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書籍詳細

周術期医療安全Q&A70−周術期管理チームが創る多職種連携

周術期医療安全Q&A70−周術期管理チームが創る多職種連携

南 敏明  監修 / 駒澤伸泰  編著

A5判 254頁

定価4,180円(本体3,800円 + 税)

ISBN978-4-498-05528-5

2017年06月発行

在庫あり

医療安全を限りなく向上させ,患者さんの利益を最大にする.「周術期管理チーム」は,ベストな医療を提供するために必要不可欠な多職種連携の概念です.本書は,そのような「周術期管理チーム」による周術期医療安全を実現するために,知っておくべき周術期管理・医療安全に関する知識と考え方をQ&A形式でわかりやすくまとめました.

監修者

南   敏 明(みなみ としあき)

大阪医科大学麻酔科学教室教授

略歴
1987年03月 大阪医科大学卒業
1987年06月 大阪医科大学麻酔科学教室に入局
1993年03月 大阪医科大学大学院修了,医学博士
2002年04月〜 大阪医科大学麻酔科学教室教授
2005年10月〜 大阪医科大学附属病院中央手術部長
2006年06月〜 関西医科大学客員教授
2012年04月〜 大阪医科大学附属病院副院長
賞罰
1994年11月 平成6年度日本医師会医学研究奨励賞
1998年04月 1997年度Astra Research Award
専門医
日本麻酔科学会専門医・指導医,日本ペインクリニック学会専門医
研究テーマ
神経障害性痛の発現機構の解明と治療薬の開発


編著者

駒 澤 伸 泰(こまざわ のぶやす)

大阪医科大学附属病院医療技能シミュレーション室 副室長
(同麻酔科学教室教育主任・助教)

略歴
2006年 大阪大学医学部卒業.大阪大学医学部附属病院,宝塚市立病院,兵庫県立がんセンターなどで研修
2013年〜 大阪医科大学附属病院医療技能シミュレーション室副室長(同麻酔科学教室助教)
2015年 ハワイ大学シミュレーションセンターSimTikiに留学
資格
日本麻酔科学会専門医,日本緩和医療学会専門医,
日本ペインクリニック学会専門医,日本蘇生学会指導医,
Certificate Healthcare Simulation Educator
 (Society of Simulation and Healthcare公認)
日本医学教育学会認定医学教育専門家
研究テーマ
シミュレーションを用いた多職種連携教育,鎮静安全管理,緊急時気道確保とその訓練

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監修の言葉

 「周術期医療安全Q&A70─周術期管理チームが創る多職種連携」.本書全体のキーワードは,周術期,チーム医療,医療安全となります.
 周術期管理は,医師,看護師,薬剤師,臨床工学技士,中央材料,物流,清掃,事務職員などからなる究極のチーム医療であり,究極の医療安全です.本書は,いろいろな診療科の医師,看護師,臨床工学技士が執筆しており,チーム医療の一つと言えます.

 昨今の医療事故を基に,特に手術適応判断の厳格化が提唱されています.
 ●外来で診療科内の担当チーム (担当医1名だけではなく) により治療方針を検討する.
 ●インフォームド・コンセントを行う.
 ●適切な熟慮期間を用意する.
 ●入院後,症例検討会を行う.
 ●インフォームド・コンセントを行う.
 ●同意書を作成する.
 ●手術を施行する.

 インフォームド・コンセントも,「承諾をとる」こととは同義ではありません.
病名,病状,手術の内容,手術によるリスク,他に取りうる治療手段,その利害得失 (予後の違い) を説明し,熟慮する十分な時間の後,承諾をとるとともに,診療録などに記載することが必要です.
また,研修医にも医療安全や感染の会議への出席が義務付けられようとしています.

 本書は,このような最新の医療安全に関する事項を網羅するだけではなく,なぜ,何のために必要であるのかを解説しています.
本書はあくまでも周術期管理,医療安全の入り口であり,興味を持っていただき,さらなる成書へと繋げられれば,目的達成となります.
 最後に,このような企画に対応して頂いた中外医学社に深謝致します.

2017年5月
大阪医科大学麻酔科学教室教授  南 敏明


編者あとがき

 急性期医療である手術室医学の最大の特徴は「診療密度が高いのに,不確実性が高い」ことです.周術期に外科,麻酔科を始めとする医師,手術室看護師,病棟看護師を始めとする看護師などの医療従事者は,診断および評価,治療方針決断,修正を常に繰り返しながら複雑なタスクを処理していきます. 
 周術期の医療安全管理では,処理量の複雑さと多様さのため,修正が必要なミスは必ず発生します.これは1人の医療従事者だけで対応できるのではなく,メディカルスタッフ全体のチームとしての協力体制が不可欠となります.
 すなわち,我々が意識するとしないにかかわらず,周術期においてはチーム医療が必須であり,その仕事の質をいかに高めるかは,他職種・他診療科との連携,「多職種連携としての周術期管理チーム」にほかなりません.

 よき周術期管理チームとなるには,患者さんの「予後」と「生活の質(QOL)」と「医療安全」という共通目標に向かって多職種連携を高めていくことが必要です.「多職種連携」とは患者さんのメリットと安全を考慮しながら「連携の中で自分の役割を考える」ことだと思います.この本は,様々な職種や診療科が周術期医療安全について注意していることを,他診療科・他職種に知ってもらうことを目的に作成しました.この本が,日本における周術期管理チームの育成,周術期医療安全向上に少しでもお役に立てば幸いです.

 このような診療科・職種横断形式の書籍作成に関し,執筆いただきました大阪医科大学および教育病院群,合同シミュレーション教育プロジェクトの皆様に心より感謝申し上げます.さらに監修をいただきました南敏明麻酔科教授に心より感謝申し上げます.そして,私の様々なイラストや編集希望に我慢強くお付き合いいただきました中外医学社企画部五月女謙一様,編集部上村裕也様にも心より御礼申し上げます.

2017年5月
駒澤伸泰

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目次
 
周術期管理チームの意義−多職種連携とは他職種を知ることから 〈駒澤伸泰〉
 
Chapter 1 術前準備編
 Q1 術前内科コンサルテーションはどのように行いますか?  〈佐野博昭〉
 Q2 麻酔科コンサルテーションはどのような場合に必要ですか? 〈藤原 淳〉
 Q3 術前歯科口腔外科コンサルテーションはどんな意味がありますか? 〈大森実知〉
 Q4 術前禁煙指導はどのような意味がありますか? 〈植木隆介〉
 Q5 深部静脈血栓症の対応について教えてください. 〈澤井俊幸〉
 Q6 間欠的下肢圧迫法と弾性ストッキングについて教えてください. 〈澤井俊幸〉
 Q7 手術説明時に注意すべきことは何ですか? 〈山本誠士〉
 Q8 麻酔説明時に注意すべきことは何ですか? 〈三原良介〉
 Q9 手術決定時の患者指導はどのようなものですか? 〈河合 英〉
 Q10 手術前日からの患者指導で大切なことは何ですか? 〈佐野博昭〉
 Q11 手術前の絶飲食はどのように行えばよいですか? 〈中尾謙太〉
 Q12 手術前患者にはどのように接すればよいですか? 〈溝口美和〉
 Q13 出棟前の確認点を教えてください. 〈林 道廣〉
 Q14 小児患者の術前注意点を教えてください. 〈松波小百合〉
 
Chapter 2 全身麻酔導入時の医療安全
 Q15 患者入室時に確認・注意することを教えてください. 〈灘本 武〉
 Q16 点滴確保時の注意点を教えてください. 〈藤原 淳〉
 Q17 全身麻酔導入時の注意点を教えてください. 〈藤原 淳〉
 Q18 硬膜外麻酔・脊髄くも膜下麻酔施行時の注意点を教えてください. 〈服部一生〉
 Q19 小児の緩徐導入時の注意点を教えてください. 〈松波小百合〉
 Q20 気道確保時の注意点を教えてください. 〈城戸晴規〉
 Q21 中心静脈確保で注意すべき点は何ですか? 〈駒澤伸泰〉
 Q22 体位変換時の注意点を教えてください. 〈城戸晴規〉
 Q23 周術期神経障害予防について教えてください. 〈日南淳子〉
 Q24 予防抗菌薬投与の意義について教えてください. 〈上野健史〉
 Q25 タイムアウトの意義を教えてください. 〈上野健史〉
 
Chapter 3 手術中の医療安全
 Q26 腹腔鏡下手術の注意点について教えてください. 〈田中慶太朗〉
 Q27 呼吸器外科手術の注意点について教えてください. 〈花岡伸治〉
 Q28 耳鼻咽喉科手術の注意点について教えてください. 〈東野正明〉
 Q29 脳神経外科手術の注意点について教えてください. 〈川端信司〉
 Q30 心臓外科手術の注意点について教えてください. 〈大門雅広〉
 Q31 ターニケットの注意点について教えてください. 〈横田淳司〉
 Q32 脊椎手術の注意点について教えてください. 〈中野敦之〉
 Q33 電気メスの注意点について教えてください. 〈林 昌孝〉
 Q34 シリンジポンプの注意点について教えてください. 〈岩崎孝敏〉 
 Q35 輸血施行時の注意点について教えてください. 〈三原良介〉
 Q36 術中輸液管理について教えてください. 〈植木隆介〉
 Q37 摘出標本の扱いの注意点を教えてください. 〈田代圭太郎〉
 Q38 閉創時に確認するべきことを教えてください. 〈灘本 武〉
 Q39 術後レントゲンの意義を教えてください. 〈三原良介〉
 Q40 術後における患者さんの搬送時に注意すべき点を教えてください. 〈安宅一晃〉 
 Q41 患者さん退室時の申し送り事項について教えてください. 〈中山 舞〉
 
Chapter 4  麻酔覚醒・術後の医療安全
 Q42 麻酔覚醒時の注意点について教えてください. 〈田中源重〉
 Q43 抜管後の注意点について教えてください. 〈田中源重〉 
 Q44 術後のシバリングの対応について教えてください. 〈田中源重〉 
 Q45 術後せん妄の対応について教えてください. 〈辰巳真一〉
 Q46 術後嘔気の対応について教えてください. 〈辰巳真一〉
 Q47 術後鎮痛で気をつけるべき点は何ですか? 〈駒澤伸泰〉
 Q48 術後鎮痛に関して病棟看護師・外科医への申し送り時に重要なことは何ですか? 〈中山 舞〉
 Q49 持続オピオイド投与時の注意点を教えてください. 〈藤原俊介〉
 Q50 持続硬膜外鎮痛の注意点を教えてください. 〈藤原俊介〉
 Q51 術後のドレーン管理について教えてください. 〈林 道廣〉 
 Q52 術後の集中治療室における管理の注意点を教えてください. 〈安宅一晃〉
 Q53 翌朝の第一歩行時の注意点について教えてください. 〈佐藤 澄〉
 Q54 術後のリハビリテーションについて教えてください. 〈冨岡正雄〉
 
Chapter 5 局所麻酔手術・日帰り手術の注意点
 Q55 局所麻酔手術の注意点を教えてください. 〈西原 功〉 
 Q56 日帰り手術の注意点を教えてください. 〈西原 功〉
 Q57 鎮静管理で注意すべき点は何ですか? 〈駒澤伸泰〉 
 Q58 鎮静後の患者指導で大切な点は何ですか? 〈駒澤伸泰〉 
 Q59 局所麻酔薬中毒の予防と対応について教えてください. 〈藤原俊介〉
 
Chapter 6 緊急時の対応
 Q60 アナフィラキシーの対応について教えてください. 〈趙 崇至〉
 Q61 術中喘息発作の対応について教えてください. 〈趙 崇至〉
 Q62 気道火災時の対応について教えてください. 〈植木隆介〉
 Q63 術中に心筋梗塞を疑った場合の対応について教えてください. 〈羽場政法〉
 Q64 術中に肺塞栓症を疑った場合の対応について教えてください. 〈羽場政法〉
 Q65 術中に大量出血があった場合の注意点を教えてください. 〈羽場政法〉
 Q66 術中心停止時の対応を教えてください. 〈趙 崇至〉
 
Chapter 7 周術期管理チーム育成のために
 Q67 周術期管理チームとは何ですか? 〈駒澤伸泰〉
 Q68 周術期管理チームの訓練には何が必要ですか? 〈駒澤伸泰〉
 Q69 多職種間の理解に必要なアプローチは何ですか? 〈村尾 仁〉
 Q70 効果的なコミュニケーションとはどういうものですか? 〈村尾 仁〉
 
編者あとがき 〈駒澤伸泰〉 
 
索引

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執筆者一覧

南 敏明  大阪医科大学麻酔科学教室教授 監修
駒澤伸泰  大阪医科大学麻酔科学教室助教 編著
佐野博昭  大阪医科大学麻酔科助教(准) 
藤原 淳  大阪医科大学麻酔科助教(准) 
大森実知  大阪医科大学口腔外科助教(准) 
植木隆介  兵庫医科大学麻酔科学・疼痛制御科学講座講師 
澤井俊幸  大阪医科大学麻酔科准教授 
山本誠士  大阪医科大学一般・消化器外科助教 
三原良介  大阪医科大学麻酔科助教 
河合 英  大阪医科大学一般・消化器外科講師 
中尾謙太  大阪医科大学麻酔科助教(准) 
溝口美和  大阪医科大学附属病院看護部 
林 道廣  大阪医科大学一般・消化器外科 医学教育センター専門教授 
松波小百合 大阪医科大学麻酔科 
灘本 武  大阪医科大学附属病院看護部中央手術室看護主任 
服部一生  大阪医科大学麻酔科助教 
城戸晴規  大阪医科大学麻酔科助教 
日南淳子  大阪医科大学附属病院看護部中央手術室看護主任 
上野健史  大阪医科大学麻酔科助教(准) 
田中慶太朗 大阪医科大学一般・消化器外科特別任命教員教授 
花岡伸治  大阪医科大学呼吸器外科准教授 
東野正明  大阪医科大学耳鼻咽喉科・頭頸部外科講師 
川端信司  大阪医科大学脳神経外科講師 
大門雅広  大阪医科大学心臓血管外科診療准教授 
横田淳司  大阪医科大学整形外科講師(准) 
中野敦之  大阪医科大学整形外科講師(准) 
林 昌孝  大阪医科大学附属病院臨床工学室主任 
岩崎孝敏  大阪医科大学附属病院臨床工学室技士長補佐 
田代圭太郎 大阪医科大学一般・消化器外科助教 
安宅一晃  奈良県総合医療センター集中治療部部長 
中山 舞  大阪医科大学附属病院看護部 
田中源重  第一東和会病院麻酔科部長 
辰巳真一  大阪医科大学麻酔科講師 
藤原俊介  大阪医科大学麻酔科講師 
佐藤 澄  大阪医科大学呼吸器外科講師(准) 
冨岡正雄  大阪医科大学リハビリテーション科准教授 
西原 功  北摂総合病院麻酔科部長 
趙 崇至  松下記念病院麻酔科部長 
羽場政法  国保日高総合病院麻酔科部長 
村尾 仁  大阪医科大学附属病院医療安全推進部准教授ゼネラルリスクマネージャー 

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周術期医療安全Q&A70−周術期管理チームが創る多職種連携
   定価4,180円(本体3,800円 + 税)
   2017年06月発行
(外部のサイトへとびます)
周術期医療安全Q&A70−周術期管理チームが創る多職種連携
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