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書籍詳細

統合失調症のみかた,治療のすすめかた

統合失調症のみかた,治療のすすめかた

松崎朝樹 著

A5判 260頁

定価(本体3,800円 + 税)

ISBN978-4-498-12996-2

2017年06月発行

在庫あり

患者数が多く、また適切な治療を受ければ回復する疾患であるにもかかわらず、適切な「みかた」や「治療のすすめかた」が広く理解されているとは言いがたい統合失調症の診療。いかにして統合失調症という「病」と向き合い、いかにして統合失調症患者という「人」に寄り添うべきかを丁寧に解説した「統合失調症の赤本」、ついに登場です。

●著者略歴

松崎朝樹(まつざきあさき)

1998年に筑波大学を卒業した後,同大学にて研修.精神科病院への勤務を経て,2008年から国立精神・神経医療研究センター,2014年より筑波大学医学医療系臨床医学域精神神経科診療講師.マジックを趣味とし,英国と米国の世界大会で優勝した経歴を持ち,医学生や看護学生などの講義,医療者向けの講演を多数行い,2016年にベストティーチャーを受賞.日頃より研修医や臨床実習の学生の指導にあたっている.

著書/DVD
『気分障害ハンドブック』(監訳)
『DSM-5をつかうということ─その可能性と限界』(監訳)
『語呂で覚える!DSM-5』
『Dr.松崎のここまで!これだけ!うつ病診療/ケアネットDVD』
『精神科診断戦略: モリソン先生のDSM-5徹底攻略case130』(監訳)

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 統合失調症と診断したら,抗精神病薬で治療するところまでについては何の迷いもない.ただ,医療者が忘れがちなのは,それが非医療者からすれば常識ではないということだ.それをただ「薬を続ける必要がある」とだけ説明しても患者の行動に与える影響には限りがあり,より良い医療の実践には患者への動機付けに足る理由につき情報をできるだけ具体的に提供できなければならない.
 そして,薬で治療するにしても,どのような薬でどのように治療するのかは,現場にいる医療者の手に委ねられている.多剤を避け大量を避けベンゾジアゼピンを無闇に使わないようにした方がいいとは耳にしていても,実行できずにいることも少なくない.その実行には医療者が,理想的な薬物治療が何かを知るだけでなく,そのような薬の使用の動機付けに足る理由をできるだけ具体的に知らなければならない.ただ目の前の症状に合わせて短期的な視点で薬を処方するだけでは患者の長期的な幸福に繋がらないことも少なくなく,統合失調症に薬を処方してきた個人的な経験だけでは足りないことも多い……それは患者のためにともがき続けてきた結果として多くの患者が多剤大量処方にたどり着いてしまってきたことがもの語っている.各々がこれまで積み重ねてきた経験に加えて,医学的な知識を身に着けて初めて本当に目指すべき薬物治療へと歩みを進めることができるはずだ.
 本書はガイドラインなどとは違い,その内容が臨床に生かされるよう,無味乾燥な事実の羅列で終えずに一冊丸ごと読み通してもらえる内容を心がけ,その数字などを頭に入れていただくための工夫も随所に盛り込むことに努めた.
 今,こうして本書を手に取っている読者の立場も様々であろう.医学生や看護学生などの医療系の学生,さらには初期研修医かもしれず,精神医療に関わる看護師や精神保健福祉士や薬剤師かもしれず,精神科専門医,そして精神科専門医を目指す精神科医かもしれない(本書には精神科専門医になるために知るべきことも沢山詰め込んでおいた).中には,統合失調症の家族がいたり自分自身が統合失調症だったり,そんな医療者ではない人もいるかもしれない.本書を,各々の立場なりに統合失調症について理解を深める機会にしていただきたい.
 ただ抗精神病薬を使って満足していてはならず,統合失調症について我々が知るべきことは山ほどあるはずだ.いかにして統合失調症という「病」と向き合い,いかにして統合失調症患者という「人」に寄り添うのか,それを知り,それを考えるきっかけに本書がなればこの本を書いた甲斐があるというものだ.読者でいる皆様を通して,精神障害に苦しむ者やその家族,そして患者とともにある医療者にとり,希望の一冊となることを心から願っている.

2017年5月
松崎朝樹

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目次
 
I 統合失調症のみかた
 1 診断
  ・症状
  ・期間
  ・除外診断
 2 妄想
  ・妄想気分
  ・抑うつ状態に親和性のある妄想
  ・躁状態に親和性のある妄想
  ・高齢者に親和性のある妄想
  ・その他
  ・妄想への対応
 3 幻覚
  ・幻聴の確認
  ・幻聴に対する問題意識
 4 連合弛緩
  ・まとまらない発言
  ・まとまらない行動,または緊張病性の行動
 5 陰性症状
  ・陽性症状と陰性症状の2分類
  ・陰性症状
 6 亜型分類
 7 緊張病
 8 統合失調感情障害
 9 精神病症状を引き起こす様々な病態
  ・気分障害
  ・身体醜形障害
  ・ナルコレプシー
  ・薬物の乱用
  ・抗NMDA受容体脳炎
  ・てんかん精神病
  ・CNSループス/ループス精神病
  ・ステロイド精神病
  ・認知症
  ・神経性やせ症
  ・パーキンソン病
 10 ARMS
 11 仮説
  ・神経発達障害・神経変性仮説
  ・ドパミン仮説
  ・セロトニン仮説
  ・グルタミン酸仮説
  ・脆弱性-ストレスモデル
  ・サリエンス仮説
 12 頻度や予後
  ・頻度
  ・発症リスクを高める要因
  ・遺伝
  ・母胎の状態
  ・トキソプラズマ感染
  ・男女差
  ・経過
  ・予後
 
II 統合失調症の治療のすすめかた
 1 急性期の治療
  ・注射/点滴
  ・急性期に用いる抗精神病薬以外の薬物
 2 薬を継続すべきか
  ・急性期に用いられていた抗精神病薬以外の薬物
 3 多剤大量療法を避けよ
 4 その薬は脳まで届くのか
 5 薬ごとの特徴
  ・SDA
  ・MARTA
  ・SDAでもMARTAでもない非定型抗精神病薬
  ・定型抗精神病薬
 6 その症状を数値化するには
  ・PANSS
  ・PANSS-EC
  ・BPRS
  ・CRDPSS
  ・DIEPSS
 7 錐体外路症状
  ・アカシジア
  ・ジストニア
  ・ジスキネジア
  ・パーキンソニズム(パーキンソン症候群)
  ・治療
 8 身体的問題
  ・静脈血栓塞栓症
  ・高プロラクチン血症
 9 死亡リスク
  ・自殺のリスク
  ・心臓のリスク
 10 自殺リスク
 11 持効性注射剤
  ・なぜLAIを用いるのか?
  ・LAIで死亡リスクは増えるのか?
  ・LAIならではの薬効
  ・再発予防
  ・負担軽減
 12 LAIの提案方法
  ・通院間隔
  ・リスク
  ・費用
  ・注射部位
  ・注射の量
  ・初回発症の患者
  ・紹介されてきた患者
  ・つぶやき
  ・時間と回数
  ・新しい生活習慣
  ・1回お試し
  ・服薬状況や再発を振り返って
  ・入院患者
  ・患者を大人として扱う
 13 電気けいれん療法
 14 病識とアドヒアランス
  ・病名告知
  ・病識
  ・薬物治療の「乱れ」
  ・薬物治療の「拒否」
  ・処方内容の問題
 15 非告知投薬
 16 心理教育,SSTなど
  ・心理教育
  ・家族療法
  ・認知行動療法CBTp
  ・社会技能訓練 SST
  ・デイケア,作業所
 
索 引

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執筆者一覧

松崎朝樹 筑波大学精神神経科診療講師 著

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   2017年06月発行
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