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書籍詳細

末梢神経ブロックの疑問Q&A70

末梢神経ブロックの疑問Q&A70

大嶽浩司  監修 / 上嶋浩順  編著

A5判 236頁

定価(本体4,800円 + 税)

ISBN978-4-498-05532-2

2017年11月発行

在庫あり

超音波ガイド下末梢神経ブロックは,いまや周術期疼痛管理に必須の手技となりました.麻酔科医として絶対に身につけなければいけない末梢神経ブロックに関する疑問について,末梢神経ブロックを愛してやまないエキスパート達がわかりやすく回答します.『気道管理の疑問Q&A70』に続くシリーズ第2弾,堂々の刊行!

●編者紹介

上嶋浩順(うえしまひろのぶ)

昭和大学病院麻酔科講師.
平成16年関西医科大学卒.関西医科大学,倉敷中央病院,埼玉医科大学国際医療センターを経て平成27年4月から現職.
関西医科大学時代に気道管理の権威である浅井隆先生(現獨協医科大学麻酔科)の下で気道の研究を始めてから気道管理に目覚める.現在は気道管理・超音波ガイド下神経ブロック・シミュレーション教育(特に鎮静)に力を入れている.日本麻酔科学会麻酔科専門医,日本区域麻酔学会評議員,(日本臨床麻酔学会公認)神経ブロック教育インストラクター,(日本医学シミュレーション学会公認)鎮静教育世話人,日本心臓血管麻酔学会心臓血管麻酔専門医などの資格を有している.
「気道管理の疑問Q&A70」(中外医学社)の編集も行っている.

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序文

Liberty without learning is always in peril; learning without liberty is always in vain.
—John. F. Kennedy

 末梢神経ブロックは,この10年でもっとも発展した領域の一つである.これには超音波診断装置の飛躍的な性能の向上が寄与している.末梢神経ブロックが確実に効果をもたらし,合併症が少なくなったことで,麻酔科医は大きな自由を手にした.おそらく10年前の麻酔科医が見たら,現在の麻酔計画におけるブロックの出現頻度に驚くであろう.しかしながら,一般論として「効果が確実になり,合併症が減少した」ことと,個々の麻酔科医がそれを実行できることとの差は存在する.本書は,70題の疑問に答えるという形をとって,その個々の麻酔科医が末梢神経ブロックを施行する確実性をあげ,合併症を減少させることを目的としている.この70題に対して,日本全国に散らばる多様な回答者が応えていることが本書の一つの特徴である.多様性は対応力を生む.予期せぬ事がおこる臨床での対応力をつけるに適した多様な回答者が意見を寄せた形の本書は,知識を網羅的に拾うことのできるいわゆる成書(教科書)と組み合わせることでその効果は倍増するであろう.本書を手にした読者は,ぜひ英文の成書も読みながら臨床に向かってほしい.

 本書はさまざまな使い方ができる.とりあげた70題の疑問は,BasicとAdvanceに分かれている.物事をうまく実施するには,自らの実力を把握することが非常に重要であると先人は言っている.自らの持つ疑問がどのレベルにあるのかを知り,それは他者から見た評価に合致するかという検証にも本書は用いることができる.また,さらに目次にある疑問だけを読んで自らが答えることができるかというような使い方もできる.自分にあった使い方で,それぞれの読者の臨床に寄与することで,結果として患者の役に立つことができれば幸いである.

 この本を手にする読者の多くは麻酔科医であろう.もし,この本を読んで実用的であると考えたのであれば,知り合いの整形外科医にぜひそっと薦めてほしい.この超音波ガイド下時代の末梢神経ブロックは麻酔科医だけにとどめておくにはもったいないからだ.

 最後に,忙しい中,各章を執筆いただいた先生方,取りまとめの労をとって頂いた上嶋先生ならびに関係者に感謝の意を表して序文の締めとしたい.

2017年10月
昭和大学医学部麻酔科学講座 大嶽浩司



末梢神経ブロックはまだまだ発展途上である

 10年前,静脈血栓予防目的で,人工膝関節置換術の麻酔を,全身麻酔と持続硬膜外麻酔併用から,全身麻酔と持続大腿神経ブロックに変更しました.持続大腿神経ブロックの鎮痛効果には,驚きと麻酔科領域の新しい世界の幕開けを感じました.
 あれから10年が経過し,腕神経叢ブロックや大腿神経ブロックのような従来のランドマーク法で行われてきた神経ブロックから腰神経叢ブロックやPECSブロックなどの新しい神経ブロックまで,さまざまな症例に対し我々は末梢神経ブロックを行い良好な周術期疼痛管理を行うことができるようになりました.
 ただし現在でも,安全性や投与量,投与方法のような神経ブロック全般に遭遇する問題や人工膝関節置換術や大腿骨頸部骨折の有効な末梢神経ブロックの選択方法,さらに腰神経叢ブロックやretrolaminarブロックのような新しいブロックの適用症例など明らかにされていないことが多く,これらの疑問を解決するために「末梢神経ブロックの疑問Q&A70」を作成することにしました.
 末梢神経ブロックを行うときに遭遇する疑問点を盛り込んだ本著は,末梢神経ブロックを行う際の必須の書籍になると思います.疑問を持った項目から読んでもらって構いません.
執筆者には末梢神経ブロックを愛してやまない末梢神経ブロックのエキスパートに執筆をお願いしました.
 末梢神経ブロックに対する興味がさらに深まることを期待しております.
この書籍は「気道管理の疑問Q&A70」とともに幅広い医療関係者の疑問を解決することを信じております.
 最後に監修をお願いしました大嶽先生,各パートを担当していただいた先生方,中外医学社の方々には大変感謝申し上げます.

2017年10月 
昭和大学病院麻酔科 上嶋 浩順

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目 次

ChapterI 総論
▶Basic
 Q1 局所麻酔薬(末梢神経ブロック)の作用機序について教えてください.〈酒井規広〉
 Q2 神経ブロック合併症において,特に合併症に注意すべきはどんな患者でしょうか?〈渡邊 至〉
 Q3 神経ブロックに使用する局所麻酔薬の最大投与量を教えてください.〈中本達夫〉
 Q4 局所麻酔薬中毒とは何ですか?その発生機序,分類,予防法などに
   ついても教えてください.〈森永真矢 宮崎直樹〉
 Q5 局所麻酔中毒の対応方法について教えてください.
   症状によって治療方法は異なるのでしょうか?〈原 万里恵 宮崎直樹〉  
 Q6 神経ブロック針は鈍針ですか?鋭針ですか?その選択の理由も含めて教えてください.〈上嶋浩順〉
 Q7 神経刺激装置は必要ですか?その使用方法,注意点についても教えてください.〈竹永真由 宮崎直樹〉
 Q8 超音波上での,神経の見え方を教えてください.
   見えにくい場合にはどうしたらよいでしょうか?〈中本達夫〉
 Q9 超音波ガイド下神経ブロックは患者の安全を高めることができたでしょうか?
   エビデンスをふまえて教えてください.〈上嶋浩順〉
 Q10 超音波ガイド下神経ブロックにおける平行法と交差法について教えてください.
    それぞれにメリット・デメリットは何でしょうか?〈森本康裕〉
 Q11 超音波ガイド下神経ブロックに用いられる
    プローブの種類と選択方法について教えてください.〈森本康裕〉
 Q12 プローブ操作方法について,上手になる練習方法を教えてください.〈渡邊 至〉
 Q13 神経ブロックの安全評価について教えてください.〈山田知嗣〉

▶Advance
 Q14 成人と小児の神経ブロックの違いを教えてください.〈香川哲郎〉
 Q15 神経ブロック時の神経損傷の発生率について教えてください.
    神経損傷を避けるにはどのようなことに注意したらよいでしょうか?〈上嶋浩順〉
 Q16 神経ブロックはどのタイミングで行うのでしょうか?
    全身麻酔前でしょうか,全身麻酔後でしょうか?〈村田寛明〉
 Q17 持続末梢神経ブロックの利点と欠点を教えてください.
    また,カテーテル留置のポイントはどんな点でしょうか?〈笹川智貴〉
 Q18 抗凝固療法と神経ブロックの関係について教えてください.
    神経ブロックにあたって休薬などが必要になるのでしょうか?〈笹川智貴〉
 Q19 Dual guidance techniqueについて教えてください.〈湯本正寿〉
 Q20 Triple guidance techniqueのフローチャート〈湯本正寿〉
 Q21 ニードルガイドキットとは何ですか?
    神経ブロック施行時のニードルガイドキットは必要ですか?〈上嶋浩順〉
 Q22 長時間作用型局所麻酔薬に短時間作用型局所麻酔薬の併用は有効なのかを教えてください.〈酒井規広〉
 Q23 局所麻酔薬にステロイドは必要ですか?〈渡部達範〉
 Q24 局所麻酔薬にアドレナリン(エピネフリン)添加は有効ですか?〈酒井規広〉
 Q25 局所麻酔薬の投与方法は持続投与がいいですか?間欠投与がいいですか?〈村田寛明〉
 Q26 カテーテルオーバーザニードルについて教えてください.〈松野賢一〉
 Q27 神経ブロック中の鎮静について教えてください.〈駒澤伸泰〉

ChapterII 各論
1.上肢編
▶Basic
 Q28 腕神経叢ブロックのアプローチ法について教えてください.〈原 詠子〉
 Q29 腕神経叢ブロックの各アプローチの使い分けについて教えてください.〈原 詠子〉
 Q30 腕神経叢ブロックの合併症を教えてください.〈衛藤由佳〉
 Q31 腕神経叢ブロック斜角筋間アプローチについて教えてください.〈田中典子〉
 Q32 腕神経叢ブロック鎖骨上アプローチについて教えてください.〈田中典子〉
 Q33 腋窩アプローチについて教えてください.〈根本哲也〉
 Q34 腕神経叢ブロックにおける麻酔薬の使用量について教えてください.〈逢坂佳宗〉
 Q35 腕神経叢ブロックに神経刺激装置は必要ですか?〈逢坂佳宗〉

▶Advance
 Q36 腕神経叢ブロック鎖骨下アプローチについて教えてください.〈渡部達範〉
 Q37 正中神経ブロック・橈骨神経ブロック・尺骨神経ブロックについて教えてください.〈渡邊 至〉
 Q38 浅頸神経叢ブロックについて教えてください.〈上嶋浩順〉
 Q39 星状神経節ブロックについて教えてください.〈大路奈津子〉
 Q40 肩甲上神経ブロックについて教えてください.〈笹川智貴〉
 Q41 ターニケットペインについて教えてください.〈酒井規広〉
 Q42 横隔神経麻痺を予防して斜角筋間腕神経叢ブロックを
    行う方法を教えてください.〈小渡有一郎 渕辺 誠〉

2.下肢編
▶Basic
 Q43 腰神経叢ブロックについて教えてください.〈新屋苑恵〉
 Q44 大腿神経ブロックについて教えてください.〈田中絵理子〉
 Q45 閉鎖神経ブロックについて教えてください.〈吉田敬之〉
 Q46 坐骨神経ブロックのアプローチ方法について教えてください.〈山本寛人〉
 Q47 坐骨神経ブロック傍仙骨アプローチについて教えてください.〈山本寛人〉
 Q48 坐骨神経ブロック臀部アプローチについて教えてください.〈吉村 学〉
 Q49 坐骨神経ブロック前方アプローチ法について教えてください.〈北條亜樹子〉
 Q50 坐骨神経ブロック膝窩アプローチについて教えてください.〈北條亜樹子〉

▶Advance
 Q51 腰神経叢ブロックshamrockアプローチについて教えてください.〈吉田敬之〉
 Q52 内転筋管ブロックについて教えてください.〈田中絵理子〉
 Q53 外大腿皮神経ブロックについて教えてください.〈新屋苑恵〉
 Q54 足首の神経ブロックについて教えてください.
    足趾の切断術の疼痛管理を神経ブロックで行いたいです.〈近藤竜也〉  
 Q55 人工膝関節置換術の有効な末梢神経ブロックについて教えてください.〈酒井規広〉
 Q56 大腿骨頸部骨折の有効な末梢神経ブロックについて教えてください.〈菊池 賢 野村岳志〉
 Q57 下肢切断の有効な末梢神経ブロックについて教えてください.〈菊池 賢 野村岳志〉

3.体幹編
▶Basic
 Q58 腹直筋鞘ブロックについて教えてください.〈藤井智子〉
 Q59 腹横筋膜面ブロックについて教えてください.〈紫藤明美〉
 Q60 傍脊椎ブロックについて教えてください.〈武田泰子〉
 Q61 肋間神経ブロックについて教えてください.〈近藤竜也〉
 Q62 腸骨鼠径・下腹神経ブロックについて教えてください.〈山本悠介〉
 Q63 仙骨ブロックについて教えてください.〈山本悠介〉

▶Advance
 Q64 持続腹横筋膜面ブロックについて教えてください.〈前田晃彦〉
 Q65 PECSブロックについて教えてください.〈町野麻美 上嶋浩順〉
 Q66 傍脊椎ブロックにおける局所麻酔薬の使用量と効果範囲について教えてください.〈武田泰子〉
 Q67 腰方形筋ブロックについて教えてください.〈室内健志〉
 Q68 Retrolaminarブロックについて教えてください.〈室内健志〉
 Q69 体幹神経ブロックは内臓痛を遮断できますか?〈武田泰子〉
 Q70 体幹神経ブロックの局所麻酔薬の極量について教えてください.〈村田寛明〉

索引 231

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執筆者一覧

大嶽浩司  昭和大学麻酔科学教授 監修
上嶋浩順  昭和大学麻酔学 編著
酒井規広  総合大雄会病院麻酔科医長 
渡邊 至  横浜南共済病院麻酔科部長 
中本達夫  関西医科大学附属病院診療教授 
森永真矢  熊本医療センター麻酔科 
宮崎直樹  熊本医療センター麻酔科医長 
原 万里恵 熊本労災病院麻酔科  
竹永真由  熊本大学医学部附属病院麻酔科 
森本康裕  宇部興産中央病院麻酔科診療科長 
山田知嗣  鹿児島大学病院麻酔全身管理センター麻酔科助教 
香川哲郎  兵庫県立こども病院麻酔科部長 
村田寛明  長崎大学医学部麻酔学教室准教授 
笹川智貴  旭川医科大学麻酔・蘇生学講座講師 
湯本正寿  東京女子医科大学八千代医療センター麻酔科 
渡部達範  新潟大学医歯学総合病院手術部助教 
松野賢一  函館五稜郭病院麻酔科医長 
駒澤伸泰  大阪医科大学麻酔科助教 
原 詠子  昭和大学病院麻酔科助教 
衛藤由佳  旭川医科大学麻酔・蘇生学講座  
田中典子  昭和大学病院麻酔科助教 
根本哲也  昭和大学整形外科助教 
逢坂佳宗  川崎市立川崎病院麻酔科集中治療部部長 
大路奈津子 長崎労災病院麻酔科 
小渡有一郎 沖縄赤十字病院麻酔科 
渕辺 誠  沖縄赤十字病院麻酔科部長 
新屋苑恵  名古屋大学医学部附属病院麻酔科助教 
田中絵理子 周南記念病院麻酔科  
吉田敬之  関西医科大学附属病院麻酔科助教 
山本寛人  東京医科歯科大学麻酔・蘇生・ペインクリニック科 
吉村 学  徳山中央病院麻酔科医長 
北條亜樹子 東京医科歯科大学医学部附属病院麻酔蘇生ペインクリニック科助教 
近藤竜也  藤沢市民病院麻酔科診療科部長 
菊池 賢  横浜市立大学附属病院麻酔科助教 
野村岳志  横浜市立大学附属病院麻酔科特任教授 
藤井智子  昭和大学横浜市北部病院麻酔科講師 
紫藤明美  東京警察病院麻酔科医長 
武田泰子  愛媛県立中央病院麻酔科・集中治療科  
山本悠介  日本大学医学部麻酔科学系麻酔科学分野  
前田晃彦  大阪大学大学院医学系研究科麻酔集中治療医学講座特任助教 
町野麻美  中部ろうさい病院麻酔科  
室内健志  北見赤十字病院麻酔科第一麻酔科副部長 

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