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書籍詳細

感染症内科 ただいま診断中!

感染症内科 ただいま診断中!

倉井華子 監修 / 伊東直哉 著

A5判 418頁

定価7,480円(本体6,800円 + 税)

ISBN978-4-498-02126-6

2017年10月発行

在庫あり

本書は感染症内科を研修する初期・後期研修医を対象に,“臨床感染症の実践的な知識”を短期で習得することを目的に作成された.肺炎や尿路感染症といったような,お馴染みな疾患挙げて解説するのではなく,診断に至るための基本的アプローチ,臨床推論の基本や問診の在り方,バイタルサインの診かたや身体診察など,どうすれば“正しい診断”にたどり着くことができるか,そのロジックとプロセス丁寧に解説しているところが最大の特徴.

著者略歴

伊東直哉(いとうなおや)

静岡県立静岡がんセンター感染症内科
2007年 東海大学医学部卒業
2007年 横浜南共済病院 初期臨床研修医
2008年 東京医科歯科大学医学部附属病院 初期臨床研修医
2009年 市立堺病院総合内科
       藤本卓司先生(現・耳原総合病院 救急総合診療科部長)に師事
       同院内科チーフレジデント
       関西若手医師フェデレーション代表
2012年 瀬戸内徳洲会病院
2013年 瀬戸内徳洲会病院 総合内科部長/副院長
       鹿児島県奄美大島で離島医療に従事
2015年 静岡県立静岡がんセンター感染症内科

〈モットー〉
All physicians should be general.

〈著書〉
がん診療に携わるヒトのための静がん感染症治療戦略(日本医事新報社,2016年)

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巻頭言

感染症は最もありふれた疾患であり,すべての臨床医が経験する.日常で見る感染症は抗菌薬投与もしくは自然経過でよくなるものがほとんどであり,深く勉強せずとも困ることは少ない.
しかし一度勉強を始めるとこの分野は奥が深い.未だにわかっていないことが多い.「胆管炎」を例にすると多くのclinical questionが生まれる.「胆管炎では必ず胆道系酵素があがるのか? 胆道系酵素上昇がなければ否定できるか?」「原因菌は何が多いか? 患者の背景で原因菌は異なるのか?」「どれくらいの医療曝露があると耐性菌を考えるか?」「治療期間は何日か?」「胆汁の培養で陽性となった菌すべてに効く抗菌薬が必要か?」など疑問はつきない.感染症と人類の歴史は有史以前から続いているのに関わらず,残念ながらこれらの疑問に答えてくれる文献はまだまだ少ない.
こうした日々の疑問に誠実に向き合い,ひたすら文献を調べ,最善のプラクティスを形にしたものが本書である.本書は肺炎や尿路感染症などコモンな感染症の項目がなく,すがすがしいばかりに偏っている.ただ同じがんセンターで悶々と悩む私には極めてしっくりくる.疑問を疑問のままに終わらせず,患者と向き合う姿勢を私は尊敬する.

2017年7月
静岡がんセンター感染症内科部長
倉井華子

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目 次

1 感染症診療の基本的アプローチ
 感染症診療のロジック
  それって本当に感染症?
  感染症診療のロジック
  まずは患者背景の理解からはじめよう
   1.免疫不全の評価
   2.バリア障害
   3.生体機能の異常
  感染症の臓器を見極めよう
  微生物を詰める
  どの抗菌薬を選択するか?
  適切な経過観察

2 感染症診療における臨床推論と問診
 問診の理論と実践
  臨床診断における問診の位置づけ
  臨床推論(clinical reasoning)とは
   1.システムI 〜直感的思考〜
   2.システムII 〜分析的思考〜
  二重プロセスモデルをどうやって活用していくか
  臨床現場での問診のポイント 〜問診の実際〜
   1.前医の情報を過度に信用しすぎない
   2.open-ended questionではじめる
   3.問診で獲得すべき情報
  Review of systems

3 感染症診療におけるバイタルサインと身体診察
  バイタルサイン
  ショックのバイタルサイン
   1.ショックとは
   2.ショックの4分類
   3.バイタルの逆転とショック指数
  敗血症のバイタルサイン
  バイタルサインの個別項目
   1.意識状態
   2.血圧
   3.脈拍
   4.呼吸数
   5.体温
   6.身体診察
   7.ショックの身体診察
  必須の身体診察項目
   1.全身の外観
   2.爪
   3.顔面(目,口腔・咽頭,副鼻腔)
   4.頸部(リンパ節,甲状腺)
   5.胸部(肺,心臓)
   6.腰背部(CVA叩打痛,脊柱,叩打痛)
   7.腹部(肝臓,脾臓,腸管)
   8.四肢(手,下腿,足)
   9.皮膚
   10.直腸診

4 感染症診療におけるグラム染色
  グラム染色法
  検体の採取法:検体採取をあきらめない
   1.喀痰採取のポイント
   2.尿検体採取のポイント
  肉眼所見での評価(喀痰)
  顕微鏡所見の評価
   1.喀痰
   2.尿
   3.細胞数と菌数の表記法
  グラム染色による菌の鑑別
   1.グラム陽性球菌(GPC)
   2.グラム陽性桿菌(GPR)
   3.グラム陰性球菌(GNC)
   4.グラム陰性桿菌(GNR)
   5.その他
  グラム染色の限界

5 血液培養で診断を詰める
 日々是血培
  なぜ血液培養を採取するのか
  どうやってとるのか:正しい採取法と適切な採取部位で行う
  なぜとるのか:血液培養の意義を理解する
  いつとるのか:菌血症・敗血症を疑った際に採取.悪寒戦慄があれば菌血症を強く示唆する
  どれだけとるのか:成人では1回採血量は20〜30 mL
  何セットとるのか:最低2セット採取
  コンタミネーションの判断
  コンタミネーションを減らそう
  培養日数は?

6 胸水貯留患者の診断アプローチ
 胸水穿刺はBecause it’s there
■総論
  1.胸水貯留のメカニズム
  2.胸水評価の最初のステップ
  3.胸水診断のアプローチ法
  4.胸腔穿刺の実施とルーチン項目・至適検体量
  5.胸水の外観と臭い
  6.漏出性胸水と滲出性胸水の鑑別
  7.胸水検査の項目について
  8.胸部造影CT
■各論
 感染症と非感染症が原因による胸水貯留
  1.結核性胸膜炎
  2.肺炎随伴性胸水と膿胸
  3.膠原病
  4.肺塞栓症
  5.乳び胸水と偽性乳び胸水
  6.良性石綿胸水と胸膜中皮腫
  7.診断がつかない胸水のマネジメント

7 腹水貯留患者の診断アプローチ
■総論
  1.腹水貯留の原因:原因の約8割が肝硬変
  2.腹水貯留のメカニズム:主に門脈圧亢進症,低アルブミン血症,腹膜疾患による
  3.腹水の臨床症状と所見:腹水貯留に伴う腹圧上昇に関連している
  4.腹水の評価尺度
  5.腹腔穿刺の適応:原則,新規の腹水貯留患者全員の腹水を調べる
  6.腹腔穿刺の手技:超音波検査を用いて安全に実施することができる
  7.腹水検査のルーチン項目
  8.腹水診断のアプローチ:フローチャートを活用してみよう
  9.腹水の外観
  10.門脈圧亢進症の鑑別:SAAGを計算する
  11.腹水検査の各検査項目について
■各論
  1.特発性細菌性腹膜炎(SBP)と二次性細菌性腹膜炎
  2.結核性腹膜炎

8 髄膜炎患者の診断アプローチ 
 慌てず,焦らず,急ぐ
■総論
 髄膜炎の定義と分類
 急性髄膜炎の症状と所見
  1.古典的三徴
  2.髄膜刺激徴候
 腰椎穿刺
  1.腰椎穿刺の合併症
  2.腰椎穿刺の禁忌
  3.腰椎穿刺手技
  4.腰椎穿刺後頭痛の予防方法
  5.検査項目
 血液培養
■各論
 急性髄膜炎 
  1.細菌性髄膜炎
  2.肺炎球菌
  3.髄膜炎菌
  4.インフルエンザ桿菌
  5.リステリア
  6.グラム陰性桿菌
  7.ウイルス性髄膜炎
  8.ヘルペス脳炎・ヘルペス髄膜炎
  9.術後髄膜炎
 亜急性・慢性髄膜炎
  1.クリプトコッカス
  2.アスペルギルス
  3.梅毒
  4.結核

9 関節炎患者の診断アプローチ
 化膿性関節炎を見逃さない
■総論
 関節痛を診る際のポイント:5つの診察ポイントを押さえておく
 関節液検査
■各論
  1.化膿性関節炎
  2.淋菌性関節炎
  3.その他の菌による関節炎
  4.人工関節感染症
  5.結晶誘発性関節炎
  6.反応性関節炎

10 感染症診療におけるバイオマーカーの運用
 CRPと周辺のバイオマーカーについて
 CRPについて
 プロカルシトニンについて
 プロカルシトニンの偽陽性と偽陰性
 赤血球沈降速度について
 白血球について
 まとめ

11 術後患者の発熱の診断アプローチ
 発症時期と病因を主軸に考える
■総論
  1.術後の発熱の定義
  2.術後の発熱の疫学
  3.術後患者の発熱の自然経過
  4.術後患者の発熱の原因と診断アプローチ
  5.術後の発熱の発症時期
  6.感染症か? それとも非感染症か?
  7.術後患者の発熱のワークアップ
■各論
 手術〜術後48時間の発熱
 術後2〜7日の発熱
 術後1〜4週の発熱
 術後1か月以上の発熱
■手術別の発熱の原因
  1.腹部手術
  2.心臓手術
  3.脳外科手術
  4.血管手術
  5.婦人科手術
  6.泌尿器科手術
  7.整形外科手術

12 他科との連携が必要な皮膚軟部組織感染症
 壊死性軟部組織感染症を見逃がさない
 丹毒と蜂窩織炎
  1)疫学
  2)原因微生物
  3)臨床的特徴
  4)リスク因子 〜菌の侵入門戸を探そう〜
  5)検査
  6)特殊なタイプの蜂窩織炎
  7)鑑別診断
 壊死性軟部組織感染症を見逃さない
  1)疫学
  2)リスク因子
  3)NSTI の分類と原因微生物
  4)臨床的特徴と診断のポイント
  5)画像検査
  6)培養検査
  7)他科との連携

13 感染症内科医が併診すべき菌血症
 黄色ブドウ球菌菌血症とカンジダ血症
 黄色ブドウ球菌菌血症
  1.疫学
  2.臨床的アプローチ
  3.感染症内科コンサルテーションの影響
 カンジダ血症
  1.疫学
  2.発症機序
  3.リスク因子
  4.臨床的アプローチ
  5.感染症内科コンサルテーションの影響

14 下痢症患者の診断アプローチ
 たかが下痢,されど下痢
■総論
 下痢症患者の診断アプローチ
 下痢症の分類
 下痢症患者の問診
 下痢症患者の身体診察
 下痢症患者の検査
■各論
 急性下痢症
 旅行者下痢症
 院内下痢症
 慢性下痢症

ミニレクチャー
 アンチバイオグラムの作り方
 敗血症と敗血症性ショックの新しい定義と診断基準
 陽性血液培養ボトルのパターンから原因菌を推定する
 打診と聴性打診

Memo 
 OPSIをワクチンで予防しよう!
 ステロイドによる免疫低下
 好中球減少性腸炎とは?
 FNのリスク
 医師は受け持ち患者の中心静脈カテーテル使用を把握しているか?
 アレルギーを自己申告する患者の抗菌薬選択
 血圧低下時の血圧測定に関する注意点
 直腸診の禁忌
 3%高張食塩水の作り方
 尿路感染症の存在の指標
 カテーテル血と末梢血の血液培養陽性までの時間差によるカテーテル関連血流感染症の診断
 ボトル分注時の注射針の交換はしたほうが良いのでしょうか?
 ROC曲線とは
 肺炎随伴性胸水は日没まで放っておくな
 抗IL-6受容体抗体製剤を投与するとCRPが上昇しない
 肺結核では細菌性肺炎よりもCRPが低い
 発熱の程度は原因による?
 Millian’s ear sign
 β溶血性レンサ球菌とは
 針吸引による微生物の特定
 人年法とは
 Finger test
 Capillary refill time(毛細血管再充満時間,CRT)
 細菌性腸炎の腸管外合併症
 CDトキシン検査を繰り返し検査する意味があるか?
 C. difficileは菌血症を起こすのか?
 市中発症のCDI
 modified 3-days rule
 顕微鏡的大腸炎

索引

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執筆者一覧

倉井華子 静岡県立静岡がんセンター感染症内科 監修
伊東直哉 静岡県立静岡がんセンター感染症内科 著

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   定価7,480円(本体6,800円 + 税)
   2017年10月発行
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