ゼロから始める補聴器診療
新田清一 著
B5判 186頁
定価4,620円(本体4,200円 + 税)
ISBN978-4-498-06272-6
2016年10月発行
在庫あり
ゼロから始める補聴器診療
新田清一 著
B5判 186頁
定価4,620円(本体4,200円 + 税)
ISBN978-4-498-06272-6
2016年10月発行
在庫あり
補聴器診療の真の目的は,「聴覚リハビリテーション」によって患者さんの聞こえの力を最大限に引き出す事.リハビリには患者さんの頑張りが必要ですから,耳鼻咽喉科医がこれに介入してうまく励ましてあげる事が不可欠です.補聴器診療は決して難しくありません.済生会宇都宮方式の聴覚リハビリテーションで「なくてはならない補聴器」に!
序文
「補聴器」というとなんだか難しい,よく分からない,というイメージがあるかもしれません.補聴器の構造や原理,フィッティング理論などを全て理解しようとすると,確かに大変な労力が必要です.しかし,臨床に必要な部分に限定すれば,耳鼻咽喉科医を始めとする医療者に必要な補聴器の知識は,決して多くも難しくもなく,至ってシンプルであることがわかります.これは,誰でも習得できるものです.この本を読み終えたときには,そのことを実感していただけると思います.
また,補聴器には残念ながら「高いばかりで役に立たない」「うるさいだけで大して聞こえるようにならない」など一般的に悪いイメージがあり,実際に患者さんが初診時にそのようなことを口にすることも少なくありません.しかし,これは補聴器診療の考え方や方法が誤っているときに生じることが多く,正しい方法に従って行えば,補聴器は患者さんの生活において‘なくてはならないもの’になる可能性が十分にあります.ただし,この作業には医療者,特に耳鼻咽喉科医の関わりは必要不可欠です.耳鼻咽喉科医の介入なしでは,フィッティングが成功することは難しいと考えます.その理由をこの本を読んで,是非理解していただきたいと思います.
この本では,補聴器診療における医療者,特に耳鼻咽喉科医の役割や,医療者が知っておくべき補聴器や調整の知識を中心に概説します.補聴器診療に関わるスタッフ,補聴器を調整する補聴器販売店の方にも役に立つものと考えます.この本の目的は,補聴器診療の大まかなイメージをつかんでもらい,補聴器診療の敷居を下げて,取り組みやすくすることにあります.補聴器診療に携わる者なら誰でも,ちょっとした知識と工夫,そして熱意があれば,難聴で困っている方を‘幸せ’にすることができると思っています.一方,内容の理解しやすさや受け入れやすさを重視することで,厳密さに欠けてしまった部分もあります.またフィッティングの方法や考え方は複数存在しますが,当科の方法はその一例です.よって,より厳密な理論や様々な方法を知りたい方は,是非成書を参照していただき,さらに知識を深めてください.
2016年8月
済生会宇都宮病院耳鼻咽喉科 診療科長
新田清一
監修の言葉
超高齢社会を迎えて,聴覚障害を有する高齢者数は増加の一途を辿っています.WHO(世界保健機構)が示した高齢者のQOLに影響する10大疾病においても,難聴はその7番目に挙げられています.また最近の研究では,高齢者の聴覚障害を放置しておくと,認知機能が低下する,老人性鬱の発症頻度が高くなる,といったことが指摘されています.
このように聴覚障害は,単に聞こえが悪いことにより本人や周囲の人たちが不便を被るというだけでなく,高次脳機能にもかかわる重大な問題であり,これを社会的な観点から捉えて,早期に医学的・社会的介入をすることが求められている疾患であると言えます.
このような難聴患者さんの聞き取りを改善する手段として,補聴器は非常に有効です.しかし残念ながら,補聴器に対する一般の方々のイメージは決して良いものではありません.これには,補聴器を付けると年寄り臭く見えるといった審美的な理由も関係しているのでしょうが,なにより,補聴器は役に立たないという印象が巷間に広まっていることが大きな原因です.補聴器は装用してもただうるさいだけだとか,雑音やハウリングがひどいといった負のイメージが定着してしまっていると言っても過言ではありません.
その背景には,わが国では医師の介入なしに,販売店が直接補聴器を販売しているという実情があります.デパート,家電量販店や眼鏡店での販売,はては通信販売も存在するのが現状です.医師が正しい診断を下し,その処方箋をもって補聴器が使われるのではなく,およそ医療と無関係なところで補聴器販売が行われていることには問題があります.このような補聴器販売の状況は改善されなければならず,今後,国と医学界,補聴器販売業界が手を携えて環境の整備を行っていかなければなりません.
本文中に詳述されているように,補聴器診療の目的は「患者さんの聞こえの力を最大限に引き出すこと」であり,そのためには「聴覚リハビリテーション」への理解が必要不可欠です.眼鏡が光の屈折を物理的に変えて視力を矯正するのとは異なり,補聴器によって得られる聞き取りの改善は,脳のリハビリテーションによるものです.リハビリテーションですから,脳梗塞をはじめとする他のリハビリテーションと同様に,患者さんには努力が,周囲にはこれをエンカレッジすることが求められます.これまで,患者さんも補聴器を提供する側もこの点に対する理解が不十分であったことが,補聴器に対する負のイメージを醸成してきたのです.これからは,耳鼻咽喉科医をはじめとする医療者が積極的に介入して,その認識を改めていかねばなりません.
従来の補聴器診療では,患者さんが「うるさい」「ひびく」などと訴えるとすぐに利得を下げてしまうような対応がなされてきました.しかし,著者の新田清一先生らの外来では,患者さんにとって必要な音の情報は,たとえ多少不快でも最初から入れるという方針が採られています.その上で補聴器を常用させ,頻回に通院してもらいながらこまめに調整を行い,脳の機能変化をうながすという手法で,非常に大きな成果を上げているのです.これは,補聴器診療が「聴覚リハビリテーション」であることを踏まえれば当然のことなのですが,このように基本に忠実な姿勢を貫くことは,ある意味で新しい補聴器診療であると評価できます.『ゼロから始める補聴器診療』と銘打たれた本書では,そのような診療のノウハウについて,文字通りゼロから,わかりやすい解説がなされています.彼らの経験が惜しみなく詰め込まれた本書は,補聴器診療に携わる医療者,補聴器販売業者の方々にとって必携の書となるでしょう.
本書によって補聴器診療・販売の現状が改善され,一人でも多くの聴覚障害患者さんが適正な補聴器診療を受けられるようになり,より充実した明るい人生を歩まれることを心より期待しています.
2016年8月
慶應義塾大学医学部耳鼻咽喉科学教室 教授・診療部長
小川 郁
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謝辞
執筆開始から2年余り,試行錯誤を経ながらようやく本書を出版することとなりました.ここまで辿り着くことができたのも,数多くの素晴らしい出会いと多くの方々からいただいたご指導・ご支援のおかげです.この場を借りて,厚く御礼申し上げます.
聴覚臨床に携わるようになって,その基礎からご指導いただいた,慶應義塾大学医学部耳鼻咽喉科学教室前教授の神崎仁先生,前准教授の井上泰宏先生,Sint-Augustinus HoptitalのProfessor Erwin Offeciers,筑波大学大学院人間総合科学研究科教授の廣田栄子先生,国際医療福祉大学成田保健医療学部教授の城間将江先生,国際医療福祉大学保健医療学部言語聴覚学科准教授の小渕千絵先生,川崎医科大学附属川崎病院の黒住司尾子先生に心から感謝申し上げます.
日々の補聴器診療に熱心に取り組み,学会や研究会などで鋭いご指摘や大変参考となるアドバイスを送ってくださった,耳鼻咽喉科神田E・N・T医院 神田幸彦先生,国立障害者リハビリテーションセンター 森浩一先生,石川浩太郎先生,帝京大学医学部附属溝口病院耳鼻咽喉科 白馬伸洋先生,三瀬和代先生,名古屋第一赤十字病院耳鼻咽喉科 柘植勇人先生,加藤大介先生,三宅杏季先生,国立病院機構東京医療センター耳鼻咽喉科 南修司郎先生,加藤秀敏先生,佐野厚生総合病院耳鼻咽喉科 大久保啓介先生,木村敦子先生,高久朋枝先生,小内知子先生,横浜市立市民病院耳鼻咽喉科 西山崇経先生,慶應義塾大学医学部耳鼻咽喉科学教室 大石直樹先生,リオン株式会社 石田大司様,原田耕太様に感謝申し上げます.
共に当科の補聴器診療を作り上げた同志である診療スタッフ(坂本耕二先生,齋藤真先生,野口勝先生,藤田紘子先生,石川徹先生,上野真史先生,鈴木成尚先生,鈴木麻衣子先生,中山梨絵先生,岡崎宏先生,上野恵先生,太田真未先生,堀田菜都未先生,藤田航先生,荻野真紀先生,草野真理様,菅谷泰子様,菊地美香様,杉田千絵様,安達由美子様,岡崎美沙子様,神田瑞季様,武渕聡美様,高内綾様,降旗真紀様,後藤永房様,高堀厚典様,岩館和則様)に感謝いたします.
また,お忙しい中,本書の監修を快く引き受けて下さった慶應義塾大学医学部耳鼻咽喉科学教室教授の小川郁先生には,駆け出しの頃から現在に至るまで,長きにわたってたくさんのご指導とご支援をいただきました.ここに深謝いたします.
最後に,本書の出版についてご推薦いただいた横浜市立みなと赤十字病院 新井基洋先生,出版にご尽力いただいた中外医学社企画部の五月女謙一様に感謝申し上げます.
新田清一
鈴木大介
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おわりに
「補聴器は何台も持っているのですが,着けても話が全く聞き取れないんです」
これは本日初診でかかられた患者さんのご家族の声です.患者さんは自身の難聴のことで受診されたにもかかわらず,どうせ聞き取れないと会話への参加を諦めており,全て家族任せ.残念ながらこれは補聴器外来でよく目にする光景です.
最近では高性能なデジタル補聴器が一般的となり,デジタル技術を利用した様々な処方式が開発されています.それにも関わらず,「1台50万円もする補聴器を買ったのに,家族との会話もままならない」,「何回も調整してもらったのに話も聞き取れず,テレビはいつも字幕で見ています」など,最新の補聴器を購入したものの,その効果に不満を感じて受診される方はあとを絶ちません.この原因の一つに,補聴器を患者さんに活かす適用方法が確立されていないことがあると思います.「補聴器は高性能になったけれど,どのように患者さんに活かせば良いかが分からない.」「どのようなプロセスを辿れば,患者さんが補聴器装用を継続でき,十分な装用効果が得られるのか分からない.」このように悩みながら日々診療を行っている臨床家も少なくないでしょう.また,そのノウハウに焦点を当てた教科書もないため,各施設で試行錯誤しているのが現状です.
私たちもまた日々患者さんと向き合い,どうしたら難聴で困っている患者さんを幸せにできるのか,より良い補聴器の適用方法を模索してきました.その結果,現在では当科を受診した患者さんの9割以上が,補聴器適合検査の適合基準を満たした上で補聴器を購入し,その多くが常用しています.本日受診された先の患者さんも,初回調整を行うだけで見違えるように会話ができるようになりました.これから診察と調整を繰り返していくことで,さらに装用効果を高めていくことができることと思います.
本書には,患者さんにとって‘なくてはならない補聴器’とするために私たちが行っている方法に加え,日々の実地臨床で得た経験や議論を重ねて考え出した工夫を余すところ無く詰め込みました.私たちの方法は,医療者には多くの労力と時間,そして熱意を必要としますが,誰が行っても一定の成果が期待できる着実な方法といえます.しかし,患者さんにもまた多くの時間と手間が必要となるため,多忙な患者さんやご高齢の方にとっては決してやさしい方法ではないというご批判もあり,まだまだ改善の余地があります.本書を読まれた先生方がこの方法を叩き台として,患者さんと医療者の双方にとってより効率的で効果的な方法へと発展させて頂くことを強く望んでいます.私たちも継続して最善の方法を追い求め,補聴器診療に携わる方々と切磋琢磨しながら,共に日本の補聴器診療の向上に貢献することができましたら,この上ない喜びです.
2016年8月
済生会宇都宮病院 耳鼻咽喉科
鈴木大介
CONTENTs
第1章 はじめに:「なくてはならない補聴器」にするために
1.補聴器はなぜ「役に立たない」と言われてしまうのか?
2.‘ないよりまし’な補聴器,‘ない方がまし’な補聴器とは?
3.補聴器による聴覚リハビリテーションには,装用者の頑張りが必要であることを知らない
4.適切な補聴器診療には医師のイニシアチブが不可欠
5.補聴器診療の目的
6.補聴器診療の具体的な達成目標〜きこえの力を最大限に引き出す
補聴器診療の流れ
第2章 補聴器による聴覚リハビリテーションの適応
1.補聴器の適応
症例2-1 軽度難聴例
症例2-2 片耳正常だが装用を強く希望した1例
2.両耳装用/片耳装用の適応
第3章 説明と指導
1.医師による医学的説明の重要性
コラム3-1〔理論的背景〕 「週1回調整して3カ月通院」と「最初から補聴器を常用」の理論的背
景
コラム3-2〔理論的背景〕 「長時間装用を続けていくと,難聴の脳が変化して,不快感に慣れて いきます.」は本当か?
2.方針の提示と患者の選択
コラム3-3〔臨床のコツ〕 常用することや利得・出力を上げていくことを希望しない患者にはどう対
応するか?
第4章 器種と装用耳の選択
1.型式選択の重要性
症例4-1 「補聴器をつけても聞こえない」:高度難聴にCIC
症例4-2 「補聴器をつけても聞こえない」:中等度難聴(水平型感音難聴)にオープン型補聴器
2.型式は,まず聴力レベルで選択する〜できれば,少しゆとりをもちましょう
3.‘耳掛け型’が型式選択の基本
1 耳掛け型の特徴
コラム4-1〔豆知識〕 ‘見た目’に対する最近の補聴器メーカーの動向
コラム4-2〔アドバンス〕 Receiverincanal(RIC)
コラム4-3〔豆知識〕 RICのちょっと知っておくといい話「ワイヤーの長さは慎重に決める」
4.耳掛け型以外の補聴器の特徴
1 耳あな型の特徴
コラム4-4〔豆知識〕 フルサイズの適応は限定的
コラム4-5〔マニアック〕 目立たない補聴器(IIC)
2 ポケット型の特徴
3 オープン型の特徴
5.器種選択における患者さんの希望はどうすべきか?
6.補聴器の器械として知っておきたいこと4つ 〜チャンネル数,雑音抑制,ハウリング抑制,指向性
1 チャンネル数
コラム4-6〔マニアック〕 チャンネルとバンドの違い
コラム4-7〔アドバンス〕 調整技術とチャンネル数の関係
2 雑音抑制機能
コラム4-8〔マニアック〕 雑音抑制機能の欠点を利用して,利得・出力調整に用いる
3 ハウリング抑制機能
コラム4-9〔アドバンス〕 ハウリング抑制機能の意外な落とし穴
4 指向性機能
コラム4-10〔豆知識〕 高性能な器種の選択方法
5 性能(チャンネル数,機能)の選択
7.器種選択の実際〜当科の方法「比較試聴システム」
1 比較試聴システム導入の準備
2 比較試聴システムに用いる器種
3 補聴器の調整
4 比較試聴の実際
5 器種の決定
6 比較試聴システムによる実績
コラム4-11〔アドバンス〕 機能の比較試聴
8.装用耳の選択
1 両耳装用と片耳装用について
2 現在の当科における両耳/片耳装用の選択方法:両耳/片耳の比較試聴
3 片耳装用を希望された場合の装用耳の選択
第5章 調整とその評価
1.最終の到達目標とその評価法を知る
1 語音明瞭度曲線測定にて目指すところ
2 ファンクショナルゲインは‘ハーフゲイン,なで肩’で
演習:ファンクショナルゲイン(補聴器装用閾値)を決める
コラム5-1〔アドバンス〕 高音急墜型難聴のファンクショナルゲインを決める上での注意点
例題
練習問題 1
練習問題 2
練習問題 3
3 適正な特性図を知る
コラム5-2〔アドバンス〕 より正確な利得算出のための補正値
コラム5-3〔アドバンス〕 圧縮率について
コラム5-4〔豆知識〕 ニーポイントとは?
コラム5-5〔アドバンス〕 最大出力にも注意する
演習:オージオグラムから最終目標とする特性を考える
練習問題 4
練習問題 5
練習問題 6
コラム5-6〔アドバンス〕 圧縮率を上げることの問題点
2.初回調整
1 装用前に調整者が行う説明
コラム5-7〔アドバンス〕 患者さんに「補聴器の限界」を強調するべきか?
2 補聴器の初期設定
コラム5-8〔豆知識〕 ハーフオクターブとは?
コラム5-9〔アドバンス〕 オープンフィッティングにおける初回調整と注意点
症例5-1 耳栓の不適合症例(1)
コラム5-10〔アドバンス〕 耳栓別の音響的特徴
症例5-2 耳栓の不適合症例(2)
3 初回装用時の状態確認と対処
コラム5-11〔豆知識〕 アコースティックダンパーの種類
症例5-3 「ハウリングがきつくて装用できない」と訴えた例
症例5-4 「頑張ったが装用できなかった」と訴えた例
症例5-5 「うるさすぎてつらい.疲れそう」と訴えた例
症例5-6 「物足りない.もう少し聞きたい」と訴えた例
コラム5-12〔臨床のコツ〕 装用指導と装用練習
3.再調整
1 まずは不適切な調整を知る〜不適切な調整とはどのような調整か?
2 ‘補聴器の調整’の目標達成のために必要なこと
3 ‘患者の調整’の基本
4 再調整の‘第1回目’で,大きな問題を解決する
5 再調整の実際:再調整は,装用時間と患者の訴えを確認して実施する
コラム5-13〔臨床のコツ〕 なぜ10時間を目安とするのか?
コラム5-14〔アドバンス〕 装用意欲が乏しいために,装用時間が延びなかったケースへの対処
コラム5-15〔アドバンス〕 難聴と装用効果の自覚を促すために,補聴器適合検査を活用する
(‘患者の調整’の方法の1つ)
コラム5-16〔臨床のコツ〕 「頻回に通院できない」という患者さんに対する説明について
コラム5-17〔マニアック〕 適合しても,もっと聞き取りたいという患者に対する調整法
6 再調整において,初期調整終了(最終評価)時までに行うこと
症例5-7 「ほとんどつけていませんでした(やる気がなくて)」
症例5-8 左は装用できたが,右は装用できなかった例
症例5-9 「ハウリングが鳴りやすくて困る」
症例5-10 「うるさかったけど頑張ってつけてきました」
症例5-11 「常用はできているけど,生活音がうるさい」
症例5-12 「うるさい音は下げたい.テレビはもっと聞き取りやすくしたい」
症例5-13 「聞き取りはよくなっているがこもり感がつらい」
症例5-14 「装用前からあるこもり感がつらい」
症例5-15 「強いて言えば左が聞きづらい?」
4.最終確認
症例5-16 「雑音の中だと聞き取れないことがあって不満」
コラム5-18〔アドバンス〕 環境騒音の許容を指標とした適合評価
コラム5-19〔アドバンス〕 質問紙による適合評価
コラム5-20〔臨床のコツ〕 当科における補聴器適合検査の施行時期
5.定期的なフォローアップ
1 自分で行うメンテナンス(掃除と乾燥)について
2 ‘補聴器が壊れた’という訴えへの対処
3 聴覚管理
4 補聴器の状態確認と効果測定・再調整
コラム5-21〔理論的背景〕 定期的・長期的にフォローアップを行うと装用効果はさらに
上がるのか?
第6章 当科補聴器外来の実際〜外来運営にあたって留意したこと
1.耳鼻咽喉科医師(新田)が補聴器外来運営にあたって特に留意したこと
1 言語聴覚士は聴覚リハビリテーションに専従すること
2 補聴器診療の考え方を耳鼻咽喉科医師間で一致させること
3 協力してもらう補聴器業者(補聴器販売店)の数は複数とすること
4 耳鼻咽喉科医師と補聴器調整者(言語聴覚士や補聴器業者)の意思の疎通を
良好にすること
5 補聴器診療が十分に行える設備を有すること
2.言語聴覚士(鈴木)が補聴器外来運営に関して特に留意したこと
1 補聴器業者と近い距離で臨床を行うこと
2 正確に補聴器周波数特性を測定できること
3 正確にファンクショナルゲインの測定ができること
4 独力で補聴器調整ができること
5 全メーカーの補聴器を調整できること
コラム 当科補聴器診療の方法を導入して〜現場の声(アンケート結果)
補章 補聴器適合検査
1.補聴器適合検査の指針(2010)の成り立ち
2.検査項目
3.各検査法の意義と施行におけるポイント・注意点
1 必須検査項目
コラム補-1〔マニアック〕 初回調整時に環境騒音を指標とした適合評価を行う意義
2 補聴器の調整状態を確認するための検査
コラム補-2〔豆知識〕 カプラ測定と実耳測定の違い
3 その他の検査
参考資料
文献一覧
おわりに
謝辞
索引
本文中の補聴器などの写真はリオン株式会社のご厚意によりご提供いただきました.
執筆者一覧
新田清一 著
鈴木大介 著
小川郁 監修
株式会社中外医学社 〒162-0805 東京都新宿区矢来町62 TEL 03-3268-2701/FAX 03-3268-2722
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