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書籍詳細

脳血管障害

神経内科Clinical Questions & Pearls

脳血管障害

鈴木則宏  シリーズ監修 / 伊藤義彰  編集

A5判 330頁

定価(本体5,800円 + 税)

ISBN978-4-498-22872-6

2016年09月発行

在庫あり

神経内科のエキスパートをめざす医師のための新シリーズ,好評の第2弾!
脳血管障害の第一人者が,診療のエッセンスをQ&A形式で易しく解説するほか,エキスパートの診療のエッセンスを学べるコラム「pearls」,各章の最後には症例を交え解説する「Case approach」など充実の内容で,基礎から応用まで,診療の中で誰もが遭遇する疑問に,明快に回答します.以降,「認知症」「神経感染症」と続刊予定.

序 文



 シリーズ「神経内科Clinical Questions & Pearls」の中で,脳血管障害の分野は特に救急医療に直結しており,症例ごとに迅速・適切な対応が求められることが多い領域です.したがって,「これは困ったな,どうしたらいいだろう」という疑問に要領よく回答がまとめられてある本シリーズの形式は,便利でまさにうってつけと思われます.本書はそうした問題に直面しやすい神経内科専門医を目指す若き医師から総合的に内科を目指す医師,さらには脳卒中に取り組み始めた外科医の先生方にまで幅広く読んでいただけるように,項目ごとにわかりやすく,しかも実用性の高い解説をご執筆いただきました.

 構成としては,まず第1章においては脳血管障害の最新の疫学情報や社会的問題点をクローズアップし,続く第2章では脳血管障害の救急体制について取り上げました.医療の現場で何が問題になっているかを明らかにし,救急診療から検査まで,Time is Brain(一刻遅れるごとに相応する脳が失われていくこと)の観点からわかりやすくご解説いただきました.

 第3〜5章は病型別の問答集となっており,本書の中核と言える部分です.超急性期の血栓溶解療法から機械的血栓除去術,さらには新たな抗血小板剤の併用療法,抗凝固療法,そして外科的手術治療に至るまで,臨床医が直面する「よくある疑問」やなかなか整理の付かない疑問に,第一線の現場で活躍する先生から「目からウロコ」の解説をいただきました.

 そして第6章では,脳血管障害で実は最も重要な治療であるリハビリテーションと,急性期治療が終わった後の地域連携の疑問に解説をいただきました.

 問答形式をとる本書が,脳血管障害診療における多くの問題の解決にお役に立てていただけると確信いたしております.

 最後に,本書の企画を監修いただいた慶應義塾大学医学部神経内科 鈴木則宏教授に心より感謝させていただきます.



2016年7月吉日
大阪市立大学大学院医学研究科神経内科
伊 藤 義 彰

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シリーズ刊行にあたって



 神経内科は,現在のわが国の専門医制度においては内科のsubspecialtyの一つであり,初期研修あるいは専門医への専攻医研修においては内科の必須研修科目の一つになっています.しかし神経内科疾患を「患者の主訴」という切り口で眺めてみると,「神経内科」はきわめて広い守備範囲を持っています.たとえば,「物がダブって二つに見える」「手がしびれる」「目がチカチカした後に激しい頭痛がする」などの感覚障害,「片側の手足が動かない」「ふらついて転びやすい」「呂律が回らない」「物が飲み込みにくい」などの運動障害,「朝食の内容を思い出せない」「自分の家族が誰であるかわからない」などの認知機能障害,「いくら呼んでも目を覚まさない」「時々失神する」などの意識障害など,さらには救急車で搬送されるような「激しい回転性めまいがして歩けない」「痙攣が止まらない」などの救急症状まで多岐にわたります.これらの多彩でかつ一般的な主訴から神経内科特有の疾患を鑑別し診断するのが神経内科なのです.神経疾患には,中枢神経の疾患(脳梗塞や脳出血等の脳血管障害,脳炎,髄膜炎,頭痛,てんかん,認知症,パーキンソン病,筋萎縮性側索硬化症,多発性硬化症,視神経脊髄炎など),末梢神経疾患,(Bell麻痺,Guillain―Barré症候群,慢性炎症性脱髄性ニューロパチーなど),筋疾患(筋ジストロフィー症,多発筋炎,周期性四肢麻痺など),神経筋接合部疾患(重症筋無力症,Lambert―Eaton筋無力症症候群など)が含まれ,きわめて多くの疾患があります.

 シリーズ『神経内科Clinical Questions & Pearls』はこのような神経内科を標榜し,さらに専門医を目指すという大きな志を抱く若き医師を対象として立案・企画されました.神経内科疾患を主な領域別に分け,各領域を独立したシリーズとして刊行することとし,各巻ごとに当該領域におけるオピニオンリーダーに責任編集者として内容を企画していただきました.テーマとしては,広い神経内科疾患の領域の中から,脳血管障害,パーキンソン病,認知症,頭痛,てんかん,多発性硬化症・視神経脊髄炎などの中枢脱髄性疾患,神経感染症,小脳失調症,高次脳機能障害,運動ニューロン疾患,末梢神経疾患そして筋疾患の12領域を抽出し,それぞれ1冊単位の独立したモノグラフとしました.ただし,各巻相互に統一性を持たせるため,編集骨格は神経内科診療の現場で遭遇する疑問・課題を,諸疾患の診療ガイドラインで一般化した「Clinical Questions(CQ)形式」として50〜100項目をとりあげ,それぞれについてエビデンスも踏まえて解説するという方針としました.構成としては,疾患の病態理解のための要点,診断と治療の要点,そして外来・病棟での実臨床の要点をQ&A形式にまとめ,それを中核にして前後に総説あるいはコラムなどを交えて解説するという形をとりました.さらに各章の結びとして「Pearls」と題するコラムを設け,診療のポイント,コツ,ピットフォール,最新の知見,読んでおきたい重要文献などについて紹介する工夫を施したことも本シリーズの特徴といえると思います.すなわち,本シリーズは各神経疾患診療に必要な知識を学び,現場での実践力を身につけることができるようまとめられた,新しいコンセプトに基づく神経内科ガイドブックといえるでしょう.最後に,各疾患領域におけるCQを精力的かつ網羅的に抽出していただいた各巻の分担編集者の先生方,ならびに本シリーズ全体の企画編集にご協力いただきました慶應義塾大学医学部神経内科専任講師 清水利彦先生に心から感謝したいと思います.


 本シリーズが,神経内科専門医を志す方々にとって血となり肉となり,将来の臨床の場において大きな花を咲かせ,そして大きく豊かな実を結ぶことを期待しています.



2016年5月吉日
慶應義塾大学医学部神経内科教授
鈴 木 則 宏

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Contents


I 脳血管障害の疫学,社会的負担,病型分類
  1 脳血管障害の患者を支援する社会的仕組みは何が不足していますか?〈秋山久尚〉
  2 脳血管障害の病型分類法にはどのような問題点がありますか?〈上田雅之〉

II 脳血管障害の救急体制,急性期評価,緊急検査
  1 脳卒中救急診療の地域ネットワークはどのように整備すればよいでしょうか?〈山田 哲〉
  2 急性期の神経学的所見やNIHSSはどうすれば要領よく診察できますか?〈山口啓二〉
  3 脳卒中急性期での頭部CTおよびCT血管撮影の有用性,問題点について教えてください〈田中亮太〉
  4 脳血管障害急性期において,どのような頭部MRIの撮像法が有用でしょうか?〈安池政志 横田 元 
    山田 惠〉
  5 脳卒中急性期に用いられる超音波検査にはどのようなものがありますか?〈此枝史恵〉

III 脳梗塞・一過性脳虚血発作
  1 一過性脳虚血発作が疑われた場合どのように対処すればよいでしょうか?〈安部貴人〉
  2 血栓溶解療法ではどのようなことに気をつけたらよいでしょうか?〈星野晴彦〉
  3 機械的血栓除去術はどのような症例に有効なのでしょうか?〈秋山武紀〉
  4 アテローム血栓性脳梗塞の急性期治療はどのように行われますか?〈棚橋紀夫〉
  5 ラクナ梗塞およびbranch atheromatous diseaseの急性期治療はどうしますか?〈山本康正〉
  6 心原性脳塞栓症の急性期,慢性期はどのように治療すればよいでしょうか?〈長尾毅彦〉
  7 急性期の脳浮腫,脳圧上昇はどのように対処すればよいでしょうか?〈堀口 崇〉
  8 脳保護薬にはどのような臨床的な効果がありますか?〈森原隆太 山下 徹 阿部康二〉
  9 境界領域梗塞の病態はどのように考えられているのですか?〈大木宏一〉
  10 頭蓋内・外の脳動脈解離はどのように診断・治療すればいいでしょうか?〈山脇健盛〉
  11 奇異性脳塞栓症の診断はどのようにすればよいでしょうか?〈松本典子 木村和美〉
  12 脳静脈・静脈洞血栓症はどのように診断,治療すればよいでしょうか?〈北川一夫〉
  13 トルーソー症候群の発症機序と治療法を教えてください〈徳岡健太郎 野川 茂〉
  14 もやもや病の治療はどう行いますか?〈黒田 敏〉
  15 若年性脳梗塞の原因にはどのようなものがありますか?〈小泉健三〉
  16 直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)はワルファリンとどのように使い分けたらいいですか?
    〈高嶋修太郎〉

  17 頸動脈内膜剝離術(CEA)とステント留置術(CAS)の適応症はどのように違いますか?〈秋山武
    紀〉
  18 EC―ICバイパスはどのような症例に行われますか?〈小笠原邦昭〉
  19 再発予防のための脳血管リスク因子の管理〈細見直永〉
 case approach 脳梗塞・一過性脳虚血発作〈安部貴人〉

IV 脳出血
  1 高血圧性脳内出血の急性期に手術以外の治療はどのように行いますか?〈大槻俊輔〉
  2 脳出血の手術適応はどのような症例に考慮しますか?〈一ノ瀬努〉
  3 抗血栓療法・血栓溶解療法に伴う脳出血にはどのように対処しますか?〈芝原友也 矢坂正弘〉
  4 脳アミロイドアンギオパチーの診断,治療はどのように行いますか?〈浜口 毅 山田正仁〉
 case approach 脳出血〈大木宏一〉

V くも膜下出血
   1  脳動脈瘤の外科的治療の適応はどのように考えられていますか?〈遠藤英徳 冨永悌二〉
   2  脳動脈瘤の血管内治療はどのような症例に適応がありますか?〈片山正輝〉
   3  遅発性脳血管攣縮の予防と治療はどのように行いますか?〈中込忠好〉
   4  未破裂脳動脈瘤の治療指針はどのように考えられていますか?〈越智 崇 斉藤延人〉
 case approach くも膜下出血〈堀口 崇〉

VI リハビリテーション
  1 脳血管障害のリハビリテーションはどのように進めればよいでしょうか?〈藤原俊之〉
  2 脳卒中のクリティカルパス,地域連携パスはどのように利用すればいいでしょうか?〈橋本洋一郎〉


 索引

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執筆者一覧

鈴木則宏  慶應義塾大学医学部神経内科 教授 シリーズ監修
伊藤義彰  大阪市立大学大学院医学研究科神経内科 教授 編集
秋山久尚  聖マリアンナ医科大学神経内科 准教授 
上田雅之  多摩総合医療センター神経・脳血管内科 部長 
山田 哲  済生会中央病院神経内科 
山口啓二  一宮西病院神経内科 部長 
田中亮太  順天堂大学医学部附属順天堂医院脳神経内科 准教授 
安池政志  京都府立医科大学放射線診断治療学 
横田 元  Department of Radiological Sciences, 
David Geffen School of Medicine at UCLA 
山田 惠  京都府立医科大学放射線診断治療学 教授 
此枝史恵  済生会中央病院神経内科 
安部貴人  大阪市立大学大学院医学研究科神経内科学 准教授 
星野晴彦  済生会中央病院神経内科 部長・脳卒中センター長 
秋山武紀  慶應義塾大学医学部脳神経外科 専任講師 
棚橋紀夫  埼玉医科大学国際医療センター神経内科 教授 
山本康正  京都桂病院脳神経内科 脳血管センター長 
長尾毅彦  日本医科大学多摩永山病院脳神経内科 部長・臨床准教授 
堀口 崇  慶應義塾大学医学部脳神経外科 専任講師 
森原隆太  岡山大学大学院医歯薬学総合研究科脳神経内科学 
山下 徹  岡山大学大学院医歯薬学総合研究科脳神経内科学 講師 
阿部康二  岡山大学大学院医歯薬学総合研究科脳神経内科学 教授 
大木宏一  慶應義塾大学医学部神経内科 専任講師 
山脇健盛  広島市民病院脳神経内科 主任部長 
松本典子  日本医科大学大学院神経・脳血管内科 病院講師 
木村和美  日本医科大学大学院神経・脳血管内科 教授 
北川一夫  東京女子医科大学神経内科 教授 
徳岡健太郎 東海大学医学部付属八王子病院神経内科 講師 
野川 茂  東海大学医学部付属八王子病院神経内科 教授 
黒田 敏  富山大学医学部脳神経外科 教授 
小泉健三  東京歯科大学市川総合病院神経内科 准教授 
高嶋修太郎 富山大学附属病院神経内科 診療教授 
小笠原邦昭 岩手医科大学脳神経外科 教授 
細見直永  広島大学大学院医歯薬保健学研究院脳神経内科学 講師 
大槻俊輔  近畿大学医学部附属病院脳卒中センター 教授 
一ノ瀬努  八尾徳洲会病院脳神経外科 部長 
芝原友也  国立病院機構九州医療センター脳血管神経内科 
矢坂正弘  国立病院機構九州医療センター脳血管神経内科 科長 
浜口 毅  金沢大学大学院医薬保健学総合研究科脳老化・神経病態学(神経内科学)講師 
山田正仁  金沢大学大学院医薬保健学総合研究科脳老化・神経病態学(神経内科学)教授 
遠藤英徳  広南病院脳神経外科 部長 
冨永悌二  東北大学大学院医学系研究科神経外科学分野 教授 
片山正輝  東京歯科大学市川総合病院脳神経外科 講師 
中込忠好  帝京大学医学部 名誉教授 
越智 崇  東京大学大学院医学系研究科脳神経外科 
斉藤延人  東京大学大学院医学系研究科脳神経外科 教授 
藤原俊之  東海大学医学部リハビリテーション科 准教授 
橋本洋一郎 熊本市民病院神経内科 主席診療部長 

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