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書籍詳細

高齢者の嚥下障害診療メソッド 改訂2版

高齢者の嚥下障害診療メソッド 改訂2版

西山耕一郎 著

B5判 132頁

定価(本体3,800円 + 税)

ISBN978-4-498-06267-2

2016年12月発行

在庫あり

85歳以上の肺炎による死亡率は若年成人の1,000倍であり,90歳以上男性の死因の第1位が肺炎である.そしてその大多数を誤嚥性肺炎が占める.しかし,高齢者においては「ムセ」など,誤嚥の特徴は非常に乏しく,これを見逃してしまう例が後を絶たない.本書では,地域医療において活躍し,数多くの嚥下障害患者を診療してきた著者が,そのノウハウを惜しみなく伝授する.初版刊行後の新たな動向を織込んだ,待望の改訂版.

序文

 嚥下障害は,全身疾患の成れの果て,多因子疾患,全身状態が大きく左右し,誤嚥性肺炎とのせめぎあいなどと言われ,生死にかかわります.これに対して,口腔ケアで完全に防げる,パタカ発声は嚥下訓練,アイスマッサージで良くなる,栄養管理だけで良くなる,開口訓練や舌の体操で良くなる等々,色々な意見があります.いずれもそれなりに必要でエビデンスもありますが,実際に個々の患者さんに本当にこの治療法が必要か? 有効なのか? 日々,疑問に思うことの繰り返しです.
 医療者は,患者さんに適正な医療を行う義務があると思います.「自分ならどうして欲しい」,「自分の親ならどうしたい」を常に感じながら,医療をして欲しいと思います.多くの医療者は,患者さんを治して感謝されるのを生きがいに仕事をしていると思います.
 日本人は,「人から感謝されるのが好きな人種」だと,最近しみじみ思います.「稼ぎ3割,仕事7割,人のためにおせっかいを焼いて,感謝して助け合ってきた」のが日本人のアイデンティティ(自己の存在証明)だそうです.患者さんの診察をしながら,話を聞きながら,喜んでもらい,楽しく患者さんと,楽しくスタッフの仲間と,わくわくしながら,機微を感じながらお仕事ができるのは最高に幸せだと思う,今日この頃です.

2016年12月
西山耕一郎

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推薦文

 嚥下障害とその対策は,わが国が直面している超高齢社会という現状において,耳鼻咽喉科医が避けて通ることのできない重要な問題である.口から食べるということは,生活の楽しみの一つであると同時に,健康の維持に不可欠であり,とくに高齢者では食事が生活上の大きなイベントともなる.しかし,いろいろな原因によって飲み込むという動作が円滑にできず,嚥下障害をきたして医療機関を訪れる例が少なくない.その場合,個々の症例について嚥下障害の状態を正しく評価し,的確な対策を立てる必要があるが,そのためにはチーム・アプローチが望ましく,しかも耳鼻咽喉科医はその中核を担うことを求められている.
 本書は,具体的な症例を中心に,高齢者の嚥下障害の実態,的確な評価方法,さらにはリハビリテーションを主体とした嚥下障害の対策を詳細に記述した極めて実践的な解説書であり,耳鼻咽喉科医にとって必携の好著である.著者の西山耕一郎博士は自らの診療所において地域医療を推進する中で,多くの嚥下障害症例を経験し,その対策に積極的に取り組んでいる第一線の耳鼻咽喉科医である.西山博士はこれまで学会などの場で自らの経験に基づいた多くの発表を行ってこられたが,本書はその集大成ともいえるものである.本書が嚥下障害に直面する多くの耳鼻咽喉科医に熟読され,日々の臨床に活用されることを切望し,推薦するものである.

東京大学名誉教授 廣瀬 肇

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■著者略歴

西山 耕一郎(昭和32[1957]年生)

[学歴・職歴]
1985年 北里大学医学部卒業
1995年 国立横浜病院(現 横浜医療センター)耳鼻咽喉科 医長
2000年 北里大学耳鼻咽喉科 講師
2003年 北里大学耳鼻咽喉科 診療助教授
2004年 西山耳鼻咽喉科医院 院長

[学位・専門医]
1994年 医学博士(北里大学)
「鼻汁中のカリクレイン・キニン系の関与」
日本耳鼻咽喉科学会専門医
日本気管食道科学会専門医
日本摂食・嚥下リハビリテーション学会認定士
[現在の兼職]
東海大学 非常勤教授
藤田保健衛生大学 客員准教授
横浜市立大学 非常勤講師
北里大学 非常勤講師

[学会・研究会等関係]
日本気管食道科学会 評議員
日本嚥下医学会 評議員
横浜嚥下障害症例検討会 世話人代表
日本耳鼻咽喉科学会 神奈川県地方部会理事 兼 嚥下委員会委員長
東日本音声外科研究会 世話人
2013年 114回日本耳鼻咽喉科学会 嚥下障害診療 パネリスト
2013年 第19回日本摂食・嚥下リハビリテーション学会 プレコングレスセミナー講師
2014年 第37回日本嚥下医学会 シンポジスト
2014年 第12回日耳鼻嚥下障害講習会 講師
2015年 第29回日本耳鼻咽喉科学会専門医講習会講師
2015年 第60回日本音声言語医学会 嚥下障害の医療シンポジスト
2016年 第28回日本喉頭科学会 臨床セミナー講師
2016年 第61回日本音声言語医学会 ポストコングレスセミナー講師
2016年 第68回日本気管食道科学会 誤嚥のリスクと対応シンポジスト

[受賞等]
2006年 14th Clinical Video Forum Best Video A World受賞
2006年 第26回横浜市社会福祉大会 救急医療事業功労賞受賞

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目 次


【1】はじめに

【2】誤嚥とはどのような状態か?
【3】誤嚥例の症状
    症例1 慢性の風邪と診断されていた男性
【4】嚥下のメカニズム
【5】誤嚥する原因は?
【6】嚥下障害の診断法
【7】誤嚥(嚥下)性肺炎の病態別原因
  食物誤嚥性肺炎 唾液誤嚥性肺炎 胃食道逆流性肺炎
    症例2 食物誤嚥による嚥下障害例
    症例3 唾液誤嚥による嚥下障害例
    症例4 逆流誤嚥による嚥下障害例
    症例5 経管栄養剤が逆流して誤嚥していた症例
【8】嚥下障害の診断と治療の手順
【9】スクリーニング嚥下機能検査
  反復唾液嚥下テスト(RSST) 改訂水飲みテスト 
  食物テスト 頸部聴診法 血中酸素飽和度モニター
【10】画像嚥下機能検査
  嚥下造影検査(VF) 嚥下内視鏡検査(VE)
【11】嚥下機能低下例への具体的対処法 (1)
  軽症例(兵頭スコア0〜4 or 5点の症例)の対応法
    症例6 軽症の嚥下障害
  嚥下機能評価フローチャート
【12】嚥下機能低下例への具体的対処法 (2)
  中等症例(兵頭スコア5〜8点の症例)の対応法
    症例7 中等症の嚥下障害 (1)
    症例8 中等症の嚥下障害 (2)
    症例9 中等症の嚥下障害 (3)
    症例10 中等症の嚥下障害 (4)
【13】ムセた時,窒息時の対応法
【14】咀嚼による自由嚥下(プロセスモデル)
【15】嚥下機能低下例への具体的対処法 (3)
  重症例(兵頭スコア8 or 9点以上の症例)の対応法
    症例11 重症の嚥下障害
【16】高齢者の胃瘻(PEG)について
    症例12 高齢者で経口摂取を続けている症例
【17】経管栄養剤による下痢
【18】摂食・嚥下リハビリにかかわる職種差
【19】多職種連携
    症例13 多職種連携が有効であった症例
    症例14 嚥下機能が自然に軽快していた症例
【20】嘔吐への対応
【21】認知症による食べムラの対処
    症例15 認知症による食事拒否例 (1)
    症例16 認知症による食事拒否例 (2)
【22】嚥下障害の具体的対応法
  嚥下障害の診療の進め方
  高齢者の嚥下障害例の栄養と肺炎管理について
  嚥下障害の具体的な対応法
【23】嚥下機能改善手術と音声機能改善手術の適応は?
    症例17 嚥下機能改善手術症例
    症例18 音声・嚥下機能改善手術症例 (1)
    症例19 音声・嚥下機能改善手術症例 (2)
【24】誤嚥防止手術の適応は?
    症例20 誤嚥防止術症例
【25】気管切開の対応
    症例21 切開孔後の嚥下障害例
【26】著者からのお願い
  「耳鼻咽喉科医師を嚥下チームに参加させてほしい理由」
    症例22 鼻閉症例

【27】まとめ

【28】あとがき─飲み込みをよくするには─
  誤嚥防止の10カ条
  嚥下指導と嚥下指導訓練指示書


文 献
索 引


コラム
 困った受診形態
 胃瘻・経鼻チューブの回避
 フードテスト
 一口量は少なめに:3mLと言われていますが
 錠剤が飲みにくい患者さんの対応法
 トロミ剤の使い方
 キザミ食は高齢者の食事か?
 介護家族が嚥下食の調理法に疎い場合は?
 呼吸機能と嚥下障害
 食物の嚥下しやすさの要因
 家族からの多い質問 (1)
 食べれば元気になる? 元気になれば食べられる?
 咀嚼嚥下について
 嚥下障害は肺炎とのせめぎ合い
 一側嚥下(側臥位+頸部回旋)
 不顕性誤嚥(ムセのない誤嚥:silent aspiration)
 嚥下機能と呼吸機能と体力の関係
 困ったリハビリテーション依頼
 誤嚥性肺炎の治療は,必ず禁食が必要か?
 誤嚥に対する対処法
 ある家族からのコメント
 家族からの多い質問 (2)
 老々介護で近くに親類がいない場合は?
 歯科依頼する症例
 困った内視鏡検査の売り込み
 定期的な嚥下機能評価は必要!
 リフィーディング症候群(過栄養症候群)
 認知症で着色水を飲んでくれない時
 薬剤性嚥下障害
 地域における活動

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