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書籍詳細

認知症診療 実践ハンドブック

認知症診療 実践ハンドブック

山田正仁  編著

A5判 370頁

定価6,600円(本体6,000円 + 税)

ISBN978-4-498-22892-4

2017年11月発行

在庫なし(2021年3月 改訂2版刊行予定)

認知症のプロフェッショナルを育成する「北陸認知症プロフェッショナル医養成プラン(認プロ)」のメンバーが中心になってまとめた新時代の認知症診療マニュアル。「認知症疾患ガイドライン2017」の内容に準拠し、コンパクトな体裁ながらも軽度認知障害から重度認知症まで認知症に関する様々な知見を網羅した。



 このたび,認知症診療のポイントをわかりやすくまとめた認知症診療 実践ハンドブックを発刊する運びとなりました.社会の超高齢化に伴い認知症の人は急増しています.認知症の早期診断・早期治療を推進するため,本書は認知症の前段階である軽度認知障害の診かたから,原因疾患ごとの症例提示と解説までを行い,認知症診療に関わる全ての臨床医に向けた実践的な認知症診療のハンドブックとして企画・執筆されました.本書は,認知症専門医,専門医をめざす医師,地域で認知症診療に積極的に取り組む臨床医(認知症サポート医やかかりつけ医の先生方),さらには認知症診療に関わるさまざまな職種(看護,介護など)の方々にとりまして,軽度認知障害から重度認知症に至るまでの認知症診療全体を知るための格好の書です.

 本書の執筆にあたりましては,私がプロジェクトリーダーをつとめる文部科学省の課題解決型高度医療人材養成プログラム「北陸認知症プロフェッショナル医養成プラン」(認プロ)で認知症プロフェッショナル科目をご担当いただいている先生方を中心にご尽力をいただきました.ご多忙な先生方に短期間でご執筆いただき心より感謝申し上げます.このプログラムでは,神経内科,精神科,老年科などで認知症診療に携わる多数の先生方が,専門科間や施設間の垣根を越え一体となってウェブ上でe—learning講義,セミナー,デメンシアカンファレンス(症例検討会)などを行い,認知症のプロフェッショナル(認プロ!)の育成にあたっております.認プロ(http://ninpro.jp)にご登録いただきますと,本書の内容の一部は執筆者によるe-learning講義として聴講することも可能です.

 本書の執筆にあたり,用語等につきましては「認知症疾患診療ガイドライン2017」(日本神経学会・監修,認知症疾患診療ガイドライン作成委員会・編集,医学書院,2017年8月発刊)に準拠し,最新情報(2017年6月に公表されたLewy小体型認知症の改訂診断基準など)を可能な限り取り入れております.新しい診断法や治療法の開発など,認知症診療は日々進歩しております.本書が認知症に悩む方々の診療のお役に立つことができれば誠に幸いに存じます.



2017年10月

山田正仁

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目 次

I 認知症・軽度認知障害の診断・治療へのアプローチ 
(1)認知症の症候,検査,診断
  1.認知症・軽度認知障害の概念,実態,診断への道筋〈山田正仁〉
   A 認知症・軽度認知障害とは?
   B 認知症・軽度認知障害の実態と対策
   C 認知症・軽度認知障害の診断への道筋
  2.認知症診療に必要な神経病理の基礎知識〈坂井健二〉
   A わが国における認知症の原因疾患の頻度
   B 神経変性疾患
   C 血管性認知症
   D 感染症,炎症性疾患
  3.認知症診療に必要な神経科学の基礎知識〈小野賢二郎〉
   A Alzheimer病とは
   B 老人斑とAβ
   C アミロイド仮説
   D Aβ凝集
   E アミロイドからオリゴマーへ
   F タウオパチーとは
   G タウ
   H タウオリゴマー
   I α-シヌクレイノパチーとは
   J αS凝集
  4.認知症の病歴と診察〈池田篤平 山田正仁〉
   A 病歴聴取のポイント
   B 診察
  5.認知症の中核症状と行動・心理症状(BPSD)〈上原 隆〉
   A 中核症状
   B 行動・心理症状(BPSD)
  6.老年期の精神障害と認知症〈川崎康弘〉
   A 老化の基本的特徴
   B 老化に関する心理
   C 初老期から老年期の状況と危機
   D 老年期の精神症状の発現機序
   E 高齢者の精神病性幻覚・妄想状態
   F 認知症に関連する高齢者の妄想
  7.認知症診療に必要な神経心理学検査と認知症の評価尺度〈東間正人〉
   A 利き手の判定
   B 記憶障害
   C 言語機能の障害―失語・失読・失書―
   D 知覚機能の障害―失認―
   E 行為遂行の障害―失行―
   F 失算
   G 遂行機能(実行機能)
  8.認知症の血液・脳脊髄液検査〈篠原もえ子 山田正仁〉
   A 脳脊髄液検査の基礎知識
   B 認知症および認知症様状態をきたす内科疾患の診断に役立つ血液,脳脊髄液検査
   C Alzheimer病診断のための脳脊髄液マーカー
   D その他の血液・脳脊髄液マーカー
  9.認知症の画像検査〈松成一朗〉
   A 画像統計解析法
   B 主な疾患ごとの画像の特徴
  10.認知症の電気生理学的検査―脳波―〈東間正人〉
   A 脳波判読の基礎知識
   B 代表的認知症疾患とせん妄の脳波
   C 認知症とうつ病の鑑別
   D Creutzfeldt-Jakob病の脳波
   E 認知症とてんかんの鑑別
  11.認知症の遺伝学的検査〈浜口 毅 山田正仁〉
   A Alzheimer病
   B 前頭側頭葉変性症
   C Lewy小体型認知症
   D 血管性認知症
   E 遺伝学的検査を行う時の注意点
  12.認知症・軽度認知障害の診断と鑑別を要する精神疾患・病態〈高橋 努〉
   A 認知症とせん妄の鑑別
   B 認知症とうつ病の鑑別
   C 認知症と解離性健忘の鑑別

 (2)認知症の治療・ケア・支援・予防
  1.治療・ケアの計画と診断・治療方針の患者・家族への説明〈奥野太寿生 森本茂人〉
   A 軽度認知障害における治療・ケアの計画
   B Alzheimer型認知症における治療・ケアの計画
   C 血管性認知症における治療・ケアの計画
   D Lewy小体型認知症における治療・ケアの計画
   E 前頭側頭型認知症における治療・ケアの計画
  2.認知症高齢者にみられる身体疾患と薬物動態〈大黒正志〉
   A 認知症高齢者の病態および疾患の特徴
   B 認知機能に影響を与える薬物
   C せん妄と認知症
  3.抗認知症薬による治療〈濱野忠則〉
   A Alzheimer病
   B Lewy小体型認知症
   C 血管性認知症
   D 前頭側頭葉変性症
   E 軽度認知障害
   F 今後の抗認知症薬について
  4.認知症のケア〈木戸幹雄〉
   A 認知症のケアの基本・原則
   B 認知症の程度によるケアの違い
   C 認知症カフェなどの地域での取り組み
  5.認知症のリハビリテーション〈横川正美 菅野圭子〉
   A 認知症のリハビリテーション
   B リハビリテーションプログラム
   C リハビリテーションによる軽度認知障害,認知症の進行抑制効果の現状
  6.認知症の行動・心理症状(BPSD)の予防・治療〈金田礼三 長澤達也 橋本隆紀〉
   A BPSDの発生にかかわる要因と予防
   B BPSDへの非薬物的アプローチ
   C 各症状への対応
   D 非薬物療法の例
   E BPSDの薬物療法
   F 各種薬物の効果
   G 各種薬物の副作用
   H BPSDの各症状に推奨される薬物
  7.認知症の人と家族の支援〈北村 立〉
   A 介護保険制度
   B 新オレンジプランにおける取り組み
   C 認知症の人の権利擁護に関する制度
   D 若年性認知症への支援
  8.若年性認知症を支える〈濱野忠則〉
   A 若年性認知症と高齢者に生ずる認知症を区別すべきか
   B 若年性認知症の有病率
   C 若年性認知症における苦労
   D 若年性認知症の生活状況
   E 若年性認知症の就労
   F 若年性認知症に対するサービス
   G 自立支援医療
   H 成年後見制度
   I 相談センター
  9.認知症のリスクと予防〈篠原もえ子 山田正仁〉
   A Alzheimer病発症の遺伝的因子
   B 食品・栄養と認知機能低下・認知症発症との関連に関する観察研究
   C 運動(身体活動)と認知機能低下・認知症発症との関連に関する観察研究
   D 生活習慣病と認知機能低下・認知症発症との関連に関する研究
   E ランダム化比較試験による認知症予防介入研究

II 認知症疾患別の診療の実際 
  1.Alzheimer病による軽度認知障害/軽度認知症〈野崎一朗 山田正仁〉
   A 症例提示
   B ADによる軽度認知障害・軽度認知症のポイント
  2.Alzheimer病による中等度認知症/高度認知症〈北村 立〉
   A 生活機能障害としてのBPSD
   B 独居の認知症の人に対する訪問看護の活用
   C 介護抵抗の背景にあるうつ状態の把握
   D 終末期のケア
  3.Lewy小体型認知症・認知症を伴うParkinson病〈吉田光宏〉
   A 症例提示
   B 病因・病態
   C 臨床症候
   D 検査
   E 診断
   F 治療
   G 予後
   H ケアのポイント
  4.血管性認知症・認知障害〈高嶋修太郎〉
   A 症例提示
   B 血管性認知症の概念の経緯
   C 血管性認知症の診断基準
   D 血管性認知症のタイプ別分類
   E 血管性認知症とAlzheimer型認知症
   F 血管性認知症の診断と背景評価
   G 血管性認知症の予防と治療方針
  5.前頭側頭葉変性症(前頭側頭型認知症)〈鈴木道雄〉
   A 症例提示
   B 歴史と分類
   C 病因・病態
   D 症候
   E 検査
   F 診断
   G 薬物療法
   H 非薬物療法・ケアのポイント
   I 予後
  6.嗜銀顆粒性認知症・神経原線維変化型老年期認知症〈山田正仁〉
   A 症例提示
   B SNAPと非Alzheimer型高齢者タウオパチー
   C 嗜銀顆粒性認知症
   D 神経原線維変化型老年期認知症
  7.進行性核上性麻痺・大脳皮質基底核変性症〈坂井健二〉
   A 進行性核上性麻痺(PSP)
   B 大脳皮質基底核変性症(CBD)
   C PSPとCBDの異同について
  8.Huntington病・多系統萎縮症・神経核内封入体病(石田千穂)
   A 症例提示
   B Huntington病
   C 多系統萎縮症
   D 神経核内封入体病
  9.特発性正常圧水頭症・慢性硬膜下血腫〈富岳 亮〉
   A 特発性正常圧水頭症(iNPH)
   B 慢性硬膜下血腫
  10.プリオン病〈浜口 毅 山田正仁〉
   A 症例提示
   B プリオン病
  11.内分泌・代謝・栄養欠乏性疾患〈林 浩嗣 濱野忠則〉
   A 甲状腺機能低下症
   B 橋本脳症
   C 下垂体機能低下症
   D 副腎皮質機能低下症
   E Cushing症候群
   F 副甲状腺機能亢進症
   G 副甲状腺機能低下症
   H 反復性低血糖
   I 肝性脳症
   J ビタミンB1欠乏症(Wernicke脳症)
   K Marchiafava-Binnami病
   L ペラグラ
   M ビタミンB12欠乏症
   N 葉酸欠乏
  12.感染症・炎症性疾患〈岩佐和夫〉
   A HIV-1関連神経認知障害
   B 多発性硬化症
   C 辺縁系脳炎
   D 神経梅毒・進行麻痺
  13.薬剤誘発性認知症・認知障害〈長山成美〉
   A 症例提示
   B 疾患解説

索引

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執筆者一覧

山田正仁  金沢大学大学院脳老化・神経病態学教授 編著
坂井健二  金沢大学大学院脳老化・神経病態学(神経内科学) 
小野賢二郎 昭和大学医学部内科学講座神経内科学部門教授 
池田篤平  国立病院機構医王病院神経内科、金沢大学大学院脳老化・神経病態学(神経内科学) 
上原 隆  金沢医科大学精神神経科学准教授 
川崎康弘  金沢医科大学精神神経科学教授 
東間正人  福井大学医学部精神医学領域准教授 
篠原もえ子 金沢大学大学院脳老化・神経病態学(神経内科学)助教 
松成一朗  埼玉医科大学病院放射線科(核医学診療科)教授 
浜口 毅  金沢大学大学院脳老化・神経病態学(神経内科学)講師 
高橋 努  富山大学大学院医学薬学研究部神経精神医学講座准教授 
奥野太寿生 金沢医科大学高齢医学科助教 
森本茂人  金沢医科大学高齢医学科教授 
大黒正志  金沢医科大学高齢医学科准教授 
濱野忠則  福井大学医学部第二内科・認知症医学推進講座准教授・神経内科長 
木戸幹雄  富山大学大学院医学薬学研究部神経精神医学講座助教 
横川正美  金沢大学医薬保健研究域保健学系リハビリテーション科学領域准教授 
菅野圭子  佛教大学保健医療技術学部作業療法学科准教授 
金田礼三  金沢大学大学院精神行動科学助教 
長澤達也  金沢大学大学院精神行動科学講師 
橋本隆紀  金沢大学大学院精神行動科学准教授 
北村 立  石川県立高松病院病院長 
野崎一朗  金沢大学大学院脳老化・神経病態学(神経内科学) 
吉田光宏  国立病院機構北陸病院副院長 
高嶋修太郎 JCHO高岡ふしき病院院長 
鈴木道雄  富山大学大学院医学薬学研究部神経精神医学講座教授 
石田千穂  国立病院機構医王病院神経内科診療部長 
富岳 亮  金沢医科大学氷見市民病院神経内科教授 
林 浩嗣  福井大学医学部神経内科講師 
岩佐和夫  金沢大学大学院脳老化・神経病態学(神経内科学)准教授 
長山成美  金沢医科大学神経内科学准教授 

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認知症診療 実践ハンドブック
   定価6,600円(本体6,000円 + 税)
   2017年11月発行
(外部のサイトへとびます)
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