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書籍詳細

そのまま使える災害対策アクションカード

そのまま使える災害対策アクションカード

吉田修 著 / 横田耕治 著 / 加藤之紀 著 / 小尾口邦彦 著

B5判 174頁

定価(本体3,800円 + 税)

ISBN978-4-498-06690-8

2017年02月発行

在庫あり

今や災害対策は病院の大小に関わらず取り組まざるをえない.しかし,たたき台となるプランは公開されておらず,また各施設によって問題点が異なるため,どの病院でも頭を悩ませている.本書は,そんな悩める病院のためのスターターブック.著者らの施設で熟慮を重ねて作成したリアルなアクションカードを中心に沿えて,汎用性のあるマニュアルが完成した.簡単にカスタマイズできるアクションカードのテンプレートを収載したCD付.

はじめに


 東日本大震災からの復興も半ば,熊本地震が起こりました.日本のどの地域においても大規模災害は起こりえると多くの人が思ったのではないでしょうか.
 今や災害対策は病院の大小・役割に関わらず,取り組まざるをえません.病院評価機構の評価項目にも災害訓練などへの取り組みが含まれます.しかし,「災害対策を考えたい」などという人材はなかなか存在せず,多くの病院が災害マニュアル作成・訓練企画などに苦慮すると聞きます.筆者の病院も例外ではなく,マニュアル作り・災害訓練企画・災害予算確保など悩みは尽きません.「とてもいい災害マニュアルができました」という学会報告を聞き,そっくりいただこうなどという虫のいいことを考えたこともありましたが,「部外秘ですから」と断られたこともあります.
 かつて「私の病院は大規模災害時,重症患者を20名・中等患者を50名・軽症患者を200名,受け入れる」というある病院幹部の発言を聞いたことがあります.本当にそのような業務は可能なのでしょうか.机上の空論と考えざるをえないと感じました.筆者の病院の災害マニュアルが陳腐化し更新を迫られたのですが,「どうせ作るのなら総花的なものではなくリアルなものをつくりたい」と思いました.
 災害マニュアルを更新するにあたり,昨今有用性を指摘されるアクションカードを中心に据えることとしました.病院・各部署の特徴を盛り込むことによりリアルなものとなると思ったからです.早速,救急部医師と看護師数名を中心にワーキンググループを立ち上げ,作成にかかりました.
 作成は容易ではありませんでした.あまりに細かく記載すると多種多様な災害に対し汎用性のないアクションカードになり,汎用性ばかり考えると「平和を守りましょう」的な具体性のないアクションカードになります.四苦八苦の末,なんとかアクションカードを作りました.現場で使いやすいものとなるよう心がけ,各部署の意見を聞きそれも反映しました.
 災害に向けての病院インフラのチェックも重要です.災害アクションカードをソフトとするなら,病院インフラはまさにハードであり対策が欠かせないからです.様々な病院インフラを調べ,その問題点・対応をまとめました.作成に膨大なエネルギーを費やした災害対策アクションカードですがその作成過程で学んだことが多くあり,それをまとめたいという思いが生じ本書の発刊につながりました.「災害に特化した病院に役立つ…」ではなく,筆者の病院と同様に災害対策に迫られる一般の病院に役立つものとなることを目指しました.本書が災害医療担当者に少しでも役立ち,そして実際の災害医療の向上につながることを願います.また,本書を少しでもよいものとするため,ご意見をいただければ幸いです.
 

 2017年1月
 大津市民病院
 吉田 修 横田耕治 加藤之紀 小尾口邦彦

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著者略歴


吉田 修(よしだ おさむ)
1995年 滋賀県立堅田看護専門学校卒業
医療法人社団瀬田川病院勤務
2001年 大津市民病院勤務
2008年 ‌認定看護管理者教育課程ファーストレベル
教育課程修了
2012年 ‌大阪府看護協会救急看護認定看護師教育課程 卒業
大津市民病院看護局 3B病棟/ERおおつ 看護主査
救急看護認定看護師
日本DMAT隊員
日本DMAT認定インストラクター
日本救急医学会ICLSコース 認定インストラクター
滋賀県災害医療コーディネーター



横田耕治(よこた こうじ)
1997年 大阪ハイテクノロジー専門学校医療電子科卒業
弘英会琵琶湖大橋病院勤務
1999年 大津市医師会立看護専修学校卒業
2001年 華頂会華頂高等看護学院卒業
2005年 大津市民病院勤務
2015年 ‌大阪府看護協会救急看護認定看護師教育課程
卒業
大津市民病院看護局 3B病棟/ERおおつ 看護主査
救急看護認定看護師
日本DMAT隊員
呼吸療法認定士
日本救急医学会ICLSコース 認定インストラクター



加藤之紀(かとう ゆきのり)
2007年 大阪大学医学部卒業
市立堺病院(現堺医療センター)初期研修開始
2009年 同初期研修終了
福井県救急医養成コース編入 
主に福井県立病院救急診療部にて勤務
2011年 福井県救急医養成コース 
杉田玄白記念公立小浜病院勤務
2013年 大津市民病院 救急診療科・集中治療部
日本救急医学会専門医 
日本DMAT隊員(統括DMAT登録者)
日本救急医学会ICLSコース コースディレクター



小尾口邦彦(こおぐち くにひこ)
1993年 京都府立医科大学医学部卒業
京都府立医科大学附属病院研修医
1994年 京都第一赤十字病院研修医
1999年 京都府立医科大学大学院卒業
大津市民病院救急診療科・集中治療部
2011年 大津市民病院救急診療科診療部長
医学博士
日本救急医学会専門医
日本集中治療医学会専門医
日本麻酔科学会指導医
麻酔標榜医
京都府立医科大学臨床教授
日本DMAT隊員(統括DMAT登録者)
日本救急医学会ICLSコース コースディレクター
FCCSインストラクター
滋賀県災害医療コーディネーター

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目次

序章 今さら聞けない災害対策アクションカードの作り方
 アクションカードとは?
 本書の使い方
 A病院(架空)の概要
 アクションカードの見方

1章 アクションカードを作ろう!! 災害対策本部 編
 1-1 災害対策本部長
 1-2 災害対策本部長補佐
 1-3 クロノロジー担当
       【災害対策本部立ち上げ・維持に役立つ標語】
      カード 災害対策本部立ち上げ

2章 アクションカードを作ろう!! 診療部門 編
 2-1 診療部門副本部長
 2-2 トリアージリーダー
 2-3 トリアージエリア
 2-4 赤エリア医師リーダー
 2-5 赤エリア担当(医師・看護師)
 2-6 黄エリア担当
 2-7 緑エリア担当
 2-8 黒エリア担当
 2-9 院内診療担当医師 
      カード START(Simple Triage Rapid Treatment)法
      COLUMN  災害診療記録とは?
      カード PAT(Physiological and Anatomical Triage)法

3章 アクションカードを作ろう!! 院内管理部門 編
 3-1 院内管理副本部長
      COLUMN  BCPチェックリスト
 3-2 院内管理医療担当
      COLUMN  災害時間別の対応
 3-3 ICUリーダー・ICU看護師
 3-4 救急病棟看護師
 3-5 一般病棟看護師
 3-6 外来看護師リーダー
 3-7 手術室リーダー
 3-8 手術室看護師
 3-9 透析室リーダー・透析室スタッフ
 3-10 院内搬送担当
      COLUMN  非常用エレベーター
 3-11 院内管理設備担当
      COLUMN  医療ガス
 3-12 通信担当
 3-13 管理栄養士
 3-14 検査技師
 3-15 放射線技師
 3-16 薬剤師
 3-17 臨床工学技士
 3-18 院内管理・ロジスティックス担当
      COLUMN  災害時に水道はどうなる?
      COLUMN  「入院患者非常食」のドタバタから感じたこと
      COLUMN  病院インフラの災害対策におけるピットフォール

4章 アクションカードを作ろう!! 外部調整部門 編
 4-1 外部調整副本部長
      COLUMN  震災とインターネット
 4-2 受援対応担当
 4-3 マスメディア担当
 4-4 外部交渉担当
 4-5 EMIS担当
 4-6 情報収集担当
      COLUMN  筆者の病院が経験した集団災害から学んだこと・感じたこと
 4-7 院外搬送担当
      COLUMN  衛星携帯電話の使用方法
      COLUMN  モバイルタイプWi-Fiルーター
      COLUMN  筆者が夢想する“LINE災害クロノロ”


CD-ROM収載各種資料

索引

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執筆者一覧

吉田修  著
横田耕治  著
加藤之紀  著
小尾口邦彦  著

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