呼吸器の薬の考え方,使い方 ver.2
倉原優 著
A5判 454頁
定価5,720円(本体5,200円 + 税)
ISBN978-4-498-13015-9
2016年04月発行
在庫あり
呼吸器の薬の考え方,使い方 ver.2
倉原優 著
A5判 454頁
定価5,720円(本体5,200円 + 税)
ISBN978-4-498-13015-9
2016年04月発行
在庫あり
吸入薬、禁煙補助薬、抗結核薬、対症療法に用いる去痰薬や鎮咳薬、肺高血圧症の治療に用いる循環器系の薬剤、肺がん治療の分子標的薬、意外に深い含嗽薬やトローチまで、呼吸器科で用いる様々な薬の薬剤情報、薬理と臨床試験、処方に際しての注意点など医療従事者が知っておきたい薬の必要知識+αをまとめた好評書の改訂第2版。新規薬剤の追加や吸入方法の図解描きおろしなど、ページ数大幅増加で更に内容が充実しました!
第2版のまえがき
時が経つと,あの昔主役を張っていた俳優がいつの間にかチョイ役になっていることがあります.しかしそれは芸能界にかぎらず,医学界でも同様なのです.新しい薬剤が登場しては古い薬剤を蹴落としていく.あらゆる診療科で繰り広げられる薬剤の下剋上.それを傍から眺めているだけではダメです.私たち医療従事者はその熾烈な争いにどっぷりと漬かって観察する必要があります.その肉弾戦を目の当たりにし,さらなる知識を蓄えていくのです.
ここ数年の間に,吸入薬が劇的に増えました.昔は数えるくらいしか選択肢がなかったところに,エリプタ,ジェヌエアという新しい吸入デバイスが登場しました.「呼吸器の薬の考え方,使い方」の第1版が発売された頃に,エンクラッセⓇエリプタ,エクリラⓇジェヌエアなんて言っても誰にも通じなかった薬剤が,いまや閉塞性肺疾患の表舞台で活躍しているのです.なんと回転の速い世界でしょうか.
2016年に入り,現在の呼吸器科医が頻繁に使っている薬剤の一部は,少なくとも前版のままでは使いこなせないと判断しました.そのため,出版社にお願いして改訂版を執筆させていただくことになりました.
改訂にあたって,実臨床で使いやすいように吸入薬の使い方については別途まとめを作成しました.また,新しくエビデンスが増えたものについては,それをアップデートした文章に書き直しています.なんやかんやでページ数が大幅に増えてしまったのは致し方のないところでして.できるだけ長く使っていただける呼吸器の薬の教科書にしたいという一心で書き増したところ,大幅にページ数が増えてしまいました.
書籍の改訂にあたって尽力くださった中外医学社の岩松宏典様に心より感謝申し上げます.そして,今回も監修を引き受けてくださった院長の林清二先生,お忙しい中誠にありがとうございました.今回も表紙のデザインは中学・高校のクラスメイトである,テキスタイルデザイナー・アーティストの谷川幸さん(C.a.w Design Studio代表)の作品を使用しています.第二子の出産のさなか,依頼を引き受けてくれて本当にありがとう.自宅で執筆の時間をつくってくれる妻の実佳子,長男の直人,次男の恵太にもいつも感謝しています.
2016年2月
倉原 優
監修の序
吸入薬のデバイスは医者にとっても患者さんにとっても悩みのたねです.少量の薬剤で高い局所濃度を実現し,かつ全身的な副作用の軽減が可能な吸入療法は,肺の解剖学的特徴を生かした合理的な薬剤送達法なので,今後ますます呼吸器診療領域でその重要性が増し,次々と薬剤が開発されていくことでしょう.ということは,すでに多数存在するデバイスが,さらに多様化していく可能性があるということです.患者さんに吸入指導し,確実な薬効をあげるには,医師が吸入デバイスについて精通していなければならない.実に大変なことです.デバイスの話は本書の一部にすぎませんが,処方する医師だけではなく患者さんがどんな情報をほしがっているかを踏まえ,それをどのように提示したらよいかを主題にしているのが本書です.つまり,少し変わった切り口で薬の話が展開しますが,まさにその部分に著者倉原君の持ち味が生かされています.彼の最も優れた資質は,みんなが何を知りたがっているか的確に探り当てる想像力です.それは,高い閲覧件数を誇る彼のブログ「呼吸器内科医」と,それをまとめた著書が重視している所と共通です.面倒なテーマについて資料を丹念に集めて読み込み,彼は程よい大きさで,綺麗に盛りつけて目の前に出してくれるので,私達は労せずにその成果を吸収できます.
病棟の受け持ち,外来診察,気管支鏡その他の検査業務を人並み以上にこなしながら,さらにこのような仕事をまとめる時間をどうやってひねり出しているのかと思います.かつて,作品の質の高さだけではなく本業以外の活動の多彩さから,双子の兄弟がいるのではと冗談半分に言われた作家がいましたが,彼もそのように思えなくもありません.昨年は易々と複数の論文と症例報告を英文でものにして,オリジナル信仰にとらわれている旧世代につけいる隙を与えません.さらに,院内コンサートではさりげなくショパンを弾いて乙女(年齢不問)の胸を熱くさせるイケメンで,しかもイクメンである彼をみていると,実は双子の兄弟が…,と考えたくなるのも無理はないでしょう.
監修という立場で本書の作成に関わることができて嬉しく思います.私がやったことは,呼吸器が専門でない医師にも薬を通して呼吸器疾患が概観できるようにバランスをとることと,1,2の引用文献の追加を提案したぐらいですが,それが彼の持ち味を損なっていなければよいがと思っています.
2014年3月
林 清二
目次
I.対症療法〜呼吸器科医として止めたい症状〜
はじめに─患者さんの「今すぐ何とかして!」にどう応えるべきか
1.呼吸困難感に対するオピオイド〜使いたいけど使いにくい〜
1.オピオイドはがん性疼痛にしか使えない?
2.呼吸困難感に対するオピオイド
・モルヒネ塩酸塩
・モルヒネ塩酸塩内用液剤(オプソⓇ)
2.止血剤〜痰に血が混じったら〜
1.血痰と喀血の違い
2.血痰や喀血を診たら
3.気管支鏡前の抗血栓薬
4.止血剤を使う呼吸器科医のスタンス
5.止血剤(1)
・カルバゾクロムスルホン酸ナトリウム水和物(アドナⓇ など)
・アドレノクロムモノアミノグアニジンメシル酸塩水和物(S・アドクノンⓇ など)
・トラネキサム酸(トランサミンⓇ など)
6.止血剤(2)
・ヘモコアグラーゼ(レプチラーゼⓇ)
3.去痰薬〜あまりにも多すぎる選択肢〜
1.去痰薬の作用機序
2.最低限覚えておきたい去痰薬
3.気道分泌促進薬
・ブロムヘキシン塩酸塩(ビソルボンⓇ など)
4.気道粘膜潤滑薬
・アンブロキソール塩酸塩(ムコソルバンⓇ など)
・アンブロキソール塩酸塩徐放剤(ムコソルバンLⓇ など)
5.分泌細胞正常化薬,気道粘液修復薬
・カルボシステイン(ムコダインⓇ など)
・フドステイン(スペリアⓇ など)
6.気道粘液溶解薬(1)
・アセチルシステイン(ムコフィリンⓇ)
・エチルシステイン塩酸塩(チスタニンⓇ)
・メチルシステイン塩酸塩(ペクタイトⓇ など)
7.気道粘液溶解薬(2)
・プロナーゼ(エンピナース・PⓇ)
・リゾチーム塩酸塩(ノイチームⓇ など)
8.界面活性剤
・チロキサポール(アレベールⓇ)
9.植物成分
・セネガ(セネガⓇ など)
・桜皮エキス(ブロチンⓇ)
・キョウニンエキス(キョウニンⓇ など)
4.鎮咳薬〜「とにかく咳を止めてください!」と言われたら〜
1.どの鎮咳薬が最も力価が高いのか
2.中枢性麻薬性鎮咳薬
・コデインリン酸塩水和物(コデインリン酸塩Ⓡ)
・ジヒドロコデインリン酸塩(ジヒドロコデインリン酸塩Ⓡ)
・オキシメテバノール(メテバニールⓇ)
3.中枢性非麻薬性鎮咳薬(1)
・デキストロメトルファン臭化水素酸塩水和物(メジコンⓇ など)
4.中枢性非麻薬性鎮咳薬(2)
・ジメモルファンリン酸塩(アストミンⓇ など)
5.中枢性非麻薬性鎮咳薬(3)
・チペピジンヒベンズ酸塩(アスベリンⓇ)
6.中枢性非麻薬性鎮咳薬(4)
・エプラジノン塩酸塩(レスプレンⓇ)
7.中枢性非麻薬性鎮咳薬(5)
・ペントキシベリンクエン酸塩(トクレスⓇ など)
8.中枢性非麻薬性鎮咳薬(6)
・クロペラスチン(フスタゾールⓇ)
9.中枢性非麻薬性鎮咳薬(7)
・ベンプロペリンリン酸塩(フラベリックⓇ)
10.中枢性非麻薬性鎮咳薬(8)
・クロフェダノール塩酸塩(コルドリンⓇ)
11.中枢性非麻薬性鎮咳薬(9)
・エフェドリン塩酸塩(塩酸エフェドリンⓇ など)
・メチルエフェドリン塩酸塩(メチエフⓇ など)
・メトキシフェナミン塩酸塩(メトキシフェナミン塩酸塩Ⓡ)
12.中枢性非麻薬性鎮咳薬(10)
・ノスカピン(ノスカピンⓇ)
13.漢方薬(1)
・麦門冬湯エキス
14.漢方薬(2)
・滋陰降火湯
5.鎮咳・去痰配合剤〜一石二鳥の配合剤〜
1.エビデンスの少ない鎮咳・去痰配合剤
2.鎮咳・去痰配合剤(1)
・桜皮エキス+コデインリン酸塩(濃厚ブロチンコデインⓇ など)
3.鎮咳・去痰配合剤(2)
・ジヒドロコデインリン酸塩+エフェドリン塩酸塩+塩化アンモニウム(セキコデⓇ)
・ジヒドロコデインリン酸塩+メチルエフェドリン塩酸塩+クロルフェニラミンマレイン酸塩(フスコデⓇ など)
・ジプロフィリン+ジヒドロコデインリン酸塩+メチルエフェドリン塩酸塩+ジフェンヒドラミンサリチル酸塩+アセトアミノフェン+ブロムワレリル尿素(カフコデNⓇ)
4.鎮咳・去痰配合剤(3)
・ジプロフィリン+メトキシフェナミン塩酸塩+ノスカピン+クロルフェニラミンマレイン酸塩(アストーマⓇ)
5.鎮咳・去痰配合剤(4)
・キキョウ流エキス+車前草エキス+シャクヤクエキス(オピセゾールAⓇ)
・キキョウ流エキス+車前草エキス+シャクヤクエキス+カンゾウエキス+ジヒドロコデインリン酸塩(オピセゾールコデインⓇ)
II.禁煙補助薬〜薬でたばこはやめられるか?〜
1.禁煙補助薬は適応が決まっているのか?
2.禁煙補助薬の種類
3.禁煙外来の流れ
4.禁煙補助薬の費用〜たばこより安い?〜
5.禁煙補助薬の効果〜どれが一番すぐれているのか〜
6.禁煙補助薬の使い分けと注意点
7.ニコチン置換療法(1)
・ニコチン(ニコチネルTTSⓇ など)
8.ニコチン置換療法(2)
・ニコチンガム(ニコレットⓇ など)
9.α4β2作動・拮抗薬
・バレニクリン酒石酸塩(チャンピックスⓇ)
III.閉塞性肺疾患治療薬〜アドヒアランスがキーポイント〜
はじめに─吸入薬だけは理解しよう
1.吸入薬〜基本は「患者さんに合うか合わないか」〜
A.吸入薬の歴史
B.閉塞性肺疾患のガイドライン上の吸入薬の位置づけ
C.どんな合剤があるのか〜タービュヘイラー族,ディスカス族,ブリーズへラー族,エリプタ族,レスピマット族〜
D.吸入ステロイド薬(ICS)〜気管支喘息治療の主役〜
1.ICSの薬理
2.ICSの種類
3.どのICSを使用すべきか〜専門医が重要視するポイント〜
4.ICSはどのくらいの量を吸入すべきか
5.ICSのステップダウンはいつ行うべきか
6.吸入ステロイド薬(ICS)(1)
・シクレソニド(オルベスコⓇ)
7.吸入ステロイド薬(ICS)(2)
・ブデソニド(パルミコートⓇ)
8.吸入ステロイド薬(ICS)(3)
・フルチカゾンプロピオン酸エステル(フルタイドⓇ)
9.吸入ステロイド薬(ICS)(4)
・ベクロメタゾンプロピオン酸エステル(キュバールⓇ)
10.吸入ステロイド薬(ICS)(5)
・モメタゾンフランカルボン酸エステル(アズマネックスⓇ)
11.吸入ステロイド薬(ICS)/吸入長時間作用性β2刺激薬(LABA)(1)
・フルチカゾンプロピオン酸エステル/サルメテロールキシナホ酸塩(アドエアⓇ)
12.吸入ステロイド薬(ICS)/吸入長時間作用性β2刺激薬(LABA)(2)
・ブデソニド/ホルモテロールフマル酸塩水和物(シムビコートⓇ)
13.吸入ステロイド薬(ICS)/吸入長時間作用性β2刺激薬(LABA)(3)
・フルチカゾンプロピオン酸エステル/ホルモテロールフマル酸塩水和物(フルティフォームⓇ)
14.吸入ステロイド薬(ICS)/吸入長時間作用性β2刺激薬(LABA)(4)
・フルチカゾンフランカルボン酸エステル/ビランテロールトリフェニル酢酸塩(レルベアⓇ)
E.吸入β2刺激薬〜長期管理もレスキューも〜
1.β2刺激薬の薬理
2.吸入β2刺激薬の種類
3.どのLABAを使用すべきか
4.どのSABAを使用すべきか
5.LABA・SABAの副作用
6.吸入長時間作用性β2刺激薬(LABA)
・サルメテロールキシナホ酸塩(セレベントⓇ)
・インダカテロールマレイン酸塩(オンブレスⓇ)
・ホルモテロールフマル酸塩水和物(オーキシスⓇ)
7.吸入短時間作用性β2刺激薬(SABA)
・サルブタモール硫酸塩(ベネトリンⓇ など)
・プロカテロール塩酸塩水和物(メプチンⓇ)
・フェノテロール臭化水素酸塩(ベロテックⓇ)
F.吸入抗コリン薬およびその合剤〜簡単ではないCOPDの長期管理〜
1.吸入抗コリン薬の薬理
2.吸入抗コリン薬の種類
3.どの吸入抗コリン薬を使用すべきか
4.吸入短時間作用性抗コリン薬(SAMA)
・イプラトロピウム臭化物水和物(アトロベントⓇ)
・オキシトロピウム臭化物(テルシガンⓇ)
5.吸入長時間作用性抗コリン薬(LAMA)(1)
・チオトロピウム臭化物水和物(スピリーバⓇ)
・グリコピロニウム臭化物(シーブリⓇ)
6.吸入長時間作用性抗コリン薬(LAMA)(2)
・アクリジニウム臭化物(エクリラⓇ)
・ウメクリジニウム臭化物(エンクラッセⓇ)
7.吸入長時間作用性抗コリン薬(LAMA)/ 吸入長時間作用性β2刺激薬(LABA)
・グリコピロニウム臭化物/インダカテロールマレイン酸塩(ウルティブロⓇ)
・ウメクリジニウム臭化物/ビランテロールトリフェニル酢酸塩(アノーロⓇ)
・チオトロピウム臭化物/オロダテロール(スピオルトⓇ)
8.クロモグリク酸ナトリウム(インタールⓇ)
吸入法のまとめ
2.非吸入薬〜どこまでエビデンスがあるのか〜
1.非吸入薬の歴史
2.テオフィリン製剤(1)
・テオフィリン(テオドールⓇ など)
3.テオフィリン製剤(2)
・アミノフィリン(ネオフィリンⓇ など)
4.テオフィリン製剤(3)
・ジプロフィリン(ジプロフィリンⓇ など)
・プロキシフィリン(モノフィリンⓇ)
5.テオフィリン薬配合剤
・ジプロフィリン+パパベリン+ジフェンヒドラミン塩酸塩+エフェドリン塩酸塩+ノスカピン(アストフィリンⓇ)
・プロキシフィリン+エフェドリン+フェノバルビタール(アストモリジンⓇ)
・ジプロフィリン+メチルエフェドリン(アニスーマⓇ)
6.ロイコトリエン拮抗薬
・モンテルカスト(シングレアⓇ など)
・プランルカスト(オノンⓇ など)
7.非選択的β刺激薬
・エフェドリン塩酸塩(ヱフェドリン「ナガヰ」Ⓡ)
・メチルエフェドリン塩酸塩(メチエフⓇ)
・メトキシフェナミン塩酸塩(メトキシフェナミンⓇ塩酸塩)
8.長時間作用性β2刺激薬(LABA):非吸入剤
・ツロブテロール(ホクナリンⓇ など)
・クレンブテロール塩酸塩(スピロペントⓇ など)
9.短時間作用性β2刺激薬(SABA):非吸入剤
・フェノテロール臭化水素酸塩(ベロテックⓇ など)
・テルブタリン硫酸塩(ブリカニールⓇ など)
・プロカテロール塩酸塩水和物(メプチンⓇ など)
・サルブタモール硫酸塩(ベネトリンⓇ など)
・トリメトキノール塩酸塩(イノリンⓇ など)
10.モノクローナル抗体
・オマリズマブ(ゾレアⓇ)
IV.肺高血圧症治療薬〜使いこなしたい循環器系薬剤〜
1.見過ごされがちな肺高血圧症
2.知っておきたい3つの経路
3.現在使用できる肺高血圧症治療薬
4.単剤治療か併用治療か
5.6分間歩行試験は臨床試験のエンドポイントとして妥当か
6.治療目標をどこに設定するか
7.慢性呼吸器疾患に伴う肺高血圧症にはどの薬剤がよいか
8.エンドセリン受容体拮抗薬
・ボセンタン水和物(トラクリアⓇ)
・アンブリセンタン(ヴォリブリスⓇ)
・マシテンタン(オプスミットⓇ)
9.プロスタグランジンI2誘導体製剤(1)
・ベラプロストナトリウム(ドルナーⓇ など)
・ベラプロストナトリウム徐放性製剤(ベラサスLAⓇ など)
・エポプロステノールナトリウム(フローランⓇ)
・トレプロスチニル(トレプロストⓇ)
10.プロスタグランジンI2誘導体製剤(2)
・イロプロスト(ベンテイビス)
11.ホスホジエステラーゼ-5阻害薬
・シルデナフィルクエン酸塩(レバチオⓇ)
・タダラフィル(アドシルカⓇ)
12.可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激薬
・リオシグアト(アデムパスⓇ)
V.抗結核薬〜アンコモンではない結核に備えよう〜
1.「知らない」では済まされない抗結核薬
2.抗結核薬の種類
3.抗結核薬の標準治療〜にーえいちあーるいーぜっと たす よんえいちあーる〜
4.抗結核薬の治療原理〜会社員にたとえてみると〜
5.抗結核薬の使用量〜ごー,じゅー,じゅーご,にじゅーご〜
6.なぜ結核治療は今のレジメンになったのか
7.抗結核薬の副作用〜抗結核薬は副作用だらけ?〜
8.結核治療開始前に確認しておきたいこと
9.抗結核薬(1)
・イソニアジド(イスコチンⓇ など)
・イソニアジドメタンスルホン酸ナトリウム(ネオイスコチンⓇ)
◆イソニアジドによる神経障害
10.抗結核薬(2)
・リファンピシン(リファンピシンⓇ など)
・リファブチン(ミコブティンⓇ)
◆イソニアジド・リファンピシンの減感作療法
11.抗結核薬(3)
・エタンブトール塩酸塩(エサンブトールⓇ など)
◆エタンブトール視神経症
12.抗結核薬(4)
・ピラジナミド(ピラマイドⓇ)
13.抗結核薬(5)
・硫酸ストレプトマイシン(硫酸ストレプトマイシンⓇ)
・硫酸カナマイシン(カナマイシンⓇ)
・エンビオマイシン硫酸塩(ツベラクチンⓇ)
14.抗結核薬(6)
・エチオナミド(ツベルミンⓇ)
15.抗結核薬(7)
・サイクロセリン(サイクロセリンⓇ)
16.抗結核薬(8)
・パラアミノサリチル酸カルシウム水和物(ニッパスカルシウムⓇ)
・アルミノパラアミノサリチル酸カルシウム水和物(アルミノニッパスカルシウムⓇ)
17.デラマニド(デルティバⓇ)
VI.抗線維化薬〜肺の線維化を食い止めたい〜
1.特発性肺線維症は治らない?
2.ピルフェニドン(ピレスパⓇ)
3.ニンテダニブ(オフェブⓇ)
VII.分子標的薬〜新時代の肺がん治療〜
1.分子標的薬は夢の薬か
2.EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)の作用部位
3.EGFR-TKIの使い分け〜最優先すべきは患者さんの生活〜
4.EGFR-TKI(1)
・ゲフィチニブ(イレッサⓇ)
◆EGFR-TKIの耐性化
5.EGFR-TKI(2)
・エルロチニブ(タルセバⓇ)
6.EGFR-TKI(3)
・アファチニブ(ジオトリフⓇ)
7.EGFR-TKIによる皮膚障害の治療
8.抗VEGFヒト化モノクローナル抗体
・ベバシズマブ(アバスチンⓇ)
9.維持療法について
10.高額療養費制度について知っていますか?
11.ALK阻害薬(1)
・クリゾチニブ(ザーコリⓇ)
12.ALK阻害薬(2)
・アレクチニブ(アレセンサⓇ)
13.ニボルマブ(オプジーボⓇ)
VIII.含嗽薬・トローチ〜浅いようで深い,うがいの世界〜
1.「うがい」とは
2.うがいにエビデンスはあるのか
3.含嗽薬(1)
・ポビドンヨード(イソジンⓇガーグルなど)
4.含嗽薬(2)
・ベンゼトニウム塩化物(ネオステリンⓇグリーン)
5.含嗽薬(3)
・フラジオマイシン硫酸塩(デンターグルⓇ)
6.トローチ(1)
・臭化ドミフェン(オラドールⓇ など)
7.トローチ(2)
・デカリニウム塩化物(SPトローチⓇ など)
8.トローチ(3)
・セチルピリジニウム塩化物水和物(セチルピリジニウムⓇ)
IX.その他〜脇役だけど大事な薬〜
1.呼吸器科的に押さえておきたいその他の薬
2.シロリムス(ラパリムスⓇ)
3.吸入顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM-CSF)
4.フルマゼニル(アネキセートⓇ)
5.ナロキソン(ナロキソンⓇ)
6.ドキサプラム塩酸塩水和物(ドプラムⓇ)
7.OK-432(ピシバニールⓇ)
8.タルク(ユニタルクⓇ胸膜腔内注入用懸濁剤4 g)
◆胸膜癒着術の実際の手順
◆胸膜癒着術の合併症
事項索引
薬剤名索引
装丁 谷川 幸
一口メモ
送風だけでも効果がある?
見逃されやすい血痰・喀血の原因
喀血と吐血を鑑別できるか?
痰は「止める」? それとも「切る」?
痰壺(たんつぼ)が置かれた理由
wheeze? wheezes? wheezing?
bronchorrheaとは
去痰薬の裏ワザ
鎮咳薬としての強オピオイドはどうか
「謦咳に接する」という慣用句
ハチミツが咳嗽に効く
リドカインネブライザー
レボドロプロピジン
桜の木の皮からつくる薬
報酬療法
ニコチンには発がん性はない
電子たばこで禁煙できる?
運転に従事する患者さんになぜバレニクリンを使用すべきではないのか
ステップダウンができない?
ICSは肺がんのリスク?
肺がんのある患者さんへの吸入薬
AMD(Adjustable Maintenance Dosing)療法
海外にはエリプタのICSがある
フロンガスの行く末
オロダテロール
喘鳴
抗コリン薬も心臓によくない?
トリプル吸入療法
テオフィリン中毒
コーヒーを飲みすぎるとテオフィリン中毒になる!?
モンテルカストが認知症に有効?
ボディビルディングとクレンブトール
「ヒト化する」とは?
新たなモノクローナル抗体メポリズマブ・レブリキズマブ
新しい肺高血圧症治療薬セレキシパグ
エンドセリンの発見者
稀だが知っておきたい肺静脈閉塞症(PVOD)
バイアグラの臨床試験
肝心の薬剤が使えない時はどうしたらよい?
抗結核薬の計算方法
イソニアジドと魚と乳製品
世界最古の結核
ピラジナミドで尿酸値が上がったらどうするか
妊婦・授乳婦の結核
Lady Windermere’s syndrome(ウィンダミア夫人症候群)
21世紀は多剤耐性結核の時代
多剤耐性結核に対するベダキリンの効果
特発性肺線維症(IPF)に対するボセンタンの効果
ピルフェニドンにはどの日焼け止めを使えばいいのか
ゲフィチニブとエルロチニブの違いとは
次世代のEGFR-TKI
もう1つの第2世代ALK阻害薬─セリチニブ
ペンブロリズマブ
ラムシルマブ
衣類に付着したイソジンガーグルの色を消す方法
PL顆粒の「PL」って何?
肺胞蛋白症(PAP)に対してどのくらいの量で全肺洗浄するのか?
アヘン,モルヒネ,ヘロインの違い
タルクとベビーパウダー
執筆者一覧
倉原優 著
林清二 監修
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