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書籍詳細

ここが知りたい! 高齢者糖尿病診療ハンドブック

ここが知りたい! 高齢者糖尿病診療ハンドブック

横手幸太郎 監修 / 栗林伸一 編著 / 岩岡秀明 編著

A5判 190頁

定価(本体3,200円 + 税)

ISBN978-4-498-12378-6

2017年05月発行

在庫あり

全患者の約半数を高齢者が占める糖尿病.認知・身体機能が低下した患者に適切な治療を行うには,医師・医療者が高齢者の特徴を踏まえた知識とノウハウを身につける必要がある.学会からEvidenceに基づくガイドラインが公表されるのと軌を一にして,Experienceに根差す実践的な考え方を提示.『ここが知りたい!糖尿病診療ハンドブック』の姉妹書.

はじめに

「高齢者は75歳以上」という新しい定義が提案され話題になった.国民の4人に一人が65歳以上となり少子超高齢社会と呼ばれる日本だが,高齢者の多くは10〜20年前に比べて体力や考え方が若返っているとされる.一方,加齢に伴う認知・身体機能の低下は誰しも避けることができず,その状況は人それぞれで多様となる.特に糖尿病は,全患者数の約半分を高齢者が占めるとされ,認知・身体機能の低下がその管理を難しくし,合併症を生じればさらに機能が落ちてしまうという性質をもつ.
「子どもは小さな大人ではない」という理由から小児科という専門診療科が存在する.大人はいくら歳をとっても大人に違いないが,75歳,80歳と齢を重ねるにつれ,若年者とは異なる様々な身体的特性や病態を示すようになる.真の健康長寿社会を実現するためには,我々医師・医療従事者がもっと高齢患者の特徴を知り,好適な治療の手法を身に付ける必要があるといえよう.
このような考え方と軌を一にして,日本糖尿病学会と日本老年医学会は,高齢者糖尿病の治療の質向上のための合同委員会を設置,2016年に「高齢者糖尿病の血糖コントロール目標」を提案した.そして,本年,「高齢者糖尿病診療ガイドライン」が公表される予定である.本書は,この合同委員会によるガイドライン(以下,ガイドラインと略)とは独立して執筆された.ガイドラインが,最新かつ膨大なエビデンス(Evidence)に基づいて高齢者糖尿病診療のあり方を客観的に指し示すのに対し,こちらはエビデンスを大切にしつつも,主として第一線で働く糖尿病専門医の経験(Experience)を重視したことに最大の特徴がある.
本書は,実践的な診療ガイドブックとして好評を博している「ここが知りたい!糖尿病診療ハンドブックVer.3(岩岡秀明,栗林伸一,編)」の姉妹書である.その長所を受け継ぎ,重要なポイントを「ここが重要!」として冒頭に,特にしてはいけないこと・注意すべきことを「これはご法度」として該当箇所にまとめた.さらに,各項目に「症例呈示」を行い,典型例や教訓的な事例をわかりやすく記載,主要症候からのアプローチや鑑別診断を重視し,ポイントを具体的に学べるようにした.検査とその数値に関する基本的な知識も,コンパクトに理解しやすく整理して提供するよう工夫してある.
本書は沢山の方々のご尽力により出版された.中でも企画段階から中心的な役割を果たし,糖尿病診療に対して人一倍の熱意を持ち,多くの医師・医療スタッフに影響を与えた松尾 哲先生のお名前を記したい.松尾先生の遺志を継ぎ,本書が第一線臨床医の感覚に基づく高齢者糖尿病診療のエッセンスを集約した手引きとして,多くの医師・医療スタッフのスキル向上に役立ち,患者さんの健康寿命延伸に資することを心から願う次第である.

平成29年4月
横手幸太郎

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目 次
第1章 総論
1.糖尿病患者の高齢化問題(高齢者の糖尿病診療概論)〈竹本 稔〉
 1.高齢者糖尿病患者数
 2.高齢者糖尿病患者の特徴(総論)
 3.高齢者糖尿病患者の治療と目的
2.高齢者糖尿病の血糖コントロール目標〈山本恭平〉
 1.患者の特徴や健康状態を判断(カテゴリー分類)
 2.低血糖を惹起する薬剤の使用の有無
 3.サポート体制
 4.後期高齢者(特に80歳以上)

第2章 老年症候群と高齢者糖尿病
1.老年症候群とは〈岩岡秀明〉
2.身体的フレイル・サルコペニア・ロコモティブシンドローム〈栗林伸一〉
 1.フレイル(frailty)
 2.サルコペニア(sarcopenia)
 3.ロコモティブシンドローム(locomotive syndrome)
3.高齢者のうつと認知症〈上野秀樹〉
 A.うつ病
 B.認知症
4.ADLの低下と認知症の簡単な見分け方〈石川崇広 横手幸太郎〉
 1.高齢者糖尿病の特徴と問題点
 2.包括的高齢者機能評価(CGA)とは
 3.BADLの評価方法
 4.IADLの評価方法
 5.認知症の評価方法
 6.うつ症状の評価方法
 7.外来でも施行可能な総合的な機能評価
 8.高齢者糖尿病において総合的機能評価を行う意義

第3章 高齢者糖尿病の対策と診療のコツ
1.食事療法(咀嚼機能と嗜好の変化について,医科の立場から)〈小倉香名 竹本 稔〉 
 1.高齢者糖尿病と食事療法
 2.高齢者の身体組成変化
 3.摂食嚥下障害
 4.‌摂食嚥下障害を有する高齢者糖尿病患者の食事療法のポイント
 5.嗜好の変化と食事療法
 6.低栄養と食事療法
2.口腔フレイル対策,歯科受診・治療の必要性(歯科の立場から)〈工藤値英子 三辺正人〉 
 1.口腔フレイルとは
 2.高齢者糖尿病における口腔フレイルに関わる問題点
 3.高齢者における口腔フレイル予防対策
3.運動療法(サルコペニア・ロコモ対策として高齢者に勧められる運動療法について)〈長阪裕子 栗林伸一〉 
 1.運動療法・身体活動の意義と目的
 2.運動療法を行う前に必要な評価
 3.高齢者に運動療法を勧める際の留意点
 4.運動の実際
 5.よりアクティブに社会参加を!
4.高齢患者にやる気を出させるコツ〈坂根直樹〉 
 1.高齢糖尿病患者に多い言い訳(心理学的抵抗)
 2.高齢者の食習慣の特徴を知る
 3.高齢糖尿病患者の心理状況の把握と対処法
 4.変化ステージと行動変容の技法
 5.高齢患者のやる気を引き出す方法
5.重要な感染症とその際の血糖コントロール,感染防止策〈岩岡秀明〉  
 1.高齢糖尿病患者で重要な感染症
 2.感染症時の血糖コントロール
 3.糖尿病患者の感染防止策
6.End of Life〈高林克日己〉  
 1.超高齢社会と在宅診療
 2.糖尿病とエンドオブライフ

第4章 高齢者糖尿病の薬剤管理
1.高齢者,特に認知症における薬剤管理〈荒木 厚〉 
 1.高齢者糖尿病と認知症
 2.血糖コントロールと認知機能障害,認知症
 3.認知症の診断と治療
 4.認知症合併の高齢者糖尿病の薬物治療
 5.認知症合併の高齢者糖尿病の血糖コントロール目標
 6.認知症合併の高齢者糖尿病の教育(食事・運動など)
2.低血糖防止のための薬剤管理と注意点〈岡 怜奈 龍野一郎〉 
3.腎機能低下時の薬剤管理〈関 直人〉 
 1.高齢者糖尿病患者の腎機能とその評価
 2.糖尿病治療薬を処方する際の注意
4.高齢1型糖尿病の治療と薬剤管理〈松尾 哲〉 
 1.高齢者1型糖尿病の臨床像は多様(個別対応が重要!)
 2.高齢者1型糖尿病の管理とコントロールの目標
 3.高齢者1型糖尿病と認知症
 4.高齢者1型糖尿病の治療法の選択とコントロール
 5.高齢者1型糖尿病でその他に注意すべきこと

第5章 様々な現場における問題点と対処のコツ
1.入院管理での問題点と対処のコツ〈三村正裕〉
 1.血糖コントロールの悪化の原因として
 2.糖尿病教育入院と退院支援
 3.薬物療法
 4.低血糖
 5.食事療法,運動療法
 6.糖尿病合併症
 7.高齢者総合機能評価(CGA)
2.周術期管理での問題点と対処のコツ〈藤原敏正〉 
 1.高齢者の栄養状態の特徴と術前評価
 2.抗血小板剤・抗凝固剤使用患者への対応
 3.術後の輸液方針と経口摂取再開時期を知ること
 4.術後の輸液管理の注意点
3.外来管理での問題点と対処のコツ〈内田大学〉 
 1.日本人糖尿病の死因から見た外来管理での注意点
 2.糖尿病と癌の疫学
 3.糖尿病患者の癌予防のための生活指導
 4.糖尿病患者の癌早期発見のコツ
 5.糖尿病と感染症
 6.高齢者糖尿病の感染症の注意点
 7.高齢者糖尿病の感染症予防のコツ
4.介護施設管理での問題点と対処のコツ〈佐々木憲裕〉 
5.在宅管理での問題点と対処のコツ(在宅管理の概論と主な対処法)〈高瀬義昌〉 
 1.基本事項と留意点
 2.多剤併用からの脱却
 3.チェックポイント

 索引

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執筆者一覧

横手幸太郎 千葉大学教授 監修
栗林伸一 三咲内科クリニック院長 編著
岩岡秀明 船橋市立医療センター代謝内科部長 編著
竹本 稔 国際医療福祉大学医学部糖尿病・代謝・内分泌内科主任教授 
山本恭平 千葉市立青葉病院院長 
上野秀樹 千葉大学医学部附属病院地域医療連携部特任准教授 / 敦賀温泉病院 
石川崇広 千葉大学医学部附属病院高齢者医療センター特任助教 
小倉香名 千葉大学医学部附属病院臨床栄養部 
工藤値英子 神奈川歯科大学大学院歯学研究科口腔機能修復学講座歯周病学分野講師 
三辺正人 神奈川歯科大学大学院歯学研究科口腔機能修復学講座歯周病学分野教授 
長阪裕子 浦和大学総合福祉学部特任講師 / 三咲内科クリニック健康運動指導士 
坂根直樹 京都医療センター臨床研究センター予防医学研究室長 
高林克日己 千葉大学名誉教授 / 三和病院顧問 
荒木 厚 東京都健康長寿医療センター内科総括部長(糖尿病・代謝・内分泌内科) 
岡 怜奈 東邦大学医療センター佐倉病院糖尿病・内分泌・代謝センター 
龍野一郎 東邦大学医療センター佐倉病院糖尿病・内分泌・代謝センター教授 
関 直人 国立病院機構千葉東病院臨床研究部・糖尿病研究室長 / 糖尿病センター長 
松尾 哲 元成田赤十字病院糖尿病・内分泌代謝内科部長 
三村正裕 千葉労災病院糖尿病・内分泌内科部長 
藤原敏正 千葉県済生会習志野病院診療部長 
内田大学 ほたるのセントラル内科院長 
佐々木憲裕 日産厚生会佐倉厚生園病院副院長 
高瀬義昌 たかせクリニック理事長 

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