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書籍詳細

訪問診療の診かた,考えかた

訪問診療の診かた,考えかた

大久保光夫 著

A5判 226頁

定価3,740円(本体3,400円 + 税)

ISBN978-4-498-05914-6

2017年12月発行

在庫あり

●著者 大久保光夫(おおくぼ みつお)

[略歴]
福島県立医科大学卒
聖マリアンナ医大難病治療研究センター 臨床遺伝部門 病院助手
福島医大病院輸血部 助手
埼玉医科大学 総合医療センター 輸血・細胞治療部 准教授
白報会 つばさ総合診療所 院長を経て
順天堂大学医学部附属浦安病院 輸血室長
順天堂大学大学院医学研究科 輸血・幹細胞制御学 准教授

[主な著書]
『輸血学 改訂第3版』(共著者,中外医学社)
『よくわかる輸血学 改訂版』(羊土社)
『輸血・細胞治療マニュアル』(中外医学社)
『血液製剤の考え方,使い方 Ver.2』(中外医学社)
『わかりやすい周産期・新生児の輸血治療』(共著・編者,メジカルビュー)
『わかりやすい輸液と輸血』(共著・編者,メジカルビュ−)
『マンガで学ぶ自己血輸血』(中外医学社)

[著書の中でよく出てくる言葉]
●「患者さんが先生です」(恩師 粕川先生の言葉).その意味「患者さんから学ぶことが大切.患者さんが身を持って教えてくれています.患者さんを尊敬しましょう」.
●「本を読まないことは,海図を持たずに航海することに等しい」(オスラー博士の言葉).
●「学生・研修医を丁寧に指導することは,全体の再教育にもなる」.その意味「学生・研修医が理解して知識が普及すれば,プライドの高いベテラン医師も乗り遅れまいと受け入れる」.

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まえがき

私は長く大学病院に勤めていますので「大病院が最高で最期の治療場所」と思っていました.そのため「退院後に患者さんがどのように過ごしているか」を知ろうとしませんでした.ある時,ひとりの患者さんから,大病院退院後の療養の難しさを教えられました.療養型病院からリハビリテーション病院に回され,とうとう自宅に戻る日が来たのです.待ち望んでいたはずの退院がとても不安だったそうです.通院できない一人暮らしの高齢患者さんの場合,どのように療養すれば良いのでしょうか,皆さんはご存知でしたか?
ひとつの答えが「在宅医療」です.この本は「在宅医療:在宅療養支援医療」に初めて携わる医療関係者の皆さんを対象として,訪問診療独特の診察の仕方,治療の考え方を解説しています.
本書の中心は訪問診療の対象患者さんが訴える10の症状と訪問診療の主な10の疾患,そして,知っておいてほしい知識と手技の10項目です.たった30項目ですが,一度読んで頭に入れておくと診療がスムースに出来るようになると思います.すでに在宅医療を行っている諸先輩には易しすぎる内容かもしれませんが,この分野では初めてとなる本です.お役に立てることを願っています.

2017年11月
大久保光夫



登場人物・注意点

登場人物
医師
若手医師
ナース
医療事務員
相談員
ケアマネージャー
読者の理解を助ける犬

注意点
本書に書かれている治療法は執筆時の医学情報と経験に基づいたものです.実際の治療にあたっては最新の医学情報に基づいて治療してください.
また,本書に書かれているCase studyは教育用です.特定の個人情報や検査データではありません.



あとがき

在宅医療は,増加する高齢者に対する国の医療政策に沿うものです.実際に訪問診療に関わる医療従事者も増えています.しかし,医学部の授業にはとりあげられません.また,説明できる教授もいません.そんな状況で,最前線に立つことになったら,まるで,「海図を持たずに航海に出るようなものです」.そこで,私と一緒に働いていた医療関係者の皆さんとともに,初心者にもわかりやすい『訪問診療の診かた,考えかた』を著すことになりました.インターネットでその都度調べるのもわるくありませんが,できれば概要を理解して,全体像を頭の中に記憶しておきたいものです.そのためには,薄い本を1冊読み通すとよいと思います.それがこの本です.
余談ですが,絵葉書の様な富士山は近くに立っても見ることはできません.「全体像を理解するには少しは離れた所から眺めるのがよい」場合もあります.この本の趣旨もそんなところにあると気づいていただければ幸いです.
ここに「考え方,使い方」シリーズの元祖本を著され,この題を使うことを認めていただいた岩田先生に御礼申し上げます.また,この分野では若輩者の私に出版を認めていただいた白報会理事長の白 昌義先生に感謝致します.文末で失礼ですが中外医学社の皆様に御礼申し上げます.

2017年11月
大久保光夫

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もくじ

まえがき
登場人物・注意点

第1部 訪問診療の概要
 第1章 在宅医療,訪問診療とは
  1)在宅医療,訪問診療の意味と役割
  2)在宅診療所とは
   コラム1 訪問診療の原点はどこにあったか?
   コラム2 訪問診療で利用する薬剤・機器等のリスト

 第2章 在宅療養支援診療所の現状
     社会医療法人社団健友会 天沼診療所 竹崎三立所長
  1)在宅療養支援診療所の実情
  2)大都市圏における支援診療所の実態
  3)まとめと在宅医療推進における課題
   コラム3 在宅診療所の基準は終末期医療のあり方から生まれた?

 第3章 居宅と施設への訪問診療の違い
     医療法人社団白報会 さいたま在宅診療所 島田浩至院長
  1)訪問診療を提供できる場所
  2)訪問診療の導入のきっかけ
  3)訪問診療の問題点とその対策
  4)居宅と施設の診療報酬の違い
  5)訪問診療の今後
   コラム4 老人ホームは厚労省,サ高住は国土交通省管轄

第2部 訪問診療の10大臨床症状
 第1章 訪問診療の診かた,考えかた:総論
  1)訪問診療で診る疾患はどのようなものが多いか
  2)訪問診療ではどのような訴え・症状を診ることが多いのか

 第2章 訪問診療の10大臨床症状:各論
  1 便秘の訴え
  2 頻尿・尿閉(蓄尿障害・排尿障害)の訴え
  3 かゆみの訴え
  4 下腿浮腫の訴え
  5 転倒・転落
  6 不眠(睡眠障害)の訴え
  7 眼症状の訴え
  8 うつ状態
  9 貧血
  10 腰痛の訴え

第3部 訪問診療で診る10大疾患:知っておきたいその病態と治療
 第1章 訪問診療と病診連携─入院か訪問診療か─
  1)訪問診療から入院となった理由・病態
  2)病診連携と訪問診療の貢献
  3)訪問診療患者で入院が必要かどうかの判断
   コラム5 診療情報提供書(紹介状)の書き方

 第2章 訪問診療で診る10大疾患・病態:各論
  1 大腿骨近位部骨折
  2 誤嚥性肺炎
  3 MRSA・緑膿菌・紫色尿
  4 認知症
    平沢スリープ・メンタルクリニック 平澤秀人院長
   コラム6 心をおだやかにする回想法 〈平澤秀人〉
   コラム7 訪問診療でよく用いる言葉「HDS-R」
  5 意識消失発作
  6 パーキンソン病
    順天堂大学医学部附属順天堂越谷病院 神経内科 頼高朝子准教授 
  7 下腿潰瘍
  8 帯状疱疹
  9 廃用症候群
  10 介護完璧症候群(私案)

第4部 訪問診療で必要な10の知識と手技
  1 高齢者とのコミュニケーション
   コラム8 在宅療養患者さんの服薬数
  2 リハビリテーション
   コラム9 訪問診療でよく用いる言葉「ADL」
  3 胃瘻の管理
  4 在宅酸素・人工呼吸療法:HOT,CPAP,NPPV
  5 膀胱カテーテル留置・交換
  6 人工肛門の管理
  7 褥瘡処置
  8 緩和ケアとpatient controlled analgesia(PCA)
  9 看取り
  10 主治医意見書
   コラム10 認知症患者さんの家族向けの冊子

第5部 訪問歯科診療,スタッフとシステム
 第1章 訪問歯科診療
     医療法人社団白報会 つばさ総合診療所 永野和彦歯科医長
  1)今日も元気に!口腔ケア(口腔衛生状態を整える)
  2)ちゃんと食べられていますか?(摂食・嚥下障害をスクリーニング)
  3)弱っている摂食・嚥下を助けるリハビリテーションについて(各種訓練)
 第2章 ケアマネージャーの役割
     医療法人社団白報会 入間藤沢幸楽園 萩野トモミケアマネージャー
  1)ケアマネージャーの役割
  2)計画書の作成〜サービスの提供

第3章 訪問診療における相談員の役割
    医療法人社団白報会 さいたま在宅診療所 台 紀恵相談員
  1)相談員は訪問診療の最初の窓口
  2)患者さんの生活環境,家族など背景の把握
  3)訪問診療開始前後の患者,家族への支援

あとがき
さくいん

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執筆者一覧

大久保光夫 順天堂大学大学院 准教授 著
竹崎三立 社会医療法人社団健友会 天沼診療所 所長 
島田浩至 医療法人社団白報会 さいたま在宅診療所 院長 
平澤秀人 平沢スリープ・メンタルクリニック 院長 
頼高朝子 順天堂大学医学部附属順天堂越谷病院 神経内科 准教授 
永野和彦 医療法人社団白報会 つばさ総合診療所 歯科医長 
萩野トモミ 医療法人社団白報会 入間藤沢幸楽園 ケアマネージャー 
台 紀恵 医療法人社団白報会 さいたま在宅診療所 相談員 

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