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書籍詳細

患者さんのための心臓リハビリ入門 第2版

イラストでわかる

患者さんのための心臓リハビリ入門 第2版

上月正博  編集 / 伊藤 修  編集 / 原田 卓  編集

B5判 126頁

定価1,980円(本体1,800円 + 税)

ISBN978-4-498-06711-0

2019年03月発行

在庫あり

心臓病によって低下した心機能や全身機能の改善を目指す「心臓リハビリ」についてやさしく解説した患者向けガイドブックの改訂第2版。心臓の構造と心臓病、動脈硬化と危険因子、運動療法や食事療法についての実際などについて、イラストをもとにわかりやすく解説します。

第2版の序

 生活習慣の欧米化や超高齢社会を背景に虚血性心疾患(心筋梗塞や狭心症など),心不全,末梢動脈疾患など循環器疾患の患者数が著増しています.安心して日常生活や仕事に復帰し,再発を防止するためには,きちんとした心臓リハビリテーション(リハビリ)を行う必要があります.
 本書は,東北大学病院・内部障害リハビリ科で行われている患者さんやご家族向けの心臓リハビリ講義の標準テキストです.2012年に初版を出版したところ,イラストを用いた患者さん向けの要点を絞った簡明な心臓リハビリテキストとして,幸い多くの支持を得て,臨床現場や教育現場で広く利用され,増刷を重ねてきました.2014年には中国語版も出版されました.
 本書初版発行以来約7年が経過し,心臓リハビリの対象や役割はさらに急速に拡大し,内容も進歩しました.循環器疾患の診断や治療,統計もどんどん新しくなり,ガイドラインの改訂が行われました.
 本書はこのような背景のもと,教室の執筆者を増やし,心臓リハビリの対象疾患に関する,1)最新ガイドラインの知見を盛り込む,2)最新統計データを盛り込む,3)特に進歩の目立つ心不全,末梢動脈疾患,慢性腎臓病の項目を充実させる,4)患者さんが独習しやすいようにさらに簡易かつ明快な記述にする,5)内容の精選を行い頁数増は極力避けて購入しやすい価格にとどめる,の5点を心がけて,専門医が責任をもって内容を吟味し改訂したものです.結果的に,全体の2割に修正を加えましたが,頁数は初版とほぼ同じにとどめました.協力した執筆者各位に感謝するとともに,企画・編集で何かと手を煩わせた中外医学社の岩松宏典,高橋洋一の各氏にも感謝いたします.
 本書のイラストの内容を理解していただければ,最新の心臓リハビリ知識に関して「免許皆伝」です! 患者さんの生活機能や運動機能を改善でき,再発を防止して長生きできる心臓リハビリを安心して行えます! 本書が正しい心臓リハビリの普及に役立つ座右の書となれば,編者としてこれに勝る喜びはありません.

2019年3月
編者を代表して 上月正博




初版の序

 リハビリテーション(リハビリ)は,最近では比較的なじみやすい言葉になりました.皆さんの多くは,リハビリは通常整形外科手術や脳卒中の治療後に行う歩行訓練や機能訓練であり,自宅退院したり復職できればリハビリの目的を達成したとお考えになっていることと思います.
 しかし,心臓リハビリの目的はそれだけではありません.自宅退院や復職だけでなく,医学的評価,運動療法,冠危険因子是正,教育およびカウンセリングを通して,再発を予防し,寿命を延ばし,動脈硬化そのものを改善させることも重要な目的です.そのために,心臓リハビリでは患者さんに運動療法,冠危険因子是正などのためのきちんとした教育を行う義務があります.しかし,心臓病や心臓リハビリに関する書物というと難解な医学専門書や分厚い解説書ばかりで,患者さん向けの要点を絞った簡明なものは見当たらないのが現状です.
 本書はこのような背景のもとに作られました.本書のベースは,東北大学病院内部障害リハビリ科で行われている患者さんやご家族向けの心臓リハビリ講義のレジメです.東北大学では,1994年に呼吸循環,代謝,腎,消化器などの内部機能障害について研究するわが国初の講座として内部障害学分野が設置され,同時に東北大学病院にわが国初の診療科である内部障害リハビリ科が設置されました.開設以来,心臓リハビリにも力を入れ,毎日患者さんに講義し,そのレジメを患者さんにお渡ししてきましたが,患者さんやご家族から「講義内容や資料をぜひ本にしてもらいたい」という要望が強いこと,また,心臓リハビリを始めようとする医療機関のリハビリ関係者からも,「患者指導に適切な教育資料はありませんか」との要望があるために,書籍化しました.
 本書の特徴として,心臓リハビリの最新知識を患者さんの立場に立って解説しています.当科で行っている講義を8つの章に分け,どこからでも読めるようにしました.内容に関しては専門医が責任を持って吟味するとともに,図を多用しつつ,説明文は最小限度とし,目で見てわかる読み物にしました.さらに関連する内容に関しては参照すべきページを明記し,効率的に理解が深まるように配慮しました.本書は心臓リハビリを開始する医療関係者のテキストとしても遜色ない内容に仕上げています.本書をもとに容易に質の高い患者教育を行うことが可能になり,患者教育への負担を減らすことが可能です.書籍化にあたり執筆者各位に感謝するとともに,企画・編集で何かと手を煩わせた中外医学社の岩松宏典,高橋洋一の各氏にも感謝いたします.
 また,本書はお年寄りなど生活習慣病や心臓病の危険因子をもつ人の参考書としても活用できます.お年寄りのおられるご家庭に,この一冊を揃えて置かれて,必要に応じた章を読んでいただけると,健康維持・管理に大いに役立つものと期待します.
 本書が関係者の日常の座右の書となれば,編者としてこれに勝る喜びはありません.

2012年5月
編者を代表して 上月正博

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目次

1 心臓の構造と心臓病について
 1 心臓のしくみ
 2 心臓へ酸素と栄養を運ぶ冠動脈
 3 心臓の電気系統 “刺激伝導系”
 4 とってもこわい心臓病
 5 虚血性心疾患ってどんな病気?
 6 虚血性心疾患の起こり方
 7 虚血性心疾患の治療
 8 冠れん縮性狭心症とは?
 9 末梢性動脈疾患(PAD)とは?
 10 末梢動脈疾患の運動療法について
 11 心不全ってどんな状態なの?
 12 心不全のセルフチェックと対応
 13 心不全の治療
 14 不整脈って何ですか?
 15 不整脈の治療
 16 心臓病ではどんな症状が出るの?

2 動脈硬化と危険因子について
 17 動脈硬化とは?
 18 動脈硬化が起こるとどうなるの?
 19 動脈硬化の危険因子にはどんなものがあるの?
危険因子をチェックしてみましょう
 20 なぜ,血圧は高くなるの?
 21 塩分を摂り過ぎると血圧が上がります
 22 どこからが高血圧なの?
 23 成人における血圧値の分類
 24 診察室と家庭では高血圧の基準値が違います
 25 家庭で血圧を測るときの注意点
 26 血圧に基づいた脳心血管リスク層別化
 27 血圧はどのくらいが 望ましいの?
 28 なぜ,血糖は高くなるの?
 29 血糖をコントロールするホルモン〜インスリン
 30 なぜ血糖値が高いといけないの?
 31 糖尿病の診断基準は?
 32 血糖コントロールの目標は?
 33 コレステロールとは?
 34 なぜコレステロールは高くなるの?
 35 トリグリセライド(中性脂肪)とは?
 36 なぜトリグリセライドは高くなるの?
 37 脂質異常症の診断基準は?
  脂質異常症のなりやすさをチェックしてみましょう
 38 血清脂質の目標値
 39 肥満とはどんな状態ですか?
 40 肥満は万病のもと!
 41 メタボリックシンドロームって何ですか?
 42 慢性腎臓病(CKD)とは?
 43 CKD患者に推奨される運動処方
  自分の腎機能をチェックしてみよう
 44 タバコは百害あって一利なし
 45 一に禁煙,二に禁煙

3 心臓リハビリについて
 46 心臓リハビリとは
 47 心臓リハビリのながれ
 48 回復期心臓リハビリの重要性
  東北大学病院の回復期心臓リハビリプログラム
 49 維持期の心臓リハビリについて
 50 慢性心不全のリハビリについて
 51 末梢動脈疾患(PAD)のリハビリについて
 52 日本心臓リハビリテーション学会

4 運動療法について
 53 運動療法にはどんな効果があるの?
  運動療法の身体効果
 54 有酸素運動と無酸素運動
 55 どのくらいの強さで運動すればいいの?
 56 運動の目安を脈拍数でチェックしましょう
 57 どのくらいの時間,運動したらいいの?
 58 どんな種類の運動がいいの?
 59 運動を継続して行えるよう工夫しましょう
 60 理想的なウォーキングのフォーム
 61 軽めの筋力トレーニングを取り入れましょう
 62 ストレッチングで筋肉や関節をほぐしましょう
 63 運動するときの注意点
 64 日常生活でこまめに体を動かしましょう
  メッツ(METs)表

5 食事療法について
 65 なぜ,食事療法をするの?
 66 適正なエネルギー摂取量ってどのくらい?
 67 欧米化した日本人の食生活
 68 脂質はバランスよく摂りましょう
 69 コレステロールを多く含む食品
 70 減塩の一番の近道は塩分の多い食品を減らすこと
 71 塩分を控えるコツ
 72 食物繊維を摂りましょう!
 73 果物はどれくらい食べてもいいの?
 74 外食メニューに気をつけましょう
 75 お菓子の食べ過ぎや嗜好品の摂り過ぎには注意しましょう
 76 お酒の適量はどのくらい?

6 日常生活について
 77 心臓に負担をかけない生活を送りましょう
 78 自分自身の体の状態をチェックしましょう
 79 起床時にはどんなことに気をつけたらいいの?
 80 良い眠りを得るために
 81 トイレでの注意事項
 82 入浴時に気をつけること
 83 外出時に気をつけることは何ですか?
 84 運転時に気をつけること
 85 暑さや寒さに対応するために
 86 性生活は可能ですか?
 87 薬は用法・用量を守って正しく使いましょう
  心臓病で使われる代表的な薬
 88 心臓発作が起こったら
 89 家族の方,親しい方へのお願い

7 ストレスについて
 90 ストレスって何ですか?
 91 ストレスがかかるとどうなるの?
 92 ストレスは心疾患の引き金になります
 93 交感神経と副交感神経
 94 心臓病になりやすい性格ってあるの?
  タイプA 行動パターンセルフチェックテスト
  うつ状態診断 セルフチェックリスト
 95 ストレス解消法にはどんなものがあるの?

8 復職について
 96 いつごろから仕事復帰できるの?
 97 仕事で気をつけることは?
  NYHA(ニューヨーク心臓協会)心機能分類
  虚血性心疾患患者のリスク分類
  作業強度の分類
  労働・運動強度と許容条件

日誌

索引

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執筆者一覧

上月正博  東北大学大学院医学系研究科内部障害学分野教授 編集
伊藤 修  東北医科薬科大学医学部リハビリテーション学教授 編集
原田 卓  東北大学大学院医学系研究科内部障害学分野准教授 編集
小川佳子  帝京大学医療技術学部スポーツ医療学科助教 
鈴木文歌  東北大学大学院医学系研究科内部障害学分野助教 
吉田俊子  聖路加国際大学看護学研究科教授 
柿花隆昭  東北大学大学院医学系研究科内部障害学分野 
富樫慎太郎 東北大学大学院医学系研究科内部障害学分野 

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   定価1,980円(本体1,800円 + 税)
   2019年03月発行
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