■著者紹介
岡 三喜男(おか・みきお)
1979年 : 佐賀県立武雄高等学校から長崎大学医学部卒業
臨床と基礎の両立をめざして臨床研修:内科学第二講座(故,原耕平教授に師事),長崎市立
市民病院(故,中野正心部長に師事),長崎県離島医療圏組合五島中央病院,高知県立西南病院(現:高知県立幡多けんみん病院)に総合内科医として勤務し,へき地医療にも従事
1991年 : 米国国立癌研究所(NCI, NIH)内科治療部門へ留学
臨床と基礎の融合をめざして,がん薬剤耐性の分子機構の研究に従事
1995年 : 長崎胸部腫瘍研究グループ(NTOG, Nagasaki Thoracic Oncology Group)を結成
臨床研究と基礎研究を同時に平行して推進
2004年 : 川崎医科大学呼吸器内科学 主任教授
2005年 : 未来を展望して研究分野を免疫腫瘍学へ転換
臨床と基礎を融合した免疫学的解析と新規の分子がん免疫療法の開発を始動
〜現 在 : 毎日の外来診療を基本に,ひとりで医学生を指導しながら,肺聴診学の会得,肺がん化学療法と免疫療法,臨床検体の免疫学的な解析に精力的に取り組んでいる.
[姉妹書]「読んで視て病態がわかる肺聴診学」,金原出版,東京,2014
[趣 味]ジム・トレーニング,医学史,水彩描画,日本画鑑賞,茶碗鑑賞,Mac愛好家
川崎医科大学呼吸器内科ホームページ http://www.kawasaki-m.ac.jp/resp/
中山睿一教授
[略 歴]
1970年 北海道大学医学部卒業
1974年 北海道大学大学院(病理学,相沢教授)修了
1974年 Memorial Sloan Kettering 癌研究所(Dr. Edward Boyse)
1977年 Memorial Sloan Kettering癌研究所(Dr. Lloyd J Old)
1985年 長崎大学医学部腫瘍医学講座(珠玖洋教授)助教授
1991年 岡山大学医学部寄生虫学講座教授(免疫学)
2006年 岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 腫瘍制御学講座・免疫学分野 教授
2010年〜川崎医療福祉大学教授,川崎医科大学 客員教授
主な業績
1. マウスLyt-2および-3(CD8αおよびβ)から成るCD8分子が,CD8+T細胞の細胞傷害性と抗原認識に直接関与する機能分子(コレセプター)であることを発見(PNAS USA. 1979; 76: 1977; PNAS USA. 1980; 77: 2890;Immunol Rev. 1982; 68: 117).
2. マウスLyt-2および-3(CD8αおよびβ)抗体のin vivo投与により,体内からCD8+T細胞を除去できることを世界で初めて明らかにした(J Exp Med. 1985; 161: 345).同じ号に偶然,L3T4(CD4)抗体の投与によってCD4が除去された論文が掲載され,2つの研究によってCD4とCD8のin vivo解析法が確立した.
3. CTLが認識するマウス白血病固有抗原を初めて同定した(PNAS USA. 1979; 76: 1977-81).1994年,その抗原が白血病細胞の変異Akt分子の非翻訳領域に由来するH-2Ld結合ペプチドIPGLPLSLであることを明らかにした (J Exp Med. 1994; 180: 1599).
4. 抗CD25抗体の投与により制御性T細胞(Treg)がin vivoで除去されることを見出し,Tregが腫瘍拒絶を抑制していることを発見(Cancer Res. 1999; 59: 3128).
5. CD4+およびCD8+T細胞のin vivo除去によって,in vivoにおける移植片の拒絶も,クラスIの異なる移植片はCD8 +T細胞が主として拒絶に関与し,クラスIIの異なる移植片は,CD4+T細胞が拒絶に関与していることを明らかにした(J Exp Med. 1987; 166: 982;J Exp Med. 1991; 173: 261).