序
　従来単純Ｘ線像を中心に行われていた放射線診断も，CTの出現により大きく様変わりした.さらに超音波やMRIなどの電離放射線を用いない方法の普及により画像診断という用語が一般的になってきている.しかしいかに新しい技術が開発導入されても，解剖学が生体の肉眼的形態診断の一番の基本であることに変わりはない.まずは生体のいかなる構造が画像化されているかに関する正確な知識が読影の出発点となるのである.本書は，臨床的に遭遇する頻度の高い単純Ｘ線像に一部断層像，血管造影像，尿路造影像を加えた様々なＸ線像のアトラスとして企画された.従来のものとは異なりシェーマの代わりに実際のＸ線像に解剖学的名称を重ね合わせ，正確を期した.本テキストがＸ線撮影室や読影室に常備され，正常解剖の理解とともにＸ線像が撮影されたか否かの確認などにも活用されれば，これに過ぎる喜びはない.
　最後に本書の企画，校正で御世話になった中外医学社の小川孝志さんと森本俊子さんに謝意を表します.

1995年９月26日
大友邦

目　次

§1.頭頸部
　A.頭蓋Ｘ線単純および断層Ｘ線像
　　頭蓋正面像
　　頭蓋側面像
　　TOWNE像
　　頭蓋底像
　　副鼻腔正面像
　　副鼻腔側面像
　　WATERS像
　　CALDWELL像
　　副鼻腔前額面断層像
　　STENVERS像
　　SCHULLER像
　　中内耳前額面断層像
　　眼窩正面像
　　視神経管像
　　下顎骨正面像
　　顎関節眼窩内投影像
　　顎関節側面像(開口位)
　　顎関節側面像(閉口位)
　　Orthopantomo像
　B.頭頸部の血管系
　　内頸動脈正面像(動脈相)
　　内頸動脈正面像(静脈相)
　　内頸動脈側面像(動脈相)
　　内頸動脈側面像(静脈相)
　　外頸動脈正面像(動脈相)
　　外頸動脈側面像(動脈相)
　　椎骨動脈正面像(動脈相)
　　椎骨動脈正面像(静脈相)
　　椎骨動脈側面像(動脈相)
　　椎骨動脈側面像(静脈相)
　　頸部の動脈像

§2.骨格系　脊椎・四肢
　A.脊椎Ｘ線像
　　頸椎正面像
　　頸椎側面像
　　頸椎斜位像
　　頸椎正面像(開口位)
　　胸椎正面像
　　胸椎側面像
　　腰椎正面像
　　腰椎側面像
　　腰椎斜位像
　　仙骨尾骨正面像
　　仙骨尾骨側面像
　B.四肢骨のＸ線像
　　肩甲骨正面像
　　肩甲骨軸位像
　　肩関節正面像
　　肩関節軸位像
　　上腕骨正面像
　　肘関節正面像
　　肘関節側面像
　　前腕骨正面像
　　手関節正面像
　　手関節側面像
　　手指骨正面像
　　股関節正面像
　　LAUENSTEIN像
　　大腿骨正面像
　　膝関節正面像
　　膝関節側面像
　　膝蓋骨軸位像
　　下腿骨正面像
　　足関節正面像
　　足関節側面像
　　踵骨軸位像
　　足趾骨正面像
　C.四肢の血管系
　　鎖骨下動脈
　　腋窩動脈
　　上腕動脈
　　上腕，前腕の動脈
　　手の動脈
　　大腿動脈
　　膝窩動脈
　　下腿の動脈
　　足の動脈

§3.胸腹部
　A.胸腹部Ｘ線像
　　胸部正面像
　　胸部側面像
　　乳腺撮影側面像
　　腹部正面像
　　腹部正面像(拡大像)
　　骨盤正面像
　　骨盤計測(GUTHMAN)
　　骨盤計測(MARTIUS)
　　排泄性尿路造影像
　　逆行性尿道造影像
　　子宮卵管造影像
　B.胸腹部の血管系
　　胸部大動脈第二斜位像
　　胸部大動脈正面像
　　腹腔動脈正面像(動脈相)
　　腹腔動脈正面像(門脈相)
　　上腸間膜動脈正面像(動脈相)
　　上腸間膜動脈正面像(門脈相)
　　下腸間膜動脈正面像(動脈相)
　　骨盤動脈正面像
　　内腸骨動脈正面像

索引

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