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書籍詳細

人間発達学 改訂5版

コメディカルのための専門基礎分野テキスト

人間発達学 改訂5版

福田恵美子 編

A5判 290頁

定価(本体2,600円 + 税)

ISBN978-4-498-07692-1

2019年03月発行

在庫あり

今回は大改訂を行った第4版をベースに、より一層のわかりやすさを目指し部分改訂を行った.第4版の改訂では,1:乳幼児期の生理現象に関する項目をひとつの章に集約.2:時代や読者のニーズに応えることができるコラムを配置.3:巻末の「発達里程標」は年齢を主軸にして見やすく大幅にリニューアル.4:,第4章では発達測定尺度に「感覚処理・行為機能検査:JAPAN」と成人と高齢者関係の評価尺度を追加。より使える“教科書”を実現した.

編者略歴

福田恵美子(ふくだ・えみこ)

1968年 国立療養所東京病院付属リハビリテーション学院卒業(作業療法士)
1994年 放送大学教養学部卒業(教養学士)
2003年 東北大学大学院医学部医学系研究科障害科学専攻修了(障害科学博士)
1968年〜1979年 栃木県身体障害医療福祉センター(現とちぎリハビリテーションセンター)
1980年〜1995年 自治医科大学付属病院リハビリテーションセンター副室長
1995年〜2001年 国際医療福祉大学・大学院助教授
2001年〜2004年 東北文化学園大学・大学院教授
2004年〜2011年 山形県立保健医療大学・大学院教授・理事
2011年〜現在 NPO法人発達支援飛翔のもり(顧問・理事)
指定特定相談支援事業所フリージア相談支援専門員
2015年〜2018年 長野保健医療大学保健科学部リハビリテーション学科教授
2018年〜現在 長野保健医療大学特任教授

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5版の序

 人間発達学は,幼児教育の発達過程にある子どもや発達障害関係の分野にのみ必要と思われがちである.しかし多くの小児科医,精神科医, PT,OT,ST,CP,幼児教育者,小中学校・高校・大学の教育者,障害者雇用の関係者達から,対象者と接していて,幼児期の発達の考え方が参考となり,日々の臨床や雇用現場においてその効力や接しやすさが実感できると伝えられることが多い.人間発達学が,人の生涯を考えての学問であることを再認識して触れて頂きたいと思っている.
 本書は社会環境が変化しても,大幅に揺るがされない身体的・精神的発達に視点を置き,コンパクトに基本枠を示した.臨床現場においては,定型発達過程と障害学を学んでいるコメディカルスタッフのセラピーは断片的に行っているように映るかもしれない.しかし回復を促していくセラピストの思考過程においては,螺旋的に発達していく過程を重要視しているからこそ,対象児・者の負担にならない対応ができているのではないかと思っている.執筆者の方々は,螺旋的で連続的な発達過程の文章表現を模索しながら筆を運んで下さっている.巻末に,定型発達過程を見やすく色分けした表を挿入しているので,各発達領域を網羅しwhole personとして捉えて読んで頂けたら嬉しい.
 第5版の特徴は,以下の4点に絞れる.
 1.乳幼児期の発達は,身体的側面と精神的側面が螺旋状の発達過程を踏み,2章と3章の重複があったため,5版では,運動・精神・社会的発達過程に関しては2章に,神経学的現象に関しては3章で述べることにした.
 2.時代のニーズに応えられるよう「コラム」を置き,この時代における人間の立ち位置や健康に関する考え方を示した.
 3.巻末に発達里程標を挿入した.各執筆者が触れている内容と先人達の研究を集約し,簡略にまとめたものである.年齢を主軸に,コメディカルメンバーが必要であろうと考えられる発達に関する各領域を見やすく配置した.
 4.第4章の発達過程の測定尺度は,臨床や研究において,客観的な視点が必要になるであろうことを考え,コメディカルメンバーに活用されている尺度を選択した.
 障害と共に生活していくようになる場合,動作・行動・行為が滞ってしまう.人が辿ってきた過程を大切にし,対象児・者の気になる動作・行動・行為は,必ず何らかの意味があって行っていることを理解し,二次障害を最小限に留め,無理のない対応を心がけられたら,この本に思いをこめた意図が達成される.
 人が人を理解するには,人間の身体の構造と機能と,人が生活している環境との相互関係で判断することが大切である.心身の構造や機能を把握して第5版を読んで頂けるとありがたい.
 日頃の業務や学会などで大変お忙しい中,快諾しご協力頂いた執筆者の方々と,中外医学社の宮崎様,編集の沖田様に,第5版が出版できたことに感謝致します.

2019年2月
福田恵美子

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1章 人間発達の概念
 1 人間発達human developmentとは <福田恵美子>
  1.人間の発達
  2.発達過程と発達期の区分
  3.発達に関する用語
  4.発育の4原則
  5.発達とは
 2 発達概念の歴史的変遷 <福田恵美子>
  1.「小さな大人」としての概念時代
  2.子ども固有の存在としての認識時代
  3.ルソーの「エミール」にみる発達概念時代
  4.「エミール」以降にみる発達概念時代
  コラム1.児童虐待に関する法律の経緯
 3 発達理論:先人たちの理論の概要 <福田恵美子>
  1.運動機能の発達
   a.ゲゼルの発達理論:成熟優位説
   b.マックグローの発達理論
   c.エアハルトの発達学的把持理論
  2.感覚・知覚機能の発達
   エアーズの感覚統合理論
  3.認知機能の発達
   ピアジェの発生的認知理論
  4.心理・社会的機能の発達
   a.フロイトの発達理論:心理・性的発達論
   b.エリクソンの発達段階(人生の8段階):人生周期説
   c.ボウルビーの愛着理論

2章 ライフステージにおける生活活動の発達過程と取り組んでいる課題
 1 胎芽・胎児期 <福田恵美子>
  1.胎芽・胎児の発育過程
  2.知・情・意の基盤
  3.異常状態の発現時期
 2 新生児期 <福田恵美子>
  1.新生児の健康状態
  2.在胎期間と出生体重による分類
  3.ハイリスク要因と症状
  4.新生児期と母子関係
 3 乳児期 <篠川裕子>
  1.身体的発達
   a.体重と身長
   b.頭位
   c.骨と歯
  2.運動的機能の発達
  3.認知的機能の発達
  4.情緒・社会的機能の発達
 4 幼児期 <篠川裕子>
 (1)前期
   1.身体的発達
    a.身長・体重・頭囲
    b.骨と歯
   2.運動的機能の発達
    a.粗大運動の発達
    b.微細運動の発達
   3.認知的機能の発達
    a.認知の発達
    b.言語の発達
   4.情緒・社会的機能の発達
 (2)後期
   1.身体的発達
   2.運動的機能の発達
    a.粗大運動の発達
    b.微細運動の発達
   3.認知的機能の発達
    a.認知の発達
    b.言語の発達
    c.思考・概念の発達
   4.情緒・社会的機能の発達
 5 学童期 <日田勝子>
 (1)低学年
   1.身体・生理的機能の発達
    a.身体的発達
    b.骨や歯の発達
   2.運動的機能の発達
   3.認知的機能の発達
    a.認知の発達
    b.言語の発達
   4.情緒・社会的機能の発達
    a.感情の発達
    b.社会性の発達
 (2)高学年
   1.身体・生理的機能の発達
   2.運動的機能の発達
   3.認知的機能の発達
    a.認知の発達
    b.記憶の発達
    c.言語の発達
   4.情緒・社会的機能の発達
    a.感情の発達
    b.性格的発達
  コラム2.成長した現代の子供たち
  コラム3.子どもの運動能力は落ちた?
  コラム4.不登校
 6 青年期 <日田勝子>
 (1)中学生
  1.身体・生理的機能の発達
   a.身体的機能の発達
   b.生理的機能の発達
   c.健康状態
  2.認知・心理・社会的機能の発達
   a.認知的機能の発達
   b.心理・社会的機能の発達
 (2)高校生
  1.身体・生理的機能の発達
  2.認知・心理・社会的機能の発達
   a.心理・社会的機能の発達
   b.生活と意識
 (3)大学・社会人
  1.身体・生理的機能の発達
  2.認知・心理・社会的機能の発達
   a.認知的機能の発達
   b.心理・社会的機能の発達
  コラム5.男女の身長・体重の変化
  コラム6.年齢別の死因
 7 成人期 <外里冨佐江>
 (1)前期
  1.身体・生理的機能の発達
  2.心理・社会的機能の発達
   a.職業について
   b.結婚・出産について
   c.育児について
   d.虐待について
 (2)中期
  1.身体・生理的機能の発達
  2.運動的機能の発達
  3.心理・社会的機能の発達
   a.心理的機能の発達
   b.社会的機能の発達
 (3)後期
  1.身体・生理的機能の発達
   a.身体的機能の発達
   b.生理的機能の発達
  2.運動的機能の発達
  3.心理・社会的機能の発達
   a.心理的機能の発達
   b.社会的機能の発達
  コラム7.不妊症
  コラム8.フリーター
  コラム9.バブル崩壊
  コラム10.成人の発達障害
  コラム11.性同一性障害,トランスジェンダー,LGBT(GLBT)
  コラム12.メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)
  コラム13.メンタルヘルス
  コラム14.過労死等防止対策推進法
 8 高齢期 <外里冨佐江>
 (1)前期
  1.身体・生理的機能の発達
   a.身体的機能の発達
   b.生理的機能の発達
  2.運動的機能の発達
   a.姿勢制御
   b.歩行
  3.知的機能の発達
   a.知能
   b.記憶
   c.生活
  4.心理・社会的機能の発達
   a.心理的機能の発達
   b.社会的機能の発達
 (2)後期
  1.身体・生理的・運動機能の発達
  2.心理・社会的機能の発達
   a.個性化と統合
   b.死について
   c.死とその受容,信仰
  コラム15.高齢者の定義について
  コラム16.フレイル
  コラム17.サルコペニア
  コラム18.ロコモティブシンドローム
  コラム19.脳と感情の老化
  コラム20.百寿者
  コラム21.経験知
  コラム22.高齢者像
  コラム23.老衰の死亡率
  コラム24.新しい最後の迎え方

3章 ライフステージにおける機能別発達過程と取り組んでいる課題
 1 原始反射,姿勢反射・反応 <森 直樹>
  1.原始反射
   a.脊髄レベル
   b.脳幹レベル
  2.姿勢反射・反応
   a.中脳レベル
  3.平衡反応
   a.大脳皮質レベル
 2 姿勢調整,移動運動 <森 直樹>
  1.胎児期の運動発達と乳幼児の自動運動の特性
   a.胎児の運動発達
   b.U字現象
   c.ジェネラルムーブメント
  2.姿勢と運動の制御
   a.姿勢反射
   b.姿勢調整
   c.姿勢調整の段階的発達
   d.運動と姿勢の制御レベル
   e.姿勢制御と運動発達理論
   f.姿勢制御に寄与する感覚機構の発達
  3.移動運動
   a.移動運動locomotionの発達
   b.歩行制御の仕組み
   c.歩行の発達について
 3 視覚・眼球運動 <境 信哉>
  1.視覚の発達
   a.視覚発達研究の方法
   b.胎児期における視覚の発達
   c.出生後の視覚の発達
  2.眼球運動の発達
   a.胎児期における眼球運動の発達
   b.出生後の眼球運動の発達
 4 ハンドスキル <境 信哉>
  1.ハンドスキルの発達に影響する様々な要因
  2.種々のハンドスキルの発達
   a.リーチ
   b.把握
   c.自発的リリース
   d.手内操作スキルとその発達
   e.書字,描画から見たハンドスキルの発達
 5 聴覚・言語の機能と発達 <田附松代>
 (1)聴覚の発達
  1.胎児期における聴覚機能の発達
  2.新生児・乳児の聴覚機能の発達
  3.幼児期における聴覚機能の発達
  4.幼児以降の聴覚機能
  5.聴覚の機能
 (2)言語発達の機能
  1.乳児期における言語・コミュニケーションの発達
   a.新生児期における授乳を通してのコミュニケーションの変化
   b.乳児のクーイングの始まり
   c.咽頭の拡張と傾聴の姿勢
   d.移動が可能になり,発語の準備が整う
   e.「聴く」力の成長
  2.幼児期における言語・コミュニケーションの発達
   a.探索行動を通し,語彙を身につける
   b.自発語の表出
   c.言語理解・表出の爆発的増加
   d.適切なターンテイキングを行う
   e.物語を聴くこと・自身で物語ることを楽しむ
  3.学童期における言語・コミュニケーションの発達
  4.言語の機能
  コラム25.胎児も聞いていた
  コラム26.聞こえても聴こえにくい
  コラム27.聴こえにくさが孤独へ
 6 心理・社会的(対人関係)機能 <青木智子>
  1.情緒の発達
  2.思考の発達
   a.アニミズム
   b.自己中心性
  3.社会性の発達
   a.信頼関係の獲得としつけ
   b.対人関係
   c.社会人への準備
   d.交友関係の発達

4章 生涯発達に関する各種検査
 1 生涯発達検査の意義 <福田恵美子>
 2 発達測定尺度
 (1)小児系尺度 <黒渕永寿 田附松代>
  1.発達検査の目的
  2.発達検査の種類
  3.各発達検査の概要解説と検査表
   a.一般的発達検査
   b.知能発達検査
   c.感覚・知覚・認知の処理過程の発達検査
 (2)高齢者の検査について <外里冨佐江>
  1.身体機能評価
  2.活動能力の評価
  3.精神機能の評価
  4.心理的評価

索 引

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執筆者一覧

福田恵美子 長野保健医療大学特任教授 編
篠川裕子  神戸大学大学院保健学研究科助教 
日田勝子  国際医療福祉大学福岡保健医療学部教授 
外里冨佐江 長野保健医療大学教授 
森 直樹  山形県立保健医療大学保健医療学部准教授 
境 信哉  北海道大学大学院保健科学研究院生活機能学分野教授 
田附松代  どんぐり発達クリニック(言語聴覚士) 
青木智子  平成国際大学スポーツ健康学部教授 
黒渕永寿  自治医科大学附属病院リハビリテーションセンター室長補佐 

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