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書籍詳細

産科麻酔の疑問Q&A60

産科麻酔の疑問Q&A60

大嶽浩司  監修 / 上嶋浩順  編集 / 加藤里絵  編集

A5判 228頁

定価(本体4,400円 + 税)

ISBN978-4-498-06098-2

2019年11月発行

在庫あり

無痛分娩が増加し,産科麻酔への麻酔科医の関与が強く望まれる時代となった.本書は,すべての麻酔科医に向けて,知っておくべき産科麻酔に関する知識とノウハウを提供する.麻酔科医のみならず,多くの産科医の協力を得て執筆された本書を通読すれば,産科に関する関連知識も身に付く.麻酔科医のための産科麻酔入門書の決定版!

●編者紹介

上嶋浩順(うえしま ひろのぶ)

昭和大学病院麻酔科講師.
平成16年関西医科大学卒.関西医科大学,倉敷中央病院,埼玉医科大学国際医療センターを経て平成27年4月から現職.
関西医科大学時代に気道管理の権威である浅井隆先生(現獨協医科大学麻酔科)の下で気道の研究を始めてから気道管理に目覚める.現在は気道管理・超音波ガイド下神経ブロック・シミュレーション教育(特に鎮静)に力を入れている.日本麻酔科学会麻酔科専門医,日本区域麻酔学会評議員,(日本臨床麻酔学会公認)神経ブロック教育インストラクター,(日本医学シミュレーション学会公認)鎮静教育世話人,日本心臓血管麻酔学会心臓血管麻酔専門医などの資格を有している.
「気道管理の疑問Q&A70」(中外医学社),「末梢神経ブロックの疑問Q&A70」(中外医学社),「続・末梢神経ブロックの疑問〜実践編〜Q&A70」(中外医学社)の編集も行っている.




加藤里絵(かとう りえ)

昭和大学医学部麻酔学講座教授.
1992年千葉大学医学部卒.心臓血管麻酔科医を目指していた卒後10年目に,産科危機的出血症例に出会い,自分の無力さを思い知る.それをきっかけに埼玉医科大学総合医療センターで産科麻酔を修め,産科麻酔の道を歩み始めた.2005年,東京女子医科大学八千代医療センターの手術室,総合周産期センターの立ち上げに関わる.2010年からは北里大学病院で産科麻酔に従事した.2018年より現職.
産科麻酔の中でも特に臨床教育に力を入れている.2012年に仲間とともに「産科麻酔に参加しよう」と立ち上げ,麻酔科医に対して情熱的な教育活動を行っている.日本母体救命システム普及協議会(J-CIMELS)インストラクター,無痛分娩関連学会・団体連絡協議会(JALA)委員.日本産科麻酔学会社員.
多くの麻酔科医が産科麻酔に関わり,母児の予後改善に寄与することを目指している.

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序文

 この本書を読まれる方々には当然のことであろうが,現在の麻酔科医の仕事は,安全に麻酔をかけることだけでなく,患者の苦痛を取り除き,その命を守ることであるとされている.産科麻酔の領域では,麻酔科医の守るべき対象となる生命が複数となることがその特徴である.麻酔科医にとっては,同時に見守らなくてはいけない客体が複数になるばかりでなく,母体,胎児とも,いわゆる成人とは異なる生理を持つ部分も多く,その複雑性は格段に増加する.しかしながら,母体と胎児の苦痛を和らげ,安全なお産に関われることによって得られる喜びは格別なものがある.
 本書は,産婦人科医と麻酔科医がタッグを組んで執筆された産科麻酔の指南書である.分野ごとに7章に分け,妊婦や分娩の進行,産褥期や新生児に関してもわかりやすく解説している.いわゆる手技の指南や無痛分娩の技法といったものに限定せずに,お産全体に関わるという観点を大切にしている.麻酔科医は,本来は帝王切開の麻酔管理や無痛分娩の硬膜外麻酔管理のみに携わるのでなく,可能であればお産の過程そのものにより深く関わるべきだという考え方がその根底にある.
 しかしながら,本邦においては,麻酔科医不足という背景の中,産婦人科医が帝王切開の麻酔管理を行う,あるいは無痛分娩の硬膜外麻酔管理を行わざるを得ない場合も少なくない.麻酔科医が行うべき,産婦人科医が行うべき,という「べき論」を一旦脇に置いて,現時点での安全な医療を提供するために,必要であれば本書を産婦人科医にも活用していただきたい.本書を通じて,麻酔科医は産婦人科医の考えていることを,産婦人科医は麻酔科医の思想を,垣間見ることができるのであれば幸いである.未来を作り出すのに必要なことは,限られた医療資源の中,それぞれの専門家が知恵を共有し,母体と胎児が安心してお産に臨める環境を作り出すことではないだろうか.

2019年10月
昭和大学医学部麻酔科学講座 大嶽浩司




産科麻酔を知ろう

 まず,私は産科麻酔の専門家ではない.ではなぜこの書籍を編集しようという思いに至ったのか? その答えは(僕も含めて)産科麻酔の知識をすべての麻酔科医の先生に知ってほしいからである.
 社会的に無痛分娩にスポットが当たるようになり,無痛分娩の件数が近年増加している.その背景の中で麻酔科医による無痛分娩への関わりは強く望まれている.現在報告されている無痛分娩による合併症は麻酔科医が関与すれば防ぐことができた多数の症例が存在する.
 そのため我々麻酔科医は無痛分娩の知識に精通しなければならない.その無痛分娩を学ぶためには産科麻酔の知識を知る必要がある.
 その産科麻酔の知識を学ぶためには産科に関する基本的な知識が欠かせない.妊婦の気道確保が困難なことは妊婦の解剖学を学べばよりよく理解することができることは代表的な例ではなかろうか?
 今回の書籍の特徴は麻酔科医だけではなく産科医にも積極的に執筆していただくことにより,妊婦の全身状態だけではなく疾患についても産科医の目線から非常にわかりやすく説明されている.その上で産科麻酔科医の先生に麻酔科医に必要な知識を記載していただいた.産科麻酔を始める先生にはまさしく有効な書籍になった.ぜひ麻酔科医の先生方には手を取っていただき,読んでいただきたい.

 最後にこの書籍の作成にあたり,当院産科麻酔科の加藤教授のご協力がなければ絶対作成できなかったです.謝辞を申し上げます.
 麻酔科医にとって有効な書籍になりますように強く祈願しております.

2019年9月
昭和大学病院麻酔科 上嶋浩順

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目次

Chapter 1 妊婦の麻酔前評価
 Q1 分娩の経過について教えてください. 〈奥富俊之〉
 Q2 胎児の成長とその評価方法を教えてください. 〈新垣達也 関沢明彦〉
 Q3 胎児機能評価のために使用されている超音波ドプラ検査の読み方を
    教えてください. 〈新垣達也 関沢明彦〉
 Q4 胎児心拍数陣痛図の読み方を教えてください. 〈大場智洋〉
 Q5 ノンストレステスト(NST)とバイオフィジカル・プロファイル・スコアリング(BPS)
    について教えてください. 〈鈴木翔子〉
 Q6 術前診察に留意すべき妊娠経過中に起こる生理・解剖学的変化について教えてください. 〈奥富俊之〉
 Q7 妊婦の困難気道のリスクは高いですか? 〈上嶋浩順〉
 Q8 妊婦の放射線被曝の影響について教えてください.予定帝王切開術の全患者に
    胸部X線検査は必要ですか? 〈藤田信子〉
 Q9 子宮収縮抑制薬は麻酔管理に影響しますか? 〈谷口美づき〉
 Q10 母体・胎児集中治療室(MFICU)の概要と対象疾患について教えてください. 〈角 千里〉
 Q11 妊産婦のメンタルヘルスの重要性について教えてください. 〈白土なほ子〉

Chapter 2 帝王切開術
 Q12 帝王切開術における麻酔法はなぜ区域麻酔法が第一選択なのですか? また各区域麻酔法での
    長所・短所についても教えてください. 〈松田祐典〉
 Q13 超音波装置は脊髄くも膜下穿刺に有用ですか? 〈松田祐典〉
 Q14 帝王切開術のsingle shot spinalで投与される薬剤とその用量は? 〈樋口 慧〉
 Q15 帝王切開術における脊髄くも膜下麻酔後に起こりうる合併症(低血圧や悪心嘔吐,麻酔不十分)と
    その対策について教えてください. 〈岡田尚子〉
 Q16 帝王切開術の術後鎮痛方法について教えてください. 〈上山博史〉
 Q17 帝王切開術の術後鎮痛における有効な末梢神経ブロックについて教えてください. 〈上嶋浩順〉
 Q18 妊婦は局所麻酔薬中毒を発生しやすいですか? 〈酒井規広〉
 Q19 帝王切開術の麻酔や術後鎮痛に使用される局所麻酔薬やオピオイドは
    授乳に影響しますか? 〈酒井規広〉
 Q20 妊娠高血圧症候群について教えてください.妊娠高血圧症候群妊婦の麻酔で
    気をつけるべきことを教えてください. 〈上村友二 田中 基〉
 Q21 常位胎盤早期剥離について教えてください. 〈徳中真由美〉
 Q22 常位胎盤早期剥離合併妊婦の麻酔管理について教えてください. 〈成瀬 智〉
 Q23 前置胎盤について教えてください. 〈瀧田寛子〉
 Q24 前置胎盤合併妊婦の麻酔管理について教えてください. 〈亀山良亘 山内正憲〉
 Q25 癒着胎盤について教えてください. 〈瀧田寛子〉
 Q26 癒着胎盤合併妊婦の麻酔法について教えてください. 〈三浦倫一〉
 Q27 前置血管について教えてください. 〈瀧田寛子〉
 Q28 多胎妊娠について(胎児・新生児へのリスクを含めて)教えてください. 〈湯本正寿〉
 Q29 双胎妊娠の帝王切開術麻酔で留意すべきことを教えてください. 〈角 千里〉
 Q30 超緊急帝王切開術について教えてください. 〈加藤 梓 照井克生〉
 Q31 子宮収縮薬の使い方と注意点を教えてください. 〈秋永智永子〉

Chapter 3 無痛分娩
 Q32 分娩時の痛みについて教えてださい. 〈魚川礼子〉
 Q33 硬膜外無痛分娩の利点と欠点を教えてください. 〈田辺瀬良美〉
 Q34 無痛分娩の実際の方法について教えてください. 〈大瀧千代〉
 Q35 硬膜外無痛分娩にすると帝王切開率や器械分娩率は上昇しますか? 〈堀田亜希子 中畑克俊〉
 Q36 無痛分娩中に帝王切開が必要になった場合,どのように
    麻酔すればよいですか? 〈永井 梓 田中 基〉
 Q37 硬膜外無痛分娩が児に与える影響について教えてください. 〈谷口美づき〉

Chapter 4 その他の妊娠中の手術
 Q38 全身麻酔は胎児に影響しますか? 〈林 督人 長坂安子〉
 Q39 妊娠中の腹腔鏡手術の管理方法の注意点を教えてください. 〈藤井智子 粟倉英恵〉
 Q40 子宮内容除去術について教えてください. 〈松岡 隆〉
 Q41 子宮内容除去術の麻酔法について教えてください. 〈狩谷伸享 加藤里絵〉
 Q42 外回転術について教えてください. 〈松岡 隆〉
 Q43 外回転術の麻酔法について教えてください.  〈細川幸希〉

Chapter 5 産褥期の管理
 Q44 産後に起こる生理・解剖学的変化について教えてください. 〈吉澤佐也 田中 基〉
 Q45 授乳中の内服薬服用に関して注意すべき点を教えてください. 〈上嶋浩順〉
 Q46 遺残胎盤について教えてください. 〈大場智洋〉
 Q47 子宮内反症について教えてください. 〈湯本正寿〉
 Q48 区域麻酔下分娩後の神経障害について鑑別と治療法を教えてください. 〈酒井規広〉
 Q49 硬膜穿刺後頭痛(PDPH)について教えてください. 〈狩谷伸享〉

Chapter 6 産科救急
 Q50 分娩時異常出血の原因を教えてください. 〈中川元文〉
 Q51 分娩時異常出血の輸血療法を含めた治療法について教えてください. 〈片倉友美 角倉弘行〉
 Q52 妊産婦ではなぜ肺血栓塞栓症が発生しやすいのですか? また産科領域での静脈血栓予防に
    ついて教えてください. 〈田辺瀬良美〉
 Q53 妊婦の子癇発作における病態とその対処方法について教えてください. 〈徳中真由美〉
 Q54 妊婦における心停止の原因について教えてください. 〈植田裕史 高橋伸二〉
 Q55 妊婦の蘇生法について教えてください. 〈小林可奈子 高橋伸二〉
 Q56 産科におけるRapid response systemについて教えてください. 〈細川幸希〉
 Q57 日本母体救命システム普及協議会(J-CIMELS)の活動について教えてください. 〈照井克生〉
 Q58 多職種で行う産科シミュレーションの意義とその内容について教えてください. 〈駒澤伸泰〉

Chapter 7 新生児・胎児
 Q59 新生児蘇生法について教えてください. 〈植田紗代〉
 Q60 胎児治療について教えてください. 〈佐藤正規〉

索引

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執筆者一覧

大嶽浩司  昭和大学医学部麻酔科学講座教授 監修
上嶋浩順  昭和大学病院麻酔科講師 編集
加藤里絵  昭和大学医学部麻酔科学講座教授 編集
奥富俊之  北里大学医学部麻酔科学診療教授 
新垣達也  昭和大学医学部産婦人科学講座講師 
関沢明彦  昭和大学医学部産婦人科学講座教授 
大場智洋  昭和大学医学部産婦人科学講座 
鈴木翔子  昭和大学病院総合周産期母子医療センター 
藤田信子  聖路加国際病院麻酔科副医長 
谷口美づき 浜松医科大学麻酔・蘇生学講座助教 
角 千里  関西医科大学総合医療センター麻酔科助教 
白土なほ子 昭和大学医学部産婦人科学講座講師 
松田祐典  トロント大学マウントサイナイ病院麻酔科臨床フェロー 
樋口 慧  昭和大学病院麻酔科助教 
岡田尚子  順天堂大学医学部附属練馬病院麻酔科・ペインクリニック准教授 
上山博史  関西ろうさい病院麻酔科部長 
酒井規広  総合大雄会病院麻酔科 
上村友二  名古屋市立大学大学院医学研究科麻酔科学・集中治療医学分野助教  
田中 基  名古屋市立大学大学院医学研究科麻酔科学・集中治療医学分野教授 
徳中真由美 昭和大学医学部産婦人科学講座講師 
成瀬 智  浜松医科大学医学部附属病院麻酔科蘇生科 診療助教 
瀧田寛子  昭和大学病院産婦人科学講座講師 
亀山良亘  東北大学病院麻酔科助教 
山内正憲  東北大学病院麻酔科教授 
三浦倫一  昭和大学病院麻酔科准教授 
湯本正寿  東京女子医科大学八千代医療センター麻酔科准講師 
加藤 梓  埼玉医科大学総合医療センター産科麻酔科助教 
照井克生  埼玉医科大学総合医療センター産科麻酔科教授 
秋永智永子 浜松医科大学医学部附属病院医療安全管理室特任助教 
魚川礼子  千船病院麻酔科部長 
田辺瀬良美 東京都立多摩総合医療センター麻酔科医長 
大瀧千代  大阪大学大学院医学系研究科麻酔集中治療医学講座講師 
堀田亜希子 関西医科大学附属病院麻酔科助教 
中畑克俊  関西医科大学附属病院麻酔科講師 
永井 梓  名古屋市立大学大学院医学研究科麻酔科学・集中治療医学分野 
林 督人  聖路加国際病院麻酔科医幹 
長坂安子  聖路加国際病院麻酔科部長 
藤井智子  昭和大学横浜市北部病院麻酔科兼任講師 
粟倉英恵  昭和大学横浜市北部病院麻酔科助教 
松岡 隆  昭和大学医学部産婦人科学講座准教授 
狩谷伸享  兵庫医科大学麻酔科学・疼痛制御科学講座准教授 
細川幸希  昭和大学医学部麻酔科学講座講師 
吉澤佐也  刈谷豊田総合病院麻酔科医長 
中川元文  愛育病院麻酔科 
片倉友美  横浜市立大学附属病院麻酔科助教 
角倉弘行  順天堂大学医学部附属順天堂医院産科麻酔部門長 
植田裕史  筑波大学附属病院麻酔科病院講師 
高橋伸二  筑波大学医学医療系手術部(麻酔・蘇生学)准教授 
小林可奈子 水戸済生会総合病院麻酔科主任部長 
駒澤伸泰  大阪医科大学医学教育センター講師 
植田紗代  昭和大学病院麻酔科助教 
佐藤正規  国立成育医療研究センター麻酔科医長 

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産科麻酔の疑問Q&A60
   定価4,840円(本体4,400円 + 税)
   2019年11月発行
(外部のサイトへとびます)
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