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書籍詳細

きらめきのクリニック女子!

きらめきのクリニック女子!

接遇・教育・心構え・お悩み解決まで

内藤孝司  監修 / 後藤のり子 著 / 永延梨沙  著

A5判 136頁

定価(本体2,200円 + 税)

ISBN978-4-498-04876-8

2019年11月発行

在庫あり

クリニックにおいても一定以上のサービスが求められる過当競争時代において、「病院の顔」である医療事務スタッフはクリニックの雰囲気や印象を左右する重要な存在。にも関わらず、今まで医療事務職員向けのマネジメント書は存在しませんでした。本書では、クリニックを明るく照らす「クリニック女子」を目指すためのノウハウが詰まっています。ドクターや院長先生にとっても医療事務員と協働するためのヒントが満載です!

著者

後藤のり子(ごとう のりこ)
柊クリニック教育マネージャー.愛知県内にて5つのクリニックを展開する,医療法人る・ぷてぃ・らぱん 柊クリニックグループでスタッフを統括している.
金城学院大学にて高校と中学の家庭科の教員免許を取得後,非常勤講師,衣料販売職等を勤め,医療事務の専門学校に通い,平成11年より柊みみはなのどクリニックに勤務.以後20年に亘り勤務し,令和元年7月より現職.

永延梨沙(ながのぶ りさ)
柊クリニック教育マネージャー.後藤のり子とともに,柊クリニックグループでスタッフを統括している.
平成20年 三幸学園名古屋医療秘書専門学校卒業後,同年柊みみはなのどクリニックに入職し,平成31年より現職.平成30年8月より,三幸学園名古屋医療秘書専門学校でも講話講師を務めている.


監修者

内藤孝司(ないとう こうじ)
医療法人る・ぷてぃ・らぱん 理事長.平成5年愛知医科大学卒業後,西尾市民病院,名古屋大学医学部,東海市民病院で勤務し,平成11年柊みみはなのどクリニック開院.ドラッカー理論を経営に活用し,現在愛知県内にて5つのクリニックを展開している.著書に『ぼくが一番電子カルテをうまく使えるんだ!』『グレートクリニックを創ろう! ―ドラッカー理論を経営に活用する本―』など.

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はじめに

 私は医療法人『る・ぷてぃ・らぱん』理事長で『柊みみはなのどクリニック』の院長を務める内藤孝司と申します.
 このたび,クリニックの医療事務にフォーカスした本書を発行する運びとなりました.なぜ今この本を出そうと思ったのか,その理由を説明したいと思います.
 本題に入る前に,まずは私の簡単なプロフィールをご紹介しましょう.私は1993(平成5)年に愛知医科大学を卒業し,耳鼻咽喉科の専門医としてキャリアをスタート.名古屋大学医学部耳鼻咽喉科をはじめ,公立病院で勤務医をしてきました.
 転機となったのは1999(平成11年)のこと.父は開業医ではありませんが,家庭の事情で愛知県大府市に『柊みみはなのどクリニック』を開設することになりました.
 開業医の先輩やコンサルタントから,「開業して3年は金銭的にも精神的にも厳しい状況が続くかもしれないが,その後は軌道に乗り,楽になるはず」などと言う話を聞いていたこともあり,なんとなく「若い自分でもできるだろう」と楽観視する気持ちもありました.
 でもこれは,とんでもない話! 
 間もなく開業から20年を迎えようとしていますが,クリニックの運営を楽だと感じる瞬間は,ただの一度もありません.
 それどころか,もう目が回るほどの忙しさ.患者さまを診察するというドクター本来の仕事に加え,スタッフの採用や教育,財務状況の管理など,あらゆる業務をこなさなければならないのです.ひとつの課題を解決したと思ったらまた別の課題が出てくるといった具合に,常に数多くの課題を抱えながらクリニックの運営にあくせくしている状況が開業以来ずっと続いている状態です(笑).

 みなさんご存じの通り,クリニックの経営というのは自分自身が行う診察だけではなく,それ以外の業務の比重が高いのです.その中でも特にスタッフたちとの関わり合いが非常に重要です.
 良いチームを形成し,クリニックのスタッフたちに生き生きと働いてもらい,長期にわたり組織を良好に運営していく─いわゆるマネジメントをそれまでの人生において誰かに教えてもらうことがなかった私は,開業してから数年間は完全な我流で運営してしまったため,後に組織崩壊という憂き目に逢ってしまいました….
 採用しても採用しても離職者が後を絶たず,多くのスタッフたちを傷付けてしまいました.「私が至らぬばかりに,みなさんにつらい思いをさせてしまった」と,今も後悔しています.
 自責の念にかられる状況が続き,完全に疲れ切ってしまいました.図太い神経の持ち主であったらよかったのかもしれませんが,むしろその正反対の性格である私は,抑うつ状態になり,クリニック経営を続ける自信をすっかり失ってしまいました.
 「クリニックを畳んで,勤務医に戻ろう…」
 そんなことすら思ったほどです.
 「開業医って全然楽じゃないじゃないか.話が違う!」
 ぶつけどころのない怒りを抱えつつも,今さら漕ぎ出した船を停止させるわけにはいきません.そんなことをしてしまったら,船ごと沈んでしまうからです.
 しかし,診療を続けていても私の心は深淵に沈み込み,目標を失って荒波の中を漂う船のような経営が続いていました.

 そんな出口の見えない暗闇をさまよっていた時期に,ある人物がひと筋の光を照らしてくれたのです.
 その人物の名は,ピーター・F・ドラッカー.
 20世紀を代表する経営学者であり,「マネジメントの父」と言われる人です.
 たまたま彼の執筆した『マネジメント(エッセンシャル版)』(ダイヤモンド社)を読んで感動した私は,彼の書いた書籍や文献などを片っ端から読み漁り,彼の唱えた経営理論を『柊みみはなのどクリニック』の運営にも積極的に取り入れるようにしていきました.
 それだけでは飽き足らず,『マネジメント』の発行元が主催する「ドラッカー塾」にも参加.経営を一から学び,スタッフたちに身に付けたばかりのドラッカーの教えを説いて,実践していったのです.

 するとどうでしょう.スタッフたちの働きぶりもクリニック内の雰囲気も,明らかによくなっていったのです.その詳しい内容については,本題とは異なるので,ここでは割愛させていただきます.(興味のある方は拙著『グレートクリニックを創ろう!』〔中外医学社刊〕を,ぜひお読みください)
 
 2019年8月現在,私が最高経営責任者を務める『柊クリニックグループ』は名古屋地区に5院展開し,医師や看護師,医療事務員など,総スタッフ数は100人を超える大所帯となりました.
 地方にある平々凡々とした町医者がドラッカーの経営理論を取り入れたところ,良い意味での大きな変貌を遂げたことは,同じくクリニックを経営する方々にとっては,とても関心を引く出来事だったようです.
 『グレートクリニックを創ろう!』が世に出てからというもの,私の元には講演の依頼が相次ぐようになりました.
 それこそ全国各地に足を運ばせてもらい,そこで私と同じような悩みを抱える多くのクリニック経営者と知り合うようになったのです.私にとって彼らは言わば,同じ志をもった仲間.講演後に場を設けて,理想とするより良いクリニックを作り上げていくにはどうしたらよいか,さまざまな意見をぶつけ合ったものでした.
 そうやって交流を深めるうちに,私は全国各地のクリニック経営者が,ある共通の悩みを持っていることに気付いたのです.
 その悩みとは,「優秀な医療事務職員がなかなか育たない」ということ.また,「よい人がいても,長続きしない」という声もよく耳にしました.
 そもそも医療事務職員がどんな業務を行っているか整理してみると,非常に多岐にわたっていることがわかります.
 例えば…
 ●患者さまの受付業務
 ●カルテの作成,管理
 ●診察券の発行
 ●診療報酬の計算
 ●会計業務
 ●電話応対
 ●クリニック内の清掃
 ●新人部下への教育
 ●医師や看護師との医療連携業務
  ……etc
 思い付くままにざっとあげてみましたが,細かく見ていくとおそらくもっと多くの業務があるのではないでしょうか.
 診療報酬の計算など専門性が求められる業務もあれば,患者さまへの応対など文字通り「病院の顔」としての役割もあるクリニックの経営を支える大切な柱.彼女たちの存在なしにクリニックが成り立つことはないでしょう.
 嫌な話ではありますが,現代はクリニックにも一定以上のサービスが求められる過当競争時代.医療事務職員に求められる役割は,今まで以上に大きなものになってきているのです.
 ただ,それほど重要な存在になっているにもかかわらず,現場では医療事務職員向けのマニュアル本やマネジメント本,医療事務職員を対象とした自己啓発本の類いを見かけることはありません.おそらくこれまでは,その重要性があまり認識されていなかったからなのでしょう.
 幸い,私たち『柊クリニックグループ』には,どこに出しても恥ずかしくない優秀な医療事務職員が多数在籍しています.彼女たちの知識や経験,ノウハウを一冊の本にまとめることができれば,よい医療事務職員の確保に困っている全国のクリニック経営者の皆様のお役に立てるのではないかと考え,本書を作ることを思い至ったのです.
 
 この後の章では,『柊クリニックグループ』の中でも特に優秀で,医療事務のみならず各院を統括する教育マネージャーとしても力を発揮してくれている後藤のり子と永延梨沙の2人に,医療事務の仕事とは何か,看護師や歯科衛生士などさまざまな職種のスタッフたちをマネジメントするにあたっての苦労話や成功事例,仕事を通じて得た知識や喜びなど,余すところなく語ってもらいました.
 彼女たちの話は,すでに医療事務職員として働いている人はもちろん,これから医療事務職員を目指そうという人,クリニックの経営者,ドクターやナースなど,クリニックにかかわるすべての方の参考になると思います.
 ぜひ,彼女たちの話に耳を傾け,これからの業務に役立てていただければ,これほどうれしいことはありません.医療事務という仕事を,今一度深く見つめ直してみてはいかがでしょうか.

2019年8月

医療法人る・ぷてぃ・らぱん 理事長
柊クリニックグループ最高経営責任者
柊みみはなのどクリニック大府柊山 院長
内藤孝司




自分の人生の選択を自分の力で正しいものにした二人の物語

 これからの医療事務の方々に求められることは「前向きな考え方と正しい行動習慣をもち,主体的・積極的に仕事に取り組むことで,医療機関における医療事務の仕事を価値のあるものにする」ことだと考えています.その観点からすれば,本書を書かれた後藤さん・永延さんは,自分で道を切り拓き,柊クリニックグループ内での医療事務の役割に大きな意味合いを与え,他のスタッフの「働き方」に大きな影響を与えています.そして本書を世に出すにあたり,それはグループ内にとどまらず,日本中のさまざまな医療機関の医療事務の方に影響を与えていくことになるのかも知れません.
 私は,十数年前からコンサルタントとして柊クリニックグループの運営をサポートしています.とはいっても,お二人の成長は(本書の中では一部私を持ち上げてくださっていますが)私の功績は微塵もなく,自分自身の決断と行動で成長してゆかれたのです.どちらかといえば私は待ち時間の短縮などオペレーションの改善や,グループ診療拡大の過程の中で,お二人に無理難題をお願いする側の人間だったといえるかも知れません.
 後藤さん・永延さんが柊クリニックグループで働く中で,時系列に自分たちに起こったでき事を赤裸々に書かれた本書.読まれた皆さんはどのように感じられたでしょうか? さまざまな困難や次々と訪れる新たな展開に翻弄されながらも前向きに進むお二人の姿.決して順風満帆ではなく,皆さんと同様に時にはネガティブになったり,法人の方針に疑問を感じたり,上司・同僚との関係に葛藤を抱えながらもそれを乗り越えていかれた過程にこそ,皆さんに感じ取っていただける何かがあるのではないか? と思います.
 皆さんの中には「職場環境が良かったから,あるいは成長する環境が整っていたからこれだけのことが書けるのではないの?」と思われる方もいらっしゃるかも知れません.もちろん,現在では主体性や積極性を推奨する,柊クリニックグループ内の優れた環境が存在することは事実です.
 しかし,そうした環境は初めからあったものではありません.
 そもそも,グループの最高経営責任者である内藤理事長は決して「聖人君子でとても人徳の高い方」,という訳ではなく,「グループ内で神様仏様のように尊敬されている存在」でもありません.医療機関における一般的な上司や院長とさほど変わらないように思います.それでも後藤さん,永延さんは成長してゆき,さらにお二人に続く優れたリーダー達が次々と育ってきているのです.それはなぜか?

 それは,後藤さん・永延さんが医療事務だけでなく,グループで働く全スタッフの「働き方」について「道を創ってきた」からです.

 後藤さんのひたむきな仕事に対する姿勢や,永延さんの現状をより良いものに変えていこうとする行動力が,トップである内藤理事長のマネジメントスタイルを変えていったといっても過言ではありません.
 内藤理事長が経営者として素晴らしい点があったのだとすれば,スタッフを大切にすること,継続して成長の機会を与えることの重要性をドラッカーを通じて学ばれ,使命をスタッフ達と共に定め,その使命に基づいた行動を徹底的に推奨したことだと思われます.そして細かな失敗を気にせず,スタッフの主体的・積極的な行動を全面的に支援されたことでしょう.
 それにより,柊クリニックグループのスタッフの皆さんは,理事長や上司が何かを指示しなくても,使命に基づいて自分たちの頭で考え,毎日の診療業務にプラスアルファの取り組みを続けておられるのです.前向きな考え方や正しい行動習慣が仕事を価値のあるものに変えていっているのです.

 小学生・中学生時代の卒業文集や作文で,「将来就きたい職業」を書かれたご経験を皆さんもお持ちかと思います.その中で,「医師」や「看護師」と書かれることはあっても,残念ながら「医療事務になりたい」と書いた方はほとんどいらっしゃらないのではないでしょうか? 後藤さんや永延さんも例外ではありません.本書にあった通り,後藤さんは当初教員を目指されていましたし,永延さんも医療事務の仕事に就こうと思われたのは高校3年の秋と書かれています.しかし,今ではお二人とも「医療事務の仕事は天職である」とお話されています.お二人は「医療事務になる」という人生の選択を自分たちの努力,行動によって正しいものにし,価値のあるものにされたのです.
 誰にでも二人のような存在になる可能性が十分にあるということ,そしてそのために大切なものは前向きな考え方と,正しい行動習慣をもち,主体的・積極的に仕事に取り組むことであることを,繰り返しになりますが,お伝えしておきたいと思います.

 与えられた仕事だけをこなして,それなりの給与をもらって,時には愚痴を言いながら「仕事は仕事」と割り切って働くこともできるかも知れません.
 一方で,さまざまな困難はありながらも患者さまのためにできることを増やし,主体性・積極性をもって仕事に取り組む.場合によっては上司や後輩の考え方さえも良い方向に導き,自分たちが働く職場環境を改善する.それによってより良い医療に貢献する.

 貴方は医療事務として,どちらの人生を選びますか?

株式会社クレドメディカル
代表取締役 志賀嘉典

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目次

第1章 後藤のり子編
 1 混乱と災害
 2 成長と疲弊
 3 激震 電子カルテ
 4 チーム・組織としての産声
 5 クリニックで働くということ

第2章 永延梨沙編
 6 新卒入職
 7 法人の拡大と違和感
 8 転機
 9 リーダーとは何か?
 10 クリニックスタッフに限界はない

第3 章 Q&A
 11 おしえて! 後藤さん,永延さん こんなとき,どうする?

あとがき

COLUMN
モチベーションUp & Keepのコツ
 後藤のり子編
 永延梨沙編 

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執筆者一覧

内藤孝司  柊みみはなのどクリニック理事長 監修
後藤のり子 医療法人る・ぷてぃ・らぱん教育マネージャー 著
永延梨沙  医療法人る・ぷてぃ・らぱん教育マネージャー 著

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きらめきのクリニック女子!
   定価2,420円(本体2,200円 + 税)
   2019年11月発行
(外部のサイトへとびます)
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