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書籍詳細

漢方処方 定石と次の一手

漢方処方 定石と次の一手

入江祥史  編著

A5判 310頁

定価(本体4,200円 + 税)

ISBN978-4-498-06916-9

2016年05月発行

在庫あり

患者の訴えは多種多様。しかし実は、漢方薬を求める方の主訴はかぜ・冷え・便秘など数えられる程度に収束されます。そして、それらの7割程度に対応できる、囲碁でいうところの「定石」処方があることをご存知でしょうか。もちろん初手の定石だけでは応用が効きませんので、専門家の使う「次の一手」も知っておくと便利です。本書では、漢方初級者のための「定石」処方、専門家直伝の「次の一手」処方を分かりやすく解説しました。

はじめに


 読者諸氏は,チョウを素手で捕まえたことはあるだろうか.
 ウナギはどうだろうか.
 鳥はどうだろうか.
 息咳切らして懸命に奮闘した結果,チョウは何とか捕まえられても,ウナギはぬるぬるしているので,普通の人には素手で捕まえるのは相当に難関だ.鳥は,特別な仕掛けでもしない限り無理で,素手で捕まえることなどはとても不可能だと思うだろう.
 しかし私の経験では,例えば飛んできたハトを素手で捕まえることは可能である.1羽ずつ両の腕に抱えることもできるのである.棒一本を使えば,メジロだって簡単に獲れるが,これは獲ってはいけないのだった….
 素手で鳥を捕るには,まずそれぞれの鳥の習性をよく知ることが最低限必要だ,ということは理解いただけるだろう.さらに練習を重ねて,捕獲技術に習熟することも必要だ,ということにも異存はないだろう.
 しかし,努力だけではどうしようもない.こちらがあれこれ策を巡らせている間に,スズメやハトは飛び去ってしまうかもしれない.逃げられてしまえば捕獲は絶対にかなわない.
 素手で鳥を捕るには,技術上のコツがどうしても必要だ.コツを習得するには,実際に鳥を素手で捕まえる人に聞いて,その人のすること為すことをよく観て,そして鳥の舞う野山へ出かけて,真似してみるのだ.
 あるいは自分の身体能力には合わないコツもあるだろうから,そこは自分流に取り入れる必要もある.
 そもそも,捕り方を知っている鳥ばかりが飛んでいるとも限らない.知らない鳥がいたら,持てるすべてを応用して,しかも臨機応変に対策を講じる.
 体は瞬時に動くように,常日ごろからトレーニングしておく必要があるのは,いうまでもない.
 漢方診療もこれと同じである.


2016年春
編 者

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目 次


第1章 かぜ 〈加島雅之〉
  1.表証の漢方治療
  2.半表半裏証の基本の分析と治療
  3.裏証の分析と治療
  4.その他のかぜの病型に対する方法

第2章 気管支炎,咳 〈加島雅之〉
  1.急性の気管支炎,咳
  2.慢性の咳嗽
   Column 六淫外邪が示すもの

第3章 扁桃炎,咽頭炎 〈山田明広〉
  1.のどがいたい
  2.のどがつかえる
  3.のどがかわく
  4.口内炎

第4章 舌痛症 〈板倉英俊〉
  1.舌尖の痛み
  2.舌中央の痛み,口全体の痛み(口内炎を含む)
  3.舌側面の痛み

第5章 胃と食道の異常 〈有光潤介〉
  1.嘔気・嘔吐
  2.食思不振
  3.咽頭部不快感
  4.胸焼け
  5.心窩部痛
   Column 水飲め健康法の悲劇

第6章 肝臓・胆嚢・膵臓の異常 〈長瀬眞彦〉
  1.肝臓の異常
  2.胆嚢の異常
  3.膵臓の異常
   Column 二日酔いの漢方

第7章 便の異常 〈山田明広〉
  1.下痢
  2.便秘

第8章 血圧の異常 〈山田明広〉
  1.高血圧
   Column 現代西洋医学における血圧の調節
  2.低血圧

第9章 その他の循環器異常:動悸 〈板倉英俊〉

第10章 腎・泌尿器疾患 〈入江祥史〉
  1.膀胱炎
  2.腎盂腎炎
  3.慢性腎炎症候群,ネフローゼ症候群

第11章 太り過ぎ,やせ過ぎ 〈板倉英俊〉
 (1)太り過ぎ
  1.虚証体質の肥満
  2.実証体質の肥満
 (2)やせ過ぎ

第12章 頭痛 〈小栗重統〉
  1.頭痛の西洋医学的分類と漢方
  2.頭痛発生機序
  3.治療の過程

第13章 眼科疾患 〈入江祥史〉
  1.眼精疲労
  2.ドライアイ
  3.結膜炎,角膜炎
  4.白内障
  5.緑内障
  6.ぶどう膜炎
  7.加齢黄斑変性
  8.網膜色素変性症

第14章 耳の異常 〈小川恵子〉
  1.中耳炎
  2.耳鳴
  3.眩暈

第15章 鼻の異常 〈小川恵子〉
  1.アレルギー性鼻炎  140
  2.嗅覚障害
   Column 経方医学的な麻黄湯の考え方

第16章 肩〜腕の異常 〈加島雅之〉
   Column 痹証に対する漢方の可能性

第17章 足の異常 〈田中耕一郎〉
  1.脱力感
  2.浮腫
   Column 血と水 体内の液体成分
  3.しびれ,疼痛

第18章 腰の異常 〈田中耕一郎〉
  1.腰のだるさ,腰痛(鈍痛)
  2.腰痛(より強い痛み)〜瘀血の関与〜
   Column 日本独特の生薬 川骨・桜皮・樸樕

第19章 月経異常 〈小川恵子〉
  1.正常な月経とは?
  2.月経異常とは?
  3.月経困難症の漢方
  4.月経前症候群
  5.月経不順
   Column ストレスと月経異常症

第20章 妊娠に関するトラブル 〈入江祥史〉
  1.不妊症
  2.流産
  3.妊娠悪阻
  4.妊娠中の便秘
  5.妊娠中の感冒
  6.妊娠中の腹痛
  7.乳腺炎,乳腺症,乳汁分泌不全
  8.疲労,マタニティブルー
  9.男性不妊

第21章 更年期障害 〈長瀬眞彦〉
  1.身体症状が強い場合
  2.精神神経症状が強い場合
   Column 更年期障害の名残?

第22章 陰部・肛門・性器のトラブル 〈入江祥史〉
  1.痔
  2.肛門痛
  3.不正性器出血
  4.腟炎,腟カンジダ症など
  5.男性性器の異常

第23章 皮膚の異常(1):湿疹・かゆみ 〈田中耕一郎〉
   Column 身体所見を自然現象に例える

第24章 皮膚の異常(2):皮膚の荒れ 〈田中耕一郎〉
  1.顔面
   Column 一貫堂処方
   Column 中国語語感を磨くことは東洋医学の深みを増してくれる

第25章 皮膚の異常(3):皮膚の腫物 〈田中耕一郎〉
   Column 争いを越え,相手を理解する

第26章 疲れやすい 〈山田明広〉
   Column 夏バテ,熱中症,脱水症

第27章 冷え 〈有光潤介〉
   Column 附子を使い分ける

第28章 暑い,汗をかく 〈有光潤介〉
  1.暑さを伴う汗
  2.暑さを伴わない汗
   Column 石膏の不思議

第29章 精神神経系の異常 〈長瀬眞彦〉
  1.落ち込みが強い場合
  2.イライラが強い場合
  3.イライラと落ち込みがともにある場合
  4.不安感が強い場合
  5.身体症状が強い場合
   Column 感情と臓腑との関連

第30章 睡眠の異常 〈長瀬眞彦〉
 ◆定石◆
  1.入眠障害,早朝覚醒
  2.中途覚醒
  3.熟眠障害
 ◆次の一手◆
  1.入眠障害,早朝覚醒
  2.中途覚醒
  3.熟眠障害


索 引

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執筆者一覧

入江祥史  証クリニック吉祥寺院長 編著
加島雅之  熊本赤十字病院総合内科副部長 
山田明広  香椎内科診療所所長 
板倉英俊  真田クリニック内科・漢方外来 
有光潤介  千里中央駅前クリニック漢方医学センター長 
長瀬眞彦  吉祥寺中医クリニック院長 
小栗重統  ひかり桜ケアクリニック院長 
小川恵子  金沢大学医学部附属病院漢方医学科臨床教授 
田中耕一郎 東邦大学医療センター大森病院東洋医学科講師 

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