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書籍詳細

頭頸部がん薬物療法ハンドブック

頭頸部がん薬物療法ハンドブック

改訂2版

藤井正人  監修 / 田原 信  編集 / 清田尚臣  編集

B6変型判 232頁

定価(本体3,000円 + 税)

ISBN978-4-498-06269-6

2017年07月発行

在庫あり

本邦はじめての頭頸部がん薬物療法に特化したマニュアルとして好評を博した書の改訂第2版.専門病院のスタッフではなく,主に一般病院のスタッフに向けて,頭頸部がんの薬物療法に特徴的な臨床上のコツや支持療法を平易にまとめている.今版では近年の進歩を踏まえて,一から内容を見直し新たな項目を追加した.執筆陣には経験豊富な各エキスパートを集め,実際の現場での治療立案・実践および副作用管理に役立つ実践書である.

改訂2版 序文

 頭頸部がんに対する集学的治療の中で,がん薬物療法の重要性は年々増加している.1970年代にシスプラチンが登場してから頭頸部がん化学療法は飛躍的に進歩したといえる.シスプラチンは様々な薬剤と併用して併用効果があることが基礎的に示されてきたが,その中でもシスプラチンと5−FUとの併用が標準レジメンとして汎用されるようになった.そののち,タキサン系薬剤であるドセタキセルが導入され近年ではパクリタキセルも承認されている.わが国では経口抗がん剤のUFTやTS−1も頭頸部がんに対して使用されており,がん化学療法は着実に進歩してきた.そして,2012年には頭頸部がんに対するわが国で初めての分子標的薬であるセツキシマブが承認され,さらに2017年に免疫チェックポイント阻害剤が頭頸部がんに使用されることとなった.一方,甲状腺がんに対する分子標的薬も開発され,がん薬物療法として大きな変化が現れている.そこで,このたびの改訂第2版では「頭頸部がん薬物療法ハンドブック」と名前を改め大幅に改訂することになった.
 頭頸部がんに対する手術療法や放射線療法の進歩も目覚ましく,様々な治療を組み入れた集学的治療は非常に複雑化している.このような状況の中で,がん薬物療法を施行する場合,その目的を十分に考えて目標をきちんと設定しなければならない.切除可能例なのか切除不能例か,根治を目的とした治療か,QOLを優先する治療かなど多くの事項について正確に判断することが要求される.
 わが国では,現在のところ腫瘍内科医が頭頸部がん薬物療法を行う施設は限られており,多くの施設では頭頸部外科医が行っている.本書は,腫瘍内科医以外の医師にも十分活用していただけるよう編集されている.本書の総論は,最新の薬物療法を行う場合に必要な事項を網羅しており外来化学療法も詳細に記載されている.各論は,重要なレジメンをすべて網羅している.これらは欧米の大規模前向き試験でその有用性が証明されたものが多く,我々はそれらを参考にエビデンスに基づいたがん薬物療法を施行する必要がある.一方,標準的治療において臨床試験で証明された投与量や投与法が妥当であるかは患者の状態や臨床データなど個別に評価して施行するべきであり手術治療や放射線治療と同等に薬物治療においても主治医の経験と知識が要求される.
 薬物療法を施行するときは,多くの診療科や多職種との連携が必須となる.そのようなときに本書の副作用対策や支持療法を十分参考にしていただきたい.本書は,頭頸部腫瘍内科医として活躍する田原 信先生,清田尚臣先生の呼びかけによって頭頸部がん薬物療法の経験豊富な多くの腫瘍内科医,そして頭頸部がん集学的治療を得意とする頭頸部外科医,放射線治療医の執筆を得ることができた.現在,世界中で頭頸部がんに対する新規治療開発を目指した臨床試験が多く行われている.このような状況の中で,本書は適時改訂されて最新の情報を掲載することを使命と考えている.そして,頭頸部がん薬物療法を施行する際の座右の書として,多くの頭頸部がん患者のより良い治療に役立つことを願っている.

2017年7月

永寿総合病院         
耳鼻咽喉科 頭頸部腫瘍センター
藤井正人


初版 序文

 頭頸部がんに対する集学的治療の中で,がん化学療法の重要性は年々増加している.1970年代にシスプラチンが登場してから頭頸部がんの化学療法は飛躍的に進歩したといえる.シスプラチンは様々な薬剤と併用して併用効果があることが基礎的に示されてきたが,その中でもシスプラチンと5-FUとの併用が標準レジメンとして汎用されるようになった.そののち,タキサン系薬剤であるドセタキセルが導入され近年ではパクリタキセルも承認されている.わが国では経口抗がん薬のUFTやTS-1も頭頸部がんに対して使用されており,2012年には頭頸部がんに対するわが国で初めての分子標的薬であるセツキシマブが承認された.
 このように,少しずつではあるが頭頸部がん化学療法において選択できる薬剤が増加している.一方,手術や放射線治療の進歩も目覚ましく,頭頸部がんに対する集学的治療は非常に複雑化している.このような状況の中で,がん化学療法を施行する場合,その目的を十分に考えて目標をきちんと設定しなければならない.切除可能例なのか切除不能例か,根治を目的とした治療か,QOLを優先する治療かなど,多くの事項について正確に判断することが要求される.
 わが国では,現在のところ腫瘍内科医が頭頸部がん化学療法を行う施設は多くなく,ほとんどの施設では頭頸部外科医が施行している.本書は,腫瘍内科医以外の医師にも十分活用していただけるよう編集されている.がん化学療法を施行する前にまず,総論に目を通していただきたい.そして,実際の症例に即して各論や副作用対策,支持療法の項を参考にしていただきたい.本書の各論は重要なレジメンをすべて網羅しているが,そのほとんどのエビデンスは海外の臨床試験によるものである.これらは大規模の前向き試験でその有用性が証明されたものが多く,我々はそれらを参考にエビデンスに基づいたがん化学療法を施行する必要がある.一方,標準的投与量設定が妥当であるかは患者の状態や臨床データなどを個別に評価して施行するべきであり,手術治療と同等に主治医の経験,知識が要求される.
 進行頭頸部がんに対して集学的治療として化学療法を施行するときは,他科や多職種との連携が必須となる.そのようなときに本書の副作用対策や支持療法を十分参考にしていただきたい.本書は,頭頸部腫瘍内科医として活躍する田原 信先生,清田尚臣先生の呼びかけによって頭頸部がん化学療法の経験豊富な多くの腫瘍内科医,そして頭頸部がん集学的治療を得意とする頭頸部外科医,放射線治療医の執筆を得ることができた.本書はわが国で初めての,頭頸部がん化学療法に特化したマニュアル本である.現在,世界中で頭頸部がんに対する新規治療開発をめざした臨床試験が多く行われている.そしてわが国でも日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)にJCOG頭頸部がんグループが設立され,わが国から発信するエビデンスをめざしている.このような状況の中で,本書は適時改訂されて最新の情報を掲載することを使命と考えている.そして,頭頸部がん化学療法を施行する際の座右の書として,多くの頭頸部がん患者のより良い治療に役立つことを願っている.

2014年4月

国立病院機構東京医療センター
臨床研究センター 耳鼻咽喉科
藤井正人

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目 次

第I部 総 論
1 薬物療法を始める前に〈清田尚臣〉
 1 頭頸部がんに対するがん薬物療法を始める前に
 2 頭頸部がんに対するがん薬物療法を行うときの注意点
Column 標準治療と臨床試験〈清田尚臣〉

2 頭頸部がんにおける薬物療法〈藤井博文〉
 1 薬物療法
 2 化学放射線療法
 3 導入化学療法
 4 補助療法
 5 緩和的薬物療法
Column JSMOの頭頸部癌薬物療法ガイダンスについて〈藤井博文〉

3 外来薬物療法〈田原 信〉
 1 外来薬物療法の意義
 2 外来薬物療法の実施状況とその課題
 3 外来薬物療法を実施する上で必要なもの

4 多職種との連携のしかた〈田原 信〉
 1 薬剤師の役割〈鈴木真也〉
 2 看護師の役割〈田中まり〉
 3 言語聴覚士の役割〈高橋美貴,丹生健一〉
 4 医療ソーシャルワーカーの役割〈坂本はと恵〉
Column がん治療に関わるお金のこと〈坂本はと恵〉

第II部 がん薬物療法各論
1 局所進行頭頸部がんに対する治療法
 1 CDDP併用化学放射線療法〈田原 信〉
 2 Weekly CDDP併用化学放射線療法〈本間明宏〉
 3 セツキシマブ併用化学放射線療法〈小野澤祐輔〉
 4 導入化学療法〈榎田智弘〉
Column 導入化学療法の考え方,今後の動向〈榎田智弘〉

2 転移・再発頭頸部がんに対する治療法
 1 5-FU+CDDP+セツキシマブ療法〈岡野 晋〉
 2 5-FU+CDDP療法(FP療法)〈上田百合,田原 信〉
 3 5-FU+CBDCA療法〈上田百合,田原 信〉
Column シスプラチン(プラチナ)製剤抵抗性とは〈横田知哉〉
 4 ニボルマブ〈今村善宣,清田尚臣〉
Column 免疫療法における新しい効果判定規準(RECIST)〈中村健一〉
 5 PTX+セツキシマブ併用療法〈横田知哉〉
 6 ドセタキセル療法〈仲野兼司〉
 7 Weekly PTX療法〈島田貴信〉
 8 TS-1療法〈横田知哉〉
Column 頭頸部がんとHPV〈家根旦有〉

3 甲状腺がんに対する薬物療法
 1 レンバチニブ〈田原 信〉
 2 ソラフェニブ〈田原 信〉
 3 バンデタニブ〈田原 信〉
Column 分子標的薬開始のタイミング〈田原 信〉
Column 分子標的薬の副作用管理〈田原 信〉

4 骨転移に対する治療法
 1 ゾレドロン酸による骨転移の治療〈高橋俊二〉
 2 デノスマブによる骨転移の治療〈高橋俊二〉
Column 頭頸部がんにおけるバイオマーカー〈濱 孝憲〉

第III部 頭頸部がん薬物療法の副反応対策と支持療法
1 副反応の対策
 1 発熱性好中球減少〈尾上琢磨,松本光史〉
 2 抗がん薬による嘔気・嘔吐〈長谷善明,清田尚臣〉
 3 腎障害(シスプラチンの減量規準を含む)〈門脇重憲〉
 4 電解質異常〈藤澤孝夫,田原 信〉
  a)低Na血症
  b)低Mg血症
 5 末梢神経障害,聴力障害〈後藤秀彰,清田尚臣〉
  a)抗がん薬による末梢神経障害
  b)抗がん薬による聴力障害
 6 EGFR阻害薬による皮膚反応・マネージメント〈山?知子〉
 7 薬剤性肺障害〈西村明子,清田尚臣〉
 8 抗体薬によるインフュージョンリアクション〈岡野 晋〉
 9 免疫関連有害事象〈今村善宣,清田尚臣〉

2 B型肝炎ウイルスの再活性化予防〈山田遥子,田原 信〉

3 支持療法
 1 放射線治療による粘膜炎〈全田貞幹〉
 2 口腔ケア〈上野尚雄〉
 3 放射線皮膚炎〈田中まり,石井しのぶ,全田貞幹〉
 4 栄養管理〈松浦一登〉
 5 胃瘻〈岡野 晋〉
 6 嚥下リハビリテーション〈高橋美貴,丹生健一〉
Column 支持療法のための研究グループ:J-SUPPORTについて〈全田貞幹〉

 4 頭頸部がんのQOL評価〈岡 智子〉

第IV部 付 録
1 TNM分類〈今村善宣,清田尚臣〉
2 CTCAE 4.0〈今村善宣,清田尚臣〉

索 引

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執筆者一覧

藤井正人  永寿総合病院耳鼻咽喉科部長/頭頸部腫瘍センター長 監修
田原 信  国立がん研究センター東病院頭頸部内科長 編集
清田尚臣  神戸大学医学部附属病院腫瘍センター教授 編集
藤井博文  自治医科大学附属病院腫瘍センター臨床腫瘍科 
鈴木真也  国立がん研究センター東病院薬剤部 
田中まり  国立がん研究センター東病院看護部 
高橋美貴  神戸大学医学部附属病院リハビリテーション部 
丹生健一  神戸大学医学部附属病院耳鼻咽喉・頭頸部外科 
坂本はと恵 国立がん研究センター東病院サポーティブセンター,がん相談支援センター 
本間明宏  北海道大学大学院医学研究院耳鼻咽喉科・頭頸部外科学教室 
小野澤祐輔 静岡がんセンター原発不明科 
榎田智弘  国立がん研究センター東病院頭頸部内科 
岡野 晋  国立がん研究センター東病院頭頸部内科 
上田百合  国立がん研究センター東病院頭頸部内科 
横田知哉  静岡県立静岡がんセンター消化器内科 
今村善宣  神戸大学医学部附属病院腫瘍・血液内科 
中村健一  国立がん研究センター中央病院研究企画推進部 
仲野兼司  がん研有明病院総合腫瘍科 
島田貴信  がん研有明病院総合腫瘍科 
家根旦有  近畿大学医学部奈良病院耳鼻咽喉科 
高橋俊二  がん研有明病院総合腫瘍科 
濱 孝憲  東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科 
尾上琢磨  兵庫県立がんセンター腫瘍内科 
松本光史  兵庫県立がんセンター腫瘍内科 
長谷善明  神戸大学医学部附属病院腫瘍・血液内科 
門脇重憲  愛知県がんセンター中央病院薬物療法部 
藤澤孝夫  国立がん研究センター東病院頭頸部内科 
後藤秀彰  神戸大学大学院医学研究科内科学講座腫瘍・血液内科学分野 
山崎知子  宮城県立がんセンター頭頸部内科 
西村明子  兵庫県立がんセンター腫瘍内科 
山田遥子  埼玉県立がんセンター乳腺腫瘍内科 
全田貞幹  国立がん研究センター東病院放射線治療科 
上野尚雄  国立がん研究センター中央病院歯科 
石井しのぶ 国立がん研究センター東病院看護部 
松浦一登  宮城県立がんセンター頭頸部外科 
岡 智子  神戸低侵襲がん医療センター歯科口腔外科 

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