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書籍詳細

Annual Review 神経2018

Annual Review 神経2018

鈴木則宏 編集 / 荒木信夫 編集 / 宇川義一 編集 / 桑原 聡 編集 / 塩川芳昭 編集

B5判 344頁

定価9,460円(本体8,600円 + 税)

ISBN978-4-498-32806-8

2018年02月発行

在庫なし

毎年の最注目トピックを厳選し,第一人者が内外の文献を踏まえて最新の知見を解説している,伝統と好評の年度版.2018年版では「認知症と運転」に関するトピックをはじめ,各疾患の新規治療や超高齢化社会におけるフレイルの意義など,神経学分野各領域の進歩や最新の話題をいち早く伝える内容である.



 神経科学の発展が日進月歩であることと並行して,特にこの10年はこれまで全く未知であった神経疾患の病態が解明され,新規治療法が次々に開発されていることには驚かされますし,目を見張るものがあります.
 神経学の基礎から臨床までの年々の進展をcatch-upすることは,神経疾患に関わる医師の多忙な日常診療を考えるとなかなかに難しいのが現状です.
 本書は主に過去2〜3年の神経学の新知見を集約し,最も有効に最新の動向を提供することができる単行書として企画されてきた結果,現在の評価を得ています.
 本書はBasic Neuroscience,本年の動向,疾患各論の3つの章から構成されていますが,初ページから通して読んでも,興味を覚えるタイトルから読みだしても臨床的意義の高い最新の知見を効率よく理解することができます.
 本号における「アルツハイマー病とアクアポリン」,「遺伝性脊髄小脳変性症分子病態の最新トピックス」(Basic Neuroscience),「Whole exome sequencingでわかること」,「認知症と自動車運転」(本年の動向),「脳卒中治療におけるPSK9阻害薬の可能性」,「脊髄小脳変性症・多系統萎縮症診療ガイドライン」,「免疫チェックポイント阻害薬と神経・筋疾患」(疾患各論)などはまさにこの1年における最新知見についていくための絶好のテーマといえます.
 各テーマの執筆者もその研究を直接推進している新進気鋭の研究者が選ばれており,未発表データや今後の展望について,他書では得られない多くの情報が満載されています.

 編集者一同も編集部に加わる前から毎年本書を愛読し,活用して日常診療に役立ててきたメンバーであり,本書のコンセプトをなるべく忠実に達成するべく本号のテーマと執筆者を選びました.
 多忙な先生方にとって今後も日常診療に直結する最新知見,新たな研究テーマの発想,専門外の分野の発展を知るための最適な情報源として利用して頂ければ望外の喜びです.
 引き続き本書の理念を実践すべくきめ細かい編集企画を継続していきたいと意識を高めています.

2018年1月
編集者一同

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目 次
I. Basic Neuroscience
1.神経生理1ビデオによる嚥下障害の解析………〈平野牧人〉
摂食嚥下の概要
嚥下造影の実際


2.神経病理
1 アルツハイマー病とアクアポリン………〈星 明彦〉
中枢神経系に発現するAQPと疾患との関わり
AD脳におけるAQP解析
Glymphatic system仮説
ADにおけるGlymphatic system仮説の位置づけ
Glymphatic system制御によるAD治療戦略

2 てんかんの病理:最新知見…………〈宮田 元〉
てんかん原性脳病変の種類と頻度
FCD-ILAE組織分類を用いた臨床病理学的検討
HS-ILAE組織分類を用いた臨床病理学的検討
LEATの現状と課題
てんかん原性病変におけるmTORシグナル伝達系異常
てんかん原性の病理学的背景はどこまで解明されているのか
剖検病理の現状


3.生化学(分子生物学)
1 遺伝性脊髄小脳変性症分子病態の最新トピックス……………〈池田佳生〉
伸長マイクロサテライト・リピートによるRNAレベルでの分子病態
マイクロサテライト・リピート伸長病とRAN translation
RNA gain-of-function versus RAN translation
非翻訳リピート伸長病に対する治療への展望

2 先天性筋無力症候群の分子遺伝学の最新動向………〈大野欽司〉
臨床症状
反復神経刺激検査
AChRクラスタリングシグナル遺伝子(AGRN, LRP4, MUSK, DOK7)の変異によるCMS
糖化酵素遺伝子(GFPT1, DPAGT1, ALG2, ALG14, GMPPB)の変異による肢体型CMS
シナプス小胞のアセチルコリンのリサイクリング関連遺伝子(CHAT, SLC5A7, SLC18A3)の変異によるCMS
シナプス小胞のSNARE複合体関連遺伝子(SYT2, VAMP1, SNAP25, UNC13A)の変異によるCMS
NMJにおける機能解明されていない遺伝子(PREPL, SLC25A1)の変異によるCMS
CMSで同定をされてきた他の16種類の遺伝子の変異


4.画 像
1 動物MRI解析―次世代イメージング技術の開発―…………〈林 拓也〉
霊長類動物を対象としたMRI研究
MRI装置・受信コイル
マカクサル・マーモセットのマルチモーダルMRIによる皮質機能マッピング
ヒト・霊長類脳コネクトームと種間比較への展開

2 DATイメージングの認知症診断における意義…………〈清水聰一郎 羽生春夫〉
DATイメージングの半定量評価
DLB診断基準の変換
DLBにおけるDATイメージング


II. 本年の動向
1 大脳・小脳での構造の加齢変化…………〈原 一洋 渡辺宏久 勝野雅央 祖父江 元〉
構造画像からみた加齢性変化
機能画像からみた加齢性変化
構造画像と機能画像との関係からみた加齢性変化
安静時機能的神経回路と加齢性変化

2 Whole exome sequencingでわかること………〈樋口雄二郎 高嶋 博〉
WESによる新規原因遺伝子の検索
overlap-based strategyを用いたMME遺伝子の同定
次世代シークエンサーの新展開

3 術中脳灌流画像の新展開……………〈嵯峨健広 鎌田恭輔〉
ICG-VA解析の進歩
パラメータの設定
ICG-VA術中灌流解析の応用
ICG-VAにおける脳灌流評価の変遷とこれから
Laser Speckle Contrast Imaging(LSCI)

4 認知症と自動車運転……………〈三村 將〉
改正道路交通法の施行と高齢ドライバー対策の強化
改正道路交通法施行後の現状と課題
認知症ドライバーへの対応
リスクドライバーに対する今後の対応

5 神経核内封入体病(NIID)………………〈曽根 淳〉
皮膚生検によるNIIDの診断
成人発症NIIDの臨床像
頭部MRI画像
成人発症NIID診断フローチャート
病理組織学的検討

6 多発性硬化症の治療の進歩……………〈松下拓也 吉良潤一〉
B細胞除去治療
MS治療とPML
“ Real world” でのDMDの効果

7 筋萎縮性側索硬化症と異常タンパク質(TDP-43・C9ORF72)……〈坂上史佳 横田隆徳〉
TAR DNA-binding Protein of 43 kDa(TDP-43)
chromosome 9 open reading frame 72(C9ORF72)
ALSを標的としたアンチセンス核酸医薬

8 認知的フレイルに関する最新知見……………〈荒井秀典〉
認知的フレイルの歴史
認知的フレイルのメカニズム
認知的フレイルの疫学
認知的フレイルの予防


III. 各種疾患
1.感染症
1 進行性多巣性白質脳症の診断と治療………………〈三浦義治〉
HIV-associated PML(AIDS-related PML)
non-HIV PML(Drug-induced PML)
PML in MS(multiple sclerosis)patients
Molecular targeted therapy and PML
PMLの診断
PMLの検査
PMLの治療

2 髄膜炎とその診察法の歴史…………〈井口正寛〉
髄膜刺激症状の診察法とその歴史


2.脳血管障害
1 脳卒中患者に対する細胞治療の現状と今後の方向性…………〈笠原由紀子 田口明彦〉
現在想定されている脳梗塞後の再生病態
脳梗塞患者に対する細胞治療の現状
脳梗塞の細胞治療製品の開発に関するガイドライン

2 脳卒中の遠隔医療(Telestroke)…………〈石原秀行 鈴木倫保〉
遠隔医療とは
telestrokeとrt-PA静注療法
telestrokeとdrip and ship法

3 脳卒中治療におけるPCSK9阻害薬の可能性…………〈平野照之〉
スタチンによる脳卒中発症予防
スタチンによる脳卒中再発予防
PCSK9とその阻害薬の開発
PCSK9阻害薬によるイベント抑制
PCSK9阻害薬への期待と問題点

4 脳梗塞に対する低酸素・低糖刺激ミクログリアを用いた新規細胞療法
 ……〈金澤雅人 高橋哲哉 小野寺理 下畑享良〉
細胞療法と再生療法の違い
幹細胞を用いた細胞療法の効果と課題
ミクログリアを用いた細胞療法の利点と課題
脳虚血後のミクログリアの極性変化
OGD刺激ミクログリアによる慢性期脳梗塞に対する治療効果
ミクログリアによる慢性期脳梗塞細胞療法の可能性
今後の展開

5 ビッグデータからみた脳卒中急性期医療…………〈黒木 愛 飯原弘二〉
各国のビッグデータ
ビッグデータの利点と欠点

3.脳腫瘍
1 2016改訂WHO脳腫瘍分類 ―背景と主な変更点―…………〈小森隆司〉
改訂の背景
成人の浸潤性神経膠腫
小児および若年成人の神経上皮性腫瘍
分子病理診断が必要なその他の脳腫瘍

2 脳言語機能マッピングとモニタリング………………〈村垣善浩〉
覚醒下手術と機能マッピング/モニタリング
言語野と言語野マッピング
言語関連線維
新規マッピング方法と神経の可塑性

4.外 傷
1 スポーツ頭部外傷(脳振盪)―最近の話題と復帰の基準―………………〈荻野雅宏〉
脳振盪とは何か
何が問題なのか
国際的なコンセンサス
わが国における指針 ― スポーツ頭部外傷における脳神経外科医の対応
Knowledge translation ― 頭部外傷10か条の提言(第2版)
頭蓋内出血や脳損傷後の復帰

5.変性疾患
1 パーキンソン病における発声・発話障害……〈坪井 崇 渡辺宏久 祖父江 元 勝野雅央〉
パーキンソン病患者における発声・発話障害の表現型と病態
脳深部刺激術後のパーキンソン病患者における発声・発話障害の表現型と病態
PD患者の発声・発話障害に対する治療法
DBS術後のPD患者の発声・発話障害に対する治療法

2 パーキンソン病の診断基準(MDS, 2015)………………〈長野清一 望月秀樹〉
MDS criteriaの概要
中心的症候としての運動症状
診断確実性の分類
各基準項目の判定のポイント
MDS criteriaの妥当性

3 脊髄小脳変性症・多系統萎縮症診療ガイドライン……………〈高橋祐二 水澤英洋〉
ガイドラインの基本方針
各章の内容


6.中毒・代謝疾患
1 慢性外傷性脳症(CTE)………………〈吉井文均〉
疾患概念
危険因子
病理所見
病態
臨床症状
補助診断法
他疾患との複合病理
治療(予防)

2 脳内鉄沈着を伴う新たな神経変性症 ―βプロペラ蛋白関連神経変性症(BPAN)………〈熊田聡子〉
臨床像
病因ならびに病態


7.脱髄・免疫性疾患
1 多発性硬化症と液性免疫…………………………………〈森 雅裕〉
B細胞表面マーカーに対するモノクローナル抗体療法
MSの病態とB細胞
メモリーB細胞
調節性B細胞
リンパ濾胞様構造
IgGインデックス,オリゴクローナルバンド
IgMインデックス・IgMオリゴクローナルバンド

2 重症筋無力症における胸腺異常の病因論再考……………………〈吉川弘明〉
MGの病因論における胸腺の役割に関する報告


8.末梢神経障害
1 慢性炎症性脱髄性多発ニューロパチーに対する免疫グロブリン維持療法……〈小池春樹〉
CIDPとは
CIDPの多様性
治療の一般方針
従来型治療の問題点
免疫グロブリン維持療法

2 手根管症候群診断基準の現状と展望……………〈園生雅弘〉
診断基準のあり方と必要性
既存のCTSガイドライン
既存のCTS診断基準
Gold standard不在の問題
電気生理不要の主張とその問題点
包括的な診断基準の必要性


9.神経筋疾患
1 抗HMGCR抗体陽性筋症……………〈⻆谷真人 清水 潤〉
抗体測定法
頻度
背景因子
臨床的特徴
抗SRP抗体陽性筋症との比較
病態機序

2 免疫チェックポイント阻害薬と神経・筋疾患…………………〈鈴木重明〉
神経・筋障害の副作用(総論)
自己免疫性脳炎
免疫性末梢性神経障害
irAEとしてのMG
通常のMGとの比較
irAE-MGのコンサルテーションに対して
筋炎・心筋炎の合併

3 孤発性成人発症型ネマリンミオパチー……………〈永井太士 砂田芳秀〉
SLONMの臨床像
SLONMの筋病理像
SLONMの治療法


10.自律神経疾患
1 Fabry病の早期発見のために ―疼痛と発汗障害について―……〈中里良彦〉
疼痛の疫学
疼痛の内容
疼痛の機序
疼痛の治療
発汗障害
診断のために

2 免疫介在性ニューロパチーと自律神経障害……………〈海田賢一〉
Guillain-Barré症候群(GBS)における自律神経障害
Autoimmune autonomic ganglionopathy(AAG)
その他


11.機能性疾患
1 てんかんの新規治療薬………………〈吉村 元 松本理器〉
日本における新規抗てんかん薬
新規抗てんかん薬の薬理学的特徴
新規発症てんかんに対する単剤療法の有効性
薬剤抵抗性てんかんに対する併用療法の有効性
催奇形性
酵素誘導作用 最良の薬剤選択
抗てんかん原性薬の開発

2 片頭痛治療の新規治療………………………〈柴田 護〉
頭痛に対する分子標的治療
非侵襲的ニューロモデュレーションによる片頭痛治療


索 引

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執筆者一覧

鈴木則宏 慶應義塾大学教授 編集
荒木信夫 埼玉医科大学教授 編集
宇川義一 福島県立医科大学教授 編集
桑原 聡 千葉大学教授 編集
塩川芳昭 杏林大学教授 編集

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Annual Review 神経2018
   定価9,460円(本体8,600円 + 税)
   2018年02月発行
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