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書籍詳細

実践! 医学シミュレーション教育

実践! 医学シミュレーション教育

野村岳志 監修 / 駒澤伸泰 著

A5判 146頁

定価3,300円(本体3,000円 + 税)

ISBN978-4-498-10910-0

2019年01月発行

在庫あり

シミュレーション教育は現代の医療者教育において必須のノウハウであり,様々な施設で,そのための設備の充実も図られています.しかし,未だ充分な教育成果を挙げられていないケースも散見されます.本書は,シミュレーション教育を実践するために必須の知識と方法論をわかりやすく提供します.医学シミュレーション教育の超入門書,ついに登場!

監修にあたって

 この書を手にしてあなたは,シミュレーション教育を含め医学医療教育に興味を抱いておられる,または実践されておる医療従事者の一人と思います.
現在の医学医療教育においては,医学生から多職種の医療従事者教育にまで幅広い分野でシミュレーション教育の占める割合が増しています.また,日本医学教育評価機構が認める医学生教育にはシミュレーション教育が必須となってきています.しかし,シミュレーション教育を行うにも,その教育法を学んだ医師,医療従事者はまだ少なくこの書の出演者のように試行錯誤しているかたが多いのではないでしょうか? あなたはどうですか? 教育に自信がありますか? そもそも,医師も含めた医療従事者養成のプログラムでは教育学は学ばない.そのため,教育手法を学ばない医療従事者にとって効果的な教育は難しいのは当然なのです.教育の重要性を再認識したかたのなかには,あらたに医療教育学を専門教育卒業後に履修するかたもおられます.
 この本の企画・制作を行った駒澤伸泰先生は医学教育,シミュレーション教育,多職種教育において若手医療教育者を牽引している医師であり教育者です.駒澤氏が自ら行ってきた,また作成してきた多くのシミュレーション教育の経験をもとに書かれており,そのため理解しやすい優しい文章,文脈で構成され読みやすい書となっております.筆者の意図通り,この書を読むこと自体が頭の中でアクティブシミュレーションを行っていることになります.読者自身がこの書中の人物に加わり,登場人物とともにシミュレーション教育を考え,より効果的なシミュレーション教育が実践されることを期待します.

2018年12月
東京女子医科大学集中治療科
野村岳志




プロローグ

 現代の医療者教育においてシミュレーション教育は必須とされています.しかし,「教育資源を投資した割には,教育効果が上がっていない」,「学習者や周囲の教育者の理解が得られていない」ということはありませんか?
 卒前教育は,高価なシミュレーターやシミュレーションセンターがあるのに形骸的な使用しかなされていない,卒後教育では,制約された時間と教育資源へのアクセスの悪さが問題となっているのがしばしば見られます.
 皆さんがシミュレーション教育を活用したいと考えていても,その意義と方法論を理解していないと円滑に進まないかもしれません.さらに,成書を紐解いてみても,難しい横文字やイメージしにくい教育概念が多いかもしれません.
 この本は,会話形式で,シミュレーション教育について気軽に学び,その意義と必要条件,教育設計とフィードバックなどについてできる限り実践的に記しました.対象としては,シミュレーション教育専門の方ではなく,シミュレーション教育法を活用しようとする全ての医療関係者です.できる限り,即時に皆様が行われる教育にプラスになるようにまとめました.
 全体の流れは下記の通りです.この流れを元にシミュレーション教育を見直していただければ必ず教育効果は上がります.

ステップ1 シミュレーション教育を理解しよう
Chapter 01 シミュレーション教育とは何か?
Chapter 02 シミュレーション教育の教育工学
Chapter 03 シミュレーション教育の流れ
事前準備⇒ブリーフィング⇒デブリーフィング

ステップ2 シミュレーション教育を作ってみよう
Chapter 04 シミュレーション教育の学習目標を定める
Chapter 05 シミュレーション教育の評価
Chapter 06 シミュレーション教育におけるデブリーフィングの意義
Chapter 07 シミュレーション教育における教育者の役割

ステップ3 シミュレーション教育の可能性
Chapter 08 医学教育の中におけるシミュレーション教育
Chapter 09 医療安全のためのシミュレーション教育
Chapter 10 多職種連携教育のためのシミュレーション教育

各論編
Chapter 11 部署内で行う二次救命教育
Chapter 12 PBLDで学ぶ医療倫理・医学問題トレーニング
Chapter 13 医療安全のためのPBLD
Chapter 14 産科心肺蘇生訓練のためのin situシミュレーション

 物語は,医療総合シミュレーション室の黒澤先生が,医学教育センターの林先生と病院看護部の嘉納先生,薬学部の北村先生から相談を受けるところから始まります.

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目次

プロローグ
登場人物紹介

序章 あらゆる教育者,あらゆる学習者に対してシミュレーション教育は開かれている!
  ●卒前教育におけるシミュレーション教育の問題点
  ●卒後教育におけるシミュレーション教育の問題点
  ●日本におけるシミュレーション教育の現状と課題

ステップ1 シミュレーション教育を理解しよう
 Chapter 01 シミュレーション教育とは何か?
  ●シミュレーションは誰でも行っています
  ●シミュレーションゲームからシミュレーションを考える
  ●シミュレーション教育とは何か
  ●テクニカルスキルとノンテクニカルスキル
  ●シミュレーション教育とは
  ●机上シミュレーションの注意点
 Chapter 02 シミュレーション教育の教育工学
  ●シミュレーション教育はアクティブラーニングの中心
  ●様々なシミュレーション教育の方法
  ●シミュレーション教育と医学教育
  ●教育企画・開発のためのインストラクショナルデザイン
 Chapter 03 シミュレーション教育の流れ 事前準備⇒ブリーフィング⇒デブリーフィング
  ●STEP 1:事前準備
  ●STEP 2:ブリーフィング(事前説明)
  ●STEP 3:デブリーフィング(振り返り)
  ●アクティブラーニングを意識して教育の流れを
  ●シミュレーション教育を行う際の2つの盲点事前学習と安全な環境
  ●アイスブレイキングを上手に使用しよう

ステップ2 シミュレーション教育を作ってみよう
 Chapter 04 シミュレーション教育の学習目標を定める
  ●何ができるようになってほしいかが学習目標
  ●学習目標を設定しよう
  ●ミラーの学習ピラミッドとシミュレーション教育
  ●学習者の基礎能力と学習ニーズを意識することが大切
 Chapter 05 シミュレーションの教育の評価
  ●医学教育における総括的評価と形成的評価
  ●形成的評価におけるチェックリストの有効性
  ●総括的評価と形成的評価
  ●様々な評価ツールの方法
 Chapter 06 シミュレーション教育におけるデブリーフィング(振り返り)の意義
  ●経験型学習論理の中でのデブリーフィングの意義
  ●それぞれの学習者に対するデブリーフィング方法を
  ●シミュレーション教育におけるデブリーフィングの意義
  ●デブリーフィングの様々な方法
 Chapter 07 シミュレーション教育における教育者の役割
  ●シミュレーション教育はʻ事前の試行ʼが必要
  ●シミュレーション教育における教育者の役割
  ●インストラクションで重要な基本
  ●成人教育における教育者の役割
  ●インストラクターに求められるファシリテーターとしての能力

ステップ3 シミュレーション教育の可能性
 Chapter 08 医学教育の中におけるシミュレーション教育
  ●世界と日本の医学教育の潮流
  ●アウトカム基盤型教育の中でのアクティブラーニング
  ●できていることを認めることの大切さ
  ●医学教育の変化とシミュレーション教育
 Chapter 09 医療安全のためのシミュレーション教育
  ●組織内シミュレーションの意義
  ●in situ シミュレーションの注意点と有効性
  ●医療安全とシミュレーション教育
  ●in situ シミュレーションの意義と注意点
 Chapter 10 多職種連携教育のためのシミュレーション教育
  ●多職種連携教育の課題をシミュレーション教育で打破しよう
  ●シミュレーション教育を用いた多職種連携の方法
  ●多職種連携教育におけるシミュレーション教育の意義
  ●多職種連携教育におけるシミュレーション教育の可能性

各論編
 Chapter 11 部署内で行う二次救命処置教育
  ●二次救命処置教育の4つのSTEP
  ●STEP 1:基本的な二次救命処置ガイドラインを習得しよう
  ●STEP 2:チームワークを育成しよう
  ●STEP 3:よくある心停止の12の原因と鑑別を考えよう
  ●STEP 4:医療安全の観点から進めよう
 Chapter 12 PBLDで学ぶ医療倫理・医学問題トレーニング
  ●PBLDは事前学習資料と学習目標設定が第一
  ●低学年における医療倫理・医学問題トレーニングの例
 Chapter 13 医療安全のためのPBLD
  ●学習目標を明確に設定する
  ●PBLDによる産科シミュレーション講習会
  ●シミュレーション施行後の学びの共有も大切
 Chapter 14 産科心肺蘇生訓練のためのin situシミュレーション
  ●in situシミュレーションはシミュレーション教育の最高峰
  ●産科心肺蘇生に対するin situシミュレーション

エピローグ

用語説明

参考文献・サイト

あとがき

索引

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執筆者一覧

野村岳志 東京女子医科大学集中治療科 監修
駒澤伸泰 大阪医科大学医学教育センター 著

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