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書籍詳細

ココまで読める!実践腹部単純X線診断 

ココまで読める!実践腹部単純X線診断 

―「透視力」を鍛えて「臨床推論能力」を高める―

西野徳之 著

B5判 274頁

定価(本体9,000円 + 税)

ISBN978-4-498-01358-2

2014年04月発行

在庫なし

「CTやMRIがあるのに、どうして今さら腹部単純X線?」「そもそも腹部X線でなにがわかるの?」……とあなどるなかれ、実は臨床医にとって腹部X線の読影から得られる情報は『意外に』多いのです。ともすれば見過ごしがちなそれらの情報をうまく見つけることは更なる精査へのきっかけとなり、ひいては臨床医の診断力向上へとつながっていきます。本書では、腹部単純X線を手がかりとして患者の病態を透視する「心眼」を磨くためのコツを解説します。

推薦の序

 本書の特徴は,従来放射線科医によって解説されてきた腹部単純X 線写真の読影を介して患者の病態を解明する過程を,プライマリ・ケア医の視点から分かり易く解読している点にある.
 しかも様々な症例を呈示し,その症例に基づいた解析が行われているので,その内容は全ての分野の臨床医の参考となるものとなっている.
 又医師に留まらず,コメディカルの人達にとっても良い参考書となるであろう.
 更に医学生にとっても本書の中で随所に紹介されている臨床推論の過程が大いに勉強になると考えられる.
 私も目を通してみたが,その内容に引き込まれ,つい時間を過ごしてしまった.
 本書は正しく患者志向の臨床の教科書であり,医療関係者の間で広く読まれる事を期待して推薦の言葉としたい.

日本医学会 会長 高久史麿

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はじめに

 読者の皆さんは,CT やMRI があるのにどうして今さら腹部単純X 線なの? と思われるかもしれません.
 この本では,臨床医のために腹部単純X 線の有用性を総合医である著者が説いています.
 この本を読んでいただければ,「だからこそ腹部単純X 線(腹部X 線)撮影が必要」と思っていただけるものと信じてやみません.
 この本は端的にいうと教科書というより『読み物』です.辞書でもなければ解説書でもありません.ですから,一部分を拾い読みするのではなく,一時間で最後まで一気に読破してください.その代わり,最後まで読み通したとき,あなたの腹部X 線の読影力は飛躍的に向上していることをお約束いたします.でも,実はそれは眼線(目線)が変わっただけなのかもしれません.
 この本のコンセプトは「腹部X 線を診断すること」ではありません.もちろん診断もしていますし,治療経過も解説しています.しかし,臨床において大切なことは患者さんを診て,撮影すべきだと判断し,その腹部X 線から病態を想定して次の検査へつなげられることなのです.その腹部X線が異常かどうかを,「あなた自身が判定できる」よう導くことこそが本書の最大の目標です.
 本書では臨床医の眼線(目線)で症例を解説しています.すなわち著者が外来において患者さんが診察室に入ってきて,アイコンタクトから診療が始まり,問診そして触診,引き続き血液検査と腹部X 線写真を読影するまでを,最初に見開きでご提案します.ここまでの診療は消化器内科医でなくとも内科医のルーチンワークです.ですから,この条件で「どこまで患者さんの病態を理解できるか」を主眼としたケーススタディとしています.腹部X 線を見て,次にどんな検査をすべきかを考えて頂きます.次ページからはX 線の所見の読み解き方,そしてその理解のための他の画像所見を紹介することに多くのページを使っています.その理解ができれば他の患者さんにも応用できるはずだからです.加えて,その後に行った検査と診断治療について解説します.
 腹部X 線で何がわかるか? niveau とfree air……ぐらい.そう思われる方は少なくありませんが,『意外に』その情報量は多いのです.その情報をいかに引き出すかが問題なのです.難しく考える必要はありません.そもそも腹部X 線の読影において「〜 sign」なども覚えていなくてもいいのです.なぜなら,「〜 sign」探しよりも病態を読み解くことの方が大切だからです.ですから腹部X線の役目は「変だな?」「おかしい?」と判断し,次にすべき検査を考えたり,上級医や専門医に紹介すればいいのです.
 腹部X 線は大学の教授でも,研修医でも,病院の勤務医でも,開業医でも,医学生でも,看護師など誰にでも平等に情報を提供してくれる共通の有用な医療の診療プラットフォームなのです.大切なことは,そこからどれだけ的確に情報を引き出すかなのです.
 ハリー・ポッターの「賢者の石」が如く,我々が腹部X 線の本質を得たいと心から願ったときに,腹部X 線は病態の本質をそっとこころに囁き語りかけてくれるはずです.
 本書を読む前に,今までお持ちの腹部単純X 線に対する「常識」を一度リセットして読み進んでください.用意はいいですか?

2014 年4 月
西野 徳之

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目 次

Part 1 総論
1.脳のはたらきと腹部単純X 線の読影
2.腹部単純X 線の読影のコツ
3.診療の流れ
4.腹部単純X 線で何がわかる?
 4‒1. free air(腸管穿孔に伴う遊離空気) 84 歳,男性
 4‒2. niveau(air fluid level)鏡面像形成
 4‒3. niveau を呈さないイレウス
5.Warming up まずは初めに胸部単純X 線を読影してみよう
 5‒1. 肺癌 81 歳,男性
 5‒2. 腹部単純X 線:立位 vs 臥位(造影CT 検査後)
 5‒3. 読影のポイント
6.腹部単純X 線の基本的な撮影方法と読影順序
7.透視力!
本書の構成

Part 2 森編
■主題症例(1)
 症例1 便秘・腹痛
 症例2 関連症例 結腸癌(肝弯曲)
 症例3 関連症例 結腸癌(SD junction)
■主題症例(2)
 症例4 発熱,嘔気
 症例5 関連症例 肝腫大(肝転移),胃癌
 症例6 関連症例 肝囊胞(liver cyst)
■主題症例(3)
 症例7 腹痛・血便
 症例8 関連症例 細菌性結腸炎(O157 感染症例)
■主題症例(4)
 症例9 腫瘤,腹痛,イレウス?
 症例10 関連症例 巨大結腸症
 症例11 関連症例 便秘
■主題症例(5)
 症例12 4 カ月間連続する下痢
 症例13 関連症例 下血/ 直腸癌
■主題症例(6)
 症例14 腹痛
■主題症例(7)
 症例15 腹部膨満!?
■主題症例(8)
 症例16 腹痛で救急外来を受診
 症例17 関連症例 腹部不快感(便秘)
■主題症例(9)
 症例18 逆流性食道炎?
■主題症例(10)
 症例19 急性腹症,一時CPA
 症例20 関連症例 宿便性穿孔/ S状結腸穿孔
■主題症例(11)
 症例21 頻回の嘔吐
 症例22 関連症例 SMA 症候群
 症例23 関連症例 呑気症
 症例24 関連症例 嘔吐(full stomach)

Part 3 林編
■主題症例(12)
 症例15 腹痛・嘔吐
■主題症例(13)
 症例16 腹痛
■主題症例(14)
 症例17 腹痛,嘔吐
■主題症例(15)
 症例18 潰瘍性大腸炎症例の臨床経過
 症例19 関連症例 虚血性腸炎
 症例20 関連症例 腸管囊腫様気腫症
■主題症例(16)
 症例21 腹部膨満感
 症例22 関連症例 尿閉
 症例23 関連症例 慢性膀胱炎・前立腺肥大症
 症例24 関連症例 前立腺肥大症
■主題症例(17)
 症例25 腹痛? 苦悶
 症例26 関連症例 巨大膵囊胞0
 症例27 関連症例 馬蹄腎

Part 4 木編
■主題症例(18)
 症例28 もうすっかりよくなりました! 異常なし?
■主題症例(19)
 症例29 嘔気・食欲不振
■主題症例(20)
 症例30 ルーチン検査
■主題症例(21)
 症例31 突然発症の下腹部痛
■主題症例(22)
 症例32 腹痛,食欲不振
■主題症例(23)
 症例33 肝機能障害・麻痺性イレウス0
 症例34 関連症例 急性胆囊炎
 症例35 関連症例 穿孔性胆囊炎
■主題症例(24)
 症例36 血便
 症例37 関連症例 異物(義歯誤嚥)
 症例38 関連症例 子宮筋腫の石灰化
■主題症例(25)
 症例39 下腹部痛・腰痛
 症例40 関連症例 義歯誤飲→どう対処する?

Part 5 応用編
■主題症例(26)
 症例41 左背部痛・発熱
■主題症例(27)
 症例42 腹痛・背部痛
■主題症例(28)
 症例43 胸やけ
 症例44 関連症例 横隔膜ヘルニア/ Morgagni 孔ヘルニア
■主題症例(29)
 症例45 イレウス?
■主題症例(30)
 症例46 単なる便秘?
■主題症例(31)
 症例47 一見するとイレウス? でも実は……
■主題症例(32)
 症例48 心窩部痛,右季肋部痛,胸水・腹水8
■主題症例(33)
 症例49 嘔気・嘔吐
■主題症例(34)
 症例50 腹痛・歩行障害
 症例51 関連症例 前立腺癌の骨転移

Column 腹部単純X 線診断と漢方医学
参考図書・文献
読者のみなさんへ
索引

Coffee Break
透視力……4 ●何に見えますか?(1)……9 ●CT の位置決め撮影の名称とその意義……17●次元を超える理解……21●恣意的に診る眼……51●To Err is Human……56 ●Bonanza 宝の山……69 ● X線透過度の違い……72 ●偉人たちの金言(1)……77●便のたまりと排便……94 ●偉人たちの金言(2)……106 ●文字ではなく色で答えてください……123 ●何に見えますか?(3)……129 ●何に見えますか?(3)……147●偉人たちの金言(3)……149 ●ラットマン ―多義図形―……163 ●偉人たちの金言(4)……176 ●偉人たちの金言(5)……184 ●はじめてのX 線写真……190 ● 偉人たちの金言(6)……198●すべての可能性を排除しない……202 ●腹部単純X 線を読影する時間……221●腹部単純X 線の読影のヒント……228 ●腹部単純X 線を撮影する意義……247

One Point Advice
読影とは“病態”を理解することである……6 ●必ずしもfree air がわかりやすいわけではない……10●腹部単純X 線撮影の適応と優先順位……13 ●腹部単純X 線の撮影方法(腹部単純X線とKUBの違い)……16 ● Dr. Reed の単純X 線撮影読影ルール……17●読影のしかた……39 ●psuedokidney sign……50 ●gasless abdomen を見た際に疑うべき病態……54 ●結腸のガスの描出……55 ●臨床的推論……68 ●糞便形成のしくみ……89 ●結腸の走行のバリエーション……92 ●糞石ってなに?……101●profiling の手法を使う……107●腹部単純X 線で胃や腸を診る!……114 ●腹部単純X 線の読影の意義……124 ● ALARA 原則……149 ●結腸病態モデル……153 ●腸管のイメージ……156 ● ヨード造影剤投与について……159 ● 腹部膨隆をきたす病態:5つのF(five“F”s)+α……166 ●種々の放射線被ばく……175 ● pneumoportogram vs. pneumobilia の違い……197● snap diagnosis(一発診断)……207●腹部単純X 線における濃淡と病気の大きさ……241

Quiz
何が見えますか?(1)……31 ●何が見えますか?(2)……38 ●いきなりですが診断をしてください……44 ●何が見えますか?(3)……54 ● A のタイルとB のタイルはどちらが濃いでしょう?……63●異常所見を指摘してください……100 ●さて,どう読影しますか?……152 ●何が見えますか?(4)……160 ● Do you find circle?……174

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執筆者一覧

西野徳之 総合南東北病院消化器センター長 著

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