 本例の低カリウム血症の成因を教えてください
  Q2 本例で,筋力低下がみられたのはなぜか教えてください
  Q3 本例で,代謝性アルカローシスが生じているのはなぜか教えてください
  Q4 本例での血清K濃度補正の原則を教えてください
   Column 下痢と酸塩基平衡異常
   Column 経口カリウム製剤に関して

9 代謝性緊急症への対応
 糖尿病高血糖性緊急症,アルコール多飲(依存症)等の代謝性障害による水・電解質異常・酸塩基障害への対応の基本を教えてください
  Q1 糖尿病高血糖性緊急症,アルコール多飲(依存症)等の代謝性障害,
     代謝性緊急症の発症の本態を教えてください
  Q2 代謝性緊急症への対応の基本を教えてください
  Column アルコール多飲・依存や低栄養状態へのビタミンB1チアミン投与

10 多彩な電解質異常をきたす低栄養状態症例への対応
 低栄養状態の症例は,しばしば,多彩な電解質異常を呈することが多いですが,その対応の基本を教えてください
  Q1 低栄養状態の症例にみられる電解質異常の成因について教えてください
  Q2 低栄養状態の症例にみられる電解質異常への対応の基本を教えてください

11 薬剤性腎障害への対応
 薬剤性腎障害への対応の基本的な考え方を教えてください
  Q1 実臨床の現場において,薬剤性腎障害の頻度はどれくらいか教えてください
  Q2 腎障害をきたしやすい薬剤にはどのような薬剤があるか教えてください
  Q3 薬剤性腎障害の発症機序について教えてください
  Q4 薬剤性腎障害における患者側の要因として注意すべきことを教えてください
  Q5 薬剤性腎障害への対応の基本を教えてください
   Column 腎臓内科医へのコンサルトのコツ(特に薬剤性腎障害の予防に関して)

12 悪性疾患患者における腎臓の問題への対応
 悪性疾患患者における腎臓に関する問題への対応の基本を教えてください
  Q1 悪性疾患に対する化学療法施行時の腎機能評価の意義とその問題点について教えてください
  Q2 代表的な化学療法薬・抗腫瘍薬による腎障害について教えてください
  Q3 悪性疾患患者における電解質異常とその問題点について教えてください


C 腎臓内科医からのメッセージ
1 腎生理は常にあなたを助けてくれる
 Intimidation by kidney physiologyではない
  Q1 腎生理を理解することが臨床の現場で有用である理由を教えてください
  Q2 腎生理の基本は何か教えてください
  ネコでもわかる腎生理─臨床に直ちに役立つ腎生理の知識

2 腎生理の知識が役立つ臨床の事例紹介
 腎生理の知識を臨床の現場で使い倒すぞ
  Q1 高齢者にACE阻害薬やARB等のRAA系阻害薬を投与する時に,注意して投与すべきと言われていますが,
     その理由を教えてください
  Q2 ループ利尿薬による治療中のうっ血性心不全の症例で,低クロール血症を呈すると予後不良であることが
    知られていますが,その理由を教えてください
  Q3 慢性腎臓病(CKD)の病態では,適切な利尿を得るために,ループ利尿薬の増量が
     必要なことが多いですが,その理由を教えてください
  Q4 体液量減少時や,高カリウム血症時において,アルドステロンの活性の亢進がみられますが,
     体液量減少時では血清K濃度の減少がみられることが少なく,
     高カリウム血症時は体液過剰がみられることが少ないと思います.
    これらの病態で血清K濃度の相違がみられるのはなぜか教えてください
  Q5 低ナトリウム血症を示すうっ血性心不全症例の予後が不良であることが知られていますが,
    その理由を腎生理の観点から教えてください.
  Q6 利尿効果が比較的弱いサイアザイド系利尿薬が降圧利尿薬として処方され,    
    利尿効果が強いループ利尿薬が降圧薬として使用されないのはなぜですか.
    また,利尿効果の弱いサイアザイド系利尿薬のほうが,低ナトリウム血症,
     低カリウム血症等の電解質異常が多いとされる理由を教えてください
  Q7 利尿薬の作用部位の相違による腎機能への影響について教えてください

3 臨床に役立つ酸塩基平衡異常の考え方
 血液ガスの結果を判断することが,酸塩基平衡異常の臨床ではない
  Q1 血液ガス検査の血液のpHの正常値が,pH 7.4であるのはなぜか教えてください
  Q2 生体内の代謝が酸塩基平衡異常に与える影響を教えてください
  Q3 体内で最も多く産生される酸が,CO2・carbonic acidということでしたが,
    体内が酸性化しないために,末梢組織で産生されたCO2・carbonic acidを効率よく肺胞へ
     輸送する必要があると思います.その機構を教えてください
  Q4 細胞外液のpHの維持より,細胞内液のpHの維持のほうが,生体の機能にとって重要と考えますが,
     細胞内液の酸塩基平衡状態を類推する方法を教えてください
  Q5 細胞内で乳酸が形成されても,プロトンは産生されないのでしょうか
  Q6 酸塩基平衡代謝を調節しているプレイヤーは,肺と腎臓以外にも多数あるということでしたが,
    この他のプレイヤーについて教えてください
  Column 大腸上皮細胞が,CO2・carbonic acidの産生源?

4 特に入院中の症例における腎機能・尿化学検査
 糸球体での濾過だけが腎機能ではない
  Q1 入院中の症例における血清クレアチニン値の変化の考え方について教えてください
  Q2 血清クレアチニン値以外に役立つ腎機能・電解質検査の考え方を教えてください

5 電解質異常・腎機能異常診断アルゴリズム
 数字はあてにならない
  Q1 腎臓に関する教科書等には必ず,電解質異常や腎機能障害の成因を知るための
     診断アルゴリズムが掲載されていますが,実際の臨床において,診断アルゴリズムに
    うまく当てはまらない症例をしばしば経験します.理由を教えてください

6 高齢者のend-stage renal diseaseへの対応
 末期腎不全への保存的・緩和的治療をどう考えるか
  Q1 高齢末期腎不全(ESRD)への対応の基本を教えてください
  Q2 高齢者におけるESRDの現状を教えてください
  Q3 ESRDの病態を呈している高齢者の予後を推測する方法にはどのようなものがあるか教えてください
  Q4 ESRDの状態まで腎機能の低下がみられた後期高齢者における療法選択のポイントを教えてください
  Q5 ESRDまで進行した高齢者にみられる症状にはどのようなものが多いと言われていますか.
    また,これらの症状への対応の基本を教えてください

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杉本俊郎 滋賀医科大学総合内科学講座教授/東近江総合医療センター総合内科部長 著

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