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書籍詳細

続・末梢神経ブロックの疑問〜実践編〜Q&A70

続・末梢神経ブロックの疑問〜実践編〜Q&A70

大嶽浩司  監修 / 上嶋浩順  編著

A5判 232頁

定価(本体4,400円 + 税)

ISBN978-4-498-05540-7

2018年10月発行

在庫あり

Q&A形式で末梢神経ブロックの基本を解説した『末梢神経ブロックの疑問Q&A70』に続く実践編.いまや麻酔科における必須手技となった末梢神経ブロックについて,よく遭遇する症例につきそれぞれ複数の末梢神経ブロックの方法を示し,具体的な解説を加えた.現場の制約の中で最善の鎮痛を提供するに際し,大いに参考にして頂ければ幸いである.

序文

生命現象は線形ではなく非線形であり,不確実である.―森田茂穂

ここ数年,医師の教育に携わる機会を多くいただいているが,しばしば教える側と教わる側のニーズのギャップを感じる.皮肉なことに教わる側が熱心であればあるほど,そのギャップが広がることがある.これを埋める鍵は,何のために,誰のために,医療を行っているのかの再認識ではないだろうか.麻酔科医とは,あらゆる診療科のなかで,もっとも想像力を必要とされるprofessionの1つである.患者が高齢化し,多くの合併症を持つ現代において,麻酔科医は,術中麻酔管理の枠を超え,術前の手術適応を決める場面から患者が退院する場面まで,ともすると従前の患者の家庭での生活の様子から帰宅後の生活の変化まで想像することを求められている.一方で,我々には,ほんのわずかな時間の患者面接しか与えられていない.
2017年11月に上梓した「末梢神経ブロックの疑問Q&A70」の続編である本書は,23症例をベースとした70の疑問という,前書とは異なる構成をとっている.末梢神経ブロックは,麻酔管理の一手法に過ぎない.患者にとって重要なことは,担当医のブロックの上手な施行でなく,無事に手術を乗り切り,新たな合併症を発生させることなく帰宅し,普段の生活に戻ることである.ある患者にとって適切な周術期管理は1通りでなく,医療チームの技量や療養環境によって,いかようにでもなりうる.本書を通じて,末梢神経ブロックの知識のみならず,臨床家としての想像力を養っていただけるとこの上ない幸せである.
臨床は奥深く,絶対はなく,時とともに変化していく.本書はこの機微の一場面を切り取ったものであり,できればぜひ術者と一緒に読み,臨床に役立ててほしい.
さいごに,執筆者の先生方,企画・実行をして頂いた上嶋先生および関係者の方々への深い謝意を示したい.

2018年10月
昭和大学医学部麻酔科学講座 大嶽浩司




末梢神経ブロックを活かす

今回,昨年の「末梢神経ブロックの疑問Q&A70」に引き続き,「続・末梢神経ブロックの疑問〜実践編〜Q&A70」を上梓することができました.
手術中に末梢神経ブロックを追加することにより,周術期のオピオイド総使用量が減少し早期離床・退院を促すことができました.加えて悪性腫瘍術後の転移や再発も抑制することがわかりました.まさに麻酔科領域において末梢神経ブロックは必須の手技といって過言ではありません.
そのなかで手術の内容や外科医の要望から適切な末梢神経ブロックができない場合が存在します.その状況でも我々はできる限り良好な鎮痛を提供しなければなりません.
本書はよく遭遇する症例に対して様々な末梢神経ブロックを駆使して周術期管理を行えるようにと企画しました.
例えば,乳癌手術に行える末梢神経ブロックでも4種類の方法があります.そのなかであなたが行うことができる末梢神経ブロックを選択し施行するときに,その末梢神経ブロックを行っている章を参考にしてもらえれば幸いです.
前回,書き漏れがあった末梢神経ブロックについても今回書き加えました.
最後に末梢神経ブロックを行うときに知っておくべき合併症対策について2つ(局所麻酔薬中毒と末梢神経障害)書き加えました.末梢神経ブロックを行う際に切っても切れない合併症ですので,ぜひ対応策も知っておいてください.
この書籍と「末梢神経ブロックの疑問Q&A70」が末梢神経ブロックの手助けになれればと思います.
最後に,監修をお願いしました大嶽先生,各パートを担当してくれた先生方,最後に五月女様をはじめとする中外医学社の方々には大変感謝申し上げます.

2018年9月
昭和大学麻酔科 上嶋浩順

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目  次

Chapter  I 体幹編
 症例1 胸腔鏡補助下右肺葉切除術(片側胸部手術)
  Q1 Pattern1「全身麻酔+肋間外側アプローチ傍脊椎ブロック」〈武田泰子〉
  Q2 Pattern2「全身麻酔+肋間内側アプローチ傍脊椎ブロック」〈武田泰子〉
  Q3 Pattern3「全身麻酔+脊柱起立筋ブロック」〈上嶋浩順〉
  ● 解説
  Q4 傍脊椎ブロックのアプローチ方法について教えてください.〈武田泰子〉
  Q5 脊柱起立筋ブロックについて教えてください.〈上嶋浩順〉
  Q6 脊柱起立筋ブロックの適応症例について教えてください.〈上嶋浩順〉
 症例2 胃全摘出術(上腹部開腹手術)
  Q7 Pattern1「全身麻酔+持続傍脊椎ブロック」〈藤谷太郎〉
  Q8 Pattern2「全身麻酔+腹直筋鞘ブロック」〈藤井智子〉
  ● 解説
  Q9 持続傍脊椎ブロックの投与方法について教えてください.〈村田寛明〉
 症例3 開腹子宮全摘出術(下腹部開腹手術)
  Q10 Pattern1「全身麻酔+腰方形筋ブロック(intramuscular)」〈室内健志〉
  Q11 Pattern2「全身麻酔+腰方形筋ブロック(posterior)」〈熊谷道雄〉
  Q12 Pattern3「全身麻酔+持続浸潤麻酔」〈中本あい〉
  Q13 Pattern4「全身麻酔+肋骨弓下斜角腹横筋膜面ブロック」〈吉田敬之〉
  ● 解説
  Q14 腰方形筋ブロックのアプローチ方法について教えてください.〈上嶋浩順〉
  Q15 腰方形筋ブロックの鎮痛範囲について教えてください.〈上嶋浩順〉
  Q16 Lateral腰方形筋ブロックについて教えてください.〈原 詠子〉
  Q17 Posterior腰方形筋ブロックについて教えてください.〈田中典子〉
  Q18 Anterior腰方形筋ブロックについて教えてください.〈田中典子〉
  Q19 Intramuscular腰方形筋ブロックについて教えてください.〈室内健志〉
  Q20 持続浸潤麻酔について教えてください(特に使用器具や投与方法について).〈中本あい〉
  Q21 肋骨弓下斜角腹横筋膜面ブロックのコツを教えてください.〈吉田敬之〉
 症例4 腹腔鏡下卵巣摘出術(下腹部腹腔鏡下手術)
  Q22 Pattern1「全身麻酔+腹直筋鞘ブロック」〈稲垣真弓〉
  Q23 Pattern2「全身麻酔+腰方形筋ブロック(lateral)」〈細川麻衣子〉
 症例5 乳腺手術(片側前胸部手術)
  Q24 Pattern1「全身麻酔+傍脊椎ブロック」〈湯本正寿〉
  Q25 Pattern2「全身麻酔+胸筋神経(PECS)ブロック」〈上嶋浩順〉
  Q26 Pattern3「全身麻酔+retrolaminarブロック」〈室内健志〉
  Q27 Pattern4「全身麻酔+脊柱起立筋(ESP)ブロック」〈上嶋浩順〉
  ● 解説
  Q28 乳線手術に有効なブロックについて教えてください.〈上嶋浩順〉
 症例6 心臓手術(前胸部手術)
  Q29 Pattern1「全身麻酔+持続胸横筋膜面ブロック」〈藤井 怜〉
  ● 解説
  Q30 胸横筋膜面ブロックについて教えてください.〈上嶋浩順〉
 症例7 MICS(肋間小開胸による低侵襲心臓手術)(片側前胸部手術)
  Q31 Pattern1「全身麻酔+傍脊椎ブロック」〈入嵩西 毅〉
  ● 解説
  Q32 MICSは硬膜外麻酔? 傍脊椎ブロック?〈入嵩西 毅〉

Chapter  II 上肢編
 症例8 橈骨遠位端骨折
  Q33 Pattern1「腕神経叢ブロック(鎖骨上〜斜角筋,全身麻酔なし)」〈小渡有一郎〉
  Q34 Pattern2「腕神経叢ブロック(鎖骨下)」〈渡部達範〉
  Q35 Pattern3「腕神経叢ブロック(腋窩)」〈筒井完明〉
  Q36 Pattern4「全身麻酔+選択的神経ブロック」〈臼井要介 鈴木重哉〉
 症例9 鎖骨骨折
  Q37 Pattern1「全身麻酔+腕神経叢ブロック(鎖骨上〜斜角筋間)」〈小林 充〉
  Q38 Pattern2「鎮静+選択的末梢神経ブロック」〈笹川智貴〉
  ● 解説
  Q39 上肢手術で使用する腕神経叢ブロックで横隔神経麻痺を予防する方法を教えてください.〈森本康裕〉
 症例10 肩関節腱板修復術
  Q40 Pattern1「全身麻酔+持続腕神経叢ブロック」〈逢坂佳宗〉
  ● 解説
  Q41 持続カテーテル挿入のコツについて教えてください.〈逢坂佳宗〉

Chapter  III 下肢編
 症例11 人工膝関節置換術
  Q42 Pattern1「全身麻酔+持続大腿神経ブロック+膝窩部アプローチ坐骨神経ブロック」〈田中絵理子〉
  Q43 Pattern2「全身麻酔+内転筋間(大腿三角)ブロック+
          膝窩部アプローチ坐骨神経ブロック」〈田中絵理子〉 
  Q44 Pattern3「全身麻酔+持続大腿神経ブロック+前方アプローチ坐骨神経ブロック」〈新屋苑恵〉
  Q45 Pattern4「全身麻酔+iPACK+内転筋管ブロック」〈酒井規広〉
  ● 解説
  Q46 iPACKについて教えてください.〈酒井規広〉
  Q47 内転筋管ブロックと大腿三角ブロックの違いについて教えてください.〈森本康裕〉
 症例12 人工股関節置換術
  Q48 Pattern1「全身麻酔+腰神経叢ブロック+傍仙骨アプローチ坐骨神経ブロック」〈山本寛人〉
  Q49 Pattern2「全身麻酔+腰神経叢ブロック(shamrock)+
          臀下部アプローチ坐骨神経ブロック」〈山本寛人〉
 症例13 大腿骨頸部骨折
  Q50 Pattern1「全身麻酔+腸骨筋膜下ブロック」〈武田敏宏〉
  Q51 Pattern2「全身麻酔+大腿神経ブロック」〈武田敏宏〉
  ● 解説
  Q52 腸骨筋膜下ブロックについて教えてください.〈武田敏宏〉
 症例14 足関節骨折
  Q53 Pattern1「全身麻酔+選択的脛骨神経ブロック」〈石田有美〉
 症例15 踵骨骨折
  Q54 Pattern1「全身麻酔+アンクルブロック」〈近藤竜也〉
 症例16 大腿切断
  Q55 Pattern1「全身麻酔+末梢神経ブロック」〈渡邊 至〉
  Q56 Pattern2「末梢神経ブロックのみ」〈渡邊 至〉
 症例17 下腿切断
  Q57 Pattern1「全身麻酔+持続膝窩部坐骨神経ブロック」〈菊池 賢〉
  Q58 Pattern2「内転筋管ブロック単回注入+持続膝窩部坐骨神経ブロック」〈菊池 賢〉
        
Chapter  IV その他
 症例18 小児鼠径ヘルニア
  Q59 Pattern1「全身麻酔+仙骨麻酔」〈山脇 緑 香川哲郎〉
  Q60 Pattern2「全身麻酔+腸骨鼠径神経ブロック」〈長尾 瞳〉
  Q61 Pattern3「全身麻酔+腰方形筋ブロック」〈長尾 瞳〉
 症例19 新生児の動脈管開存症
  Q62 Pattern1「全身麻酔+傍脊椎ブロック」〈佐藤 慎〉
 症例20 帝王切開
  Q63 Pattern1「脊髄くも膜下麻酔+腰方形筋ブロック」〈中川元文〉
  Q64 Pattern2「脊髄くも膜下麻酔+硬膜外麻酔(超音波機器を用いて)」〈末盛泰彦〉
 症例21 腰部脊椎手術
  Q65 Pattern1「全身麻酔+TLIPブロック」〈上嶋浩順〉
  Q66 Pattern2「全身麻酔+後方腰方形筋ブロック」〈田中典子〉
  ● 解説
  Q67 TLIPブロックについて教えてください.〈上嶋浩順〉
 症例22 内頸動脈内膜剥離術
  Q68 Pattern1「全身麻酔+浅頸神経叢ブロック」〈上嶋浩順〉
 症例23 合併症
  Q69 Pattern1「局所麻酔薬中毒が発生した」場合の対処法を教えてください.〈原 万里恵 宮崎直樹〉
  Q70 Pattern1「術後下肢神経障害を起こしてしまった」場合の対処法について
          教えてください.〈八反丸善康〉

 コラム1 QLBは前枝を遮断できる?〈上嶋浩順〉
 コラム2 QLBのプローブはどのプローブを使用する?〈上嶋浩順〉
 コラム3 脊柱起立筋ブロックと後方腰方形筋ブロックは同じである〈上嶋浩順〉

索 引

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執筆者一覧

大嶽浩司  昭和大学医学部麻酔科学講座教授 監修
上嶋浩順  昭和大学医学部麻酔科講師 編著
武田泰子  愛媛県立中央病院麻酔科・集中治療科 
藤谷太郎  愛媛県立中央病院麻酔科・集中治療科主任部長 
藤井智子  昭和大学横浜市北部病院麻酔科講師 
村田寛明  長崎大学医学部麻酔学教室准教授 
室内健志  国保旭中央病院麻酔科医長 
熊谷道雄  東北大学医学部麻酔科学・周術期医学分野 
中本あい  住友病院麻酔科診療部長 
吉田敬之  関西医科大学附属病院麻酔科助教 
原 詠子  昭和大学病院麻酔科助教 
田中典子  昭和大学病院麻酔科助教 
稲垣真弓  昭和大学病院麻酔科助教 
細川麻衣子 昭和大学病院麻酔科 
湯本正寿  東京女子医科大学八千代医療センター麻酔科 
藤井 怜  London Health Sciences Centre, Assistant Professor of University of Western Ontario 
入嵩西 毅 大阪大学大学院医学系研究科麻酔集中治療医学教室助教 
小渡有一郎 沖縄赤十字病院麻酔科 
渡部達範  新潟大学医学総合病院手術部助教 
筒井完明  昭和大学病院整形外科助教 
臼井要介  水谷痛みのクリニック 
鈴木重哉  藤枝市立総合病院整形外科科長 
小林 充  浜松医科大学麻酔・蘇生学講座 
笹川智貴  旭川医科大学病院麻酔科蘇生科准教授 
森本康裕  宇部興産中央病院麻酔科診療科長 
逢坂佳宗  川崎市立川崎病院麻酔科・集中治療部部長 
田中絵理子 周南記念病院麻酔科 
新屋苑恵  名古屋大学医学部附属病院麻酔科病院助教 
酒井規広  総合大雄会病院麻酔科 
山本寛人  東京医科歯科大学麻酔・蘇生・ペインクリニック科助教 
武田敏宏  滝宮総合病院麻酔科部長/香川大学医学部麻酔学講座 
石田有美  昭和大学病院麻酔科 
近藤竜也  藤沢市民病院麻酔科部長 
渡邊 至  横浜南共済病院麻酔科部長 
菊池 賢  横浜市立大学附属病院麻酔科助教 
山脇 緑  兵庫県立こども病院麻酔科 
香川哲郎  兵庫県立こども病院麻酔科部長 
長尾 瞳  順天堂大学医学部附属順天堂医院麻酔科・ペインクリニック 
佐藤 慎  東京都立小児総合医療センター麻酔科 
中川元文  総合母子保健センター愛育病院麻酔科 
末盛泰彦  九州労災病院麻酔科 
原 万里恵 熊本大学医学部附属病院麻酔科 
宮崎直樹  国立病院機構熊本医療センター麻酔科医長 
八反丸善康 東京慈恵会医科大学附属病院麻酔科ペインクリニック 

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