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書籍詳細

認知症治療薬の考え方、使い方

認知症治療薬の考え方、使い方

中島健二  編著

A5判 224頁

定価(本体3,800円 + 税)

ISBN978-4-498-12988-7

2017年06月発行

在庫あり

高齢者の認知症有病率が高まるにつれ、必ずしも認知症を専門としない非専門医が薬物療法を行う機会もより一層増えることが予想される。非薬物治療の解説は他書に譲り、本書では抗認知症薬、抗精神病薬、抗うつ薬、睡眠薬、抗不安薬、気分安定薬、漢方薬、排尿障害治療薬、高血圧治療薬など、認知症患者の診療に用いられる薬物療法に焦点を絞り、それらの処方の実際や注意点など医療従事者が知っておくべき必要知識を解説した。

はじめに


 認知症の増加が指摘されている.以前は治療薬がないと言われてきた認知症においても薬物療法が発展し,認知症治療が注目されてきている.現在では4種類のAlzheimer型認知症治療薬が使用され,また,開発中の認知症治療薬もある.さらに,認知症の行動・心理症状(behavioral and psychological symptoms of dementia: BPSD)に対して非薬物療法と共に種々の治療薬を用いた薬物療法も行われる.認知症疾患の診療ガイドラインも作成され,認知症治療への関心が高まっている.

 認知症者はきわめて多数であり,認知症の治療は,専門医のみならず,必ずしも認知症を専門とはしていない非専門医を含めた多くの医師により行われる.また,認知症者が他の疾病により診療を受ける場合も多く,他領域の医師も認知症への対応が求められ,認知症治療への理解を必要とする機会も少なくない.このような状況から,認知症診療に用いられる薬物療法に焦点を絞り,処方の実際や注意点など,医療従事者が知っておきたい必要な知識を解説する書の作成が計画され,ここに出版されることになった.

 本書は認知症の治療薬について解説する書物ではあるが,非薬物療法を軽んじる訳では決してない.認知症の治療においては薬物治療と非薬物治療を適宜組み合わせて行うことが求められ,BPSDに対しては原則として非薬物治療を薬物治療より優先的に行う場合もある.

 薬物療法を行う際には使用している薬剤の有害事象を理解してその出現に注意を払う必要があり,有害事象出現の有無を確認すると共に投薬の必要性を継続的に評価しながら薬物療法を行っていくことも求められる.本書はあくまで認知症の薬物療法を簡便に理解することを目ざして作成されており,本書が臨床現場で活用されて認知症の日常診療に役立つことを期待する.


平成29年5月

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目 次
 
Chapter I  認知症概説
 ❶ 認知症概説 〈中島健二〉
  1.認知症とは
  2.認知症,認知機能障害をきたす原因
  3.認知症の診断
  4.代表的な認知症
 
Chapter II  総論
 ❶ 抗認知症薬 〈和田健二〉
  1.抗認知症薬とは
  2.抗認知症薬の種類
  3.Alzheimer型認知症における治療選択と薬剤の使い分け
  4.服薬コンプライアンス(アドヒアランス)
 ❷ 抗精神病薬 〈中西亜紀〉
  1.抗精神病薬とは
  2.認知症診療において抗精神病薬の使用はどのように考えるか:基本姿勢
  3.認知症診療における抗精神病薬の使用の実際
 Column 1 BPSDへの抗精神病薬の使用とFDA勧告
 Column 2 BPSDやせん妄が出現すると何が困るのか
 Column 3 薬かケアか
 ❸ 抗うつ薬 〈上村直人 藤戸良子〉
  1.認知症と抑うつ・うつ状態の疫学と抗うつ薬使用の意義
  2.抗うつ薬の種類と使い方
  3.高齢者に対する抗うつ薬の選択時に考慮すべきこと
 Column 4 うつとアパシー
 Column 5 抗うつ薬としてのスルピリド
 Column 6 抗うつ薬によるactivation syndromeと離脱症候群(セロトニン症候群)
 ❹ 睡眠薬,抗不安薬 〈柏原健一〉
  1.睡眠薬
  2.抗不安薬
 Column 7 睡眠環境の指導
 ❺ 気分安定薬(抗てんかん薬) 〈足立 正〉
  1.気分安定薬が対象となりうる認知症での病態
  2.認知症と気分障害(特に躁状態)について
  3.薬物治療の実際
 Column 8 双極性障害と嗜銀顆粒性認知症
 ❻ 認知症の治療と漢方 〈水上勝義〉
  1.認知障害
  2.BPSDに対する漢方薬
  3.漢方治療の特徴
 ❼ 排尿障害治療薬 〈山崎峰雄〉
  1.排尿障害治療薬の理解に必要なミニマム解剖と薬理
  2.認知症で合併しやすい排尿障害
  3.排尿障害の薬物治療の実際
  4.薬剤による排尿障害
  5.認知症疾患治療ガイドラインから
 ❽ 高血圧治療薬 〈余郷麻希子 森田昌代 鈴木正彦〉
  1.血管性認知症(VaD)
  2.Alzheimer型認知症
  3.高血圧治療薬各論
 
Chapter III  各論
 ❶ Alzheimer型認知症の治療 〈古和久朋〉
  1.抗認知症薬
  2.BPSDガイドラインに登場する他の薬剤について
  3.軽度認知障害(mild cognitive impairment:MCI)に対する薬物治療介入について
 Column 9 根本治療薬開発の現状
 ❷ 血管性認知症(VaD) 〈猪原匡史〉
  1.VaDの診断基準
  2.VaDのタイプ別分類
  3.VaDの画像所見
  4.VaDの危険因子とその管理目標
  5.VaDにおける抗血栓療法
  6.VaDの認知機能障害に有効な薬物
 Column 10 微小出血の原因は?
 ❸ Lewy小体型認知症 〈高橋牧郎〉
  1.DLBの薬物治療
  2.DLBに対する非薬物療法
 Column 11 DLBに対する疾患修飾薬開発への展望
 ❹ 前頭側頭葉変性症 〈新井哲明〉
  1.非薬物療法
  2.薬物療法
 ❺ 進行性核上性麻痺,大脳皮質基底核変性症〈瀧川洋史 古和久典 中島健二〉
  1.疾患概念と疫学
  2.臨床的特徴(臨床亜型,重症度分類)
  3.診断基準・鑑別診断
  4.病態機序
  5.経過
  6.治療
 ❻ せん妄 〈玉置寿男 布村明彦〉
  1.せん妄の診断
  2.せん妄の疫学
  3.せん妄の評価尺度
  4.せん妄の危険因子
  5.せん妄の予防
  6.せん妄への救急的対応
  7.せん妄の治療
 
薬剤索引
 
事項索引

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執筆者一覧

中島健二  松江医療尾センター 院長 編著
和田健二  鳥取大学医学部附属病院神経内科講師 
中西亜紀  大阪市立弘済院附属病院副病院長 
上村直人  高知大学精神科講師 
藤戸良子  芸西病院精神科 
柏原健一  岡山旭東病院神経内科部長 
足立 正  鳥取大学医学部脳神経内科助教 
水上勝義  筑波大学大学院人間総合科学研究科教授 
山崎峰雄  日本医科大学千葉北総病院神経内科病院教授 
余郷麻希子 慈恵会医科大学葛飾医療センター神経内科助教 
森田昌代  慈恵会医科大学葛飾医療センター神経内科助教 
鈴木正彦  慈恵会医科大学葛飾医療センター神経内科准教授 
古和久朋  神戸大学大学院保健学研究科教授 
猪原匡史  国立循環器病研究センター脳神経内科部長 
高橋牧郎  大阪赤十字病院神経内科部長 
新井哲明  筑波大学精神神経科教授 
瀧川洋史  鳥取大学医学部附属病院神経内科助教 
古和久典  松江医療センター診療部長 
玉置寿男  山梨大学医学部附属病院精神科講師 
布村明彦  山梨大学医学部附属病院精神科准教授 

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   定価4,104円(本体3,800円 + 税)
   2017年06月発行
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