目 次
I.Basic Neuroscience
1.神経生理
1) | オキシトシン,CD38,社会性障害と自閉症. 〈東田陽博〉 | |
社会性行動,社会性の構築とオキシトシン
社会性経験によるオキシトシン経路の可塑性
ASDと遺伝子多型
オキシトシンの治療効果
2) | 大脳基底核の直接路と間接路の機能分離. 〈疋田貴俊〉 | |
運動機能における直接路と間接路の機能
認知機能における直接路と間接路の機能
薬物依存症における直接路と間接路の機能
2.神経病理
1) | パーキンソン病の嗅覚路所見. 〈仙石錬平〉 | |
ヒト嗅上皮の構造
パーキンソン病の嗅球・嗅索病理
パーキンソン病の嗅上皮生検
2) | 錐体路の機能回復メカニズム. 〈糸数隆秀 高橋良輔 山下俊英〉 | |
げっ歯類における皮質脊髄路の再構築と機能回復のメカニズム
霊長類における皮質脊髄路の再構築と機能回復のメカニズム
3.生化学(分子生物学)
1) | p62リン酸化とオートファジー. 〈松本 弦 貫名信行〉 | |
p62は選択的オートファジーのアダプタータンパク質である
p62のリン酸化による選択的オートファジーの制御機構
神経変性疾患と選択的オートファジー
2) | 糖鎖と神経疾患. 〈古川鋼一 大海雄介 大川祐樹 古川圭子 田島織絵〉 | |
ガングリオシドと神経変性
ガングリオシドとAlzheimer病 ガングリオシド欠損症
N-グリカンと脳神経疾患
新型O-グリカンと神経疾患
4.画像
1) | 拡散テンソルの展開. 〈青木茂樹 鎌形康司〉 | |
拡散解析手法とその進歩
拡散テンソルの臨床応用
脳科学への応用
MRIを用いた研究の問題点と展望
2) | 神経伝達機能イメージング. 〈百瀬敏光〉 | |
神経伝達機能イメージングのための放射性化合物の特徴
定量評価法
パーキンソン病における神経伝達機能イメージング
F-18 6-L-fluorodopa(FDOPA)/PET
ドーパミントランスポーター(DAT)
セロトニントランスポーター(SERT)
小胞型モノアミントランスポーター(VMAT2)のイメージング
内因性神経伝達物質放出量の測定
報酬系とドーパミン伝達機能イメージング
II.本年の動向
1) | LOTUSによる神経回路形成機構. 〈栗原裕司 竹居光太郎〉 | |
LOT形成に関わる新規分子LOTUSの同定
LOTUSの結合分子Nogo受容体-1の同定
LOTUSはNgR1の内在性アンタゴニストとして機能する
LOTUSのNgR1拮抗作用がLOT形成を担う
2) | 大脳基底核の内ループ. 〈山中 航 木村 實〉 | |
視床―線条体投射の解剖学的特徴
視床―線条体投射の機能的役割
視床―線条体投射の臨床的意義
3) | 認知症疾患モデル「TDP-43脳脊髄異常蓄積マウス」の開発. 〈秋山治彦〉 | |
TDP-43の異常
TDP-43遺伝子(TARDBP)変異
通常のTDP-43-Tgマウス
テトラサイクリン発現制御TDP-43-Tgマウス
TDP-43生理機能の低下
プログラニュリン遺伝子KOマウス
4) | 新しいアルツハイマー病の診断基準. 〈玉岡 晃〉 | |
従来の臨床診断基準
新しいADの診断基準
新診断基準の問題点と課題
5) | 重症筋無力症の臨床スケール. 〈川口直樹〉 | |
よく用いられている臨床スケール
ADLとQOLの評価スケール 客観と主観の評価
日本で用いる際の注意
ステロイド減量効果
6) | 血液神経関門からみた末梢神経疾患の新規治療法の探索. 〈神田 隆〉 | |
BNBは2つの顔をもつ
BNBが壊れると何が起こるか
BNBを標的とした末梢神経障害の新規治療法へ
7) | 神経疾患に対する鍼灸―Acupuncture―活用の現状. 〈鳥海春樹〉 | |
神経領域疾患に対する鍼灸効果
Trigger-point
Trigger-pointの形成
Trigger-pointの処理法
8) | 神経内科領域におけるレギュラトリーサイエンス. 〈宇山佳明〉 | |
医薬品開発効率向上のための取り組み
レギュラトリーサイエンスとは
神経内科領域におけるレギュラトリーサイエンス
レギュラトリーサイエンスを意識した研究
III.各種疾患
1.感染・炎症性疾患
1) | マイコプラズマ肺炎と神経合併症. 〈楠 進〉 | |
マイコプラズマ肺炎後の神経合併症
マイコプラズマ肺炎後の神経障害と抗Gal-C抗体
マイコプラズマ肺炎後の中枢神経障害と抗Gal-C抗体
抗Gal-C抗体と脱髄
抗Gal-C抗体産生のメカニズム
最近のマイコプラズマ肺炎後の神経障害
2.脳血管障害
1) | 未破裂脳動脈瘤の基礎病理と保存的治療の展望. 〈横井俊浩 野崎和彦〉 | |
未破裂脳動脈瘤の破裂率
未破裂脳動脈瘤の病理
脳動脈瘤形成の分子機構
脳動脈瘤の薬物治療の可能性
2) | 頸動脈病変の内科治療. 〈脇坂義信 岡田 靖〉 | |
無症候性狭窄に対する外科治療
無症候性狭窄に対する内科治療
頸動脈狭窄病変を視野に入れた脳梗塞発症予防への総合的評価
頸動脈狭窄病変に対する積極的な内科治療
3) | 炎症性プラークのイメージング. 〈伊藤義彰〉 | |
18F-FDG-PET
11C-PK11195-PET
MR,CT
3.脳腫瘍
1) | 脳放射線壊死に対するベバシズマブ(アバスチン)療法. 〈古瀬元雅 宮武伸一〉 | |
脳放射線壊死に対する従来の治療方法
放射線壊死に対するベバシズマブの作用
脳放射線壊死に対するベバシズマブの治療効果
脳放射線壊死の臨床上の問題点
ベバシズマブ(アバスチン)治療の今後
2) | 5-アミノレブリン酸(5-ALA)による術中蛍光診断update. 〈成田善孝〉 | |
5-ALAの代謝
術中蛍光診断の実際
腫瘍組織の5-ALAの陽性率
5-ALAを用いた膠芽腫の摘出率と生存期間
蛍光診断の今後
3) | 髄膜腫の自然歴. 〈大宅宗一〉 | |
髄膜腫の自然歴
増大のリスクファクター
髄膜腫の増大と部位や病理組織との関連
臨床上の問題点=最適な経過観察方法を探る
4.外傷
1) | 改正臓器移植法施行後の脳死移植の現状. 〈横田裕行〉 | |
脳死の病態と補助検査
本邦における脳死者数
法律に則った脳死判定
臓器提供の現状と問題点
2) | 学校スポーツと中枢神経外傷. 〈森 照明 川又達朗 中山晴雄〉 | |
日本におけるスポーツ中枢神経外傷の現状
日本における学校スポーツと中枢神経外傷の現状
海外の学校スポーツと中枢神経外傷の現状
日本の柔道による頭部外傷の現状
日本の柔道による脳振盪の現状
海外のスポーツ頭部外傷―最近の脳振盪の動向
5.変性疾患
1) | 鉄と神経変性疾患. 〈浅野剛史 高橋良輔〉 | |
中枢神経系における鉄代謝
遺伝性に鉄代謝異常が生ずる神経変性疾患
鉄代謝異常が関与する神経変性疾患
鉄代謝に注目した神経変性疾患治療の可能性
2) | DfMRI. 〈麻生俊彦〉 | |
脳機能画像法の現状
神経変性疾患とfMRI
神経活動と脳代謝
拡散強調信号
DfMRIのターゲット
DfMRIの実際
DfMRIの信号変化
DfMRIの問題点
6.中毒・代謝疾患
1) | ポルフィリン症と神経障害. 〈小西高志 宮嶋裕明〉 | |
ポルフィリン症の基本的な病態
ポルフィリン症の各病型と最近の知見
ポルフィリン症における神経障害の概要と最近の知見
急性型ポルフィリン症の診断
神経障害を伴うポルフィリン症の治療
7.脱髄・免疫性疾患
1) | 自己免疫性小脳失調. 〈松永晶子 米田 誠〉 | |
抗GAD抗体関連小脳失調症
小脳失調型橋本脳症
8.末梢神経障害
1) | Charcot-Marie-Tooth病に対する治療の進歩. 〈中川正法〉 | |
CMTの臨床症状と遺伝子診断
CMTに対する薬物治療
モデル動物を用いた治療法の開発の最近の進歩
期待されるCMT治療戦略
投与に注意した方がよい薬物
炎症性ニューロパチーとCMT
外科治療とリハビリテーション
2) | 抗MAG抗体陽性IgM-MGUSニューロパチーのリツキシマブによる新規治療の可能性. 〈川頭祐一 飯島正博 小池春樹 祖父江 元〉 | |
抗MAGニューロパチーのclinical profileと診断
抗MAGニューロパチーの病態
リツキシマブ療法の有用性
リツキシマブ療法の治療反応性に関係する因子
9.神経筋疾患
1) | 高CK血症を伴う新しいミトコンドリア病. 〈岡本裕嗣 高嶋 博〉 | |
新疾患同定の背景
MIMECKの臨床経過,病理,生化学的検討
MIMECKの分子遺伝学的検討
考察
今後の課題
2) | 福山型筋ジストロフィーの分子病態と治療. 〈戸田達史〉 | |
フクチン遺伝子と福山型の幅広い臨床スペクトラム
ジストログリカンの糖鎖修飾異常と最近の話題
FCMDはスプライシング異常症である
SVAによるエクソントラッピングとヒトの進化,多様性,疾患
FCMDに対するアンチセンス療法「エクソントラップ阻害療法」
3) | Anti-SRP myopathy. 〈鈴木重明〉 | |
Signal recognition particle(SRP)とは
抗SRP抗体の検出法
抗SRP抗体の診断的意義
壊死性ミオパチー
慢性に経過するanti-SRP myopathy
Anti-SRP myopathyにおける2つの病型
10.自律神経障害
1) | 瞳孔科学の新しい展開―瞳孔反応と情動. 〈堀 悦郎 小野武年 西条寿夫〉 | |
瞳孔調節の神経回路
瞳孔径の変化を脳機能の指標とした研究
11.機能性疾患
1) | 心因性(機能性)ジストニア―fixed dystoniaを含め―. 〈宮本亮介 梶 龍兒〉 | |
症状,疫学的リスク
病態生理
その他の検査
予後,治療
2) | 緊張型頭痛の発症機序. 〈大熊壮尚 北川泰久〉 | |
はじめに
末梢性疼痛メカニズム
中枢性疼痛メカニズム
索 引