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書籍詳細

ここが知りたい! 腎臓病診療ハンドブック

ここが知りたい! 腎臓病診療ハンドブック

清水英樹  編著

A5判 380頁

定価5,280円(本体4,800円 + 税)

ISBN978-4-498-22456-8

2020年04月発行

在庫あり

「ここが知りたい!」シリーズ,腎臓病編が遂に登場.エキスパートが,腎臓病診療を専門としない医師のために,症例を踏まえ,主要な疾患・病態の基本から,最新のガイドラインを踏まえた臨床ノウハウまでわかりやすく解説する.腎疾患に対する新たなパラダイムを提供する「次世代の腎臓病診療」の章も掲載.すべての医療者の必読書!

はじめに



近年,とくに21世紀以後において,医学の進歩は目覚ましく発展しました.病態解明とともに,様々な疾患に対する治療薬や治療方針が確立され,従来と比べると生命予後に良好な効果が見られるようになりました.
一方で高齢化や健康寿命はあらたな社会問題になりつつあり,疾病構造にも変化が生じております.特に腎臓は全身の影響を受けやすく,また全身に影響を及ぼしうる臓器です.このため,腎臓病に関わることは腎臓専門医だけでなく全ての医療者にとってその重要性が増している分野といっても過言ではないのではないでしょうか?
しかし,腎臓病・腎臓学となると「とっつきにくい」「難しい」などという言葉,「多岐にわたる」という言葉もしばしば耳にします.
このような中で,「ここが知りたい!」シリーズの姉妹書として「腎臓病診療」の執筆編集の機会を頂きました.すでに「腎疾患」を対象としたマニュアル本も各社より複数出版されておりますが,より実践に即した内容とすべく,また主要な疾患・病態を調べられるような構成としました.また従来のマニュアル本などでは取り上げられていない腎疾患に対する新たな視点のヒントとなるべく,「次世代の腎臓病診療」の項目を追加しました.この実現のために,主に実臨床に従事している腎臓専門医や各事項のエキスパートの先生を中心に執筆を依頼させて頂きました.姉妹書同様に各項目とも症例提示の後,最近のガイドラインもふまえ臨床に欠かせない知識・診療ノウハウを理解できるようにまとめました.
主な対象に,腎臓病を専門としないかかりつけ医・総合診療医,研修医,コメディカルを中心としましたが,腎臓専門医にも日常診療のヒントとなるべく前述した「次世代の腎臓病診療」の項目を取り上げました.読者の方のみならず,全ての腎臓病患者さんにとってより良い結果につながることを心より願っております.
最後になりますが,岩岡秀明先生には中外医学社を通じて今回の執筆編集の機会と,校正過程での多大なご助言に加え,直接の執筆も行って頂きました.また,日々ご支援を頂いている,要伸也教授,淺沼克彦教授,横尾隆教授,寺脇博之教授,三瀬直文先生,石橋由孝先生を含め,多くの先生方にも分担執筆を頂きました.さらに中外医学社の皆様には企画から刊行まで関わって頂きました.本書作成にご尽力を頂きました皆様方に厚く御礼申し上げたいと思います.

2020年2月
船橋市立医療センター  腎臓内科・リウマチ膠原病内科
清水英樹

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目 次


第1章 初診時とフォローアップのポイント〈清水英樹〉
■1.腎臓病を診察するにあたって
■2.問診・検査のポイント
■3.フォローに必要な検査と説明

第2章 緊急性の高い腎臓内科領域の疾患
■1.高カリウム血症〈古瀬 智〉
 1.高カリウム血症の治療
 2.高カリウム血症の原因
■2.肺水腫,心不全〈稲永亮平〉
 1.病態把握の重要性,クリニカルシナリオの活用
 2.腎保護を念頭においた心不全治療
 3.心不全における腎代替療法
■3.無尿・乏尿〈野村和史〉
 1.無尿・乏尿とは
 2.無尿・乏尿の病型分類
 3.鑑別の方針
 4.治療

第3章 比較的診療の機会のある腎臓内科疾患
■1.AKI〈松浦 亮,土井研人〉
 1.概念と診断基準
 2.病因と鑑別診断
 3.治療
 4.尿NGAL(AKIバイオマーカー)
 5.フロセミド負荷試験
 6.腎代替療法
■2.CKD〈寺脇博之〉
 1.CKDに関する基本事項
 2.eGFR低値の意味
 3.尿蛋白増加の意味
 4.CKDの共通合併症
 5.CKDへの治療原則
 6.腎代替療法準備のタイミング
■3.RPGN〈松村実美子〉
 1.RPGNの疾患概念,定義
 2.診断および治療
 3.各論
■4.酸・塩基異常〈藤島理恵,今井直彦〉
 1.酸塩基の代謝と緩衝作用について
 2.腎臓からの酸排泄の仕組みについて
 3.血液ガスの読み方
 4.酸塩基平衡異常の原因
 5.尿細管性アシドーシスについて
■5.血清ナトリウム濃度の異常〈安田 隆〉
 1.体液異常の捉え方
 2.低ナトリウム血症に遭遇したら
 3.低ナトリウム血症の原因
 4.低ナトリウム血症の治療
■6.カリウム異常〈古瀬 智〉
 1.カリウム濃度の異常
 2.高カリウム血症
 3.低カリウム血症
■7.急性糸球体腎炎〈淺沼克彦〉
 1.急性糸球体腎炎の診断
 2.急性糸球体腎炎の検査所見
 3.鑑別すべき疾患
 4.急性糸球体腎炎の治療
 5.急性糸球体腎炎の予後
■8.慢性糸球体腎炎(IgA腎症を中心に)〈淺沼克彦〉
 1.IgA腎症の診断
 2.鑑別すべき疾患
 3.IgA腎症の治療
■9.ネフローゼ症候群〈岡部匡裕,横尾 隆〉
 1.疾患概念・定義
 2.診断
 3.合併症
 4.治療
■10.尿細管間質性腎障害〈本間志功,高野秀樹〉
 1.尿細管間質性腎障害の概念と特徴
 2.臨床所見・検査所見のポイント
 3.治療の基本
■11.コレステロール塞栓症,造影剤腎症〈長岡可楠子,鈴木 智〉
(1)コレステロール塞栓症
 1.発症機序
 2.症状
 3.診断
 4.鑑別
 5.治療
(2)造影剤腎症
 1.発生機序
 2.予後
 3.リスク
 4.予防と治療
 5.ガドリニウム造影
■12.カルシウム異常と腎障害〈和田健彦〉
 1.高カルシウム血症
 2.低カルシウム血症
■13.多発性囊胞腎〈小澤祐子,要 伸也〉
 1.疫学,診断
 2.治療
 3.合併症

第4章 全身疾患に関連した腎臓病
■1.糖尿病性腎臓病
1-1.糖尿病内科医の立場から〈岩岡秀明〉
 1.糖尿病性腎臓病
 2.糖尿病性腎臓病の病期分類と治療指針
 3.腎症以外の腎疾患を疑う場合
 4.かかりつけ医から腎臓専門医・専門医療機関への紹介基準
1-2.腎臓内科医の立場から〈寺脇博之〉
 1.糖尿病性腎症という言葉
 2.糖尿病性腎症の臨床経過
 3.糖尿病性腎症の診断
 4.糖尿病性腎症の治療
■2.高血圧,高尿酸血症,腎硬化症
2-1.高血圧と腎硬化症〈豊城大悟,山崎 修,柴田 茂〉
 1.特徴
 2.診断
 3.検査
 4.治療
2-2.高尿酸血症と慢性腎臓病〈豊城大悟,山崎 修,柴田 茂〉
 1.特徴
 2.診断・検査
 3.治療
■3.循環器疾患に合併した腎臓病(心腎連関を含む)
3-1.循環器医の立場から〈谷本周三〉
 1.心腎症候群の分類と機序
 2.腎保護を見据えた心不全の管理
3-2.腎臓内科医の立場から〈三瀬直文〉
■4.泌尿器科領域の腎疾患〈李 芳菁〉
 1.腎腫瘍
 2.上部尿路腫瘍(腎盂・尿管癌)
 3.尿路結石症
 4.腎後性腎不全
■5.膠原病腎
5-1.膠原病内科医の立場から〈四茂野恵奈,萩野 昇〉
A.膠原病の臓器障害の成り立ち
B.ループス腎炎
 1.SLEの全身(腎外)症状
 2.ループス腎炎
C.強皮症腎クリーゼ
 1.全身性強皮症の腎外症状
 2.強皮症腎クリーゼ
 3.強皮症腎クリーゼの治療
 4.生活指導
5-2.腎臓内科医の立場から〈軽部美穂〉
 1.ループス腎炎
 2.ANCA関連血管炎
■6.血液疾患に関連した腎疾患〈皆方大佑,神田善伸〉
 1.多発性骨髄腫に関連した腎障害
 2.多発性骨髄腫に関連した腎障害鑑別
 3.腎障害主体の多発性骨髄腫に対する治療
 4.ALアミロイドーシスに関連した腎障害
 5.MGRS(monoclonal gammopathy of renal significance)
■7.呼吸器疾患に関連した腎疾患〈皿谷 健〉
 1.呼吸器疾患に関連した腎疾患:肺腎症候群
■8.血栓性微小血管障害症〈山本 信,河原崎宏雄〉 
 1.病態と分類,診断のポイント
 2.治療
■9.感染症領域に関連する腎臓病患者〈岩田健太郎〉
 1.腎疾患の原因となる感染症
 2.腎疾患のある患者の感染症診断
 3.腎疾患のある患者の感染症治療戦略
 4.HIV感染者と透析
 5.CKDとワクチン
 6.MRSA腎症は実在するか?
■10.妊婦にみられた腎臓病患者〈軽部美穂〉
 1.妊娠が及ぼす影響
 2.妊婦にみられる腎障害

第5章 腎臓内科医主体で行う事項
■1.腎生検と腎病理―腎生検の適応と腎病理の基礎―〈遠藤陽子〉
 1.腎生検の適応
 2.腎病理の基礎
■2.腎代替療法全般〈松尾七重〉
 1.腹膜透析(PDファーストとインクリメンタルPD)
 2.PD・HD併用療法
 3.腎移植
■3.血液透析〈秋久太良,花房規男〉
 1.血液透析の機序・モードについて
 2.血液透析におけるバスキュラーアクセス
 3.血液透析条件について
 4.長期血液透析の合併症

第6章 腎臓病診療の将来に必要な視点
■1.統計〈飯田英和,栗田宜明〉
 1.研究の型(デザイン)を理解する
 2.効果の指標は何か? 効果の大きさはどれぐらいか?
 3.観察研究はどれだけ信頼できるか?
■2.再生医学〈松本 啓,横尾 隆〉
 1.他臓器では再生医療の臨床治験が進んでいる
 2.iPS細胞と分化誘導について
 3.多能性幹細胞を用いた腎臓再生
 4.胎生臓器ニッチ法と異種の排除法
 5.尿路排泄系の問題を解決する
 6.異種移植の可能性
■3.在宅医療〈佐々木  淳〉
 1.在宅医療とは
 2.在宅医療における腎不全
 3.腎不全患者に対する在宅医療(薬物療法)
 4.腎不全患者に対する在宅医療(非薬物療法)
 5.在宅医療と透析
■4.緩和ケア〈三浦剛史〉
 1.緩和ケアとは
 2.良性疾患と緩和ケア
 3.腎臓病患者の症状緩和
 4.意思決定・アドバンスケアプランニング
■5.災害医療〈伊東 稔〉
 1.透析医療の特徴
 2.災害対策の実際
 3.腹膜透析の場合
■6.腎臓リハビリテーション〈若林秀隆〉
 1.腎臓リハビリテーションとは
 2.腎臓リハビリテーションガイドライン
 3.有酸素運動
 4.レジスタンストレーニング
 5.運動の禁忌と中止基準
 6.リハビリテーション栄養
 7.低栄養の診断
■7.慢性疾患のみかた〈石橋由孝〉
 1.腎疾患・腎不全医療―慢性疾患の医療
 2.人文知・精神医学の視点の導入
 3.個人の心の発達―心のステージと腎不全
 4.個をみる腎不全医療―特に喪失と愛情の問題

索引

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執筆者一覧

清水英樹  船橋市立医療センター腎臓内科・リウマチ膠原病内科部長 編著
古瀬 智  三井記念病院腎臓内科科長 
稲永亮平  新百合ヶ丘総合病院腎臓内科 
野村和史  熊本中央病院腎臓内科部長 
松浦 亮  東京大学医学部附属病院血液浄化療法部 
土井研人  東京大学医学部附属病院救急部・集中治療部・救命救急センター准教授 
寺脇博之  帝京大学ちば総合医療センター第三内科(腎臓内科)教授・腎センター長 
松村実美子 東京逓信病院腎臓内科 
藤島理恵  聖マリアンナ医科大学病院腎臓・高血圧内科 
今井直彦  聖マリアンナ医科大学病院腎臓・高血圧内科講師 
安田 隆  吉祥寺あさひ病院腎臓内科副院長/東京医科大学腎臓内科兼任教授 
淺沼克彦  千葉大学大学院医学研究院腎臓内科学教授 
岡部匡裕  東京慈恵会医科大学腎臓・高血圧内科 
横尾 隆  東京慈恵会医科大学腎臓・高血圧内科主任教授 
本間志功  東京逓信病院腎臓内科 
高野秀樹  東京逓信病院腎臓内科主任医長 
長岡可楠子 亀田総合病院腎臓高血圧内科 
鈴木 智  亀田総合病院腎臓高血圧内科部長 
和田健彦  東海大学医学部内科学系腎内分泌代謝内科准教授 
小澤祐子  杏林大学医学部付属病院腎臓・リウマチ膠原病内科 
要 伸也  杏林大学医学部付属病院腎臓・リウマチ膠原病内科教授 
岩岡秀明  船橋市立医療センター代謝内科部長 
豊城大悟  練馬光が丘病院腎臓内科医長 
山崎 修  帝京大学医学部附属病院内科(腎臓)講師 
柴田 茂  帝京大学医学部附属病院内科(腎臓)教授 
谷本周三  上尾中央総合病院循環器内科副科長 
三瀬直文  三井記念病院腎臓内科部長 
李 芳菁  セコメディック病院泌尿器科・緩和ケア外科 
四茂野恵奈 帝京大学ちば総合医療センター第三内科(血液・リウマチ) 
萩野 昇  帝京大学ちば総合医療センター第三内科(血液・リウマチ)講師 
軽部美穂  杏林大学医学部付属病院腎臓・リウマチ膠原病内科学内講師 
皆方大佑  自治医科大学附属病院血液科 
神田善伸  自治医科大学附属病院・附属さいたま医療センター血液科教授 
皿谷 健  杏林大学医学部付属病院呼吸器内科准教授 
山本 信  稲城市立病院腎臓内科 
河原崎宏雄 稲城市立病院腎臓内科診療部長 
岩田健太郎 神戸大学医学部付属病院感染症内科教授 
遠藤陽子  日本医科大学解析人体病理学 
松尾七重  東京慈恵会医科大学腎臓・高血圧内科講師 
秋久太良  東京女子医科大学病院血液浄化療法科 
花房規男  東京女子医科大学病院血液浄化療法科准教授 
飯田英和  祐ホームクリニック 
栗田宜明  福島県立医科大学大学院医学研究科臨床疫学分野特任教授 
松本 啓  東京慈恵会医科大学腎臓・高血圧内科 
佐々木 淳 医療法人社団悠翔会在宅医療本部診療部長 
三浦剛史  セコメディック病院泌尿器科・緩和ケア外科部長 
伊東 稔  矢吹病院腎臓内科副院長 
若林秀隆  横浜市立大学附属市民総合医療センターリハビリテーション科准教授 
石橋由孝  日本赤十字社医療センター腎臓内科部長 

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ここが知りたい! 腎臓病診療ハンドブック
   定価5,280円(本体4,800円 + 税)
   2020年04月発行
(外部のサイトへとびます)
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